市販だと高額なバター、手作りなら簡単においしく!
市販のバターは、最近品薄気味の状態が続いています。おいしいバターを市販で手に入れようとすると、結構高額であったりして、ついついマーガリンで代用してしまう方も多いのではないのでしょうか。もしもバターが手に入りづらいのであれば、ご家庭で手作りしてみるというのはいかがでしょうか。バターの手作りはちょっと難しそうな印象ですが、実際は特別な材料もいらず、簡単にできあがるのです。自家製バターの作り方をしっかり覚えて、ご家庭ではもちろん、バーベキューやキャンプでおいしいバターを楽しんでみてください。
バター作り方の前に、バターが出来上がる仕組みは?
人類がバターを発見したきっかけは、絞りたての牛乳を瓶に入れて、牛にぶらさげた状態で長いこと移動していたところ、移動による振動で中に入っていた牛乳が振られ、液体と固体に分裂していました。この固体が食べられることが判明したため、バターとして活用したと言われています。 牛乳を振ると、乳脂肪分の膜が破れて中の脂肪が出現、脂肪同士が結合して固まりができます。市販の牛乳は、この脂肪を小さくする工程を施しているため、振っても脂肪が結合しませんが、生クリームであれば脂肪が大きい状態で市販されているため、振ると結合します。
手作りバターの材料&用意するものは?
バターの手作りに必要な材料は「乳脂肪分が多い生クリーム(動物性)(必要分)」「塩(少々)」の2点。生クリームは植物性よりも動物性を、乳脂肪分が多い生クリームを選ぶのがポイントです(理由は後述します)。他に必要なものは「ペットボトル(500ml容量が振りやすい)」。このペットボトルも、市販のもののリサイクルで大丈夫です。ペットボトルを使う前によく洗って、水分をふきとっておきましょう。この他に特別な材料は必要ありません。スーパーで市販されているものでできるので、ぜひ気軽に挑戦してみましょう。
振るだけ簡単!手作りバターのレシピ手順
まず、ペットボトルに動物性の生クリームを入れます。生クリームの量は、ペットボトルを思いっきり振るのであまり多すぎない程度に入れます。しっかり蓋をして、ペットボトルを振ります。2分程度振り続けていると、中の生クリームが固まってきてホイップクリーム状になります。そのまま振ると、ホイップクリームが固まりになり、固形物と液体に分離してきます。完全に分離したら、ハサミでペットボトルを開いて、固形物と液体を分けます。この固形物がバターの完成物です!お好みで塩を入れて味を調整しましょう。
手作りバターを失敗させないための注意点
ペットボトルを振るだけの方法で、自家製バターがとっても簡単に完成しました。もし、「いつまで振っても固まらない」「量が少ないけれど失敗しているのか?」と思う時は、「生クリームの種類」と「温度」を気にしてみることをおすすめします。生クリームを正しく選ぶことで、手作りバターがぐんとおいしくなりますが、逆に生クリームの選び方を失敗してしまうと、時間がかかってしまい、味わいも変わってしまいます。生クリームを選ぶ時に気にしてほしい植物性と動物性の違い、乳脂肪分の量などについて説明します。
生クリームは植物性ではなく動物性を選ぶ
生クリームには植物性と動物性の二種類があります。動物性は動物由来、植物性は植物から取れる油からできています。植物性の方が市販では安く販売されていますが、植物性では固形物と液体に分かれづらく、振る時間が動物性よりもかかってしまいます。また、あまり振りすぎてもなめらかなバターが作れなくなってしまうという事から、植物性ではなく動物性のものが適していると言われています。
乳脂肪分が多い生クリームを選ぶ
更に乳脂肪分が含まれる量もメーカーによって異なります。乳脂肪分の膜が破れることで、脂肪同士が固形になるのですが、この乳脂肪分が少ないと、完成するバターの量がかなり少なくなってしまいます。なるべく多くのバターを作れるよう、乳脂肪分の量が多い方を推奨しています。また乳化剤や安定剤が入っていないものを選びます。乳化剤や安定剤は分離を抑える効果があるので、完成に時間がかかり、失敗してしまいます。
手作りバターが早く固まるコツは温度にあり
自家製バターを早く作るコツは、生クリームを直前まで冷やすことです。そして、作り始めてから温めるように意識すると、通常よりも早く固まります。バターを作る直前まで、生クリームを冷蔵庫で冷やしておきます。少し室温を高くして、暖房の近くで温めながら振ると、早く固まります。
バターがうまく固まらない場合は温めてみても
また、もしなかなか固まらないと思った場合はぬるま湯に少しつけてから振るとよいでしょう。このとき、お湯が生クリームに入ってしまうと失敗してしまうのでご注意ください。電子レンジを使用すると生クリームが破裂してしまうので、あくまでも室温より少し高い温度でゆっくり温めることをおすすめします。
自家製バターを手作りしたときにできる液体は何?
バターを手作りすると、固形と液体に分かれますね。この液体の方の正体は、「ホエイ」または「乳清」といいます。牛乳よりも少し半透明で、よく市販のヨーグルトを買った時に、ヨーグルトの上に浮いている液体もこれと同じです。カルシウムなどの無機栄養分や各ビタミン類、たんぱく質が多く含まれていて、栄養価がとても高いです。もちろん味もとてもおいしくさっぱりした風味で、お子様にも大人気。そのまま飲んでもおいしいですが、パンを作るときの水の代わりに使ったり、プロテインに混ぜたりして活用している人もいます。
更においしく!手作りバターのアレンジ方法を紹介
手作りバターはそのままでもおいしく、パンやお料理に活躍します。そんな手作りバターですが、ちょっと材料の入れ方を一工夫すると、よりおいしく食べることができます。せっかくバターを手作りしたら、自家製ならではのアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか?手作りバターのアレンジにおすすめの材料と、簡単な作り方、こんな料理に合わせるとぴったりな組み合わせをおすすめします。自家製バターを作りすぎて余ってしまった方はもちろん、普通のバターの味に飽きてしまったという方も、ぜひお試しください。
手作りバターアレンジ方法1:発酵バター
生クリームにヨーグルトを入れて発酵させると自家製サワークリームができあがります。この方法を応用して発酵バターを作ります。生クリームを振って完成したバターに、ヨーグルトを入れて、半日~1日放置しましょう。市販だと少々高額なサワークリームが、簡単に出来上がります!この時のポイントは、塩を入れてしまうとしょっぱくなりすぎてしまいます。そのままでもさわやかな酸味が特徴なので、塩は入れずにいただきましょう。パンはもちろん、タコスやポテトチップスなどにあわせてちょっぴり贅沢なおつまみにいかがでしょうか?
手作りバターアレンジ方法2:ガーリック
生クリームを振って完成したバターに、にんにくをイン。ポイントはにんにくを水に通してサランラップで包んでから電子レンジで加熱し、よくすりつぶすことです。すりつぶしたにんにくをバターとよく混ぜるだけで完成です。これだけで食欲を刺激するガーリックバターになります。さらにこれを食パンに塗ってレンジで温めると、薫り高いガーリックトーストが完成!お肉にももちろん、実はラーメンにも合うのがこのガーリックバターなのです。次の日の口のにおいは後々ケアするとして、たっぷりとぜいたくに入れましょう!
手作りバターアレンジ方法3:レーズン
ほどよい甘さと大人の酸味で大人気の「レーズンバター」。自家製のバターにラムレーズンを入れるだけの簡単なレシピです。ラムレーズンの作り方は、ラム酒にレーズンを漬けるだけ。レーズンが浸るくらいの量のラム酒に一時間ほど漬ければ、大人な風味のラムレーズンが完成します。このラムレーズンを自家製バターに混ぜれば、レーズンバターの完成です。このレーズンバターはしっかり冷やすのが、おいしく食べられるポイント。クラッカーやクッキーに挟んで、市販の「バターサンド」のような食べ方が、見た目も味もぴったり!
手作りバターアレンジ方法4:フェンネル
「フェンネル」とはハーブの一種。このフェンネルを自家製バターに加えるだけで、おしゃれかつ料理に大活躍のハーブバターになります。自家製バター50gに対し、みじん切りのフェンネルを大さじ2加えます。さらにすりおろしにんにくを1/2片入れたり、パセリやチャイブなどのハーブをお好みで入れると、味のアクセントになるのでおすすめです。ハーブバターはフランスパンとの相性がばっちり。野菜と一緒に蒸すと香り高い蒸し野菜が完成します。ぜひワインのおつまみに、リッチな気分でいただいてみてはいかがでしょうか?
手作りバターアレンジ方法5:ディル
フェンネルと同様、手作りバターに合わせたいハーブが「ディル」です。ディルは爽やかな香りが特徴。材料の分量は、フェンネルの時と同程度で、 バター50gに対しみじん切りのディルを大さじ2入れましょう。フードプロセッサーを使った方が、簡単に細かく刻むことができておすすめです。にんにくと塩を一つまみ入れると、よりさわやかな風味になります。沢山作って、冷凍させるとディルの新鮮さが長持ちします。魚料理や牡蠣との相性が抜群!お酒のおつまみにもなりハーブバターは市販だと高くついてしまうハーブバターを、自家製でいろいろ作ってアレンジしてみましょう。
手作りバターアレンジ方法6:レモン
バターとレモンの組み合わせで、とろけて爽やかな香りのレモンバターを作ることができます。材料は自家製バター50gに対し、レモン汁を10ml入れて混ぜるだけで、爽やかな雰囲気のイエローなバターが完成します。バターを加熱してやわらかくしてから、レモン汁を少しずつ加えて混ぜていくと簡単です。レモンの皮を少しすりおろして入れると、よりレモンの風味が際立ちます。爽やかな風味に鮮やかなイエローのレモンバターは、パンやお菓子など色々と塗りたくなりますね。ハンバーグやステーキなど、お肉の上に乗せるだけで、レストランの味をご家庭でも簡単に再現できます。
手作りバターアレンジ方法7:醤油
バターと醤油という天才的な組み合わせは、バターのアレンジには外せない!こってり、香ばしいバター醤油は、どの料理にもぴったり合います。バターと醤油を同程度で混ぜるだけの簡単アレンジで、いつもの料理がグッと変わります。そのままでもよいですが、青ねぎを刻んで入れるとより味のアクセントになります。トウモロコシや牡蠣、ホタテなど何にも合いますが、ここはカロリーを気にせずバター醤油ご飯でいただきたいところ!バター醤油をご飯に乗せるだけで、無限に食べられる贅沢なご飯に大変身!ぜひ一度自家製バターでお試しください。
料理に使おう!手作りバターを使用したレシピを紹介
ここまでは自家製のバターをよりおいしく楽しめるアレンジ方法を紹介しました。もし手作りバターが余っているのなら、バターを使ったお料理に挑戦してみてはいかがでしょうか?市販のバターだと高くついてしまいますが、自家製のものならたっぷり贅沢に使えるのが魅力です。ここでは簡単なものからちょっと凝ったものまで、バターのおいしさを生かせるお料理の作り方を幅広くご紹介します。一生懸命作った自家製のバターから手作りした料理は、より一層おいしく感じるかもしれません。おかずに、主食に、ちょっとした一品に、ぜひ作ってみましょう!
バターを使った料理の作り方1:パン
パンはバターのおいしさを十分に引き出せます。難しい印象ですが、基本の丸パンの作り方を覚えれば、他のパンにも応用ができます。パン作りの注意点として、材料には無塩バターを用意します。つまり完成時に塩を入れないものがパン作りに応用できます。塩を入れてしまうとしょっぱくなってしまうので気をつけましょう。
材料 強力粉 … 200g インスタントドライイースト … 3g 塩 … 3g 砂糖 … 14g スキムミルク … 12g 水 … 136g 無塩バター … 10g
バターを使った料理の作り方2:バターライス
バターライスの作り方はとても簡単!炊き上がったご飯に、バターを混ぜていためれば完成です。みじん切りのたまねぎと塩コショウ、イタリアンパセリを少し追加する事で、バターの香ばしい香りを引き立てます。そのままはもちろん、鶏肉を入れてチキンライスのほか、オムライスにアレンジもできます。
材料 ご飯(炊きたて)丼2杯分 玉ネギ1/2個 バター20g 塩コショウ適量 イタリアンパセリ(刻み)少々
バターを使った料理の作り方3:じゃがバター
手作りのバターを使って、懐かしい味のじゃがバターを作れます!作り方もとても簡単で、ご家庭で、小腹がすいた時にも手軽に作れます。ほくほくのじゃがいもにたっぷりバターがたまりません。お好みでブラックペッパーや醤油をかけてもおいしいです。
材料 じゃがいも 2個(300g) 有塩バター 20g
バターを使った料理の作り方4:醤油バターコーン
簡単材料ですぐできる醤油バターコーンは、おつまみにぴったり。コーンは缶詰のものを使っても便利ですし、そのまま焼きとうもろこしをバターと一緒に焼いてもOKです。カロリーを気にせず、たっぷりバターを使う方がおいしく完成します。
材料 冷凍コーン100g バター10g 醤油小さじ1
バターを使った料理の作り方5:ポタージュ
自家製バターと牛乳または生クリーム、お好きな野菜で市販に負けないおいしいポタージュができあがります。ハンドプレッサーがあると、短時間でポタージュが出来上がるのでとても便利です。
材料 じゃがいも 3個 玉ねぎ 1/4個 バター 20g 小麦粉 大さじ1 A水 2カップ A「味の素KKコンソメチキン」固形タイプ 2個 牛乳 2カップ こしょう 少々 パセリのみじん切り
バターを使った料理の作り方6:バタークッキー
クッキーを手作りするとしたら結構な量のバターを用意しなければなりません。市販のバターだと高くついてしまうので、ぜひ自家製バターを使ってクッキーを作ってみましょう。
材料 バター100g 砂糖60g 卵黄 1個 薄力粉150グラム
自家製バターの作り方をマスターしよう!
バターは手作りするまでは、難しいと思われがちです。しかし、この記事で紹介した方法なら、意外と簡単に作れるのです。生クリームが固まるメカニズムを知ることで、どのような種類の生クリームを選べばいいのか、乳脂肪分や周りの温度と固まりやすさの関係など、手作りのコツがわかってきたのではないでしょうか。ぜひご紹介した方法で、簡単なバターの手作りに挑戦してみてください。完成したバターはそのまま食べるのもおいしいですが、材料を加えてアレンジしたり、色々な食材に合わせてみたりと、ぜひ色々なお味に挑戦してみるのもとても楽しめますよ。
乳製品を使った手作りレシピが気になる方はこちらをチェック!
バターの他にも、乳製品を使っておいしいお料理が手作りできるのです。ちょっと難しいと思われがちですが、どれもコツをつかめばとても簡単!市販の材料で作れる、乳製品のレシピをご紹介します。ぜひ以下の記事を参考に、ご家庭やバーベキューなどで、乳製品を手作りして楽しんでみてくださいね!
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