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キンモクセイとは?花や匂いの特徴から種類まで解説!どんな場所に咲く?

優雅な香りで人々の心を魅了する秋の花、キンモクセイをご存じですか?秋になると、その香水のような香りが私たちに幸せを運んでくれる花です。今回はそのキンモクセイについて、花の匂いや種類について、またどんな場所に咲き、どんなものに利用されているのかを解説しています。
更新: 2021年10月4日
森川 美月
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キンモクセイとは

キンモクセイは、秋になると街にふわりと芳香をまき散らし、季節を感じさせてくれる魅力的な花です。モクセイ科の中国原産の常緑低木で、街路樹を始め庭木としても人気があります。葉の色は濃いオリーブグリーンで、花の色はオレンジ。1cm以下の香水のような香りの小花が密集して咲きます。

キンモクセイの名前の意味とは

「キンモクセイ」と聴くと漢字は「金木星」?と想像していましたが、実際は「金木犀」と書きます。「犀」とは、動物のサイを意味する漢字です。なぜこんな美しい花に犀の字が使われているのか?答えは、キンモクセイの幹(樹皮)が動物サイの皮に似ているからです。上の写真がキンモクセイの幹になります。

キンモクセイの苗

キンモクセイ苗

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キンモクセイの苗は、高さ20~30cmの苗木ならポット植えで数百円から、もう少し大きな苗木だと千円~二千円程度で購入可能です。樹高が3m以上になりますので、鉢植えよりは地植えの方がおすすめ。どうしても鉢植えがよい場合は、8号以上の大きなプランターに苗木を植えるようにしましょう。

キンモクセイの花言葉

キンモクセイの花言葉は、すべて花の特徴に由来しています。一つ一つよく見ると小さな花びらのキンモクセイ、その小ささに由来した花言葉として「謙虚」。高貴な香りに由来した花言葉として「気高い人」。そしてその甘い芳香に由来した花言葉として「陶酔」「誘惑」があります。

キンモクセイの特徴

花の匂い

キンモクセイ(ティーオリーブと呼ばれることもあります)の香りは、独特のフルーティーなアロマが特徴です。その香りは桃やアンズのフルーツ香を含み、フルーティーノートとフローラルノートをミックスした香水を想わせます。当然ながら香りの源は花で、種や苗からは香りはしません。

キンモクセイの香水

ビューナ パルファン 金木犀

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キンモクセイの甘い香りは世界中で愛されており、コロン、オー・ド・トワレ、練り香水、アロマディフューザーとして商品化されています。その特徴的な香りは、日本人にとっては秋を感じさせる香りです。濃厚で澄んだお酒のような甘い香りに、酔いしれてしまいそうですね。

キンモクセイの魅力

キンモクセイのじゅうたん


花の季節はもちろん、散った後も美しいのがキンモクセイの特徴です。秋も深まってくるとキンモクセイの木の下はオレンジ色のじゅうたんを敷いたようになります。それを集めて袋に入れて遊ぶ女の子たち。キンモクセイは、散った後ドライフラワーにして楽しむこともできます。

季節のモチーフ

キンモクセイ 帯留め

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名前に「金」という字が入っていることと、季節を感じさせる花としてキンモクセイモチーフは好まれます。オレンジは、優しさや温もりを感じさせる素敵な色。こんなキンモクセイのアートパネルを飾って、季節のインテリアを楽しみたいものです。着物や手ぬぐいなど和の小物にも、キンモクセイモチーフが見られます。

キンモクセイの種類①

キンモクセイの種類はさほど多くありません。いずれの種類も、キンモクセイに似た小花を密集させるように咲かせます。中でも最も香りのよいのが、キンモクセイ。キンモクセイの香りは、ヘリオトロープやネメシアの花のように、香水そのものを想わせる甘い種類の香りです。

キンモクセイとギンモクセイ

キンモクセイのオレンジ色の花が白くなったところを想像してください。それが「ギンモクセイ」(上の写真)です。ギンモクセイとは、キンモクセイの原種とされている植物のことで、主に原産地である中国で分布しています。ギン(銀)とは、白い花を意味する言葉です。

キンモクセイの種類②

ウスギモクセイ

ウスギモクセイは「ギンモクセイ」の変種で、「ウスギ」とは色を表す言葉「薄黄」のことです。花はキンモクセイよりもやや大きいのですが、香りが弱くなります。葉はキンモクセイ、ギンモクセイよりも細長く、花の後実をつけるのが特徴です。日本全国で分布・栽培されています。

ヒイラギモクセイ

ヒイラギモクセイは中国に多く分布する植物で、日本では生け垣などに使われる種類の木です。モクセイ科の常緑低木で、ギンモクセイとヒイラギの交配種という意味でこの名前になりました。ヒイラギに似て葉がギザギザしているのが特徴で、それゆえにヒイラギ同様、魔除けの意味で玄関など家の入口にあたる場所に植えられることがあります。

キンモクセイが咲く場所とは

苗は日陰でも育ちますが、日当たりのよい場所に植えると花がよく咲きます。きれいな空気を好み、排気ガスを浴びるような道路沿いには適しません。冬場に霜が降りる場所や、苗木に寒風が直接当たる場所はなるべく避けましょう。暖かく日光がじゅうぶん当たる場所が適しています。

キンモクセイの分布


日本に輸入された香りのよいキンモクセイは雄株ですので、単体では実を結ぶことがありません。そのため種もとれず、自然分布は期待できないでしょう。分布地域は比較的温暖な地域で、世界で見ると日本のほかは原産地である中国(暖地)、台湾、インド、ネパール、カンボジアなどに分布しています。

中国南部原産。日本には江戸時代に雄株が渡来し、これが挿し木で北海道以外の日本中に増やされた。

キンモクセイの意外な使われ方

キンモクセイの花ネイル

季節(秋)を表す花ですから、キンモクセイはネイルアートにも取り入れられています。オレンジ色、四枚の豆つぶサイズの花弁、そういったモチーフがキンモクセイを意味していますので、ネイリストに希望して、オリジナルでキンモクセイネイル作成してもらうのも素敵ですね。

キンモクセイの花のピアス

そのかわいらしい小さなオレンジ色の花は、アクセサリーモチーフとして人気です。上の写真のようにクレイアートのピアスや、レジンにキンモクセイのドライフラワーを閉じ込めたピアスなど、作家さんのアイデアによって魅力的なキンモクセイアクセサリーに生まれ変わります。

キンモクセイのお線香

線香 和遊香 金木犀の香り

出典:楽天
出典:Amazon
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キンモクセイの甘い香りは、お香やロウソクにも利用されています。季節を感じさせるキンモクセイは、日本の四季の中でも秋を代表する花です。京都のデザイナーさんがプロデュースしたこちらのお香(インセンス)は、リラックスアロマとしてお土産やギフトにも喜ばれています。

キンモクセイの食べ物

キンモクセイの花のシロップ

キンモクセイは香りの印象が強いために、香水やアロマでの使用がイメージにありますが、意外なところで食品にも活用されているのです。白ワインにお砂糖を加え火にかけ溶かし、香りづけに摘みたてのキンモクセイの花を加えます。お砂糖を黒糖に変えたり、白ワインをリキュールに変えたりしてアレンジできるシロップです。

キンモクセイの花のジャム

こちらのキンモクセイの花びら入りジャム、京都で販売されています。一見、マーマレードを想わせる美しいオレンジ色が特徴ですが、人工の着色料は一切使われていません。このジャムは、小さじ1、2杯をお湯でわって、キンモクセイ茶として味わうこともできます。

キンモクセイの花のレアチーズ


かき氷で有名な東京・吉祥寺の「氷屋ぴぃす」さんで販売されている、「キンモクセイのレアチーズ甘夏シロップ」かき氷です。こちらのかき氷屋さんは味の種類も豊富で珍しい味の組み合わせが多く、季節の味を大切にされています。キンモクセイのかき氷にお目にかかるには、やっぱり秋でしょうか。

キンモクセイの飲み物

キンモクセイの花のお酒

キンモクセイのお酒として特に有名なのは、キンモクセイの花を白ワインに漬けこんだ中国のお酒「桂花陳酒(けいかちんしゅ)」です。「桂花」とは、まさにキンモクセイを意味します。日本では、中華料理店などで飲むことができるお酒です。世界三大美人として有名なあの楊貴妃(ようきひ)が、好きだったお酒といわれています。

キンモクセイの花のお茶

キンモクセイのお茶とは、キンモクセイの花を使ったお茶のことで、鉄観音烏龍茶とブレンドした「桂花烏龍茶」などが日本では人気です。透明な金色のお茶は見た目にも涼しげで、ほんのり甘い香りがします。ご自宅で作る場合は、ドライフラワーにしたキンモクセイの花を、緑茶やウーロン茶に浮かべて飲みましょう。

キンモクセイとは?まとめ

今や日本全国に分布し、俳句では秋を意味する季語にもなっているキンモクセイ。ギンモクセイやウスギモクセイなど似た種類もありますが、キンモクセイはその中でも一番香りの強い花を咲かせます。香水やジャム、お酒にも利用されるキンモクセイの魅力は、やはりその甘い香りにあるといえるでしょう。

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