バラの育て方
バラ栽培は難しい、とよくいわれます。品種にもよるのですが、バラにはかかりやすい病気があるのです。また、バラは「肥料食い」ともいわれ、定期的に肥料を与え続けなければならない、というイメージがあります。どちらも違うとは言いきれませんが、バラ栽培をあきらめる理由にはなりません。それを上回るバラの魅力について、ご紹介します。
バラの魅力
バラは、語りつくせない魅力をもった植物です。何の手入れもしなくても美しい花を咲かせる強健種もありますが、繊細な手入れをするとやはり花の色や大きさに違いが現れます。我が子を育てるように、バラの欲しているものをくみとり、気づかい、大切に大切に育てると、花の季節には素晴らしいバラに会えますよ。
バラの色
一度バラを栽培してみよう、と苗を買われた方は、育てているうちに他のバラも育てたくなり、どんどんバラが増えていく傾向があります。それは、手入れの大変さを上回るバラの魅力があるからです。まず花の美しさ。真紅や白、ピンク以外にもベージュやバイオレットなど、選ぶのに迷うぐらい豊富な色がバラにはあります。
バラの香り
バラの香りには、花色と同じく豊富な種類があります。ダマスク、ティー、フルーティ、ミルラ、スパイシーなど、香りの特徴によって名づけられた優雅な香りが魅力です。ネット販売のバラではその香りは言葉でしかわかりませんので、花の季節にバラ園を訪れ直に香りを確かめ、気に入った香りのバラをメモしておくとよいでしょう。
バラの育て方:植え付け方
バラ栽培に適した土とは
バラ栽培には、基本は赤玉土と腐葉土(上の写真)のブレンドを使用します。水はけがよいことを重要視してください。バラは、根の周りが乾燥していると、湿った土を求めて根を伸ばす性質がありますので、水はけの良さは重要です。市販の「バラ専用培養土」を利用しても構いません。保水性がよく、かつ水はけの良い土を用意しましょう。
栽培場所は庭植え?鉢植え?
バラは、庭植えでも鉢植えでも育てることができます。庭植えのよいところは、大きく育てられるということと、水やりの回数が減るということです。鉢植えは、コンパクトに育てたいバラやミニバラに向いており、梅雨時期に雨の当たらない軒下に移動できるというメリットがあります。
バラの育て方:新苗の管理
新苗とは?
ホームセンターやガーデンショップで販売されているバラ苗のほとんどが、新苗か大苗になります。新苗とは、秋に野イバラの台木に芽接ぎをしたのち、ポットに植え替えて販売されている苗のことです。台木になる野イバラは「ロサ・ムルティフローラ」という名前で、耐暑性・耐寒性に優れた強健種です。
つぼみは切り落として育てる
新苗はまだバラの一年生といったところ。今後、大きく育てるためにも、春につぼみがついても秋までは咲かせず、切り落として育てます。この作業はバラ好きの人にとってはとてもつらいもので、せっかくついたつぼみをもったいないと感じる場合は、少しだけ咲かせて観賞したら、すぐに切り落とすようにしましょう。
バラの育て方:大苗の管理
大苗とは?
野イバラの台木に芽接ぎをした接ぎ木を、畑など広い場所で育て、1年以上経ったものが大苗です。秋に芽接ぎをし、次の秋に店頭に並び始めることから「秋苗」ともいいます。購入する際には花がついていないので、タグの写真などで色や香りを確認するしかありません。新苗のようにすぐに植え替えの必要がないのが特徴です。
大苗の育て方
3月から10月までひと月に一度、追肥をおこないます。肥料の種類は、バラ専用のものや液肥です。冬はバラの休眠期なので、肥料は不要になります。早く大きな株に育てたい場合は、6月以降にひと回り大きな鉢に植え替えてください。地植えにする場合は、株の下にたっぷりと培養土を入れておくとよく育ちます。
バラの育て方:日常の管理
病気・害虫の予防・早期発見
日常の管理としては、まず大事なのは植えっぱなしにしないことです。黒点病やうどん粉病の予兆を見逃さず、発見したら早期に対処します。露地植えのバラはバークチップや敷きわらなどのマルチングで雨のはね返りを防ぎ、黒点病を予防するとよいでしょう。害虫退治のためには、早朝や夕方など時間を変えて観察します。
花がらつみ・枝の整理
5月、バラの花の季節の手入れとしては、こまめな花がらつみが挙げられます。咲き終わった花がらは、5枚葉の上で切り落としてください。細くて貧弱な、葉のない枝は剪定して取り除き、風通しよく管理します。バラ栽培において、決して難しい作業ではありませんので覚えておきましょう。
水やりのタイミング
水やりは、土の表面を観察し、乾いていたらたっぷりと水やりします。鉢植えの場合は、鉢の中に新しい空気を送り込むつもりで、底からあふれ出るほど与えてください。春は1~2日に1回を目安に水やりをし、真夏になれば朝と夕の涼しい時間帯に、1日2回水やりをします。季節を感じながら管理するようにしましょう。
バラの育て方:あると便利な道具
じょうろ
黒点病予防の観点から、バラへの水やりは高い場所から雨のようにシャワーを浴びせることは避けましょう。葉が濡れていない状態を保つことが大切だからです。そこで、株元に静かに水やりするのに便利なじょうろを使います。好みのデザインのものを使うと、バラを育てるのも楽しくなりますよ。
バラ用手袋
枯れ葉のカットや花がらつみなどのお手入れや、枝の誘引の際、鋭いバラのトゲが刺さることがあります。バラ専用の、指先が特に厚手に作られた手袋がありますので、これを着用して作業しましょう。普通の軍手だとバラのトゲが貫通する恐れがあります。バラの模様の手袋など、かわいいタイプもありますよ。
高枝切りバサミ
バラは樹勢が強く、3m以上に成長する品種もあります。手の届かないところの花がらを摘んだり、古い枝を切ったりするのに高枝切りバサミが活躍するので、用意しておくと便利です。あまり大きなものだと扱いづらいので、細くて軽く、開閉がスムーズなものをおすすめします。
バラの育て方:剪定の時期
夏の剪定
剪定は基本的には冬におこなうのですが、「夏剪定」といって9月の初め頃、バラの株を全体の3分の2の高さまで切り戻します。花がらをつむ際は、5枚葉を2つ以上残し、上の5枚葉の上1cmぐらいのところを切ってください。株元から勢いよく伸びてくる新しい茎(ベーサルシュート)は、60~80cmぐらいの高さの5枚葉の上で切ります。
冬の剪定
バラの冬の手入れとしては、12月から1月頃にかけておこなう冬剪定があります。地植えのバラの場合、成長したバラの約半分、あるいは3分の1の高さまで切っても構いません。冬に剪定する理由は、寒さによりバラが冬眠している間に、芽を傷つけずにおこなうためです。鉢植えの場合は40~50cmの高さになるよう切りそろえます。
バラの育て方:誘引の時期
誘引とは?
誘引とは、冬の間にバラの枝を剪定し、残した主要な枝をフェンスやアーチに沿わせて固定していく作業のことです。この作業をうまく行うと、バラの花は季節になると壁一面に咲き誇り、見事な景観を作ります。誘引をしないと、細い枝が強風で折れたりうまく新しい芽が出なかったりするので、ぜひ誘引についての知識を持っておきましょう。
冬剪定後の誘引
誘引作業は、冬の間におこないます。普通の軍手だと作業中に鋭いトゲで手を傷つけることがありますので、できれば専用の厚手の手袋をはめて作業しましょう。エンピツよりも細い枝や混み合った枝は切ります。バラを咲かせたい場所に、枝が重ならないようトレリスやフェンスに枝を配置し、専用クリップや麻ひもで留めていく作業です。
誘引のポイント
バラの枝は、スペースが許すなら可能な限り、水平に寝かせるように誘因します。どうしても枝が交差する場合は、枝同士を麻ひもで留めましょう。真横へと誘引しておくと、枝の途中から何本もの分枝が上へと伸びてきます。その数だけ花も増えるというわけです。壁面に誘引する場合は、壁に固定した細いワイヤーなどを利用します。
バラの育て方:植え替えの時期
鉢底から根が見える
鉢を持ち上げてみて、鉢底を観察してみてください。鉢底からバラの根があふれ出ているようなら、植え替え時期が来ています。鉢植え、地植えどちらの場合でも、植え替える際は根に付いた用土をなるべく崩さないように、新しい場所へ移植します。植え替え後はお水をたっぷりと与えてください。
鉢に対し株が大きい
鉢植えで育てている場合、見るからに鉢に対し株が大きく、きゅうくつそうに見えるなら植え替えの時期です。ひと回り大きな、深さのある鉢に植え替えます。新苗は、購入してすぐに植え替えず、鉢の中でしっかりと根が張るまで1年ほど育てることが大事です。あまり植え替えを急がず、じっくり見守りながら育てる心の余裕を持ちましょう。
バラの育て方:病気の対処法
黒点病対策
バラにつきものの病気が「黒点病」、別名「黒星病」です。バラの葉を枯らす病気で、雨水のはね返りによって土の中の病原菌が葉から侵入し、葉に黒い斑点が浮かびます。弱った葉はやがて落葉し、放置すると黒点病は悪化し、次々に葉を落としてしまうのです。予防薬剤や対処薬剤の散布と、マルチングで雨のはね返りを防ぐようにします。
うどんこ病対策
うどん粉病は新芽にあらわれる病気で、その名の通り葉が粉をふいたように白くなります。黒点病は雨水を介して伝染する病害ですが、うどん粉病は空気感染する病気です。黒点病と違い、発病初期に適切な対処をすれば治療ができます。黒点病にも効果のある、サルバトーレ、バイコラールなどの薬剤を散布しましょう。
バラの育て方:病害虫対策
予防薬剤を散布
バラの葉につきやすいアブラムシやヨトウムシ対策に、薬剤散布を定期的におこないます。葉の表面だけでなく葉の裏まで、スプレータイプのものは液がしたたり落ちるぐらいの散布がおすすめです。土の上や中にまくタイプの細粒薬剤もあります。虫だけでなくバラによく見られる葉の病気、うどん粉病や黒点病に効くタイプがよいでしょう。
ヨトウムシの対処
特に春先から夏にかけて発生するのがヨトウムシです。ヨトウムシ(夜盗虫)はヨトウガ(上の写真)という蛾の幼虫で、その名の通り夜にバラの株元の地中から現れ、葉やバラのつぼみを食べ、つぼみに大きな穴をあける害虫です。動きはすばやくないので、見つけ次第、割りばしなどで捕殺しましょう。
アブラムシの対処
アブラムシは、バラの新芽やつぼみによくつく害虫です。せっかく楽しみにしていた花が台なしになる前に、捕殺しましょう。綿棒などでこすり落とす方法が最も確実です。その際、ポロポロと下に落ちる可能性を考慮して受け皿のようなものを下に構えておくようにします。綿棒で簡単にとれますので、こすりつぶしてください。
バラの育て方:まとめ
鉢植えのバラも庭植えのバラも、それぞれに魅力的な花姿を見せてくれるのがバラの魅力です。水やりや肥料などの育てるポイントも、他の植物と大差ありません。手入れの楽なバラの種類もありますので、ぜひ一度お気に入りのバラを見つけて、愛情を注いで育ててみてください。
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