バラの種類
数えきれないほどのバラの種類
一言でバラの種類と言っても、その歴史は古く次々に品種改良されており、今もなお新たな種類のバラが生まれています。あまりにも数が多いので、どの種類のバラを選んでいいのか分からないほどですね。歴史から考えると大きく2つに分けるとするならば、オールドローズとモダンローズ。しかしこの中でもつる性であったり木立性であったり。最終的には自分の目的にあったバラを選ぶのがいいでしょう。その前に有名なバラ、珍しいバラを次の項目でご紹介します。
有名なバラの種類3種
①ラ・フランス
フランスで生まれたこの品種は、ハイブリッドティーローズの第一号として有名な品種です。このラ・フランスの誕生を境に、それ以前をオールドローズ、以降をモダンローズとされました。このバラが誕生するまでのオールドローズは、寒さに弱くつる性が多かったのが、ハイブリッドティーの特徴として真っすぐに伸びた茎に大きな花が咲き、このラフランスも花径が大きいのが特徴です。花色はやさしいピンクで四季咲きタイプですね。
②ピエール・ドゥ・ロンサール
何といってもこの花色のグラデーションが可愛いバラとして有名なので見分け方は簡単です。比較的大きい花弁で、外側が薄いピンクで中央にいくにしたがって段々と濃いピンクになっています。つるバラの女王と言ってもいいほど、生育旺盛なのが特徴のバラであっという間に伸びていきます。フェンスやオベリスクに誘引すると沢山の花を咲かせてくれますね。強健な品種なので初心者にも向いているバラです。
③アンブリッジローズ
バラ育種家で有名なイギリスのデヴィットオースチン作の品種でイングリッシュローズと呼ばれる品種です。花径は10cmくらいで大きい方で花色はアプリコットピンクの可愛い色ですね。見分け方として咲きはじめがコロンとしたカップ咲きが特徴な事です。シュラブ系で直立型なのと樹高が1~2mほどなので、地植えと鉢植え両方に向いていますね。しかも強健なので初心者でも簡単に育てられます。
珍しいバラの種類2種
①デュセスドゥブラバン
オールドローズで比較的珍しい品種ですが、市場には出回っていまずので購入可能なバラですね。花径は6cmくらいの小さい花で花色は淡いピンク色です。見分け方としてはうつむき加減のカップ咲きな事、オールドローズらしい細い茎枝などですね。耐陰性があり、日照時間などによって花色が変わるのが特徴の品種です。樹高もそこまで高くなく花径も小さいのでコンパクトに育てられ、鉢植えにも向いています。
②ナッティングハムズブライト
オールドローズであるこのバラは、珍しい品種であまり出回っておらず、情報も乏しいバラと言えるでしょう。花色はグラハムトーマスと同じ黄色のバラです。四季咲きの大きい花弁は見れば見るほど、グラハムトーマスと似ており見分け方が難しいでしょう。咲き始めはカップ咲きで段々とロゼット咲きに変わっていき、クライミングのバラとしてフェンスなどに絡めて育てれば珍しい花色で一目を引きますね。ティー系の香りも魅力です。
バラの種類の分け方
目的別に
バラの種類が多くてどれにすればいいのか選ぶのが難しい。そんな多くのバラをおおまかに分ける場合は、まず初心者であれば育てやすいバラ、その次にどこに植えるかでつる性、シュラブ系、木立系が決まりますね。あとは花色、花の大きい、小さい、など最後は好みで決めればいいでしょう。ここからは実際に育てる上でそれぞれの目的別に選ぶバラを述べていきます。
初心者向けのバラの種類3種
①ブラッシュノアゼット
オールドローズでノアゼット系のバラ。ノアゼット系のバラとは、作出者であるノアゼットの名前をそのまま使った物であり、原種ロサ・モスカータを品種改良したバラです。その中でも代表的なバラがこのブラッシュノアゼット。次から次に小さい淡いピンクの花を咲かせます。病気にも強いので初心者向きのバラと言えるでしょう。細い枝が特徴で花も小さいので、コンパクトに育ててもいいでしょう。
②アイスバーグ
モダンローズであるこのバラはフロリバンダ系バラとして有名です。フロリバンダとは、その咲き方が花束のようにまたブドウのように房咲きに連なる咲き方をするバラですね。その名のように白い雪を思わせるような透き通った白色の花が沢山咲き乱れます。さらに害虫もつきにくく病気にもかかりにくい事に加え、刺が無いのでとても育てやすいバラと言えるでしょう。枝代わりとして改良されてピンクアイスバーグや、バーガンディアイスバーグなど花色も豊富です。
③パロンジロードラン
つる性のオールドローズで生育旺盛なバラです。何といってもこのバラの見分け方は、このインパクトがある花色でしょう。クリムゾンレッドで咲きはじめ咲き進むにつれて紫がかってきます。中には花弁のまわりが白くなるのもこのバラの特徴ですね。花径は中輪でダマスク系の香りです。花付きがとても良くて強健で育てやすく、四季咲きで剪定によって咲き続ける事ができるので、初心者に向いていますね。
つるバラの種類3種
①コーネリア
ハイブリッドムスクローズの代表的なバラで、日本にも多く普及しているバラです。このバラの見分け方としてはこの可愛い花色でしょう。アプリコットがかったピンクで蕾の濃いピンクから咲き進むにつれて淡いピンクに変わっていきます。このグラデーションがフェンスいっぱいに咲き乱れると、それはもう誰もが魅了される様ですね。花径が小さいので沢山の花でも上品であり、返り咲き性が強く、人気のバラです。
②バタースコッチ
クライミングローズの代表的なバラ。その名の通りバタークリーム色が特徴で、アンティークな雰囲気のベージュ色になるのもこのバラの見分け方の1つと言えるでしょう。大きい花弁を沢山咲かせ、枝が垂れるのが特徴なので少し高めのフェンスやアーチなどにからめると下からでもその様子をうかがえる事ができますね。この珍しい色を魅力とするバラですが、花付きをよくするための肥料は欠かせない事と害虫に注意が必要なバラでもあります。
③ローブリッター
正確にはシュラブ系ですが、よく枝を伸ばしさらにその茎の細さで誘引がしやすい事からつるバラとして愛されています。このバラの見分け方は咲き方に特徴がある事でしょう。なんとも可愛らしいディープカップ咲きで花径が6㎝くらいなので見た目がコロンとして、女性に人気のバラです。花付きが良いのですが一季咲きで暑さに弱いのが特徴です。冬の間に土の改良を兼ねてよく肥料を与える必要があります。
ブッシュ系(木立性)のバラの種類3種
①グラス・アン・アーヘン
イギリスのバラ育種家で有名なデヴィットオースチンのさきがけのバラと言えるグルス・アン・アーヘン。フロリバンダのイングリッシュローズです。蕾の時は濃いピンクで咲き進むと中心が少しアプリコットがかった淡いピンク色です。花径が大きい上にフロリバンダの特徴通り、いくつもの花が連なって咲くのでインパクトがありますが、その淡い色により上品な感じのバラですね。病気や害虫にも強く暑さにも強いので、いつまでも育てる事ができるバラと言えるでしょう。
②かおりかざり(和バラ)
「和バラ」と呼ばれるように日本で生まれたバラで、育種家國枝啓司さんによって改良されたバラです。別名を「F&Gローズ」フローリスト&ガーデナーズと言って切り花と園芸種を掛け合わせて改良されています。日本という狭い庭の中でいつでも楽しめると目的にあったように、四季咲きでありコンパクトにおさまるように改良されているんですね。その中でもこのかおりかざりは、その名のように香りがパッションフルーツのような強い香りが特徴です。
③ホワイトクリスマス
アメリカ産出のモダンローズバラで、直立の典型的な木立性であるのでお庭のどこに植えても大丈夫なバラです。木立性のメリットはフェンスやオベリスクが無くても育てられるという事ですね。しかしこのバラも枝代わりなど改良されたつる性のホワイトクリスマスがあります。どちらも四季咲きの大輪の花で花弁の先が少しとがったように咲く半剣弁で花色はその名のとおり真っ白で、甘い香りを放ちます。雨に弱いという性質を持ちますが花付きがいいのも人気の1つです。
花色で決めるバラの種類6種
1番の決め手
バラを選ぶ1番の楽しみでもある花色。もちろん好みの色と言う事以外に、その周りの咲く他の植物との相性や、写真で見る場合と本物の色が多少違う場合もありますので、しっかりと本物を見てから購入する事をおすすめします。また気温や環境でも色が変わる品種もあります。バラの色はそのバラの1番の決め手となりますので事前にちゃんと調べてから買いましょう。こんな色だとは思っていなかったと悔やむのは本当に残念ですね。
黄色系
①シャーロット・オースチン
既述しましたデヴィットオースチン作出のイングリッシュローズで、その孫の名前のバラです。黄色系はクリーム色の場合もありますが、このバラはきれいな黄色のバラですね。中輪の花弁であり、何といっても魅力なのはこの沢山の花びらを重ねて咲くロゼット咲きになった時の黄色のグラデーションでしょう。シュラブ系で樹形も高くないので、植える場所を選ぶのが難しいと言うことないでしょう。ティー香が強めのバラです。
②グラハムトーマス
こちらもデヴィットオースチン作のバラ。上記のシャーロットオースチンと色も花弁の大きさなどもそっくりです。大きな違いはシュラブ系のバラがシャーロットオースチン、つる性のバラがこのグラハムトーマスですね。このグラハムトーマスも最初はかわいいカップ咲きから咲き進むにつれてロゼット咲きになります。シャーロットが上向きに咲くのに対して、このバラはすこしうつむき加減に咲くのも違いの1つですね。
青(紫)色系
①青龍(せいりゅう)
バラの色で珍しいと言ったら青色系でしょう。その中でもこの青龍せいりゅうは、薄いブルーグレーと言ったような一言で「青」と表現しづらいとても深い色合いのバラです。バラ育種家の小林森治氏が手掛けたバラで、国際バラとガーデニングショーでも有名になったバラです。元々青色の原種のバラはないので、改良されて作られた青色系のバラは育てるのが難しいとされています。この青龍も比較的難しいとされています。
②ブルームーン
ブルー系のバラですが、比較的紫に近い青色のバラです。青色のバラは育てるのが難しいと言われていますが、このバラは難しいという事はなく育てやすいバラと言えるでしょう。ハイブリッドティーローズで、花径が13㎝とかなり大きなバラです。しかも咲く様がとてもきれいで、半剣弁高芯咲きでありいわゆる絵に描いたようなバラの形ですね。木立性ですが枝代わりのつる性のブルームーンもあります。
深紅色系
①ル・ルージュ・エ・ル・ノアール
フランスでバラ育成で有名なデルバール社のバラ。フランス語でルージュ赤とノアール黒の名前のように、黒味を帯びた赤色のバラになります。深紅のバラは意外にも少なくて、育てるのが難しいと言われています。ハイブリッド系で木立性のバラで、花もちがいいので切り花にも向いています。花径が大きくてこの深い赤色のバラなのでインパクトがありますね。ほのかに甘い香りを放ち人気のバラとも言えるでしょう。
②フランシス・デュブリュイ
こちらもフランスで生まれたバラ。育てるのが難しい深紅のバラの中でも比較的、育てやすいバラです。しかし雨に弱いという性質があるのと、強めのダマスク香の特徴を生かして玄関先のポーチの下などで鉢植えで育てる事をおすすめします。ポーチの下であれば何度も花を咲かせ、病気にもなりづらく、玄関を出入りする度に甘い香りに包まれるので一石二鳥とも言えますね。花径は比較的小さいほうで中輪くらいなので上品なバラです。
一重のバラの種類2種
①サラバンド
一重のバラで朱を帯びた赤色のバラ。花径が小さいのが特徴で矮性である為に、赤色でありながらも他の植物との相性も抜群です。枝代わりとしてつる性もありますが、こちらは一季咲き。バラをいくつか育てたいという人は、一重のバラを一種類加えるのもいいですね。バラの八重咲きが苦手という人は、バラの強さに魅力を感じて一重のバラを選ぶ人もいるようです。
②ホワイトウィングス
アメリカで生まれたハイブリッドティーローズです。一重の白いバラですが、フロリバンダ系で花数も多いのでインパクトがあるバラです。一重だけれど、その花びらの周りが少しフリル状であるために、何とも可愛い形のバラですね。中心の茶色のおしべや、その花びらの外側がピンク帯びた物もあったりと白だけではない色合いも人気のバラです。強健で育てやすいのも嬉しいですね。
最後に
バラの種類はあまりにも多すぎてどれを選んでいいか分からない。購入する時はまず自分がどの目的で育てるのかをしっかりと決めてからがいいでしょう。好みの色だけで選ぶのもいいですが、それらの特性を知ったうえでないと返って育てにくくなったりします。種類が多いからこそ自分にあったバラがきっと見つかるはずです。どの植物よりも沢山の花をつけ、何年も育てられるバラだからこそ、選ぶ時にはじっくりと考慮して選びたいですね。
最後にバラの種類が気になる方はこちらもチェック!
バラの種類が気になる方はこちらもチェックしましょう。その開花時期や見ごろ時期、また初心者でも簡単は育て方など詳しく述べられています。
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