はじめに
水仙の増やし方!球根を育て花でいっぱいにする
水仙は球根をうえっぱなしにしておいても勝手に春になると前の年よりもたくさんの葉が出てきます。喜ぶのもつかの間肝心の花はあまり増えないばかりかだんだんと年を追うごとに小さくなってしまっていませんか?それは球根が大きく成長しないからに他なりません。
水仙について
球根の増やし方のコツを紹介する前に、まずは水仙という植物の基本をご覧ください。水仙の開花時期やどんな場所が原産地なのかを知ることで球根栽培のヒントが見えてきます。
水仙の基本情報
科・属:ヒガンバナ科スイセン属
原産地:地中海沿岸地域
学名/英語名:Narcissus L./NarcissuやDaffod
栽培難易度:球根植物なので初心者でも簡単に花を咲かせることが可能。
水仙の開花時期や特徴は
水仙の花が咲くのは晩冬から早春。まだ寒い時期からよい香りがする花を付けます。花の形は中央に筒のような形の花びらが目立ち、その周りをかこうように6枚の花びらが付いているように見えますが、実はこの中の花びらは3つで残り3枚は萼(がく)です。
【ポイント】水仙の増やし方は球根で
栽培難易度でも球根で増えるといってしまっているのですが実は種を付ける種類もあります。種から育てる増やし方もありますが球根よりもずっと時間も手間もかかりますので、球根を使った増やし方解説を見ていただきましょう。
水仙の球根の育て方増やし方1.基本的な育て方
球根の数を増やすには育て方を一工夫
水仙は植えっぱなしで放置しても増えるとよく耳にします。確かに株の数は年々多くなり花もそれなりに咲きますが、なんとなく新しく球根を植えた時よりも寂しい感じがすると思う方も多いでしょう。株を増やすのは簡単ですが花をりっぱに増やしていくのにはコツがあります。
水仙が好む栽培場所・日当たり
そのコツのひとつが栽培場所。植物が好む場所に植えることで大きく立派に育ちやすくなります。そのひとつが日当たり。水仙は開花前と開花後に好む日当たりが違います。花が咲くまでは明るい日なたで。花後は半日陰の状態で管理してください。
通常の水仙の植え方・育て方もチェック
ここでは球根を育てることをメインにお話を進めていきますので、水仙の球根を新しく購入・植え付けてから咲かせるまでのお世話は割愛させていただきます。この手順が気になる方は下記記事をご参照ください。

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水仙の球根の育て方増やし方2.花の管理
簡単にできる球根の育て方は花にあった
球根を買ってきて植え付けた・大きく育った鉢植えを買ってきたそんな水仙が花を付けたあとどのように楽しまれるでしょうか?そのまま花壇や鉢で自然な花を愛でるやり方と、切り花にして飾る方法の大きく2つに分けられるでしょう。土に植えられている方が花も長持ちできるから良いという方も多いでしょうが、球根のためにはこの花は邪魔になります。
球根のために花の時期にすること
水仙も種を付けるというお話をしましたね。そのために株は咲いた花にどんどん栄養を送り、当然球根を大きく育てるための養分は犠牲になってしまいます。水仙の花が咲いたら地植えや鉢植え限らずに花茎の根本から切り花にしてしまいましょう。花瓶に挿せばしばらくは楽しめますので球根のためにすぐ切ってください。
花の大小も球根が増えるのに関係ある?
この球根の増え方も品種によって違いがあるようです。ポピュラーな形の水仙は比較的球根が育ち分球しやすいですが、花が大きかったり花びらが個性的なものは球根が育ちにくい傾向にあります。球根を増やす目的であれば、できるだけシンプルなごくごく一般的なよく見かける品種がおすすめ。大きな花の品種を増やすときは、肥料やりを十分にして手間と時間をかけてお世話してください。
水仙の球根の育て方増やし方3.自然な分球
同じように増えているように見える球根にも、その増え方には大きく分けて2通りあります。水仙は毎年植え替える必要のない自然な分球をするもので手間がかかりません。
水仙の球根の特徴
球根植物にもいろいろありますが、水仙の球根は親球が栄養を使い果たすと中に新しく球ができ栄養をため次の親球になります。余力があれば新しい子どもの球根が増えていきます。先程の大きな花の品種は分球まで余力が残らないため増えにくいというわけです。
放置しても増える水仙の球根
水仙は比較的増やすのは簡単で植えっぱなしで大丈夫と言われています。堀り上げも掘り起こしも毎年する必要はありません。ただ、いくらポピュラーな水仙であったとしてもそれだけではだんだんと株が混雑して栄養の取り合いになり次第に数を減らしてしまいます。
水仙の球根の育て方増やし方4.花が咲かない悩み
自然に増える球根は花が咲かない?
自然に増えた水仙の株は葉の勢いは元気だけれど花が咲かずに緑ばかりというお悩みもよくあります。これは水仙に限ったことでなく分球して増えるチューリップや他の球根植物にもよくある話。それが当たり前なので心配しないでくださいね。市販の球根は分球して増えたものをある程度大きくしてから出荷しているのできちんと花が咲くのです。
水仙の球根も半年では育ちきれない
植え付けた球根の中の養分は株を成長させ花を咲かせる時点ですでに使い果たしています。そこからいくら葉から栄養を球根にまわしたとしても、次の親球を育てることと数個の新しい球根を作りだすので精一杯。半年程度では花が咲くほど栄養は貯まらないというわけです。
球根を大きくする肥料・与える時期
翌年に花を咲かせる球根まで大きくするのは無理であっても、花が咲くまでの年数を短縮する方法はあります。それが球根に効く肥料。与える時期は花後の葉が茂っている間。効果が長持ちする緩効性の化成肥料をあげると良いですね。
水仙の球根の育て方増やし方5.花が咲く球根に
新しい球根に花を咲かせるコツ
堀り上げや掘り起こしをせずとも小さな花で良いのであればそのままで構いません。ただし数年は時間がかかると思ってください。これはどんなガーデニング熟練者でも変えることができない育つための時期だと思っておきましょう。そのためには地面に植えておく場所が必要ですので、球根を育てるスペースも花の株の近くに作っておきましょう。
花が咲く球根・咲かない球根
前年花をつけた親球の中にできた新しい球根には優先的に栄養がいくので、とりあえず花は咲くでしょう。ただし、大きさはその年に蓄えた養分によるので前年よりも小さくなることもあるのは仕方ないこと。咲かない球根は掘り起こしてみるとわかるのですが、とても小さくクロッカスの球根か中にはアネモネかな?と思うような大きさしかありません。咲く球根と咲かない球根はその大きさや重さで判断することができます。
球根は植え替えて増やす
そんな咲かない球根も何年か栄養を蓄え続けていくうちに咲く球根へと成長します。花がたくさん咲いて混雑してきたなと思ったらその時が植え替えのタイミング。数年周期で花の数を見ながら植え替えていくことで、水仙の球根は増えていくでしょう。
水仙の球根の育て方増やし方6.堀り上げ掘り起こし
植え替えのための作業・堀り上げ掘り起こし
水仙を増やすためにおこなうのが、分球して育った球根を分けて新しい広々とした場所に植え替える作業。このために植えっぱなしの株に対しておこなうのが堀り上げまたは掘り起こしという方法です。球根を傷つけないように注意しつつ、地中から出して花を付ける大きな球根を別々に分けてください。
株が混んできたら堀り上げ・掘り起こしを
分球したものを掘り上げて分けるのは小さなうちにやっても構いませんが、そうしたからといってあまり効果があるわけではありません。むしろ、未熟なうちに植え替えしてあげるとそのストレスで育たないこともあるのでおすすめできません。植え替えは株が混んできたなと感じたらがやりどきです。
堀り上げ・掘り起こしの時期
上の動画で掘り起こしている水仙は植えてから5年ほどたったものだそうです。とてもコロコロとりっぱに大きくなっていますね。それぞれの球根から出た芽から花を付けることでしょう。毎年掘り起こしするチューリップと違い水仙はそのくらい放置した方が良いということです。時期は花後で葉が枯れてしまったあと。間隔は数年に一度で十分です。
水仙の球根の育て方増やし方7.球根の植え方
堀り上げ・掘り起こし後大きく育てる植え方
掘り上げて保存しておいた球根の植え方は新しく買った球根と同様におこないます。もう何年も前のことで忘れてしまったという方は、こちらの動画を参考にしておこなうと良いでしょう。この他、近くにいくつも植える場合は葉が出る向きがありますので球根を上から見て横に広がっている方向をランダムにしてあげることで少ないスペースでも葉どうしが邪魔することなく日光を浴びることができます。
球根の植え替え・植え方時期
水仙の植え付け時期は10-11月ころ。掘り起こして分けておいたものをひとつずつ植えていきます。これから、またそれぞれが分球して新しい球根を作っていきますので数年そのまま放置しても大丈夫なくらい場所を開けてあげると良いですね。品種による花の大きさや株の大きさはそれまで体験してきているので、ひと株あたりゆとりをもった株間に植え付けていってください。
球根の植え替え・場所と植え方のコツ
この時も水仙のために植え付け場所の日当たりには注意してください。しばらくは葉しか出てこないからといって日陰では球根も育ちにくくなります。できれば春は終日、日が当たる場所に。夏になったら風通しがよく半日陰のような涼しい場所になるようなところが理想的です。
まとめ
水仙は球根を植え替えで増やそう
いかがでしたでしょうか。自然に放置しておいても自然と増えていく手間がかからない水仙を、もっと立派な花が咲くたくさんの株に増やしていく方法をご紹介しました。チューリップと違い毎年植え替えをおこなう必要はなく、耐寒性もありますので冬の間も腐らせないようにするくらいで初心者でも簡単にたくさんの球根を育てることができる花です。まだ花が少ない時期から咲いて、よい香りで春の訪れを告げてくれる植物ですのでぜひともあなたの花壇やベランダに植えて自分で増やして楽しんでくださいね。
植え方増やし方が気になる方はこちらもチェック
暮らし~ののガーデンカテゴリにはその他の球根や種まきで育ち増える植物の育て方のコツや増やし方の種類を解説しています。同じように見える植物でもそれぞれに性質が違いますので、新しい花を買ってきたらぜひチェックして向いている置き場所や水やり方法などを実践してあげましょう。この他にもたくさんの草花・花木についての記事があるのでそちらもぜひご覧いただければ幸いです。

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