検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

鳴子こけしとは?鳴子温泉で有名な伝統的工芸品の特徴や歴史をご紹介!

こけし好きな女子がブームを巻き起こしています。中でも歴史ある鳴子こけしは有名で、工芸品としての伝統を大切に守りながらも現代的なデザインを取り入れたり、独創性に挑戦したりと常に進化を続けています。鳴子こけしの特徴や歴史を知ると奥深さのある世界に夢中になりますよ。
2020年8月27日
おとはねくみこ
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

鳴子こけしとは

鳴子温泉で有名な工芸品

誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。お土産でもらったり、実家や友人宅に飾ってあったりするほか、メディアで見聞きすることも。「鳴子(なるこ)こけし」といって、宮城県大崎市にある鳴子温泉で有名な伝統的工芸品です。今回は「こけ女」に大人気の鳴子こけしをクローズアップいたします。(この記事の情報は2019年6月30日現在のものです。)

鳴子こけしの魅力をご紹介!

まず、素朴で愛らしい鳴子こけしの特徴や歴史を解説いたしましょう。続いて、鳴子温泉の湯めぐり観光スポットや可愛い街のこけしたちをご紹介しますので、楽しみながら散策してみてください。また、伝統的なタイプ以外にも、現代的な要素を取り入れたものやオリジナルグッズもたくさんありますので、お土産やお祝いを選ぶときの参考にしていただければ幸いです。

鳴子こけしの特徴

音が鳴る鳴子こけし

首を回すと「きゅっきゅっ」といい音がします。これこそが代名詞とも言える特徴です。材料はミズキやイタヤカエデなどの天然木で、頭と胴体をそれぞれ、ろくろで削って形作ります。頭部の突起を胴体の穴に、ろくろを回転させながらはめ込むテクニックは「首入れ」と呼ばれ、熟練した職人ならでは。こちらの動画で披露されている職人技には感嘆するばかりです。

鳴子こけしの顔と胴体

やや面長(おもなが)で和風美人な瓜実顔(うりざねがお)が特徴です。守ってあげたくなる幼子のような顔つきが可愛らしく、結った前髪に赤い髪飾りがなんともチャーミングですよね。胴体はふっくらと丸みを帯びた肩に、腰回りがやや細くなって裾方向にまた広がる輪郭で、すわりのよい感じとなっています。

鳴子こけしの模様

典型となる模様は「重ね菊」です。真横から眺めた菊が2つ、3つと重ねて胴体に描かれています。また、艶やかに花開いた菊を真上から眺めた「菱菊」もお馴染みです。これらの模様を単独あるいは組み合わせて、生き生きとリアルに描かれているのが特徴と言えるでしょう。多く見られるのは菊ですが、そのほかには楓や牡丹、撫子、菖蒲などのデザインもあります。

鳴子特有のねまりこ

下部がふっくらとしているのは鳴子だけのフォルム「ねまりこ」です。東北では座ることを「ねまる」といい、子供が正座している姿を表現しています。胴全体がまん丸の形は「えじこ」です。農作業をする傍らで子供を寝かせておくわらで編んだ温かいかごを東北地方では「えじこ」といい、かごから顔だけを出している可愛らしい姿となります。

鳴子こけしの歴史

歴史の始まりは江戸時代

始まりは江戸時代の後期に遡ります。東北の山深い温泉場で、ろくろで木工品を作り出す「木地師(きじし)」と呼ばれる職人によって手掛けられました。子供の玩具という説が有力です。東北地方の人々に愛されながら伝統のたすきが繋がれ、お土産品のみならず、御祝い品や鑑賞的価値の高い工芸品としての地位を確立してきました。今は職人を「こけし工人(こうじん)」と呼びます。

伝統的なこけしの系統

東北地方には11の伝統的な系統があります。中でも鳴子、作並(さくなみ)、遠刈田(とおがった)、弥治郎(やじろう)、肘折(ひじおり)の5つの系統は「宮城伝統こけし」として昭和56年(1981年)に伝統的工芸品として国に指定されました。各系統によって、表情や髪型、髪飾り、胴体の模様やシルエットに特徴があり、同系統でも職人によって各々の個性が光ります。

こけしの名前の由来

鳴子温泉「ゆめぐり広場」のこけし

古来よりさまざまな呼び名がありました。木彫り人形を指す「芥子(けし)人形」や「木形子(こげし)」、子供を意味する「おぼこ」や方言が加わって「こげしおぼこ」「こげすんぼこ」「こげす」「きぼこ」「でく」「でこ」といった具合です。漢字も「小芥子」「木芥子」「木削子」など多数あり、昭和15年に鳴子温泉で開かれた全国こけし大会で「こけし」と統一されました。

子供の健やかな成長を願って

幕末期の「御郡村御取締御箇条御意帳(高橋長蔵文書)」に「木地人形こふけし」と記載があります。これは鳴子周辺でのこけしの呼び方で、「こふけし」とは「子授けし(こうけし)」つまり子供が授かる祝い事です。前髪を結んでいる模様「水引手」は、京都の御所人形のお祝い用から継承。こけしは出産祝いや誕生日プレゼントといった縁起を祝う品物として喜ばれています。

鳴子温泉を散策①温泉めぐり

ぽっぽの足湯


JR鳴子温泉駅に隣接して「ぽっぽの足湯」があります。ヒノキで作られた浴槽は深さや温度によって2か所あり、無料で利用できます。駅の観光案内所でパンフレットをもらって、足湯につかりながら散策コースを考えてもいいですし、散策後に疲れた足を癒してもいいですね。電車の待ち時間にもおすすめです。

ぽっぽの足湯の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉字湯元2-1
【連絡先】0229-83-3441(鳴子観光・旅館案内センター)
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅直結
【営業時間】終日(早朝に清掃あり。無休)

鳴子温泉郷観光協会公式サイト/宮城県大崎市鳴子温泉

ゆめぐり広場

JR鳴子温泉駅前にある「ゆめぐり広場」には回廊があり、無料で「手湯」を楽しめます。温泉地に足湯はよくありますが、手は珍しいですよね。これがなかなか侮れないのです。手をつけているだけで全身がぽかぽかになるのですよ。広場の駐車場内にある「足湯」と「温泉卵工房」は残念ながら現在メンテナンス中で、再開時期が未定となっています。

ゆめぐり広場の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉字湯元108
【連絡先】0229-83-4751
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩1分
【営業時間】9:00~20:00(時期により変動あり。無休)

滝の湯

温泉神社のすぐそばにあります。1000年という長い年月、地元の人から観光客まで大勢の人たちを癒してきた歴史ある御神湯です。板張りの浴槽には白く濁った温泉が源泉かけながしで贅沢に楽しめます。料金は大人150円、子供100円と大変リーズナブルです。最終受付時間の午後9時半までに入場しましょう。

滝の湯の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉字湯元47番地1
【連絡先】080-9633-7930(滝の湯番台)
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩5分
【営業時間】7:30~22:00(無休)

早稲田桟敷湯(わせださじきゆ)

戦後まもないころに、早稲田大学の学生が土砂や岩石を掘り取る掘削(くっさく)の実習で掘り当てた温泉です。掘り当ててから50年経った平成10年に全面改装し、硫黄をイメージさせる黄色い外観が特徴的。動脈硬化や切傷、火傷、慢性皮膚病に効果があるとされている泉質です。中桟敷と呼ばれる畳の広間で休憩できますよ。料金は大人530円、子供320円です。

早稲田桟敷湯の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉字新屋敷124-1
【連絡先】0229-83-4751
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩3分
【営業時間】9:00~22:00(最終入場21:30)【備考】広間の休憩は10:00~18:00

鳴子温泉を散策②こけしスポット

鳴子こけしの郵便ポスト

温泉街を散策するとあちらこちらに可愛いこけしが見つかります。鳴子郵便局のこけしポストは有名で、ユーモアたっぷりにあなたの訪れを待っていますよ。さすがこけしの街の郵便局といったところですね。郵便局は「早稲田桟敷湯」のお隣に位置しています。

鳴子こけしの風景印

郵便局の窓口で鳴子こけしと鳴子ダムがデザインされた「風景印」を押してもらえます。あくまでも消印なのでハガキや切手を貼り付けたものが必要ですが、記念押印もいいものですね。

鳴子こけしの電話ボックス

電話ボックスの屋根をご覧ください。JR鳴子温泉駅から徒歩で5分ほどのところに「大崎市鳴子総合支所」という役場があり、その正面玄関前に設置されています。受話器を取って記念撮影する観光客が多く、インスタ映えスポットとなっています。撮影時は周りの状況に配慮しましょう。

温泉神社の鳴子こけし

公衆浴場「滝の湯」横の石段を登っていくと温泉神社があります。境内にはかなり年季が入った鳴子こけしがいらっしゃいますよ。御朱印と一緒に可愛いこけしシールを貼ってもらえるのがうれしいですね。旅の安全を祈願して、ぜひとも参拝いたしましょう。

鳴子こけしの顔出しパネル

思わず顔を出して記念撮影したくなる顔出しパネルです。「日本こけし館」の正面玄関に設置されており、館内には飛行機型玩具をデザインした顔出しパネルもあります。駐車スペースには白いラインと一緒に工人さんが描かれたこけしが数種あり、とても和ませてくれますよ。

鳴子こけしのマンホール


可愛いデザインのマンホールが至る所にあります。種類によって色味や大きさ、形が異なりますので興味深いですよ。そのほかにも街中には看板、シャッター、車止め、街灯などに注目してみてください。その度に大興奮してしまうでしょう。

鳴子温泉を散策③絵付け体験

こけしの菅原屋

ろくろで木を削ることから体験できるのは菅原屋だけです。難しそうに思われがちですが、優しくて丁寧な職人さんが手ほどきしてくれるので安心です。絵付けをして最後まで作り上げた時は感動が待っていますよ。貴重な体験ができるおすすめスポットです。

こけしの菅原屋の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉上鳴子135
【連絡先】0229-83-3664
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩15分
【営業時間】8:00~16:30(不定休)

こけしの菅原屋

日本こけし館

昭和50年開館という古い歴史を持ち、系統別に展示された数多くのこけしに圧倒されることでしょう。絵付け体験は1~19名なら1,080円(税別)、20名以上なら980円(税別)で入館料が別途必要です。10名以上は要予約ですが150名の収容を誇ります。職人さんの実演や玩具ふれあいコーナーもありますよ。

日本こけし館の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉字尿前74-2
【連絡先】0229-83-3600
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩25分
【開館時間】8:30~17:00(12月は9:00~16:00)【開館期間】4月~12月(無休)

日本こけし館

桜井こけし店

伝統と現代的な独創性を大切にしているお店です。予約不要で絵付け体験できます。鳴子こけし、ペン立てこけし、お手紙こけしの3つの中から選び、製作にかかる時間の目安は約30分ほど。料金は1,500円(税別)です。5名以上の場合は3日前までに予約してください。

桜井こけし店の基本情報

【住所】宮城県大崎市鳴子温泉湯元26
【連絡先】0229-87-3575
【アクセス】JR陸羽東線鳴子温泉駅から徒歩5分
【営業時間】8:00~19:00(不定休)

桜井こけし店

鳴子温泉を散策④全国こけし祭り

伝統の全国こけし祭り

日本全国の伝統こけしが集う「全国こけし祭り」は、ここ鳴子温泉で開催されます。1948年に「鳴子こけし祭り」としてスタートし、1953年に現在の名称に変わりました。今年で65回目となる伝統的なお祭りで、2019年8月30日(金)~9月1日(日)開催予定となっております。

こけし供養祭・こけし奉納式

前夜祭では温泉神社にて供養祭が営まれます。割れてしまったり、傷ついてしまったりと鑑賞できなくなったこけしを感謝の気持ちを込めて供養いたしましょう。翌日には祭りの成功と安全、業界の未来が栄えることを願って奉納式が執り行われます。

こけし制作実演展示販売・こけし座談会

鳴子小学校体育館では、こけし工人と呼ばれる有名な職人さんがこけし制作の実演、展示、販売を行います。全国から熱いファンが集うお祭りのメインイベントです。座談会は職人さんや愛好家が集結して楽しいトークイベントを繰り広げます。コンクール入賞作品もずらりと展示されますので貴重な機会をどうぞお見逃しなく。

フェスティバルパレード

夜の帳が下りたころ、屋台が立ち並ぶ温泉街において、こけしデザインの浴衣を着た婦人会の皆さんによる「鳴子踊り」が披露され、ユニークな「張りぼてこけし」がゆったりと練り歩きます。活気のある祭囃子とともに御神輿も登場してお祭りもクライマックスを迎えます。

全国こけし祭り実行委員会事務局(大崎市鳴子総合地域振興課)

詳しいスケジュールやイベントについては今後発表されますのでお出かけ前にご確認くださいね。

ホーム - 大崎市ウェブサイト Osaki City Official Website

全国こけし祭り

鳴子こけしいろいろ

現代的な鳴子こけし

こちらは「桜井こけし店」のパステルカラーが可愛いモダンなタイプ「Hagoromo」です。現代的なライフスタイルにマッチするように、パステルカラー以外にもビビットなカラーが特徴の「Kaguya」や斬新な模様を描いた「Cozchi」もあります。出産祝いや新築祝いに贈ってもいいですね。

ハーバリウム鳴子こけし

コンクール最高賞となる文部科学大臣賞を受賞した大沼秀顯工人と花の流通、販売、デザイン、装飾をプロデュースする「ユー花園」がコラボレーションしたハーバリウムこけし「KOKESHIUMコケシウム」です。歴史的工芸品とモダンの融合はお祝いやお土産にもおすすめです。

鳴子こけしの印鑑

「松田工房」の印鑑です。結婚祝いの品として人気の商品ですが、あまりの可愛さに自分へのご褒美としてもいいですね。こちらの工房では、伝統的な定番タイプから似顔絵やLEDライトといったユニークなものまで取り扱っており、通信販売もしていますよ。

松田工房

鳴子こけしのお土産

鳴子こけしのお菓子

「みちのくこけし旅プリントパピロール」は一押しです。箱の絵柄も可愛いですが、中のお菓子一つ一つに模様がプリントされています。ラムネボトルやボーロもお土産でもらったら気分があがりますね。そのほかには、サブレ―やあられ、バームクーヘンなどもこけし柄でパッケージされており人気のお土産となっています。

鳴子こけしの雑貨

ストラップはお土産の定番ですね。キティちゃんなどキャラクターとコラボしたものもありますよ。メモ帳やクリップ、クリアファイルといった文房具から手ぬぐいやバッグなどの布小物まで豊富なグッズがあり、どれをお土産にしようか迷ってしまうほどです。伝統的なデザインの玩具や一輪挿し、小物入れ、エッグスタンドも暮らしを彩ってくれます。

まとめ

鳴子こけしをあなたの身近に

可愛いな、素敵だなと興味を持たれた方はぜひ身近に置いてみてください。知れば知るほど工芸品としての魅力や奥深さに感心し、こけ女たちがはまってしまう理由に納得してしまうでしょう。鳴子に訪れてみてもいいですし、お住まいの近くで展示会やイベントが開催されていましたら立ち寄ってみてくださいね。一つ一つをじっくりと眺めていると愛着のわく一体に出会えますよ。

宮城県の観光が気になる方はこちらもチェック!

東北地方でも特に宮城県への観光をお考えの方はこちらの記事もチェックしてみてください。有名なお祭りや観光スポット、宿泊施設などを詳しく解説し、宮城県の魅力をたっぷりと紹介しています。