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つるバラとは?
つるバラは、バラ科バラ属に分けられる植物のなかで、つるを伸ばして育つ種類です。市場に出回るたくさんの園芸種は、北半球に分布するノイバラ、テイハノイバラなどを改良してつくられています。つるバラの特徴は、品種ごとに見られる性質の違いです。大中小に分かれた花の大きさや、開花する頻度、つるを巻く性質などの特徴から、育てる花を選びます。
つるバラの性質
つるバラもバラと同じ特徴を備えています。寒さに強く、日あたりや水はけのよい土壌が好みです。また、冬を迎えると葉を落として、翌年の春や秋に花を咲かせます。生長する速度も早く、1年で1cm~6cmもつるを伸ばしますよ。そして、木立性のバラとは違い、壁やフェンス、オベリスクなどの囲いにつるを伸ばします。頻繁に目にするつるバラのアーチは、庭に設置した格子につるを絡ませた状態です。
つるバラの種類
つるバラの品種をいくつか取り上げてみました。「これからつるバラを育ててみたい」「別のつるバラも楽しみたい」、という方に向けたつるバラの紹介です。花の大きさ・色・形、開花する回数、つるを巻く強さなどから、好みの品種を見つけてみましょう。
つるバラの品種①
中輪の花を咲かせる品種です。花はピンクや淡いピンクに色づきます。たくさんの花をつけ、花びらは丸く、花全体でカップのような形をつくります。
アンジェラ
つる性の特徴を持ち、柔らかいつるを伸ばします。アンジェラは、フェンスやアーチ、オベリスクなどにつるを絡ませて、花を楽しむ種類です。3mほどまで丈を伸ばしますよ。
つるバラの品種②
中輪の花をつける品種です。花の大きさは、7cmほど。花の色に特徴があり、赤やピンクの色は、時間の経過とともに白へと変わります。花の咲き方は、一重平咲きです。花びらの数が少なく、横から見ても花の高さに変化はありません。
カクテル(コクテール)
この種類は返り咲き(四季咲き)と呼ばれ、春のほかに秋にも開花を楽しめる種類です。半つる性があり、2.5mほどまで丈を伸ばしますよ。
つるバラの品種③
こちらも中輪の花を咲かせる種類です。花色は、赤や赤紫で、小ぶりの花をつけます。花の咲き方は、花びらを重ねて開く八重咲きです。開花を春にだけ行う「一季咲き」に、分類されます。
キングローズ
つる性の性質を持ち、木の高さは3mほどに達します。この種類は、壁面につるを絡ませて育てる方法が適していますね。また、うどんこ病にかかりやすい性質と、トゲが少ない利点も備えていますよ。
つるバラの品種④
この品種は大きな花をつけます。花のサイズは、8cm~10cmほど。1961年に登場した最初のイングリッシュ・ローズで、古くから親しまれている品種です。花色はピンクで、丸いカップのように花びらをつけます。一季咲きで、春にだけ開花を楽しむ種類です。
コンスタンス・スプライ
つる性の特徴を備え、柔らかいつるを伸ばします。木が生長すると、5m~6mまでに達しますよ。そのため、壁面につるを絡ませる場合は、広い面積が必要です。
つるバラの品種⑤
14cmの大輪を咲かせる品種です。1954年にイギリスで誕生し、人気を博しました。花色は深い赤で、花びらは中心が高く、花びらが外へ巻く「高芯剣弁咲き」です。深紅の色と尖った花の形が目に留まります。花は返り咲き(四季咲き)で、春と秋に開花を楽しめます。
つるイーナ・ハークネス
木の高さは3m~4mほどで、太いつるが特徴です。アーチやフェンスに絡ませた仕立て方をすると、この品種の魅力が引き立ちますね。
つるバラの品種⑥
10cmほどの大輪の花をつける種類です。原産はフランス。花色は、鮮やかなサーモンピンクです。木の性質は半つる性で、木の高さは1.2m程度までのため、扱いやすいですよ。
ソニア
このつるバラは、「クォーター・ロゼット咲き」で花を開きます。花びらは、4つに分かれて放射状に広がり、中心の小さい花びらが特徴です。折り重なるような美しいフォルムが観られます。返り咲き(四季咲き)のため、秋にも開花が楽しめますよ。
つるバラの育て方・剪定
つるバラの剪定は、誘引と仕立てを一緒に行います。要らないつるや細いつる、古いつるなどを剪定すると、残こしておくつる・つるを伸ばす方向などが見極めやすくなります。
育て方のポイント1・剪定と誘引を行う時期
つるバラの誘引と剪定は、12月から2月の時期に行います。全体の1/2~1/3ほど目安に、剪定をしましょう。
育て方のポイント2・剪定する枝
剪定する枝は、今シーズンによく伸びたつるを選びます。外向きの芽を見つけたら、芽から5mmほど上のあたりを切ってください。芽が伸びる向きと並行に切りましょう。剪定をしたら、残した枝先も切り落とします。芽を2つほど残して、つるの先を剪定してください。細かい剪定は、誘引したあとに行います。混雑している箇所を見つけて、適度な空間を設けてください。
育て方のポイント3・剪定に必要な道具
剪定用のはさみと、つるを固定するシュロ縄・麻ひも、厚手の手袋を用意しておきましょう。
育て方のポイント4・夏に行う剪定
返り咲き(四季咲き)の品種に限り、夏の時期にも剪定を行います。春の開花を終えてからつるを整理することで、秋の開花を促せますよ。剪定の時期は、「8月の終わりから9月の初めごろ」に実施してください。できる限り葉を残してください。剪定は1/5ほどを切るだけで十分です。
育て方のポイント5・花がら摘みを忘れずに
花が咲いたあとにつるを残していると、ほかのつるに養分が回りません。花が終わったら、花を摘み取りましょう。花を切る位置は、5枚の葉をつけたつるのうえで切ってください。こうすると、つるがよく伸びて、秋を迎えたつるバラは、大きな花をつけます。
つるバラの育て方【誘引と仕立て方】
つるバラは、品種ごとの性質や植える場所などから、ふさわしい仕立て方を選びましょう。仕立て方によって、誘引する方法にも違いがありますよ。
誘引と仕立て方【壁・フェンス・トレリス】
伸ばしたいつるを倒して、支柱に結びつけます。つるを左右に広げましょう。つるを平らに、導くことがポイントです。枝先を下げると、つるを枯らす原因を作ってしまいます(下へ垂れる種類は垂らしても構いません)。結びつけるつるは、はじめに太めのつるを誘引し、空いたスペースに細いつるを結びつけてください。隣り合うつるとは、5cmが目安です。細いつるは、枝先を持たずに、中心に近い方から力を加えると、折ってしまう危険を避けられます。
トレリスとは?
つるを絡ませる格子を指しています。素材には鉄や木を用いていますよ。
誘引と仕立て方【オベリスク】
はじめに、つるの剪定を実施します。去年に生長したつるや細長いつる、重なり合うつるなどを選んで、剪定をします。つるバラの葉はすべて落とし、土に落ちたつるは、拾い集めて処分をしてください。残しておくと病気にかかったり、害虫の被害を招きます。
オベリスクとは?
オベリスクは、つるを絡ませる支柱を指します。細長い鳥かごを思わせる形状です。てっぺんが細く尖っているか、半円形などの特徴を持った支柱が、オベリスクです。つるを導くための支柱は、鉢植えに挿して使います。鉢植えの仕立て方は、オベリスクをつるバラを取り囲むように配置します。庭植えの仕立て方は、株の隣に設置してつるの誘引に取りかかります。
オベリスクに誘引する
太いつるを柱に絡ませます。螺旋を描いて、つるを結びつるのがコツです。細いつるは、太いつるを絡ませたのちに、誘引を始めましょう。支柱に空間を空けずに誘引を完了させるためには、螺旋に巻きつける方向を交互に変えてみると、隙間を減らせますよ。誘引を終えたら、重なるつるを取り除いてください。細いつるが外にはみ出てしまう場合の仕立て方は、支柱のほかに、太いつるに結ぶ方法を取ります。これで、つるをすっきりとまとめられます。
誘引と仕立て方【アーチ】
アーチへの誘引も、要らないつるの剪定から取りかかります。次に、アーチの側面につるを絡ませ、太いつるを格子に沿ってS字に這わせます。細いつるも、太いつるを誘引し終えてから、配置してみましょう。側面のほか、アーチの上にも花をつけさせる場合は、側面のつるを曲げずに結びつけます。側面に絡ませたら、アーチの上へ導いて上部のアーチにつる這わせると、つるバラの仕立てが完了です。
つるバラの手入れ
つるバラの手入れは、季節ごとに作業が細かく分かれています。見栄えのよいつるバラを咲かせるには、つるバラの状態を観察しておくことが、ポイントです。
つるバラの手入れ【1月~3月】
「1月の終わりから2月のなかごろ」の時期に実施する、つるバラの手入れでは、寒肥を施します。株の周りに堆肥(完熟)を埋めましょう。2月~3月に実施する手入れでは、生えたばかりの芽を活かすために、固形の有機質肥料を撒きましょう。
育て方のポイント6・初心者はバラ用の肥料を使う
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初心者の方には、バラ用の肥料がおすすめです。すぐに栄養が届く化成肥料は、過剰な栄養がまとまって吸収され、つるバラに肥料焼けの兆候の症状が現れます。
育て方のポイント7・大輪種は芽かきを行う
3月は大輪種にのみ、芽を取り除く手入れを実施します。数多くの芽が一カ所から伸びていれば、ほかの芽を摘み取ってください。これで、ひとつの芽に栄養が集中します。
つるバラの手入れ【4月~6月】
4月~5月の時期に実施するつるバラの手入れは、軽い剪定です。細長いつるや、節の伸びが少ないつる、蕾のないつるを探して、取り除きます。春の季節には、つるバラの根にある台木から、太いつるが生えてきます。芽が生えてきたら、すぐに掻き取りましょう。また、開花を終えた花は、花がらを摘み取ることを覚えておいてください。
育て方のポイント8・重要な6月の手入れ
6月に行うつるバラの手入れを怠ると、秋や来年の開花に影響が及びます。根に近い場所から生えるつるを取り除きましょう。これで、ほかのつるにも養分が行き渡ります。枝分かれをしたつるは、まっすぐ伸ばして、柱に結びつけてください。あとは、株の周りにわらなどを敷いてください。高い気温で乾燥が起きやすく、地面にあたる水が跳ることでつるバラに病気が移ることがあります。
育て方のポイント9・病害虫への対策
この季節は、つるバラの枝にアブラムシが現れたり、黒点病やうどんこ病などの病気にかかりやすくなります。早めの対策を取りましょう。月に2回ほど、つるバラに薬を撒いてください。
つるバラの手入れ【7月~9月】
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7月~8月の時期は乾燥し、ハダニの出現が予想されます。つるが重なるところは、柱へつるを誘引して風の通りをよくしましょう。そのためつるバラの剪定は、「8月の終わりから9月の初め」にかけて、返り咲き(四季咲き)のみ、実施をしましょう。また、軟弱なつるや数年まえのつるを取り除く手入れも、実施てしください。つるは、えんぴつほどの太さのところで切りましょう。
つるバラの手入れ【10月~12月】
10月と11月の時期は、つるバラの周りに落ちた葉を処分しましょう。手入れを怠ると、病気や害虫を寄せつけて、翌年の開花を妨げたり、つるを枯らしたりします。
つるバラの植え替え
つるバラの育て方は、ベランダや軒下で育てる鉢植えと、庭に植える地植えとに分かれます。鉢植えのつるバラは、定期的な植え替えを求められたり、大きく生長したつるバラを庭に植え替えたりもします。ここでは、「大きな鉢への植え替え」と、「庭に植え替える」方法を簡単にまとめてみました。
鉢から鉢への植え替え
つるバラを大きな鉢に植え替える作業は、1年ごとに行いましょう。「12月のなかごろから1月」の時期がおすすめです。植え替えの方法は、土をほぐして長い根や病気にかかった根を切って、ひと回り大きな鉢へ移し替えます。植え替えを終えたら、今年に生長したつるを横へ伸ばして結びつけ、仮の支柱も立ててあげましょう。あとは、つるバラの鉢から溢れ出るまで水を与えて、完了です。
つるバラの鉢植えに適した用土は?
つるバラに使う用土は、腐葉土と牛糞を混ぜておき、底には鉢底ネット・軽石を敷いて水はけのよい土壌をつくります。植え替えるまえに軽い剪定を済ませると、株への負担を減らせますよ。
鉢から庭への植え替え
つるバラの植え替えは、「12月のなかごろから1月」の時期にしましょう。植えつけるまえに、剪定と土づくりを実施します。剪定は冬場に行う剪定と同じです。庭の土には腐葉土を混ぜて、つるバラが好む土壌をつくっておいてください。植え替えは、鉢から株を取り出して、根の周りの土を半分ほど落とします。植える場所に30cmほどの穴を掘って、軽石・牛ふんを敷いてから、つるバラを植えつけます。たっぷりと水やりをして、株の周りにわらなどを敷いてください。
まとめ
つるバラの紹介や、剪定の仕方を取り上げました。たくさんの品種をそろえるつるバラは、育てる品種ごとに、つるの成長具合・花つきが異なります。交配された園芸種のため、ほかの品種が持つ性質も現れます。つるバラの栽培では、鉢植えや庭先の株を観察して、つるの剪定や日常の手入れに取り組みましょう。つるバラのほかに、ミニバラや挿し木での育て方を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください。

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