電気虫とは
イラガという毛虫のこと
デンキムシ(電気虫)はと呼ばれる虫は存在せず正式名称はイラガ科の蛾の幼虫のことです。蛾や蝶の幼虫というと青虫や毛虫のことになります。蛾の幼虫というとチャドクガのように毒をもつ毛虫が多くイラガの幼虫である電気虫もれいがいではありません。幸いなことにチャドクガの幼虫のように毛が宙を舞って触れただけでさまざまな症状が出るというわけではありませんが、刺されれると強烈な痛みが発生する嫌な害虫になります。
電気虫の由来
なぜイラガという蛾の幼虫に電気虫という大層な呼び方がついていると、他の毛虫に刺された場合は赤くなって痒くなるという症状が多い尾ですがイラガの幼虫はとにかく痛いということに尽きます。痛いという症状が電気が走ったような痛みがありそう呼ばれるようになりました。他の毛虫にはない症状ですが、毒性自体は強烈なものではなく皮膚科に掛かるようなことは非常に珍しいケースになります。
子どもは注意
大人でも痛いと感じるほど強烈な痛みがあるので子どもが刺されたら大変です。これから刺された時の症状や対応方法などを紹介するので毛虫が活発に動き出す夏は注意してあげてくださいね。
電気虫の生態
イラガの外見
皆さんが想像する毛虫と比べると形が大きく異なります。チャドクガの幼虫やモンシロチョウの幼虫などは細長い種類が多いのですがイラガはずんぐりむっくりな体型をしていて、ウミウシのような毛虫らしからぬ形状をしているので見分けやすいです。卵から孵ったばかりの小さなころは黄色みが強い緑、ある程度大きくなるとライムグリーンに鮮やかな緑や青のライン、もしくは茶色の模様が入り種類によって模様が異なります。
無数の突起が毒針
イラガの幼虫のいたるところにある突起が毒針になっていて、誤って触れてまうと毒液が噴射される仕組みです。風などで飛散することはないので直接触れなかれば被害を受けることはありません。
初夏から注意
蛾の仲間に限らず虫が活発に動き出すのは夏に多く、子どもたちの夏休みや植木などの手入れが忙しい時期と重なるので刺される被害が多くなります。卵に関する情報はほとんどなく幼虫の段階で見つかる事が多いのも特徴で孵化してからしばらくは葉の裏に群生しています。大きさにして5mm程度ですがすでに毒針がありふれると刺されるので、葉っぱごと切り落としたりして対応すれば大丈夫です。
夏休みが始まる夏は要注意
葉を食べて成長したイラガは集団で密生していたのが単独で動き出しどこにいるのか分かりづらくなり不用意に触れてしまうと痛い目に遭うという害虫です。この頃になると大きさは1cmは超えてきます。木の上にいるだけならいいのですが落ちてきて刺されることもあるので厄介です。犬を散歩させているときに犬が踏んづけて刺されるということも多いので気をつけてください。
電気虫がいる場所
ほとんどの木にいる
刺されないようにするには、発生する場所避けるのが一番の対応になりますが、食性が広くいたるところに発生します。例えば公園などに植えられている事が多い桜はアメリカシロヒトリ、毒蛾などの害虫が多い木でイラガも桜にあつまります。他にはくすのき、けやきなどさまざまな木に発生するので、イラガがいる場所を避けるというのは不可能と言ってもいいでしょう。卵を産み付けるのは目立ない場所となっています。
庭木にも注意
庭に紅葉やバラや椿などの木があるという場合も発生しやすいので注意したほうがいいでしょう。刺された後の処置や治療は比較的簡単ですが痛いので刺されないことが大切です。初夏から夏がピークということで収穫時期がブルーベリーと重なるのでブルーベリーを収穫する時は特に気をつけてくださいね。
繭があると要注意
イラガの繭は雀の卵と言われ繭とは思えない硬い殻状の物となっていて、小鳥の卵のようにも見える独特の模様があります。卵のような殻状の繭ですが種類よっては繭にまで毒があるイラガもいるの不用意に触らないようにしましょう。
電気虫に刺された時の症状1
とにかく痛い
イラガの刺された時の症状は前述したようにとにかく痛いということです。剪定や収穫などをしていて鋭い痛みが一瞬した場合イラガに刺されている可能性が極めて高いです。処置が遅れたり、手当をしなかった場合鋭い痛みが持続することが多く感じ方は人それぞれですが、長い場合は数日痛みが引かないということもあります。幸いなことに痛いだけというと少し語弊がありますがアナフィラキシーショックを起こすことはないといわれています。
症状のピークは刺された時
イラガの幼虫。
— 山本 国鉄 (@ykokutetsu) July 25, 2017
コイツに刺された。
痛い!ヤケドしたみたいに痛い!
園児じゃなくて良かった。
絶対大泣きだわい。 pic.twitter.com/x0e9qxav4k
強烈な痛みがあるものの肌が弱い方、敏感な方以外では痛みのピークは刺されたときです。それ以降は痛みはありますが、刺されたときほど強烈な痛みがないのが特徴です。刺される原因は直接イラガに触れることなので厚めの軍手などをしていると誤って触れてしまっても刺されることは少なくなります。卵を潰したり、繭を触った時も同様で素手で作業しないように徹底すると刺されにくくなります。
電気虫に刺された時の症状2
かゆみ
一昨日イラガの毛虫に刺された手首がかゆい〜 ↓月桃の葉の下にいて気づかなかった。 pic.twitter.com/ZR1vtugOWY
— Nozomi Nakanishi (@NozomiIriomote) June 17, 2018
ハチに刺されたのかと思うような強烈な痛みは確実に出る症状ですが、もう一つの症状と言われている痒みが出るかは人それぞれです。肌が弱い方や適切に処置できていない場合などでは、肌に炎症がおきて痒みだけが一週間ほど続くといわれています。かゆみというのは毛虫に刺されたときによくある症状の1つですが、イラガの場合は痛みのほうが強烈過ぎて主な症状とは言えないぐらいになります。
腫れなど
炎症がおきるとやはり腫れてきたり、水膨れのようになったりと何らかの異常が発生します。またアナフィラキシーショックなどで重篤になることがないとはいえ目の付近など皮膚が薄い部分を刺されると大変なので症状がひどい時はきちんと病院で治療を受けたほうがいいでしょう。一番最初の鋭い痛みに関しては処置はできませんが、以降の痛みなどは家庭でも処置、治療方法があるので紹介します。
電気虫に刺された時の対応1
患部を触らないことが大切
刺された時の対処として多く分けると3つのステップがあります。まず最初は鋭い痛みを感じでも擦ったり掻いたりせずに、冷静に処置するのことが重要です。刺されたときの毒素が残っている部分を擦ってしまうと余計に塗り拡げるようなもので症状が悪化する原因になりかねません。また棘が残っている場合も掻いたり擦ったりすることで、余計に炎症を起こしてしまいます。
水でよく洗う
怪我した時と同じように傷口を洗い流すということが大切です。何を洗い流すかというと毒素だったり刺されたときに皮膚にくっついた棘(毛)などになります。また「水」で洗い流すかということで患部を冷やして痛み、かゆみを和らげるという効果も期待できます。怪我や他の毛虫に刺されたときにも使われるもっとも基本的な処置なので覚えておくといいでしょう。棘と毒素がなくなれば症状がひどくなることは少ないです。
電気虫に刺された時の対応2
テープを使う
目には見えない棘が肌に残っている可能性があるのですぐに、テープが使えるという場合はテープを貼っては剥がし棘を取り除いていきましょう。肌は刺されたことによりダメージを受けている状態なのでガムテープなどの粘着力のあるテープではなくマスキングテープなどの粘着力の弱いテープを使うなどして配慮する必要があります。特に子供の場合テープの接着剤で炎症を起こす可能性も考えられるので気をつけましょう。
臨機応変に処置する
例えば、山歩きで刺されてもきれいな水が近くにあるという場合は水で洗ってみたり、逆に刺された箇所をすぐに洗えない場合では先にテープを使って棘をとりのぞいたりと臨機応変に対処することが大切です。患部に毒や針が残っている場合根本的な解決にはなりませんが、応急処置ということで冷やしてみるのもおすすめです。体質によりますがここまでの処置でうまくいけば治療薬を使わなくても自然に収まっていく場合もあります。
電気虫に刺された時の対応3
治療薬を使う
腫れやかゆみがひどかったり、我慢できないという場合は市販の虫刺されの治療薬を使いましょう。痒みのもととなるヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬(剤)などを使うといいでしょう。あとは自然に完治していくのを待つのが一般的な対処方法になります。虫刺されの薬にはステロイド系のものもありますが、ステロイドはムカデなどの強力な毒で手が腫れているときに使うものになるので間違えないようにしましょう。
薬の代用品について
切り傷などの外傷ややけどなどに効果があると言われているアロエが、抗ヒスタミン薬の代わりに使えると言われています。外で生えているアロエは雑菌などがついている可能性が高いので、必ずアロエをよく洗って皮を剥いて薬の代わり塗ってみるのもいいでしょう。毒素は強くないので治療薬やアロエを使わなくても洗っておくだけで3日ほどで症状が収まる場合もあります。
電気虫に刺された時の対応4
治らない場合は皮膚科へ
イラガに刺された痛みはその日のうちに収まり、かゆみやはれが出ても1週間程度で通常は収まりますが、痒みなどの症状が長引いているようなら皮膚科で治療してもらいましょう。医者に見てもらうことで処方箋が必要な治療薬がもらえるので楽になりますよ。また症状が長引かなくても刺された場所が大きく腫れていたり、何に刺されたかまったく分からないという場合も適切に治療を受けたほうが跡ものこらないのでおすすめです。
目の周囲は病院へ
前述したように目の周囲や口などが刺された場合はできるだけ病院へ行ったほうがいいでしょう。目に毒針や毒素が入っていたら危険です。この場合もまずはこすらないようにしてから、よく洗って適切な治療を受けましょう。皮膚が薄いところは、症状が悪化しやすいです。
電気虫に刺された時の対応のまとめ
実はあまりひどくはならない
電気無と呼ばれるほど刺された瞬間は非常に痛いのですが、皮膚に深刻な炎症をもたらすような毒素はないので死に至ることもありません。刺された場所を触らず水で洗っておくと軽症で済むことも多いです。ただし人によっては痒みや腫れが、ひどくなる方もいるので症状に合わせて抗ヒスタミン薬をつかったり、皮膚科でちゃんと治療を受けましょう。いろいろな木にいるので庭木の手入れをする時は肌の露出をできるだけ減らすことが大切です。
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