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セアカゴケグモとは?死亡例もある危険な毒蜘蛛の特徴や生態を解説!

セアカゴケグモとはどんな蜘蛛かご存知でしょうか?毒蜘蛛として広く知られるようになった蜘蛛で、既に帰化状態となっており、見つけたらすぐに駆除・連絡しなければいけない危険な生物です。今回はそんなセアカゴケグモの特徴や生態などを解説していきます!
2020年8月27日
T・S
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セアカゴケグモとはどんな蜘蛛?

日本に帰化している毒蜘蛛としてセアカゴケグモは広く知られるようになりました。一時期はニュースなどでもよく報じられ、死亡する可能性があるとして多くの方が恐れた生き物です。しかし、確かにセアカゴケグモは毒蜘蛛ではありますが、死亡例は実は少なく、8割は治療無しでも回復してしまうのです。今回はそんなセアカゴケグモの特徴や生態、毒の危険性や死亡例、オスメスの違いなどを詳しく解説していきます。

セアカゴケグモの特徴

セアカゴケグモとは?

セアカゴケグモは、ヒメグモ科に分類される小さなクモの一種です。名前の通り、背中に赤い模様があるゴケグモ類で、大きさは3~10ミリ程度。元々日本にはいなかった種類ですが、外来種として入ってしまい、帰化した状態になりました。ゴケグモ類は約31種類が存在しており、毒性が強いのが特徴です。その毒性で死亡し、奥様が後家になる、もしくはメスがオスを食い殺すことからゴケグモという名前になったという説があります。

セアカゴケグモは危険な毒蜘蛛

ゴケグモ類は危険な毒を持っており、セアカゴケグモも噛まれると危険です。毒は噛むことで相手の体内に注入されます。毒は「α-ラトロトキシン」という神経毒です。ちなみに、この毒を持っているのは体の大きなメスだけであり、オスは持っていないとされていますので、オスなら安心です。ただし、オスがいるということはメスもいる可能性が高いので、警戒が必要となります。

セアカゴケグモの生態①

どんな場所にいるの?

こちらは元々オーストラリアに生息している蜘蛛でした。それが現在では、ニュージーランドやヨーロッパ、アジア、アメリカなど、世界中で帰化した状態になっています。日本には建築次第などに紛れて侵入してきたとされています。見かける場所としては、日当たりが良い場所・昆虫や小動物などの餌が多い場所・巣を張りやすい隙間のある場所が挙げられています。排水溝や室外機の裏、カラーコーンなどでの発見例も多いです。

どんな餌を食べているの?

餌は主に小さな虫で、画像のようなワラジムシやアリ、ゴミムシなどを食べています。ハサミで攻撃してくることで有名なハサミムシも餌の対象です。また、小型の動物も食べることがあり、小さなトカゲなどであれば捕食対象となります。

セアカゴケグモのオスメスでの違いは?

本種はオスメスで姿や大きさが違います。メスは画像左のもので、大きさは大体10ミリほどに成長し、黒い体に赤い模様が入ります。よく出回っている画像・映像はほぼメスです。大してオスは体が小さく、3~5ミリほどしかありません。また、画像右のように体の色も地味で、茶色っぽい色をしています。背中には赤い模様がありませんが、腹部には模様があります。

セアカゴケグモの生態②

セアカゴケグモの寿命は?


オスメスで体の大きさが違うように、寿命の長さにも違いがあります。メスの寿命は2~3年とされており、その分孵化から成体になるまでに時間がかかり、約100日ほどで成体になります。対してオスは、寿命が6~7ヶ月しかありません。成体のサイズも小さいので、成体になるまでの日数もメスより短めです。成体になるまで徘徊して餌を食べながら生き、成体になるとメスのフェロモンに引き寄せられ交尾をしにいきます。

オスはメスに食べられてしまう

画像のように、オスとメスとでは体の大きさが全然違う上に、共食いする性質がありますので、交尾が終わるとオスはメスに食べられてしまうのがゴケグモ類の特徴です。食べられてしまうのもあって、オスは寿命が短くなっているようです。私たち人間からすると驚きの生態ですが、虫の世界ではこういったことは珍しくありません。

セアカゴケグモの日本での分布は?

気になる日本国内の分布ですが、恐ろしいことに、多くの県で帰化状態になっていると考えられています。現在までに42都道府県で存在が確認されていますので、どの県にも帰化していると考えて注意しておいた方が良いでしょう。現在までに発見されていない県でも、隣の県から移ってくる可能性は十分にあります。

セアカゴケグモの毒での死亡例は?

セアカゴケグモの毒での死亡例

毒蜘蛛として注意喚起されたので、死亡例が沢山あると考えられているかもしれませんが、実は日本では重篤者は出ていません。原産地であるオーストラリアでは死亡例がありますが、死亡してしまうのは乳幼児や高齢者などで、体力がある方が死亡することは稀なのです。また、オーストラリアでも日本でも医療機関で抗血清が準備されていますので、治療も可能です。治療しなくても1週間以内に治ることが多いので恐れ過ぎなくても大丈夫です。

セアカゴケグモは人を襲ってくる?

怖い毒蜘蛛として多くの方に知れ渡りましたが、実はとても臆病な、大人しい生き物です。毒を持ってはいるものの、基本的に人間には勝てませんので、戦いを挑んでくることはなく、噛むときは自己防衛の為に噛んでいるのです。噛まれる時は、故意じゃないにせよ人間の方から近寄った場合がほとんどで、その際も巣でじゃなければ問題ありません。

セアカゴケグモは巣を作る?

セアカゴケグモは巣を作る蜘蛛

蜘蛛は巣を作らず徘徊するタイプと、巣を作って待つタイプがいますが、セアカゴケグモは巣を作って待つタイプです。巣は二つの領域があり、住居となる部分と、虫を捕まえる為の部分があります。虫を捕まえる為のところには粘液があり、捕食対象が捕まると近づいて獲物を糸で絡めて食べます。こういった巣が何気ない場所に張られていますので、巣が張られそうな場所は注意しましょう。

セアカゴケグモは卵を巣に持っている

大量の幼体が生まれる卵嚢は巣にあります。繫殖期は夏で、成体となったメスが産卵するのですが、なんと1匹の生涯産卵数は5000個になることもあると言われているのです。通常でも1000~1500個ほど産みますので、かなり増えやすい生き物であることが分かります。ちなみに、画像の塊が卵嚢で、大きさは1~1.5センチほどあります。この中に数十~200個程度の卵が入っており、一回に3~5個の卵嚢を作ります。

セアカゴケグモの天敵は?


天敵①クロガケジグモ

人間にとっては怖い毒蜘蛛ですが、そんな毒蜘蛛にも天敵は沢山います。こちらはジグモ系の蜘蛛で、人家でよく見かけます。こちらも原産地はオーストラリアで、毒があるとされていますが人に害はあまり無いとされている種です。大きさは5~15㎜ほどで、トンネル状の巣を作るのがポイント。夜行性で、夜になると巣から出てきて活動します。

天敵②イエユウレイグモ

こちらもよく見かける、きゃしゃな体をした蜘蛛です。画像のように体がとても細く、弱々しさがありますが、実はこちらも天敵とされています。普段は薄暗い場所で生活しており、巣を作ってぶら下がって過ごしています。危険が近づくと網を揺さぶるのが特徴。特に人間に危害はありませんので、安心です。

天敵③カゲロウ

こちらは昆虫の中で最初に翅を獲得したグループの一つであると考えられています。幼虫は水生なのですが、成虫になると画像のようになり、セアカゴケグモの天敵となります。毒なども持っておらず、また人との関係も薄いので、特に嫌がられることもない虫です。

天敵④カタビロコバチ

こちらは一見するとハエのようにも見えるハチ目の昆虫です。コバチ類はさまざまな動植物に寄生するタイプの寄生蜂で、セアカゴケグモもその対象です。毒を持っている方が人間からすれば怖いのですが、虫にとって寄生蜂は驚異です。

天敵⑤ヒメバチ科

こちらも寄生蜂として有名です。他の虫の幼虫などに卵を産み付けて寄生し、最終的には食い殺してしまうという恐ろしい寄生蜂として知られています。蜘蛛だけじゃなく、ハチやチョウの幼虫・サナギなどがよく寄生されています。

セアカゴケグモを見つけたらどうすればいい?

セアカゴケグモを見つけたら駆除して連絡

見つけたらどうしようか困ってしまう方が多いのですが、見つけたらまずは駆除してしまいましょう。素手で触るのは危険ですので、踏みつぶすか殺虫スプレーが推奨されています。卵はスプレーが効きませんので、踏みつぶすか焼却した方が良いでしょう。見つけたらまずは駆除して広がる可能性を下げることが先決で、その後、住んでいる地域の市町担当課に連絡をし、その後の対応を任せます。

セアカゴケグモに噛まれた場合は?

触る前に見つけたら問題無く駆除が出来るのですが、見つける前に噛まれてしまった場合は仕方がありません。噛まれて毒が体内に入ると、激しい痛み・腫れ・発汗・発熱といった症状が現れます。重症化することは少ないのですが、お子様や高齢者、または弱っている方であればすぐに救急車を呼んで下さい。通常であれば数時間から数日で症状が軽減します。はやめに医療機関を受診すればより安心です。

セアカゴケグモと似てる蜘蛛は?


似てる蜘蛛①タカラダニ類

セアカゴケグモがどのような外見の蜘蛛か知っていれば間違うことはありませんが、なんとなく「赤い蜘蛛」というイメージで間違われがちなのがタカラダニ類です。こちらは色は強烈ではあるものの、大きさも小さく、色も違いますので、知っている人からすれば似てる生き物ではありません。また、毒なども持っていませんので無害です。

似てる蜘蛛②ジョロウグモ

こちらも知っている人からすれば似てる生き物ではないのですが、背に赤い模様があることで勘違いされることがある蜘蛛です。セアカゴケグモは黒に赤で、ジョロウグモは黄色の縞が目立つ蜘蛛ですので、似てる蜘蛛ではありません。赤色が背中にある蜘蛛がセアカゴケグモと覚えると間違えてしまいますので注意しましょう。

似てる蜘蛛③クロゴケグモ

外見がとても似てる蜘蛛で、かつ毒も危険なのがクロゴケグモです。こちらもゴケグモ類であり、見た目もかなり似ており、かつ死亡例もこちらの方が多いので注意が必要です。原産地はアメリカやメキシコで、なんと55人もの死亡報告があります。日本でも僅かながら発見例があり、帰化する可能性もありますので注意して下さい。見分けるのは難しいかもしれませんが、画像のような形で、黒と赤色の蜘蛛には注意しましょう。

まとめ

今回の「セアカゴケグモとは?死亡例もある危険な毒蜘蛛の特徴や生態を解説!」はいかがでしたでしょうか?危険な毒蜘蛛の特徴や生態、死亡例や見つけたらどうれば良いか等を解説させて頂きましたが、日本には既に帰化状態になっていますので気を付けましょう。何気ない所に潜んでいますので、お子様にも伝えておきたい危険な生き物です。特に、小さなお子様は重症化する可能性もありますので注意して下さい。

セアカゴケグモが気になる方はこちらもチェック!

今回はセアカゴケグモについて解説させて頂きましたが、他にも虫・生き物に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。