シンビジューム・洋蘭の土10L
はじめに
育てやすい蘭の種類紹介と鉢植えの育て方
花のことをあまりよく知らない人でも1度や2度は必ず目にしたことがあるのが蘭の花です。祝典のときに胸に飾るコサージュなどにも大輪の蘭の花が使われているのは、一輪だけの花の姿であっても見栄えがよく豪華に見えるからではないでしょうか。今回はそんな蘭の中から鉢植えとして育てやすい初心者にもおすすめの品種をご紹介するとともに、蘭を育てる上で気になる耐寒性・冬場の育て方など日常管理のやり方も解説します。
蘭について
蘭の基本情報
科・属:ラン科カトレア属(洋蘭)コチョウラン属(東洋蘭)
原産地:アジア、オセアニア、アフリカなど
学名/英語名:Orchidaceae Cattleya(洋蘭)Phalaenopsis aphrodite Rchb.f.(東洋蘭)/Orchid・英語名は共通
蘭の特徴
蘭といえばその花の大きさや色、咲く時期など多岐に渡っていていろいろな種類があるのが特徴です。お正月に飾るために年末に鉢植えが多く出回ることから冬の花というイメージを持っている方も多いでしょうが、初夏から四季咲きまで1年中を通して開花する蘭の鉢植えが売られています。
華やかな洋蘭に清楚な東洋蘭
ピンクやオレンジなど色鮮やかなものが多い洋蘭と比べて、コチョウランなど東洋蘭は白く花の大きさも小さく清楚な雰囲気があるのが特徴。しかし花の大きさは小さいながらも花数が多くしだれるように咲く姿は人気があります。
初心者にも育てやすい蘭の種類①
おすすめの洋蘭を一気に紹介
蘭の品種は原種だけでも2万を超え、品種改良された園芸品種はその数10万はくだらないといわれています。非常に数が多く、何を選んだらよいのか迷ってしまうその中から初心者でも管理しやすい育てやすい人気品種を一気にご紹介していきましょう。
人気の洋蘭の品種①カトレア
カトレアはカトレヤとも呼ばれている蘭の花の中でも特に有名な品種のひとつ。昔はしっかりと温室などで温度管理をしないと育たない難しい花といわれていましたが、近年は品種改良されており初心者の方でも育てやすいものもたくさんでまわっています。
カトレアの特徴や耐寒性
カトレアの花の色は白・紫・黄色・オレンジ・赤・ピンクととても豊富。それはカトレアが品種改良されて種類が増えているからです。咲く時期も夏から冬まで幅広く、耐寒性の高いものもあります。しかし枯れないことと冬に花を咲かせるのはまた別で、開花させるのには15度以上が必要となるので室内管理がおすすめです。
初心者にも育てやすい蘭の種類②
人気の洋蘭の品種②シンビジウム
シンビジウムはカトレアと並ぶほど人気のある蘭の花の中のひとつ。特に冬の贈答用として鉢植えで売られているのはよく見かけるでしょう。カトレアと並ぶと少々地味めではありますが、逆にそれが日本人には馴染みがあり美しい鉢植えとなります。
シンビジウムの特徴や耐寒性
シンビジウムは耐寒性が高く、温かい地方では鉢植えだけでなく地植えで育てることもできる育てやすい品種です。花色はピンク・白・黄色などがあり大きさは小さいながらもたくさん数が咲くので見ごたえがあるでしょう。
初心者にも育てやすい蘭の種類③
人気の洋蘭の品種③デンドロビューム
デンドロビュームは木に着生して花を咲かせるタイプの蘭。日本名でセッコクという種類もこのデンドロビュームのなかの品種のひとつ。この花が人気なのは日本だけでなくこの種類は東南アジア全域に自生していて手に入りやすい花ということもありますが、育て方が蘭の中では簡単だからという人も少なくありません。
デンドロビュームの特徴や耐寒性
開花時期は春4-6月ころ。花色は白やうっすらとピンクがかったものが一般的です。日本でも古くからある種類の蘭なので品種改良もたくさんされており、花色や姿のものが選べます。育てやすいのが人気で、耐寒性は冬は室内の日なたに置けば心配ない程度。室内においても朝方などまわりの気温が5度以下にならないよう注意してください。
初心者にも育てやすい蘭の種類④
人気の洋蘭の品種④パフィオペディラム
花は大きめで鉢植えでも目立つタイプで、上部に3方向に伸びた花びらの下に袋状の花弁がつくのでこの品種は他の蘭とは見分け方も簡単。蘭の花といえば洋室に飾りたがる方が多いですが、パフィオペディラムの花は和室に置いてもしっくりとマッチしやすいので置き場所を選ばないことで人気が高まっています。
パフィオペディラムの特徴や耐寒性
パッと見は蘭というよりも食虫植物風な風貌をしているのがこのパフィオペディラムという花の特徴。他の人とは違う個性的な花が好きな方にはおすすめしたい蘭です。花色は黄色や紫など。耐寒性はそれほど高いとはいえず冬場は室内管理が必須だけれど、日陰でも成長してくれるので日なたに置かなければいけないという心配がなく育てやすいでしょう。
初心者にも育てやすい蘭の種類⑤
人気の洋蘭の品種⑤オンシジウム
蘭の花の中でも少し変わった姿と咲き方をするのがオンシジウム。比較的安価で売られているのも魅力で、鉢植えとして育てる他にも切り花としてフラワーショップでよく流通しているのを見かけるでしょう。
オンシジウムの特徴や耐寒性
開花時期は秋から春先まで。長い期間咲き続けるので冬の室内での観賞用の花としても鉢植え栽培がおすすめ。開花させるには10度以上の気温が必要となりますので、耐寒性はそれほど高いとはいえませんが室内管理ならそれほど難しくなく栽培できるでしょう。
花色が豊富な育てやすい花
花色は黄色が多いですが白やピンク・赤色の小粒の花をたくさん咲かせる品種です。枝分かれした先にかわいらしい花が咲くことから可憐などの花言葉が付けられています。
初心者にも育てやすい蘭の種類⑥
人気の洋蘭の品種⑥セロジネ
妖精の羽根のような純白の小さな花をたくさん咲かせるのがセロジネという蘭。ヒマラヤ地方でも自生するくらい寒さに強い品種です。開花時期は冬から春にかけて。逆に少し夏場の直射日光には弱いところがあるので、冬よりも夏場の方が育て方に気をつけたい種類です。
セロジネの特徴や耐寒性
この花の特徴は蘭の中では高い耐寒性を持つことと、良い芳香のふたつ。花色は白で小さめな花が特徴です。耐寒性が高いといってもやはり霜が降りるようなところでは枯れてしまうこともありますので、そうなる前に室内に入れてあげてください。
全種類対応!良い蘭の見分け方
良い蘭の見分け方①全体
おすすめの種類を見ていただいたところで、ここでは蘭の鉢植えを買うときに気をつけたい見分け方ポイントをご紹介しましょう。まず鉢植えの全体を見て花付きが均等であるもの。一部だけ花が大きかったり小さかったりしていないことで、それまで丁寧に管理されてきていることがわかります。
良い蘭の見分け方②花
蘭といえばその花を見るのを目的に鉢植えを育てます。花を見て買う人も多いでしょうが、そのときの良い株の見分け方は花数。1株に付く数は多いに越したことはありません。中でもひとつひとつの花の見分け方は花びらにボリュームがありピンとしているものが好ましいでしょう。
良い蘭の見分け方③葉
葉は種類によって細葉や丸葉があるので、お好みのものを選んで構いませんが、どんな形のものでも虫食いや病気で欠けている部分がなく、ぷっくりと張りがあり緑色が濃くつやつやとしたものがおすすめです。
良い蘭の見分け方④茎
蘭の花の見栄えは花ばかりが目立っていわれますが、実はこの茎も大切なポイントです。茎がしっかりしていないとたくさん花がついたときにだんだんと湾曲してきて左右のバランスも崩れがち。できるだけ太くしっかりとした茎が良く、鉢植えを正面から見たときにまっすぐ上に伸びているものを選んでください。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方①
蘭の育て方:環境
蘭にはたくさんの品種がありますので中にはある特定に時期には日当たりよりも葉焼け対策のために遮光が必要なものもあります。それらの種類に関しては個別の特徴の説明で記載していますので、それ以外の蘭については日当たり重視な環境を与えてください。
鉢植えの蘭の置き場所
春から秋までは鉢植えは屋外に置くことも可能です。マンションなど室内のみで管理する場合は、明るい窓際でなるべく陽の光に当てるような置き場所を選びましょう。逆に冬場は窓辺は冷え込みが厳しくなる場合も多いので、あまり気温差がない部屋の中央から窓から離れた壁際に鉢植えを置いてあげてください。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方②
蘭の育て方:蘭の土
蘭の鉢植えには水苔が使われることも多いですが、初心者の方が管理するのに水苔は根腐れを起こしやすくあまりおすすめできません。蘭の育て方に慣れているという方は水苔でもよいですが、はじめは蘭用の培養土を使用して管理した方がよいでしょう。
初心者におすすめの蘭の土
シンビジューム・洋蘭の土10L
洋蘭用の培養土が土作りをしなくてもすむのでおすすめです。対応している品種名がパッケージに記載されていますので、それを見て購入してください。根腐れは注意しなければいけませんが、ある程度の保水力は必要となりますのでいろいろな土剤を買ってきて自分で作るよりも簡単で割安なことも多いでしょう。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方③
蘭の育て方:植え付け・植え替え
植え替えは2年に1度を目安におこないますが、すでに仕立てられたきれいな鉢植えをいただいたら花後植え替えをおこなってください。見栄えがよいようにたくさんの株がひと鉢に詰められているためそのままでは株にとって狭すぎる環境である場合が多いからです。
蘭の植え方注意点
水苔が巻かれていることが多いと思われますので、まずその水苔の中に傷んで黒ずんでいるものを取り除いて、空いたスペースに新しい水苔を差し込みます。素焼きの鉢を使い、あまり大きすぎないもの植え付けるのがコツ。あまり大きすぎる鉢だと水分が多すぎて根腐れをおこしやすいですし、株が安心してしまって花を付けなくなる可能性もあります。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方④
蘭の育て方:水やり
蘭は他の木の植えに寄生して空中からも根から水分を吸収します。与え過ぎは禁物で、土がカラカラになってから少し我慢してあげるくらいが中度良い水やりの量です。特に冬は根腐れしやすいので乾いてもしばらくそのまま置いておいてから水やりをしてください。
蘭の育て方:肥料
洋蘭は肥料を必要とするのは苗を大きくしたい小株のとき。花を咲かせるのにはむしろ肥料は邪魔をしてしまうこともあります。特にカトレアは春に置き肥をしたら1年は放置でOK。肥料を与えすぎると株ばかり大きくなって花を付けなくなりますので控えめに半月に一度程度液肥をあげるくらいにとどめましょう。
蘭の日常管理の注意点
この花を育てるなら水やりも肥料も控えめにするのがコツ。大切にしすぎる人ほど枯らしてしまうともいわれている花です。与えるときにはたっぷり少し乾いて植物が危機を感じるくらいまで放置と、緩急をつけた管理が蘭の鉢植え管理の上手なやり方ポイントです。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方⑤
蘭の育て方:花後の管理
いただいた鉢植えの蘭。花が終わったあとには2通りの手入れのやり方があります。ひとつめは花がついていた茎を根元から切ってしまう方法。こうすることで翌年の栄養が蓄えられ花つきがよくなります。ふたつめは花が終わっても2/3ほど花茎を残しておく方法。これによりその年にもう一度花が付く可能性がありますが養分が花に回ってしまうので翌年は花がほぼ付きません。
花後の管理の注意点
翌年も花を咲かせたいのであれば、花後のお礼肥(肥料)も必要です。リン酸カリウム窒素がバランスよく含まれた化成肥料を株元に与えてください。油かすは冬場にあげると株ばかりが育って花が付きにくくなるのでできるだけ避けた方が良いでしょう。
初心者向け育てやすい蘭の種類の育て方⑥
蘭の育て方:病気・害虫
蘭に多い病気はウィルス性やカビの類。軟腐病や黒点病ボト病などが代表的な病気です。ベンレート水和剤やダコニールといった殺菌剤が効果的です。注意する虫は花のつぼみが大好物なヨトウムシ・どんな植物にでもつきやすいアブラムシや乾燥すると付きやすいハダニです。それぞれの虫に効果的な薬剤散布や夏場には葉水をスプレーするなどして対策してください。
蘭の病害虫の注意点
株が元気であればウィルスやカビなどの病気には負けません。まずは健康な株に育てることに注力することが一番の対策といえるでしょう。風通しをよくしたり、予防薬の散布なども効果的です。
まとめ
蘭のおすすめ品種を鉢植えで楽しもう
いろいろな姿や大きさ・色の花を咲かせてくれる品種が非常に多い蘭の花。開花時期や耐寒性や耐暑性などの性質もバラバラですが、基本的には水のやりすぎに注意して根腐れを防ぐことと購入するときの健康な株の見分け方を知ること。もともと健康な植物は病気や害虫に対して強いからです。初心者には少し手入れが難しい蘭ですから、この健康な株の見分け方はとても大切です。種類だけでなく株の様子もチェックして、育てやすい鉢植えを手に入れてくださいね。
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