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モルタル壁の種類や特徴って何?外装の壁面仕上げの方法もご紹介!

あまり見かけなくなったモルタル壁ですが、倉庫や小屋、駐車場の柵など、モルタル壁が使われている所はまだまだ沢山あります。モルタル壁は、塗料の材料や仕上げの特徴によって強度やデザインが変わってきます。そんな奥深いモルタル壁の種類や仕上げ方法について解説します。
2020年8月27日
sakakibara-tetuji
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モルタル壁とは

工事現場に行くと、職人さんが灰色の液体をコテで外壁に塗っているのを見たことがありませんか。ペタペタと塗っている材料の正体はモルタル。このモルタルとは、セメントと砂を水で固めたもので、コンクリートの地面や壁面の表面を整える材料として主に使われます。モルタル壁の仕上がりは芸術的なアート作品のような美しさがあり、世界各国で好まれる外壁構造の1つとして有名です。

モルタル壁の種類や外装の塗り方を紹介

モルタル壁の材料は至ってシンプルです。ホームセンターでセメントと砂を購入して、砂3:セメント1の割合で混ぜていき、そこへ水を注ぎこんで再度混ぜるだけでモルタル壁の基が出来上がります。DIYでも気軽に使揃う材料なので、庭の門や駐車場の地面などに塗りつければ、自分好みのスタイルを楽しむことが可能です。この記事では、そんな便利なモルタル壁について、壁面の仕上げの種類や塗り方について紹介いたします。

モルタル壁の構造について

モルタルの壁面(外壁)は、1cm程の板→防水紙→金網→モルタルという構造になっており、非常にシンプルな作りだと言えます。モルタル壁の最大の特徴は継ぎ目がないことです。現在主流となっているサイディング加工の壁と比較すると、継ぎ目がない分仕上げにかかる時間も短く、コーキングの手間もないためメンテナンスも楽になります。その代わりモルタル壁は耐久性が低いので、数年でひび割れなどのトラブルが発生します。

モルタル壁に耐火構造はない

建造物を建てるとき、耐久性に関するキーワードが複数出てくるかと思います。モルタル壁が対応できる耐久性には、「防火構造」「準耐火構造」の2つのみになります。またこれらの耐久構造が認められるためには、モルタルの壁面の厚みが20mm以上あることが条件になります。現在の技術では耐火構造に対応した壁を安い費用で作ることも可能なので、モルタル壁は実用的というよりもアート感覚で親しまれる、壁の位置づけになりつつあります。

モルタル壁の下塗り塗料の種類を紹介

モルタル壁は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3階の工程で塗装を進めていきます。この流れの中で、モルタル壁の強度を左右するポイントとなるのが、接着効果のある下塗り塗料です。ウレタンやシリコンなどの樹脂をベースとした下地外壁の塗料がありますが、それぞれ特徴があり、耐久年数や価格帯など必要に応じて選んでいく必要があります。モルタル壁の耐久性を決めるポイントとなる下地外壁の塗料についてお伝え致します。

一般的な下塗り塗料

最も安価で流通している下塗り塗料は、アクリル樹脂です。耐久年数は7年前後と言われており、雨が多い地域では5年ほどでひび割れが生じます。価格は1平米あたり2,000円前後が相場でしょう。その他には、ウレタン樹脂、シリコン樹脂の順番で品質と価格がグレードアップしていきます。一般的にはウレタンかシリコンを使用するケースが普通でしょう。


高級下塗り塗料

モルタル壁は、通常10年から15年ほどで補強しなければなりませんが、フッ素樹脂の下塗り塗料を使用することで、最長20年ほどメンテナンスフリーでモルタル壁を守ることが可能です。雨風に強くひび割れ安いモルタルの弱点をカバーする強い味方です。高品質なだけ費用もそれだけ高くなり、1平米あたり5,000円ほどの金額が相場になります。

長い目で見るとフッ素樹脂はコスパ良好

価格だけに注目してしまうと、フッ素樹脂でモルタル壁を構築する場合は、安価なアクリルやウレタンの塗料の倍の費用になってしまいます。しかし耐久性に優れているフッ素樹脂は、使用環境によってはアクリルの倍以上の耐久年数が期待できます。5年に1回メンテナンスするのと、15年から20年にメンテナンスするのを比較すると、意外ですがフッ素樹脂の方がコスパが良いと言えるでしょう。

モルタル壁の仕上げの種類を紹介

下塗りを終えて壁を乾燥させたら中塗りと上塗りの作業に入ります。中塗りと上塗りに使用する塗料は同じ物ですが、上塗り(仕上げ作業)にはいくつかの異なる方法が存在します。見栄えや汚れの付きにくさなど、仕上げの種類によってモルタル壁の耐久性や美しさが変わります。モルタル壁を作る工程では、下塗りに次いで仕上げ作業も大変重要な仕事になりますので、続いては仕上げの種類と方法について解説いたします。

仕上げに使う基本的な道具を紹介

モルタル壁の仕上げは、壁の表情を生み出す一種のアートのようなものです。独特な表現を形にするには、塗料を飛ばして吹き付ける「スプレーガン」、塗料を均一に引き延ばす「ローラー」、手先の間隔で塗料を壁に塗る「コテ」の3つが基本です。これらの道具を使用して、モルタル壁の最終仕上げに入っていきます。DIYでモルタル壁作りに挑戦される場合は、ローラーとコテをメインに使用していきます。

モルタル壁の仕上げの種類1:リシン

壁面が最近ではあまり見かけなくなった外装の仕上げ方法です。手で触れたときにザラっとした感覚が特徴のリシン仕上げは、昭和後期までは主流の外壁構造でした。石、砂、樹脂、を接着して固めるだけなので、非常にコスパの良い仕上げ方法というのがメリットですが、その代わり耐久性に乏しく、カビや汚れが蓄積しやすいため、表面のひび割れはほぼ避けることは出来ないというデメリットもあります。

リシン仕上げの塗り方(仕上げ方法)

リシン仕上げには、さらに細かく分類していくと2つの塗り方が存在します。1つ目は「吹き付け施工」。スプレーガンで、壁一面に塗料を分散させるように吹き付けていくやり方です。2つ目は「弾性リシン」。ひび割れしやすいモルタル壁の弱点をカバーするために開発された、やや弾力の強い施工方法になります。こちらもガンを使って塗料を飛ばしてく塗り方になります。

モルタル壁の仕上げの種類2:スタッコ


スタッコはリシン​よりも厚みのある外壁構造になります。品のある雰囲気を醸し出すので、塗り方にはそれなりの経験と技術が必要とされます。おうとつが際立つため、空気中の汚染物が付着しやすいのが難点です。メンテナンスを怠ってしまうと、数年で外壁の表面の色が変色してしまうほど、汚れが目立ってしまいます。汚れをそのままにして年数が経過してしまうと、高圧洗浄機で洗うか塗り直さないと回復できないので、定期的なケアが大事になります。

スタッコ仕上げの塗り方(仕上げ方法)

スタッコ仕上げの塗り方は、「吹き付け」と「コテ仕上げ」が主流です。吹き付けはガンを使って壁面にまんべんなく塗料塗り付ける方法で、簡単かつ広い範囲の外壁を施工することが可能です。コテ仕上げは、昔ながらの方法で、職人さんが1箇所ずつ丁寧にコテを使って塗料を塗り伸ばしていきます。時間も手間もかかりますが、世界に1つだけしかないオリジナル要素の高いデザインが生まれます。

モルタル壁の仕上げの種類3:タイル壁

吹き付けタイル壁の特徴は、表面がツルツルした肌触りに塗りあげることが可能です。リシンやスタッコの表面がザラザラでこぼこしてしまう理由は、塗料の材料に骨材と言われる砂利や砂を多く使用している為です。タイル壁では、基本的に骨材は使用しないので表面が滑らかな感触になるのです。ちなみにタイルという言葉は、お風呂などに張られるタイルとは関係なく、ボンタイルという模様の名称になります。

タイル壁の塗り方(仕上げ方法)

タイル壁の塗り方は、スプレーガンによる吹き付けとローラーによる手作業の塗り方の2つが主です。リシンやスタッコと同様に、ガンで外壁の広範囲に塗料を噴射していきます。そして、タイル壁のツルツルした特徴を活かすために仕上げにローラーやコテを使用して、デコボコや色むらを無くしていく行程が一般的です。綺麗さを重視するためには、熟練の技が必要なので、DIYで挑戦するにはやや難易度が高い塗り方になるでしょう。

色つきモルタル壁の作り方を紹介

カラフルなモルタル壁を施工したいときは、モルタルに色をつけることでカラーモルタルを作ることが可能です。材料は、ホワイトセメント、色粉、の2つだけなのですが、やや繊細な技術が必要なのでDIYで成功できるかどうかは保証できません。作り方は、まず色をつけやすくするために白いセメントを基にして、そこへ1%の色粉を混ぜるだけのシンプルな方法です。1kgのセメントであれば、10gの色粉を混ぜるということになります。

色付きモルタルは職人でも難しい

モルタルに色を付ける作業は、色味のバランスを整えることが困難で、作る度に毎回異なった色が出てしまいやすいもの。職人さんの手にかかっても、成功率は安定しないと言われています。色付きモルタルはうまく出来上がれば、おしゃれな壁が生み出せるかもしれませんが、やはり現実的ではありません。壁に色を塗る場合は、外壁を通常のモルタル塗装して、乾いた上からペンキなどの塗料で色を塗っていきましょう。

モルタル壁のDIYは失敗しても気にしない


モルタル壁をDIYで施工するのは、やはり簡単でありません。何年も修行を重ねた職人さんの技ですので、数回試しただけでは上手に塗ることはできないでしょう。初めは失敗が続くと思いますが、失敗するものだと思って気長に続けてみましょう。いきなり高価な材料を使用すると、失敗のときに落ち込んでしまいやる気を失ってしまいやすいので、始めは練習用に安いセメントと砂を使ってください。

地面から塗っていくと感覚が掴みやすい

地面への重力のある壁面をモルタルで塗り固めていくのは難しいもの。最初は重量抵抗の少ない庭の地面から試していくと、仕上げるときにムラが出ないように意識しやすくなります。モルタルの扱いに慣れてきたら、今度は倉庫など目立たないところの壁で練習すると上達しやすいでしょう。

まとめ

モルタル壁はデザイン性があり、使いこなせれば駐車場の地面や、倉庫、門、などの外壁をおしゃれに仕上げることができます。接着剤となる下塗り塗料の種類の選び方と、仕上げ方法の種類を理解すれば、望みの強度・見た目のモルタル壁の構築が実現できるでしょう。ただし全てをDIYで行うのは難しい部分もありますので、分からないときは無理をせず業者へ依頼してください。

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