桜の剪定方法をご紹介!
日本の国花でもある桜は春の風物詩です。モノトーンの冬の時期に終わりを告げ、春の始まりを優美に飾る桜。枯らさないように毎年楽しみたいものです。
ここでは桜の樹形を維持し、毎年庭で美しい花見が楽しめるように、桜の剪定方法をご紹介します。作業において気を付けるポイントや、桜を枯らさないコツを解説します。
桜といっても枝垂れ桜や八重桜、寒桜などいくつか種類があり、剪定方法が異なるものもあります。ここでは開花宣言もこの木が基準だといわれる、一般的な桜のソメイヨシノに焦点をあててご紹介していきます。
桜の特徴
桜の木は種類が多い
日本の国花である桜は春の風物詩として欠かせない花です。古くから日本の生活の中に根付いてきた桜は、バラ科サクラ属の落葉高木です。学名はCerasus。
開花宣言の基準木ともなるソメイヨシノをはじめ、八重桜や枝垂桜、山桜、寒桜など品種も種類も豊富です。春の開花が待ち遠しいですが、中には秋や冬に咲く種類もあります。
種類によっては剪定の仕方や、剪定の時期が異なり、また実をつける桜も剪定の仕方が異なります。
ソメイヨシノとは
ソメイヨシノは開花宣言の基準木となっている桜の標準的な木です。江戸時代の末期に、現在の東京都豊島区の駒込周辺にあった染井村の植木職人によって育成されたのが、ソメイヨシノの始まりです。
ソメイヨシノの特徴は葉が出る前に、薄いピンク色の花が枝全体に咲きほこります。花は一重咲きで、花弁は楕円形です。花の後に細長い楕円形の葉が出てきます。
基本的に桜の木は剪定に弱い
原産国が日本である桜は、古くから日本で親しまれてきた花ですが、桜は基本的に剪定に弱い木です。剪定した部分からの萌芽力が弱いため、なるべく切らないで自然樹形で楽しむのがおすすめです。
しかし時が経つと生長し、不要な枝が生えてきたりや病害枝などもでてくるので、剪定ししなければ元気に桜を育てることができません。剪定に弱い桜は、枝が細いうちに早めにカットしてしまうと、桜に負担をかけないで剪定することができます。
桜の剪定方法のポイント1
剪定の時期は11月
落葉樹の桜の剪定時期は、落葉後の11月が剪定に最適な時期です。桜は春から初夏にかけて樹勢が活発になります。しかしこの時期に、もしが病気になると、樹勢の勢いに比例して病気が広まってしまう場合があります。
剪定では切り口から腐敗菌が繁殖しやすくなるため、春から初夏にかけての活動期は避けるようにします。
冬は休眠期で抵抗力がない時期!
寒い冬の時期は、桜は休眠期に入っているため、剪定によって腐敗菌が繁殖してしまうと、桜に抵抗力がなく病気に負けてしまう恐れがあり、木を枯らしてしまうことが心配されます。
また冬は乾燥が激しいので、剪定によってできた切り口が傷みやすくなることもあります。そのため落葉後直後の11月頃が桜の剪定に最適な時期なのです。
桜の剪定方法のポイント2
剪定のやり方はすかし剪定で剪定する
桜の剪定作業は落葉後の時期に行いますが、剪定が苦手な桜の剪定の作業のコツは、落葉後、込み合った枝や絡み合った枝、また弱った枝を間引く「すかし剪定」というやり方で剪定するのがおすすめです。
「すかし剪定」の作業では枝先を残すので、花芽の影響のリスクも少なく済みます。作業で気を付ける点は、枝をつけ根で切って枝の本数を切って減らすことです。
まずは細い枝を間引く
ただしこれは細い枝に限ります。枝を間引くことで光と風が木の内側に通るようになり、木全体が軽やかになります。桜は落葉樹なので、落葉後の姿も観賞しますが、枝をすかすと冬姿も美しく際立ちます。
桜の落葉後、「すかし剪定」の作業は、必要のない細い枝を間引いてすかした後、必要な部分だけ枝の先端を切り戻します。徒長気味の横枝は枝の根元から間引きます。
少し太めの枝を間引く場合は、つけ根から間引いた後、癒合剤やつぎロウで切り口を保護しておきましょう。
間引いてよい枝とは
落葉後の枝を見て、間引いてよい枝は、木の根元から生えてくる細い枝(ひこばえ)、枝の周りに絡むように伸びている細い枝(からみ枝)、普通は上向きに枝が伸びているのに対して下向きに伸びている枝(逆さ枝)、病気の枝は軽く指ではじくと空洞の音がします。
そのような枝も間引きます。
枝を間引く作業で、その順番は明らかに大きく樹形を乱している不必要な枝から順番に間引いていきます。1.枯れ枝や病気になている枝、2.逆さ枝、3.からみ枝、4.徒長している枝などの順番に作業を進めるとよいでしょう。
間引くときに気を付けること
枝を間引くときに気を付けることは、枝と枝との間隔と配置に気を付けて間引きます。剪定後に枝と枝の間隔が揃っていて、どこかが偏っていたり、混んでいたりすることがなく、均等に風と光がとおることが理想です。
実際には、色々な太さの枝がありますが、遠くから見て、枝の密度がおおよそ均一に見えるようするのがポイントです。
そして残す枝を見定めたら、切る枝は原則としてつけ根から切って間引きます。ただしこれは細めの枝の話で、太い枝を切るときは別のやり方で間引きます。
桜の剪定方法のポイント3
太い枝を間引くときは1本の桜に付き1~2か所が目安!
太い枝が邪魔になって間引かなければならないときもあります。剪定に弱い桜にとっては、太い枝を切るということは、人間が大きな手術にをした時のように、桜に体力を使わせてしまいます。
いくら落葉後の適期に作業するといっても、太い枝を切るのは桜には大きな負担をかけます。太い枝を切らないことに越したことはありませんが、病気になった枝や、燐家や通行道路の妨げになるような場合は、太い枝を切らなければならない場合もあります。
そのような場合は1本の桜に付き1~2か所を目安に枝を切るようにすると、桜にさほどストレスをかけずに枝を切り落とすことができます。
太い枝を剪定するときは特に適期に気を付けよう
春から初夏にかけて、桜は樹勢が活発になる活動期になります。その時期は樹液の勢いもよく、太い枝の中を流れています。太めの枝が邪魔でカットしたくても、剪定は活動期である時期を外して行うのがおすすめです。
活動期に太い枝を枝切りすると、樹液が流れ出てしまい、樹勢が弱まってしまいます。桜を枯らさないためにも避けたい行為です。太い枝は11月の剪定適期まで枝切りせずに見守りましょう。
桜の剪定で気を付ける注意点1
剪定適期に切る
剪定で枝切りすることは、桜の木に限らず、木にものすごいストレスをかける行為なのです。しかし剪定適期は、木にかけるストレスが最も少ない時期で、木を傷めるリスクを最小限にできるので、初心者でも安心して枝切りすることができます。
素人は木の適期を知って剪定すべし!
よく秋から年末にかけて植木屋さんが忙しそうに庭木の剪定作業をしている様子を見かけますが、それはお正月前に庭を綺麗にしておこうという、人間の都合であって、木のタイプによっては、必ずしもその時期が適期であるとは限りません。
専門職の庭師さんだから適期ではなくとも、木に負担をかけず、上手に枝切りできることでしょうが、一般の人が剪定を行う場合は、その木の剪定適期に枝切りするのが、木を枯らさないコツでもあります。
桜の剪定で気を付ける注意点2
花木でも「花後剪定」はしない
桜は木の種類の中でも、木の姿を維持して樹形を楽しむ種類ではなく、花を楽しむ花木であるため、花をたくさん咲かせることが桜の木を管理する上で重要なポイントなので、花芽を切り落とすリスクの少ない剪定のやり方である「花後剪定」が好ましいのではないかと思われがちですが、桜が散った後の時期は、樹勢が強く、樹液が活発に流れているので、その時期に剪定してしまうと、切り口から樹液が流れ出てしまい、木が弱まってしまいます。
そのため「花後剪定」のやり方では剪定するのは好ましくありません。
桜の剪定のやり方は落葉後に剪定する
ハナミズキなど花をたくさん咲かせることが重要な木は、花芽の付いた枝を切り落とす心配がなく花芽に影響がないように、花が咲き終わったらすぐに剪定するやり方の「花後剪定」をおこないますが、桜は花木ではありますが、桜の性質上、花が咲き終わった後ではなく、桜の剪定のやり方は落葉後すぐに行うのが、桜の剪定の重要なポイントです。
桜の剪定で気を付ける注意点3
太い枝は切りすぎに注意!
桜を剪定するときは、細い枝は枝のつけ根から切りますが、太い枝は枝切りで枝を切りすぎないように注意してください。もともと桜は剪定で枝切りされるのが苦手な木です。
特に太い枝を切ることは、桜にとって大きなストレスがかかることなのです。太い枝を短く切り詰めて、切り口が先端になるよう剪定のやり方は桜に大きなストレスを与えてしまいます。
太い枝は枝元から10~20cm残して切る!
切り口が大きくなると、桜のように、もともと剪定が苦手で樹勢が弱い木は、回復力の不足によって枝枯れや、西日などよって幹がさらされて幹焼けを起こす心配が高くなります。
そのため太い枝は枝元から10~20cm枝を残して切るようにします。太い枝を剪定するときは切りすぎないように注意することは、桜を枯らさないコツでもあります。
切り口は枝に直角にカットする
剪定で枝切りするとき、斜めに切ると切り口の面積が大きくなり、腐敗菌が入りやすくなってしまいます。枝切りのやり方で、切り口は枝に対して直角になるようにカットするようにしましょう。
細い枝を枝切りする場合も、細いからといって手だちぎったりせずに、作業するには剪定ばさみやノコギリを使用して切ることも、枯らさないコツの一つです。
桜の剪定で気を付ける注意点4
切り口には癒合剤やつぎロウなどを付ける
桜を剪定した後の切り口からは樹液が流れ出てしまったり、腐敗菌が親株に入り込んでしまう心配があります。太い枝を枝切りした時は特に、切り口に市販の癒合剤やつぎロウをつけて、防腐処理をするのも、桜を枯らさないコツであり、剪定した後の大切なコツの一つです。
桜の木を上手に剪定しよう
春の風物詩である桜は、樹勢が強い樹ではないので、剪定を好みません。桜の剪定は落葉後の直後の11月。不要な枝を間引きする「すかし剪定」のやり方で、枝を間引いて剪定します。
細い枝は枝元から、そして、太い枝は、枝元から10~20cm残して切り落とし、切り口には癒合剤やつぎロウで切り口を保護しましょう。落葉後、上手に枝を間引くすると、冬姿も素朴で美しい桜。春も冬も楽しんでくださいね。
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