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蘭の種類12選!人気の洋蘭など、花の特徴や見分け方から花言葉まで解説!

花の贈り物ではハイランクが蘭の花ですね。蘭と言われる種類は実にたくさん有り、東洋蘭や洋蘭を含めて栽培愛好家も多くおられます。年1回東京で開催される「世界ラン展」も大盛況ですね。そんな人気種類の洋蘭や、花の特徴や見分け方から花言葉までをご紹介しましょう。
2020年8月27日
Meigen Oka
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蘭とは!

単子葉植物(種子から発芽した時の葉が1枚のもの)のなかで著しく進化した植物です。キク科やマメ科に次いで多くの種類がある植物群です。蘭と呼称されるものには、中国と日本それぞれで古来から鑑賞を目的として栽培され珍重されている「東洋蘭」と、主に熱帯アジアなど熱帯雨林地域に自生分布していて、派手な色合いで美しい花を咲かせる品種が多いことから、人為的に交配育種もされている「洋蘭」があります。多年性の蘭は世界中に約500属が分布し、原種として約2万種が存在しています。交配され改良された品種に至っては約10万種にも登るとされています。

蘭の植生

蘭の大別する植生としては、根の張り方に特徴があり、土中に根を張る「地生蘭」と高い樹木の枝や幹、または、岩などに根を這わせる「着生蘭」とに別けられます。東洋蘭、洋蘭ではパフィオペディラムなどが「地生蘭」に入り、胡蝶蘭、カトレア、オンシジュームなどが「着生蘭」の仲間になります。

地生蘭と着生蘭の違い

「地生蘭」の特徴は、葉茎には水を蓄えておく器官は未発達ですが、毛根などが発達していますので、通常は地中に根を張って、土の中に既に含まれている養分や水分を取り込んで生育しています。「着生蘭」の特徴的なことは、樹木の枝や幹に根を這わし、株の基部から茎を伸ばして葉を付けると、その茎が円みを帯びて肥厚する「バルブ(偽球茎)」と呼ばれる、水分や栄養分を蓄える器官を作ります(但し、胡蝶蘭にはありません)。

着生蘭の特殊な機能

着生蘭には、CAM植物と呼ばれる特殊な機能を持った特性があり、他の植物とは逆の作用をして、日中は気孔を閉じて水分の蒸発するのを防いで、夜間に二酸化炭素(CO2)を取り込む光合成を行う特徴があります。

洋蘭人気種類①・シンビジューム

特徴と生育の見分け方

シンビジュームは、日本で流通している洋蘭の仲間では一番ポピュラーな人気種です。東南アジア原産で様々な原種を交配して育種されています。湿度がある地域の樹木の幹に根を張る着生蘭ですが、条件のある土壌にも根を張ることもある半地生蘭でもあります。少々の寒さにも強い耐寒性があるので、比較的丈夫さもあって生育させやすい洋蘭です。

花言葉

シンビジュームの名前の由来は、その花姿の一部であるリップ(唇弁)で”舟の形”という語源からきています。花言葉には花色にあまり原色がない事ことからであろうと思われる「飾らない心」「素朴」や、パステル調のきれいな色が多い事から「高貴な美人」「華やかな恋」と付けられています。

管理のポイント

葉芽と花芽も見分け方が難しく、葉芽は芽自体が厚みがなく葉先が細く尖っています。花芽は全体に丸く厚みがあってふっくらとしています。葉芽が多く出ている場合は、花芽に養分が行かなくなりますので、バルブひとつに1芽を残して他はかき取っておきます。日当たりの良い明るい場所であれば良く生育します。

洋蘭人気種類②・胡蝶蘭(ファレノプシス)

特徴と生育の見分け方

胡蝶蘭という名前は、蝶が舞う様を現すことからです。慶弔を問わず花のギフトとして大変根強い人気を誇っています。ラン科ファレノプシス属で、原産は東南アジアの熱帯雨林地域の着生蘭です。特徴としては、着生蘭に多いバルブは生成せず、肉厚の葉に水分や養分を蓄えます。花も大型から小型系まで多種あり、花色も白系、ピンク系、黄系などの他、リップの色もそれぞれ違いがあって、その花姿の華麗なことから幅広い用途に使用されています。

花言葉

胡蝶蘭の花言葉の意味としては、その優美な花姿から連想します。色鮮やかな蝶が舞う姿から「幸福が飛んで来る」。また花色によってそれぞれ花言葉があって、白色は「清純」「純粋」の意味で、結婚のブーケなどに使われるなどします。ピンクはその温かな色合いから「あなたを愛します」です。

管理のポイント

通常は5~6月頃が開花時期です。暑さには強いのですが耐寒性がありませんから、冬は室内で管理し、室温を18℃以上を保つ様にします。夏は反対に直接の陽ざしは嫌いますので、風通しの良い半日陰で管理します。水苔等で植えられていることが通常ですが、常時加湿状態にあると根腐れを起こしますので、水苔が乾燥状態であったら十分に水を与える様にします。

洋蘭人気種類③・カトレア

特徴と生育の見分け方

ラン科カトレア属で中南米原産の着生蘭です。太いバルブと肉厚の葉が特徴的で、緩やかなヒダのある大きな花びらがリップを抱く様です。華麗な花色と花姿も大きく気高さを感じ、良い香りも放つことから”花の女王”と形容されます。花の大きさや花色も交配が進んで現在では多種あり、贈答品やフラワー装飾などにも利用されています。


花言葉

カトレアの名前の由来は、イギリスで最初に蘭を栽培したという「キャトレイ」にちなんだものです。華やかな花色と格調の高さを感じさせることから、カトレアの花言葉には「成熟した魅力」「魅惑」「優美な貴婦人」です。

管理のポイント

春、夏、秋咲きと種類によってほぼ季節毎に花が開花します。年間を通して日当たりの良い場所で管理しますが、夏場は強い陽ざしに当てない様にレースカーテン越しか半日影状態で育てます。冬は15℃以上を保てる場所に置きます。春から秋まではたっぷりめの水やりをし、秋から春までには乾かし気味で良いでしょう。但し、花芽が認められたら水は欠かさない様にします。

洋蘭人気種類④・デンファレ

特徴と生育の見分け方

ラン科セッコク属(デンドロビウム属)で、北部オーストラリア、ニューギニア原産です。学名「デンドロビウム・ファレノプシス」という長い名前ですが、「デンファレ」と省略した名前で呼びます。デンドロビウムの原種同士の交配種で、細長い茎を伸ばし、胡蝶蘭の花に良く似た小さな花をたくさん付けます。ファレノプシスの名前が付けられていますが、花型が似ていることによるものです。現在は東南アジアで栽培が盛んに行われ、多く日本に輸入されています。

花言葉

「お似合い」と「思いやり」という花言葉が付けられていますが、これは、樹木へ根を張る着生蘭であるということと、仲良く寄り添って花を咲かせている様子が、仲睦まじく写るからでしょうか。

管理のポイント

鉢物での管理では、暑さには比較的強いのですが、耐寒性がありませんので、低温になると葉が全て落ちてしまいます。年間を通して15℃以上が保てる場所で育てます。日光を好みますので春から初夏にかけては直接日光に当てても良いのですが、真夏はレースのカーテン越しが良いでしょう。

洋蘭人気種類⑤・オンシジューム

特徴と生育の見分け方

ラン科オンシジューム属。中央及び南アメリカ原産の着生蘭です。夏から秋にかけて花を咲かせる種類と、冬から春にかけての春咲きの種類があります。スズメが群れ飛ぶ様にバルブの基から細い茎を伸ばし、分枝した枝にいっぱいの花が付くことから、群雀蘭(むれすずめらん)の別名があります。暑さには強いのですが、寒さにはやや弱く、冬は室内の明るい場所に置きます。花型も小型から大型のものと、花色も黄色、ピンク、オレンジ、復色とあり、切花としても長持ちしますので用途が広い蘭の種類です。

花言葉

直径1.5~2.5cm程度の小さな蝶がたくさん飛んでいる様に見える可愛らしさから「可憐」と花言葉が付けられています。英名では「Dancing lady orchid(踊っている女性蘭)」の意味から「一緒に踊ろう」と付けられています。

管理のポイント

丈夫で育て安い洋蘭です。春から秋咲き種は日当たりの良い室内でも陽ざしが当る場所に置きます。夏場は陽ざしが強いので遮光をして風通しの良い屋外で管理するか、室内ではカーテン越しの場所に置きます。水やりは季節を問わず乾燥させない様にする事が注意する点です。

洋蘭人気種類⑥・パフィオペディラム

特徴と生育の見分け方

ラン科パフィオペディラム属。蘭の仲間では異色な地面に根を下ろす地生蘭です。花姿を見ると、まるで食虫植物の様な大きく口を開けたリップを持っていますが、虫を捉えることはしません。株自体は胡蝶蘭と同じくバルブは持たず葉に養分を蓄えて生育します。蘭の仲間では割合低温にも強い性質ですので5℃程度でも大丈夫です。種類としては冬型で整形花と呼ばれる花弁に光沢が有るものや、夏型では茎に複数の花を付ける多花性と呼ばれる種類などがあります。

花言葉

名前の由来はラテン語で「女神パフィオスのスリッパ」という意味からです。花姿のリップの形が何となくスリッパに似ていることからと言われています。シンビジューム、カトレア、胡蝶蘭と共に世界4大蘭の一つであり、その花姿に優雅さがあることから「優雅な装い」「官能的」との花言葉があります。また、「変りやすい愛情」という花言葉もありますので贈り物には注意しましょう。

管理のポイント

強い陽ざしを嫌いますので、年間を通して直接日光には当てないで育てます。風通しの良い明るい場所に置き、花茎は伸びる毎に針金支柱で支える様にします。用土は年間を通じて湿気のある状態を保持します。

洋蘭人気種類⑦・デンドロビウム

特徴と生育の見分け方


ラン科セッコク属(デンドロビウム属)。インド、ネパール他東南アジア原産の着生蘭です。原種だけでも1,000種類以上があり、交配品種や改良された品種も多くあります。多様性のある原種と品種が多いことから、一般的には種類別より系等別に別けられます。その内、鑑賞用として馴染みのあるものが、デンドロビウム・ノビルという原種との交配種のノビル系と、デンドロビウム・ファレノプシスを原種とした、その近縁種と交配で生まれたデンファレ系の2種です。花の形態として特徴的なことは、バルブ状の節を持った茎をほぼ真っ直ぐに伸ばし、その節々に花芽を付け、胡蝶蘭の花に良く似た小さな花を咲かせます。

花言葉

樹(デンドロ)と生活(ビウム)というギリシャ語から「樹上で生活する(デンドロビウム)が名前の由来です。意味としては種類が多いことと、花の咲き方も花色も千差万別からか「わがままな美人」「天性の華を持つ」という花言葉を持っています。

管理のポイント

他の洋蘭に比して耐寒性がありますので、株自体を凍らせない限り枯れることがない丈夫で強い欄です。春から秋頃までは半日影状態の明るい場所で管理しますが、真夏の強い直射日光が当たると葉焼けを起こし枯れる恐れがあるので、戸外の風通しが良い樹木の下枝などに吊り下げるか、室内であれば直射日光に当らない場所に置きます。多湿を嫌いますので、常に乾燥状態で育て、植え込み材料が乾いたら水を与える様にします。

花後の管理

花の終わり頃に花がらを摘み取ります。きちんと根元から取らないと、その場所から発根してしまいバルブを弱らせてしまいます。花後のバルブは次に生長するバルブのために養分を蓄えていますから、切り取らない様にします。2年目にはバルブがシワシワになりますから株元から切り取ります。

洋蘭人気種類⑧・パンダラン

特徴と生育の見分け方

ラン科ヒスイラン属(バンダ属)で東南アジア原産です。500~1,000m級の標高が高い場所を好んで生育し、樹木の高い枝などに貼り付いて生育する着生蘭です。蘭の主な特徴でもあるバルブなどはなく、根に水分や養分を蓄えておく機能があります。育て方も他の着生蘭の様に水苔やバークチップなどの用土を使用すると加湿を嫌うことから、根腐れを起こし株自体を弱らせてしまいかねませんから、ハンギングバスケットなどにそのまま根のみを入れて生育させます。網目模様の花は個性的で、濃い紫色が一般的ですが、他にピンク、黄、白、複色などの花色もあります。

花言葉

パンダという名前はサンスクリット語の「まとわりつく」という意味からです。他の植物などにまとわりつき、養分などを得て生育していることからです。花言葉は「身軽」、「上品な美しさ」「エレガント」「個性的」とあります。

管理のポイント

環境さえ良ければ年に数回花を咲かせます。暑さには強いのですが、耐寒性はないので冬季は15℃以上を保持できる場所で育てます。空気中の水分を吸収して生育しますので、葉や茎、根などに霧吹きで水を吹きかけます。夏場の気温の高い時期は1日に2~3回程度必要です。但し、花がある場合は花に水が掛からない様に注意をしましょう。5~10月は風通しの良い陽ざしの当る戸外で管理し、夏場は半日影状態にします。11~5月は室内の明るい場所で管理します。

洋蘭人気種類⑨・エビデンドラム

特徴と生育の見分け方

ラン科エビデンドラム属で中南米の熱帯、亜熱帯地域原産の着生蘭です。約700ほどの種類があり、日本で流通している種類は棒状に長く茎を伸ばして、その頭頂部にボール状の花を咲かせます。原種はオレンジ色が主でしたが、現在は交配が進み花色も多種あります。

花言葉

ギリシャ語で上という意味の「epi」と、「dendron」という木を意味する言葉の組み合わせによる名前です。樹木の高い幹や岩などに着生することから「孤高の憧れ」。長く伸ばした茎の先に可愛らしい小さな花を咲かせることから「可憐な恋」という花言葉が付けられています。

管理のポイント

真夏の時期だけ、風通しの良い半日影の状態で育て、春から秋にかけては屋外の日当たりの良い場所で管理します。耐暑性はあり、寒さにも比較的強いのですが、5℃以下では弱らせてしまいますので、冬季は室内の窓辺など明るく日光が当る場所に置きます。

洋蘭人気種類⑩・ミルトニア

特徴と生育の見分け方

ラン科ミルトニア属。中央、南アメリカ地域の標高約1,500m以上の高地を生息としている蘭です。熱帯雨林地域原産の蘭と違い、高所に咲くこの蘭は高温に弱いのが特徴です。パンジーに良く似た可愛らしい花姿から「パンジーオーキッド」の別名があります。

花言葉

緩やかな風にも揺れる花びらと、色鮮やかなマスクという模様が可憐な趣きを見せていることから「淑女の物思い」「愛の訪れ」という花言葉が付けられています。

管理のポイント


高温に弱い欄ですので、春から秋にかけては戸外の風通しが良く、涼しい場所を選んで管理します。夏場の管理は難しく、気温35℃以上になると枯死します。生産者は山上げと言って、わざわざ涼しい山などの高所に運んで育成させます。冬の管理では11~3月までは10~15℃程度を保持し、レースのカーテン越しに日光を当てて管理します。乾燥に弱いのと同時に過湿も嫌いますから、用土が渇き気味の頃を図って水やりをすることです。

洋蘭人気種類⑪・オドントグロッサム

特徴と生育の見分け方

ラン科オドントグロッサム属。南米アンデス山系の標高1,500mを超える高山が原産地の着生蘭です。ミルトニアと同様高温に弱いのですが、低温にも強くありませんので、日本では暖地での育成は難しく、気温が低い地域での栽培に適します。花色は豊富で花弁に独特な模様が入っているのが特徴的です。

花言葉

名前の由来は、中央の唇弁(花びら)にある突起がギザギザしていることから、ギリシャ語で歯を意味する「オドント」と、舌を意味する「グロッサ」を合わせています。また、花姿が星に似ていることから「彗星蘭(すいせいらん)」という別名があります。華やかな色に独特な斑模様が入る個性的な花姿から「特別な存在」という花言葉があります。

管理のポイント

ミルトニアの管理とほぼ同じです。3月頃から10月末までは戸外で風通しの良い場所を選び、遮光率30%程度にして生育します。真夏は直接日光が当らない様にし、涼感を保つために頻繁に葉水を掛ける様にします。10月末には室内に入れて、レースカーテン越しに日光が射す場所で管理します。

洋蘭人気種類⑫・グラマトフィラム

特徴と生育の見分け方

ラン科グラマドフィラム属。東南アジアの熱帯地域に分布する着生蘭です。シンビジュームに良く似た花を咲かせ、洋蘭のなかでは世界一で最大級の株を持ち、「タイガーオーキッド」と呼ばれる「スペキオスム」という種はバルブだけでも3mを越します。肉厚黄色系の花びらに褐色の斑点模様が入る種が多く、長い茎には数百ほどの花を付けます。

花言葉

名前の由来は、花びらに斑点模様が入っていて文字の様に見えることから、ギリシャ語で文字を意味する「グラマー」と、葉を意味する「フィロン」から名付けられています。長い茎にシンビジュームに良く似た花を整然といっぱいに咲かせることからか、花言葉は「友情」と付けられています。

管理のポイント

夏場は戸外の風通しの良い半日影の場所で管理し、春から秋には室内で明るい場所に置きます。春先からは日光に当てる様にして順応性を高めておくと、少々の強い陽ざしでも元気に生育します。冬季は室内に移し、温度が15~18℃程度を保つ様にします。水分が切れると弱ってしまう性質ですから、用土が乾いていたら直ぐに水やりをします。特に夏場の気温の高い時期は十分に注意して与える様にします。

まとめ

洋蘭は、その花色の鮮やかさと花持ちが良いことからハイグレードな雰囲気があり、花のギフトに多く利用されています。シンビジュームや胡蝶蘭、カトレアなどが定番となっていましたが、最近では落着いた趣のあるパフィオペディラムやオドントグロッサムなどにも人気が出ています。栽培を試みる愛好家も多く、各地の洋蘭展に出品されている方も少なくありません。

洋蘭についての記事はこちらもどうぞ!

洋蘭について種類や簡単な管理方法をご紹介しましたが、詳しいことをもっと知りたいという方は「暮らし~の」のサイト内にも洋蘭の詳しい記事がありますので、ぜひチェックされてみてはいかがでしょうか。