バラの品種とは
バラは世界中に4万種もある
およそ4万種あるといわれるバラ。実にさまざまな品種のバラが世界中で花を咲かせています。そもそもバラは、ヨーロッパ、北アメリカ、アジアなどの北半球の温帯域に自生する植物ですが、色、形、棘がある品種、棘がない品種、花弁の枚数がたくさんある品種など、さまざまな園芸種も存在します。
バラの樹形は3つ
4万種もあるバラは、その樹形から3つのタイプに分類することができます。つるを伸ばして支柱などにからめるつるバラに代表されるつる性、支柱などを使わずに形を作る木立性、ふたつの中間的な半つる性樹形です。
これからバラを育てようという方は、鉢植えで育てるのか地植えで育てるのか、その樹形から品種を選ぶという方法もあります。
バラの基本的な栽培方法
桜の季節が終わり、しばらくすると待ち遠しくなるバラ。いつが見頃かというと、5月中旬~6月上旬からはじまり、11月ごろまで繰り返し花を咲かせます。
自生種もあるバラは、寒さにも暑さにも、病害虫にも比較的強い花ですが、美しい花を咲かせるためには、日々の基本的な管理が重要となります。失敗しないための栽培方法のポイントについてかんたんにご紹介します。
水やりは一日一回たっぷりと
バラの栽培方法の中でも重要な水やり。5月~6月以降の開花時期が訪れたら、一日一回、たっぷりと行います。水やりのタイミングは、太陽の日差しが強くなる前がベター。
バラの葉は、濡れたままの状態が続くと病気になりやすいため、根元を中心に水やりをするように気をつけましょう。真夏の暑い時期は、夕方になってバラの元気がなかったら水を与えましょう。
日光がしっかりと当たる場所で
バラの置き場所は、日光が十分に当たる場所を選びましょう。バラは日光に多く当たることで花を咲せます。日が当たりにくい場所であっても、一定の時間、日に当たれば問題ありません。
半日陰でも育ちますが、元気のいい花にしたかったら、日当たりのいい場所に置くようにしましょう。日当たりはバラの栽培方法の中でも重要です。
バラの植え替えは必要なのか?
植え替えをするべき理由とは
バラは成長が旺盛で、土から多くの栄養分を吸収して育っていきます。このため、鉢植えでバラを栽培していたら、1~2年ほど経つと、バラの土の状態が悪くなってしまいます。
また、成長していくにつれて、根もどんどん成長していくため、鉢の中が窮屈になってしまいます。植え替えによってバラにつく害虫を駆除することもできるため、植え替えによってバラの健康状態を知ることができるのです。
バラの調子が悪くなったら植え替えを
育てているバラの調子が悪くなり、原因をいろいろ調べてみても何が原因かわからない場合、根に問題があるかもしれません。バラがかかる病気には、根の病気もあります。
植え替えして土替えをすることで、根の調子を知ることもできるので、定期的に植え替えを行うことで、病気を事前に防ぐことがもあります。
バラの植え替え時期はいつ?
バラを購入したとき
いつバラの植え替えをしたらいいのか、最初のタイミングは、バラを購入したときです。鉢バラが市場に出回るのは、開花時期の5月~6月ごろですが、購入したままにしておかないで植え替えをしましょう。
通常、市販されている鉢は、小さめの鉢に入っているケースが多く、そのままにしておくと根が窮屈になってしまいます。
バラの休眠期
バラの植え替えといえば、秋の終わりごろから冬の休眠期です。住んでいる地域によって時期は異なりますが、だいたい12月~2月の時期となります。
ただし、バラの品種によっては、芽が出る時期の早いものもありますので、こうしたらすぐに確認することをおすすめします。バラは成長が盛んで土の栄養を多く吸収するため、土のコンディションを定期的に改善することで、バラを美しく育てることができます。
バラの植え替えの頻度とは?
バラの植え替えは、できる限り定期的に行う方がベター。ずっと同じバラの土で育てていると、バラの土の酸性度(PH)が酸性に傾き、根が傷むなどの症状が出てしまいます。
このため、バラを植え替えることで、バラの土の酸性度を調整することは非常に大切です。バラの植え替えは1年~2年に一度、定期的に行うようにしたいです。
植え替えに必要な土や肥料
バラが好む土を用意することが大事
バラの栽培方法において重要なのが、バラが好む土を準備することです。バラは、通気性や排水性がいい上、保水性もある土を好みます。
この条件に当てはまる土のことを団粒構造の土と呼び、赤玉土、鹿沼土、腐葉土などのさまざまな土が重なり合って、有効な微生物が生息した状態の土を作っていくことが大切です。
肥料を施すタイミングを知る
生育の旺盛なバラには、必要な分の肥料を施すことが大切です。まず苗を購入した際、地植えに移植する際に施します。鉢植えの場合はとくに必要がありません。そして、冬の休眠期になったら、ゆっくりと成分が吸収されていく遅効性の肥料を施します。
夏になってバラの勢いが弱くなったら、追肥として肥料を施します。ただ、あまり肥料をたくさん施してしまうと、逆に健康を損ねることもあるので、くれぐれも肥料の施し過ぎには注意しましょう。
初心者でもできる、バラの植え替え方法
①休眠期の鉢植えのバラの植え替え方法
バラの休眠期は冬です。この時期の植え替えでは、根をきれいに整理すると同時に、枝の剪定も行います。植え替えのやり方は、鉢からバラを抜き取り、土を落としていきます。元の植木鉢よりも大きな鉢に移植する場合は、土をすべて落とす必要はありません。
根を軽くほぐして、伸びきった根を整えます。同じ鉢に入れ戻す場合、根を半分ぐらいに切るようにします。
バラの元気がない場合は
元気のないバラの場合、根をしっかりとチェックしましょう。バラの根や株にコブのようなものができる根頭がん腫病などもあります。病気を見つけたら、病気の部分を切り取り、土も処分しましょう。初心者はとくにすべて処分したほうがベター。ほかのバラにも移ってしまいます。
土替えをして肥料を施す
鉢の底には鉢底石を入れるか、大粒の赤玉土などを入れ、さらにバラの土を入れて、苗を植え替えていきます。植え替えが終わったら、細い枝や枯葉がついた枝は付け根から切り落とし、最後に水やりをすれば完成です。
②休眠期の地植えのバラの移植
地植えでバラを育てている方で、バラを移植したいと考えてらっしゃる方は、休眠期の植え替えがチャンス。バラを移植したい場所に大きめの穴を掘り、移植する株も大きく掘って株を取り出します。
元の土に肥料を混ぜてバラの土を作り、掘り出した株を移植した先の穴に植え替えて、新しい土を盛ります。最後に水を与え、合わせて剪定も行います。
鉢植えから地植えにバラを植え替える
鉢植えのバラを地植えにするタイミングも冬の休眠期です。鉢から苗を取り出し、根を軽くほぐします。植え替える場所を大きめに堀り、掘り上げた土に肥料を混ぜておきます。根についている土を落とし、根を整理しておきましょう。
根を広げるように植え替えていきます。土をしっかりと盛り、最後に水を与えればできあがりです。
地植えのバラを植え替える
地植えのバラを植え替える際、移植の方法と同じように、バラの苗を掘り上げ、土に肥料を混ぜ合わせます。伸びた根を整理し、苗を穴に戻し、肥料を混ぜた土で植え替えます。最後に水やりをすれば終わりです。
また、苗を直接掘り上げるのではなく、苗のそばに穴を掘り、肥料を混ぜた土替えをして、苗に栄養を与える方法もあります。
植え替え時の注意点
生育期の鉢植えのバラは根を傷つけないように
5月~6月になると生育期を迎えるバラ。一度目の開花が終わり、花月をよくするために植え替えを考えてらっしゃるのであれば、すぐに植え替えをしましょう。ふた周りほど大きな鉢を準備して、市販の培養土を使って植え替えを行います。
このとき、鉢に入っていた根は崩さないようにして、根を傷つけないように行うことが大事です。植え替えが終わったら十分に水を与えましょう。品種によっては9月~11月ごろまできれいに咲き続けます。
肥料は与えない方がいい
生育期を迎えたバラの植え替えでは、肥料を与え過ぎないことが重要です。初心者の場合、元気がないからといって、必要以上に肥料を与えてしまう方も多いのですが、肥料が多すぎて木が枯れてしまうこともありますので注意が必要です。どうしてもという場合は、置き肥を使って施しましょう。
生育期の地植えのバラは植え替えの必要はない
生育期の地植えのバラは、本来、植え替える必要はありません。よっぽど調子が悪いときなど、暑い時期を避けて行いましょう。バラの植え替えでは、大きく穴を掘り、掘り上げた土に堆肥や腐葉土を混ぜます。
植木を取り出すときは、鉢の植え替えと同様に、バラの根を傷つけないように注意しましょう。肥料を混ぜた土を少し戻し、植木を元に戻します。土を盛り、最後に水をたっぷりと施します。
少し土替えをするだけでも変わる
バラを植え替えをしなくても、苗から少し離れたところの土替えを施すという方法もあります。夏の生育期に花が付かないなどのお問題がある場合、何らかの病気にかかっている可能性もあります。大きな植え替えは休眠期を待って、苗のそばの土替えを行うことで、花を元気よくつけていくこともあります。
バラの植え替えの失敗例
いつ植え替えをするのかが重要なカギ
いつバラの植え替えをするのかは非常に重要で、品種によっては時季外れに植え替えをしたことによってバラが弱くなってしまうことがよくあります。
このため、バラの栽培方法において、植え替えをいつ行うのかは非常に重要なカギとなりますので、時期をまちがえないようにしましょう。基本的に休眠期に行い、根を整理し、枝を剪定します。
肥料のあげすぎ、水のやりすぎ
いつ植え替えをするのかに加えて、植え替えの際の肥料のやりすぎや、日頃の管理における水のやりすぎも、バラの健康を損ねてしまいます。バラは、旺盛に成長し、肥料を必要としますが、与え過ぎはNGです。
また、水をあげすぎると、根腐れを起こすだけではなく、葉が焼けてしまい、元気がなくなってしまいます。定期的に土替えをし、夏場は大目に水やりをすることは大切ですが、やりすぎは禁物ですので、バラの様子を見ながら量の調整をしていきましょう。
バラは植え替えて美しくなる
バラは栽培方法もさほど難しくなく、初心者でも気軽に育てることのできる植木です。家の雰囲気が華やぎ、グリーンライフが楽しくなりますので、ぜひ育ててみましょう。一年に一度、定期的に植え替えをして、花をどんどん咲かせてあげてください。
バラは、植え替えをすることで、どんどん成長し、美しく花を咲かせてくれます。
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