雑木風の庭づくりには作り方にコツがある
雑木風の庭づくりと聞くと、我が家の狭い庭では無理だと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。また、美しいガーデンや広大な林を想像し、自分ではとても作れるものではないと考えてしまいがち。しかし、庭のちょっとしたスペースを使い、デザインやレイアウトをしっかりと決めれば、十分に雑木風の庭を作ることは可能です。
デザインやレイアウトからコツを取り入れていく
雑木風の庭を作るにあたって、まずはどんなふうに雑木風の庭を作っていきたいのか、参考デザインやレイアウトから考えていきましょう。そのためにも、庭を作るスペースがどこなのか、広いのか狭いのかなどを特定することが大切です。そして、庭づくりの作り方のコツとなる7つのポイントを押さえながら、作り上げた雑木風の庭のイメージを実現させてみましょう。できることからはじめて、少しずつ時間をかけていくことで、雑木風の庭を手作りで実現することが可能となります。
雑木風の庭ってどんな庭?
雑木風の庭とは、雑多な樹木を使った自然のままの庭のことです。故郷の里山を思い浮かべる方もいらっしゃれば、近所にある雑木林、旅先で印象的だった自然などを想像される方もいらっしゃるかもしれません。雑木を使うという点からすると、人為的な庭ではなく、どこにでもあるような雑木を使った庭となりますが、自分で手作りする庭はすでに人為的な庭となってしまいます。つまり、雑木風の庭とは、あくまでも、飾らずさりげなく、凝った庭づくりではない、できることからはじめる庭づくりということになります。
雑木風の庭に欠かせない植物
雑木風の庭に必要な植物とは、樹木、草花、下草などです。雑木風の庭を作る場所に応じて、具体的には日当たりのいい場所か日陰なのかによって、どんな樹種の植物がいいのかを考えるほか、玄関か通路かによって、樹高が高くなる樹種がいいのか低くなる樹種がいいのかなど、植える樹木も変ってきます。石や岩を配したら、自然に草花や下草を植えると、ありのままの自然感が生まれます。植物を上手に取り入れて、理想の雑木風の庭を自分で作ってみましょう。
雑木風の庭で使う樹種の選び方
雑木風の庭づくりで選びたい樹種は、庭のどこに作るのか、広い場所か狭い場所なのか、日当たりはどうか、樹高はどの程度がいいのか、花や実を楽しめる樹種がいいのか、紅葉などの季節感を感じる樹種がいいのかなど、庭のあらゆる環境から考えていく必要があります。このため、まず自分で作る庭のレイアウトやデザインが重要になってきます。どのようなスペースにどういった雑木風の庭を作るのか、そこでどんな樹種の植木が合っているのかなど、具体的に作り上げていきましょう。
樹種を選ぶには想像力が必要
作りたい雑木風の庭のイメージができたら、具体的な樹種を決めていきます。樹種を選ぶ際、重要となるのは、植える植木がどのように生長していくのかを想像することです。気に入った植木が落葉樹であった場合、生長していく過程で落ち葉を掃除する日課が待っていることを想像しなければならないし、常緑樹だからといって放っておいてもいいというわけではありません。また、日当たりや土の状態などによって、元気よく育っていくかどうかも異なります。
雑木風の庭で生かしたい素材とは?
雑木風の庭づくりで大切な素材いえば、石や砂利、枕木といった自然の素材です。ナチュラルガーデン風情に、整然と並んでいるように見えて、実は不ぞろいな敷石のように使うのも一興、大きさのちがう素材を使って飛び石のように並べるのも一興です。自然のアイテムをうまく取り入れると、ありのままの自然の風情がグッと引き立ち、殊に雑木風の庭づくりでは活躍させたいです。
作り込まずにありのままを再現するのがコツ
雑木風の庭では、和風の庭園のような演出をあまり取り入れないように心がける必要があります。あくまでも自然に、ありのままの姿を再現するように意識しなければ、雑木風の庭ではなくなってしまうからです。石や木材などの素材は、下草や草花などと合わせて、さりげなく雑木風の庭を演出するために使っていきたいものです。
雑木風の庭づくりで参考になるデザインやレイアウト①
狭い外構部分ではなく、広いスペースに雑木風の庭を作ることが可能な場合、背の高い常緑樹などをうまく取り入れて、壁側から半日陰を作り、手作りのガーデン的な装いを払拭します。樹高の高い植木の足元に、花が楽しめる草木を植えると、デザインされた庭という印象がなくなります。下草や敷石をうまくレイアウトし、雰囲気になじんだ和風の植木とデザインしていくと、和風の庭となります。
枕木や可憐な草花をさりげなくデザイン&レイアウト
石ではなく、木のぬくもりをより取り入れたい場合、ウッドデッキを配してヨーロッパ超のガーデンをデザインするのではなく、枕木を不揃いに配して敷石のようにすると、自然な雑木風の庭を作り出すことが可能です。西洋風の庭は、人為的に作り込んでいく印象がありますので、なるべく自然のままを飾らないようにすることも大切です。花を取り入れたい場合は、草花を足元に配するようにして、凝ったガーデンにならないようにレイアウトしてみましょう。
雑木風の庭づくりで参考になるデザインやレイアウト②
玄関までのアプローチを雑木風に仕上げたい場合、樹高の高い木を配して目隠しとしての働きも兼ねることで、ナチュラルな印象を与えることができます。庭によっては、生垣などで目隠しをする必要がある場合もありますが、なるべく自然の素材を使いたいです。敷石等を配する場合も、石の周りに下草をさりげなく植えるなどの手法も有効です。
西洋風ガーデンにならないために
玄関までのアプローチは、アーチを使ったり、ウッドチップなどを配したりと、さまざまな方法で庭づくりを作り込んでいくのも楽しいものです。が、このように作り込んでしまうと、雑木風の庭というよりも、西洋風ガーデンとなってしまいます。雑木風の庭とはあくまでも自然で素朴であることが大切です。作り方にちょっとした工夫を凝らして、それぞれの樹木の自然の姿を生かしていくようにしましょう。
雑木風の庭づくりで参考になるデザインやレイアウト③
玄関周りをはじめ、庭の片隅などのちょっとした狭いスペースを上手に使って雑木風の庭を作る場合、多くの植木を配する必要はありません。樹高に一定感を与えず、高い植木や低い植木をあえてバラバラにデザイン&レイアウトすることで、ありのままの自然の姿を再現することができます。狭いスペースでも自分で作ることができますので、ぜひ取り入れてみましょう。
足元に緑を配するのもおすすめ
雑木風の庭を作る際、忘れたくないのが樹高の低い樹木や草花、下草などの存在です。とくに狭い場所で雑木風の庭を作ろうとする場合、目線を下にして緑を配していくことで、ぐっと庭の雰囲気が引き立ちます。何気なく咲いている草花、地面をはう下草をしつこくない程度に再現することで、狭いスペースであっても雑木風の庭を引き立たせることができますので、庭を作る際はぜひ参考にしてください。
雑木風の庭の作り方のコツ①
どのようなタイプの庭であれ、庭を作ろうとする際に重要なのは、デザインやレイアウトです。ことに広いスペースに作ろうとする場合、どのような庭にしていくのかを考えず、やみくもに樹木などを植えてしまうと、収拾のつかないことになってしまいます。しかも、樹木を植えてしまった後で、庭のデザインやレイアウトを変えるのは非常にむずかしいため、まずは庭全体のイメージを作っていくことが大事です。
参考にする庭を特定すると手作りしやすい
とはいえ、限られたスペース、それが広いスペースか狭いスペースかは問わず、作っていこうと考えている庭を具体的にどのように雑木風に仕上げていくのかを考えるのは、とても難しいものです。そんなとき、参考にするお手本のような庭があると庭を手作りしやすいので、好きな庭園や近所の雑木林などを訪れるのもいいかもしれません。いずれにせよ、まずは庭全体のイメージを作ってから、庭づくりをはじめていきましょう。
雑木風の庭の作り方のコツ②
植物を植えるということは、その植物が環境に応じて生長していくことでもあります。気に入った樹木などを植える際は、数年後、樹木が生長していく姿を想像することが非常に大切で、とくに狭いスペースに樹高が高くなる植木を植えてしまったら、近隣に迷惑をかけることになってしまうなどの問題が起こる可能性があります。十分な広さのある庭であれば問題はないかもしれませんが、庭づくりで意識しておきたい点です。
いまではなく将来の姿を想像することが重要
ことに雑木風の庭を手作りするとき、自然のままを再現しながら手作りしていくことを意識するようにします。樹木を選ぶ際は樹種を十分に考えて、5年後、10年後はどのような姿になるのかをイメージするようにしましょう。とくに、狭いスペースに雑木風の庭を手作りしようと考えてらっしゃる場合、植物の性質などもしっかりと把握しておくと、デザインしたイメージどおりの庭を作ることができます。
雑木風の庭の作り方のコツ③
雑木林や公園などの樹木を見ると、さまざまな樹種の木が雑多に植えられていることに気づかされます。実際に自分で庭を作ろうとすると、つい樹種が偏ってしまったり、樹高がそろってしまったりすることがよくあります。雑木風の庭づくりでは、さまざまな樹種の植木を取り入れて、手作りではあっても手作りではないように、自然を再現していく必要があります。凝ったガーデン風の庭を作るわけではないので、意識したい重要なポイントです。
いろいろな樹高や品種の植木を取り入れる
雑木風の庭をどこに作っていくのかにもよりますが、とくに狭いスペースを利用して作る場合、ひとつの株からいくつもの幹が伸びている株立ちの樹木を上手に取り入れると、雑木風の庭を作っていくことが容易となります。また、高木や低木の植木を上手に配置し、下草などもうまく使って、雰囲気のある景観も作り上げていきたいです。
雑木風の庭の作り方のコツ④
庭の広さなどによってレイアウトなどは異なりますが、広い庭に雑木風のレイアウトを手作りすると、陥りやすいのが、植物の植えすぎです。もちろん、どんなふうに雑木風の庭を作っていくのかによっても、樹木が密集した部分を作るのもデザインのひとつですが、樹木が密集しすぎてしまうと、日当たりや風通しが悪くなってしまうことにもつながりますので、密集している部分とそうではない部分を作っていくことも重要となってきます。
メリハリのあるデザインをめざす
雑木風の庭づくりでは、植物をたくさん植えることがいいというわけではありません。下草が所々に点在したり、石や枕木などが配されていたりと、さまざまな要素が自然に現れます。このため、下草をまんべんなく敷き詰めたり、小石を通路にぎっしりと敷き詰めたりしてしまうと、いささか不自然な印象を与えてしまいます。まずは少しずつはじめてみて、植物の生長を確認しながら庭のデザインやレイアウトを変えていくという方法もおすすめです。
雑木風の庭の作り方のコツ⑤
狭いスペースの中で庭づくりを楽しんでいる方は多いかと思います。よほどのことがない限り、広々とした庭を有することは難しいのが現状です。ちょっとしたスペースしかなくても、あるスペースを上手に生かして、庭や家の全体の印象をナチュラルガーデン風にしていくと、懲りすぎた西洋風ガーデンのような庭ではなく、雑木風のありのままの自然を取り入れた庭を作ることができます。
狭い場所を生かすアイデアを取り入れる
狭いスペースをどのように使いこなすかは、その場所の日当たり、日照時間などをしっかりと把握して、その条件に合った樹種の樹木を的確に植えることです。そうすることで、日頃の管理もしやすくなり、枯れたり植え直したりする必要もなくなります。庭ができあがったら、植えた樹木の生長の様子を観察して、より自然に近い庭にするために工夫していくようにしましょう。
雑木風の庭の作り方のコツ⑥
あくまでの自然の雑木風を装って、小石や岩を配した庭、ついあこがれてしまいますが、実際に使ってみると、いかにも手の込んだ庭園や西洋風ガーデンになってしまいます。自然の素材をさりげなく使うのは、実は非常にむずかしく、取り入れすぎてもよくないけれど、まったく取り入れないのも不自然になってしまうものです。この微妙な塩梅をうまく作っていくことは、雑木風の庭づくりの重要なポイントとなってきます。
自然の素材をさりげなく
小石や枕木といった庭づくりの素材は、かんたんに購入することが可能です。ただ、購入した素材を使うと、いかにも人為的で手の残った庭という印象をぬぐうことができなくなってしまいます。手作りだけどあくまでも自然な装いの庭にしていきたい場合、購入せずに使い古したもの、たとえば庭の土に埋まっていた小石などから使ってデザインし、アイデアを膨らませていくという方法で、さりげなく使うことが可能となります。
雑木風の庭の作り方のコツ⑦
自分で庭を作っていると、アイデアが煮詰まってしまい、どうしたらいいのかわからなくなってくることもあります。とくに細かい部分を気にして作っていると、全体のバランスがおかしくなってしまったり、とりとめのない雑然とした庭になってしまったりすることもあります。雑木風とひと言でいっても、うまく作っていくのはむずかしく、収拾がつかなくなることもあります。
近くを散歩するのもおすすめ
雑木風の庭づくりに疲れてしまったり行き詰まってしまったら、気分を入れ替えて、近所の公園や真似してみたい庭などを散歩してみることをおすすめします。たとえ有名な庭園であろうと、だれかの家の庭であろうと、ふらっと庭園内を散歩したり、玄関先をちょっと見てみたりするだけで、アイデアが浮かんでくることがよくあります。手作りの庭づくりでどうしようもなくなったら、手を止めてふらっと外に出てみるようにしてみましょう。
雑木風の庭の作り方のコツ⑧
雑木風の庭を作ろうと計画していらっしゃる方は、庭に対する意欲も高く、真剣に取り組もうとされてらっしゃるはずです。本格的に自分で作ってみようとしたら、かなりの予算もかかる上、作業も手がかかってくるようになり、重労働となっていくことは確実です。そうなると、せっかく楽しく自分で庭を作ろうと思っていたことが精神的にも肉体的にも負担となってしまいます。それでは元も子もありません。
庭を楽しむという基本を忘れずに
自分ではどうにもできなくなってしまったら、プロに相談してみるのもひとつです。どうしようもなくなって、放置しておくというのはよくないことですので、そんなときは第三者に相談してみましょう。シロウトがどのように考えても思い浮かばないように発想やそれまでの経験から、無理なく雑木風の庭を作り上げていくことができるかもしれません。庭づくりは楽しい反面、失敗が許されないというプレッシャーが強いられることでもあります。庭を楽しみたいという基本に立ち返り、ストレスなく理想の庭を作っていきたいです。
さっそく雑木風の庭を自分で作ってみよう
プロの手に頼らず、自分で手作りする雑木風の庭。デザインやレイアウトをしっかりとして、作り方のコツを押さえながら、工夫を凝らしたガーデン風ではなく、あくまでもありのままの自然を再現するように作っていくことが大切です。狭いスペースであっても、ちょっとしたアイデアですてきな庭づくりが可能となりますので、さっそく手作りしてみましょう。
庭木が気になる方はこちらもチェック
本稿では庭木に選びたくなる樹種についてあまりご紹介できませんでした。庭木の樹種が気になる方はこちらもチェックしてみてください。
庭に植えるなら常緑樹!庭木で育てやすい人気の常緑樹おすすめ10選!
庭に植える育てやすい常緑樹を探していた人は要チェックですよ。人気の常緑樹を、おすすめ10選にしてまとめてみました。花が咲く庭木や高木・中木・...
【手間がかからない】おすすめの低木15選!庭木として人気の常緑低木も!
自宅の庭をガーデニングするなら、まずは庭木や花があってこそ。低木だったらサイズが小さく、お手入れの時間も取らせず、お金も手間のかからないガー...
常緑樹とは?その特徴と育てやすくて庭木にも人気な種類16選をご紹介!
年中景観を楽しむことができる常緑樹はシンボルツリーとしても大活躍!庭に植えるのに育てやすい人気の常緑樹を普段の手入れの解説も含めてご紹介しま...