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植物の病気「さび病」の原因や対策方法をご紹介!葉裏にできる斑点には注意?

植物が赤くさびたようになってしまうさび病。放置しておくと植物を枯らすことも。今日は植物の葉裏にできる斑点である「さび病」についてとその治療法・対策方法をご紹介していきます。野菜や花の葉裏の斑点が気になっている人は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
2020年8月27日
佐藤3
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さび病とはどんな病気なの?

さび病は赤褐色のさびのような色をした斑点が有名ですが、赤以外にも黄色、黒、白、灰色と斑点の種類があり、それぞれ発生時期がちがいます。さび病にかかると見た目が悪くなるだけでなく、発育が悪くなり最悪の場合植物が枯れてしまうこともあります。さび病の予防や植物がかかってしまった時の原因と対策・治療方法をご紹介していきましょう。

【病害虫】さび病/病気の発生時期と特徴

さび病が発生する時期、また他の病気との見分け方としてその特徴をご紹介していきます。植物に斑点が出て「これは何の病気なんだろう?」と気になるときにチェックしてみてください。

発生時期

さび病の発生に深く関係するのは、気温と湿度です。特に春と秋に雨が多く湿気ている年はさび病が多く発生するといわれています。特に気をつけて葉裏や茎を観察し、斑点を見つけたら早急に病気の葉や茎を排除しましょう。24度以上の温度では発生しないので真夏を除く、春と秋がその発生時期となります。

特徴

さび病にかかった植物の特徴として、赤な黄色、黒や灰色など葉裏や茎に斑点状の色の変化があらわれます。茎に発生したさび病は茎さび病と呼ばれることがありますが、葉裏に発生するさび病と同じものです。そして、その斑点はやや盛り上がっているのもさび病を見分ける特徴的なポイントとなります。さび病にかかった植物はゆがんだりねじれたりという形の変化が起こります。

【病害虫】さび病/病気の例1

さび病の中でもキクにでるさび病を例としてご説明します。どこから病気があらわれてくるのか、どう病気が進行していくのか、またキクにつくさび病菌の越冬についてもご紹介しています。

キクのさび病

キクのさび病は葉裏からよく見かけられます。最初は直径1mmほどの白い斑点なので気づきにくいですが茎に出た場合は比較的早い段階から見つかることもあります。だんだんと病気の斑点は大きくなって5mmほどの斑点になる場合もありコブになります。葉裏にあらわれると葉が変形。茎にあらわれると生育を阻害して植物を弱らせていきます。

同種寄生菌

キクは多年草なのでそのままさび病の菌がついた株に潜んで越冬します。翌年の春になるとこの胞子が飛散して一次感染します。

【病害虫】さび病/病気の例2

さび病は春や秋の温暖な時期に発生する病気ですが、一部寒い地方に多く発生するさび病もあります。

トウロモコシのさび病

さび病は春から秋の季節に発生しますが、その中でも特に東北や北海道などの冷感地に多く発生する種類のさび病がトウロモコシのさび病の特徴です。やはり葉裏から多く発生して茎にも発生することがあります。大きさは2mmから5mm程度。

中間宿主


トウモロコシにつくさび病菌は秋には冬胞子になり、カタバミ類などに寄生して冬を越します。トウモロコシを植えている側にカタバミ類があり、さび病が発生したら発生したトウモロコシだけでなくカタバミ類も処分した方がよいでしょう。

【病害虫】さび病/病気の原因

さび病はどうしておこるのでしょうか。さび病の原因を3つご紹介していきます。

原因1:カビ

さび病の病気の原因は葉裏や茎についたカビ(さび病菌)です。カビは暖かく湿った場所が好きなので、日当たりが悪い、湿気た土地にある植物は、このさび病のカビ菌が発生しやすくなってしまいます。

原因2:チッ素

さび病に限らず、植物の病害虫はチッ素過多になりすぎることが原因になり発生します。カビがあったとしても植物がバランス良い栄養をとっていれば丈夫に育ち、植物の葉裏や茎がさび病にかかる確率は格段に下がります。このことからチッ素肥料の与えすぎもさび病の原因となっています。

原因3:病気の株の放置

さび病のカビは異なった植物の間を移動する菌と同じ植物についたまま越冬する菌の2種類あります。アスパラガスにつくさび病はアスパラガスと一緒に越冬します。さび病が発生した株をそのまま放置していると、引き続きさび病の菌が寄生したままになっています。これが翌年のさび病の原因となります。

【病害虫】さび病/病気の種類

ひとくちにさび病といいますが、いくつかの種類があります。また、同じようなさび病でも種類によって治療に使用する農薬などが違ってきます。さび病の種類を見てみましょう。

灰色カビ病

ボトリチス菌というカビの一種によって発病するのがこの灰色カビ病です。さび病は葉裏や茎が錆びたように赤くなるというイメージを持たれる人も多いですが、赤褐色になるほかにも、このように灰色になるさび病の種類もあります。

赤星病

カイヅカイブキという木と他の植物の間をカビの一種の菌が行き来することによって発生するのが赤星病です。そのカビ菌の名前は「異種寄生菌」とも呼ばれます。カイヅカイブキをはじめとするビャクシン類を宿主とするためビャクシン類のそばにある木の葉裏や茎に発生します。

黒さび病

黒さび病はオオムギやコムギに主に発生しやすいさび病の中のひとつです。一般的な赤いさび病もこのオオムギ・コムギのさび病に含まれており、カビの一種である菌により発生しますが、そのカビ菌の種類が違うと発育する温度が違い、黒さび病はさび病の中でも一番遅くに発生します。

白さび病

白さび病はさび病と名前がついていますが、その原因菌がまったく違う種類のカビの仲間であるため、赤や黒くなるさび病とは違う種類の病害虫被害とされています。ハクサイ、カリフラワー、カブなどの植物に発生しやすい病害虫被害となっています。

【病害虫】さび病/病気の伝染

さび病の困った点は、伝染して広がってしまうことでしょう。さび病の伝染について見ていきます。

同じ植物への伝染


さび病の菌はいくつかの種類があり、つく植物が決まっています。同じ植物であれば、さび病にかかった葉や茎をそのまま放置していけばどんどん伝染していくことになります。見つけ次第取り去り焼いてしまうのがよいでしょう。

中間宿主からの伝染

異種寄生菌によりさび病に感染する植物は、その植物だけでなく近くに生えている中間宿主もさび病にかかっています。いくらさび病の株を処分しても毎年さび病が発生するときは近くに中間宿主となっている植物がないか探してみましょう。

違う植物への伝染

さび病にはいくつか種類があるというお話をしましたが、植物によってかかるさび病の種類が決まっています。いくらさび病の株がそばにあったからといって、その植物にかからない種類のさび病なら伝染することはありません。

【病害虫】さび病/植物と中間宿主例

さび病にかかる代表的な植物とその中間宿主をご紹介しましょう。 ①アジサイとスズタケ(中間宿主) ②トウモロコシとカトバミ(中間宿主) ③ぶどうとアワブキ(中間宿主) ④芝とヘクソカズラ(中間宿主) これは一例ですが、これらの植物が近くにある場合は、さび病にかかってしまった時は両方において、治療と対策をする必要がでてきます。その方法は次で詳しくご説明します。

【病害虫】さび病/病気の対策

さび病防ぐためにできる対策をご紹介します。大切な植物を、さび病から未然に防ぎたいという人必見です。

対策1:水はけ

さび病菌はカビの一種ですから適度な温度と湿度によって繁殖します。温度は植物の育成にも必要なことですから変えようがありませんが、水はけをよくすることでカビを防いで植物に良い環境をつくることができます。土壌の改善をして水はけの良い土を用意してあげましょう。

対策2:肥料

同じ環境でもカビ菌に感染するしないは植物自体の丈夫さ、強さにも関係してきます。また、カビ菌の餌となる栄養が多いとどんどんさび病が広がっていきます。肥料の量は多すぎてもだめ、少なくてもだめです。さび病対策は、適切な量の肥料をあげすぎないよう注意してあげましょう。

対策3:風通し

いくら土を改良して水はけをよくしても、植物が生い茂って葉の中の湿度が高くなってしまっては意味がありません。植物同士が密接しないように、葉が茂りすぎていたら適度に切ってあげるなど風通しを良くすることでカビ菌対策ができます。

【病害虫】さび病/病気の治療

植物がかかってしまったさび病。その治療方法として農薬を使わない方法と、さび病治療の農薬の2つについてご説明していきます。

治療

さび病は農薬を使わずに治療するのは非常に難しいです。最悪、さび病にかかってしまった苗を処分することにもなりかねません。さび病を見つけたらその葉を切り取って離れた場所で燃やして処分します。中間宿主となる植物についても同様に切ってしまえるものであれば、切って同様に燃やしたり土に埋めて処分します。

農薬


蔓延してしまったさび病や、完全にさび病を治療するには農薬の散布が必要となってきます。さび病にも種類がありますので、植物によって農薬を選ぶと良いでしょう。4種類の農薬と効果のある植物例をご紹介します。

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STサプロール乳剤は芝につくさび病治療に効果のある農薬です。芝ならば西洋芝でも日本芝でもほとんどの芝に使えます。この他、バラのうどんこ病にも優れた効果を発揮してくれますのでさび病の治療とともにうどんこ病にかかってしまったバラにお悩みでしたらこちらの農薬がおすすめです。キクやネギの白さび病治療にも効果があります。

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もち病、炭そ病、斑点病などカビ菌によって起こる植物の病気治療に効果のある農薬です。ネギやワケギ、らっきょう、なばな、はくさいなど野菜のさび病の他、ツツジの褐斑病にも効果があります。

カリグリーン

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すべての野菜やハーブ、ブルーベリーのさび病治療に効果のある農薬です。野菜の収穫前日まで使うことができるので収穫前の野菜に散布したいという人でも安心して使うことができます。ただし、かぼちゃに対しては効果が薄いので散布間隔を短くするなどして対処する必要がでてくるでしょう。

サンケイエムダイファー水和剤

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サンケイエムダイファー水和剤はバラやキク、カーネーションなどの花のさび病治療に効果のある農薬です。この他柑橘類の黒点病にも効果を発揮します。発病初期に散布するのが好ましいので、見つけ次第すぐに散布すると良いでしょう。

まとめ

野菜や花、芝などにでき、見た目を損なわせてひどくなると植物を枯らしてしまうこともあるカビが原因であるさび病。しっかり治療していかないと越冬して翌年にもまた発病して広がっていきます。さび病の発病しづらい環境を作ってあげるとともに、適切な農薬の利用なども合わせて根絶やしにしたい植物の病気です。さび病にお悩みのときはぜひ参考にしていただければ幸いです。

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