まずはスモークチーズについての知識を学ぼう
同じスモークチーズでも、ちょっとした違いで味や香りが全然違うことをご存知でしょうか?使うチーズの種類や燻製材の違い、スモークする時間の違いなどで味に変化がでるんです。まずは簡単にチーズと燻製材についてご説明します。
スモークに向くおすすめのチーズの種類
スモークするチーズは「溶ける」かどうかがポイントです。基本的にチーズは熱に弱く、種類によっては夏の暑さで溶けてしまうものもあります。温燻であろうと冷燻だろうと、作り方を間違えるとスモークになる前にトロ~んと溶けてしまいます。ピザやグラタンなら溶けた熱々のチーズは美味しいですが、スモークチーズは固形を保つ必要があります。
どちらのチーズが向いているの?
結論から言うと、燻製に向いているのは「プロセスチーズ」です。ナチュラルチーズでも作れないことはないのですが、簡単に作れるという面ではプロセスチーズを使うのがおすすめです。購入するときに原材料などが書かれているところを見るとプロセスかナチュラルかの記載があります。
燻製材の種類
燻製材は「チップ」と「ウッド」の2種類があります。チップは木片が細かくなったもの(短冊切りのポテトチップスみたいな感じ)で、ウッドは棒状になった燻製材です。 チップは燻製器の底に敷いて「下から間接的に」熱して使います。ウッドは「直接火を付けて」使うという違いがあります。使い分けは、短時間に強い熱で仕上げたいならチップ、じっくりと時間を調節しながらスモークするならウッドと覚えておくとよいでしょう。
市販されているスモークチーズを食べ比べ
自分でスモークチーズを作る前に、市販されているスモークチーズを食べ比べてみましょう。使う材料や工程などによって味や香りに違いがあることが分かり、自分はどのスモークチーズが好きか判断できます。せっかく作るなら美味しいと感じるスモークチーズにしたいですよね。
チーズはスーパーなどにも置いてありますが、スモークチーズの取り扱いは少ないので、いろいろな味を試してみたいならカルディやコストコなど、海外からの輸入食材を多く取り扱っているお店に行くとよいでしょう。またネット販売でスモークチーズを探せばきっとお好みのチーズが見つかりますよ!
スモークチーズ作りに必要な道具
スモークチーズに限らず、燻製を作る時に必要な道具は何でしょうか?実は燻製作りは意外とシンプルで、市販の燻製器を使用するのであれば、あとはチーズやウインナーなどの食材と燻製材を用意するだけです。具体的には下記のとおりです。
欠かせない道具は何?
まず、チーズは不可欠です。そして燻製材と煙をチーズに移す燻製器と、燻製材に火を付けるマッチやライターをご準備ください。基本的なものはこれだけです。後述しますが、燻製器は自分で作ることもできます。あとは知識と努力です。おすすめのチーズはプロセスチーズですよ♪
美味しいスモークチーズにするポイントは?
美味しいスモークチーズを作れるかどうかは経験と知識が重要ですので、何度も繰り返して作ってみると、失敗した原因や成功ポイントなどが分かるようになってきます。火加減や火と材料チーズの距離、燻製器のサイズなど、ちょっとしたことで変わるのがスモークチーズ作りの楽しさです。
100均で揃えるスモークチーズ作りの道具
燻製器は自作することもできます。材料もダンボールや中華鍋などでも作れます。100均で揃えたい人は、以下のものをご準備ください。 1.鍋(直径15cm程度) 2.丸いケーキ型(底が抜けるもの) 3.粉ふるい(ケーキ型の上に乗るサイズ) 4.フタ(粉ふるいの上に乗るサイズ) 5.アルミホイル(家に無ければ) 6.燻製材 【燻製器の作り方】 以下の順に重ねるだけです。簡単ですね。チーズの大きさならこれで十分です。 鍋 > ケーキ型(底は抜いておく) > 粉ふるい > フタ 次はこのお手製燻製器の使い方をご紹介します。
スモークチーズの制作工程
スモークチーズ作りの工程もこれまた簡単です。市販の燻製器を使用する人は、大人気Youtuber「福井のカズさん」の動画をご参照ください。こちらはアウトドアでよく知られるブランド「ロゴス」の燻製器です。
自作した燻製器で作るスモークチーズ
上記の100均で揃えた自作燻製器を使う人の工程は次のとおりです。 1.鍋の底(内側)にアルミホイルを敷く。 2.アルミホイルの上に燻製材を置く。 3.その上に粉ふるいを乗せる。 4.粉ふるいの上にチーズを乗せる。 5.フタをする。 6.燻製材に火を付ける。 7.しばし、待つ。 以上です。あら簡単。これで美味しいスモークチーズがいつでも食べられますね。ただし、煙が出るのでベランダや庭など外で行うことをおすすめします。火災報知機が鳴ったら大変ですものね。
スモークチーズが完成するまでの時間は?
燻製器のサイズや熱燻、温燻、冷燻など作り方によりますが、上記でご説明した自作燻製器なら短時間で済みます。チーズはそのままでも食べられる食材なので、表面に色が付く程度なら15分~30分前後、艶まで出したいなら30分くらい待ちましょう。
時間を長く置き過ぎるとチーズの水分が抜けすぎて硬くなったり、酸味が出たりして美味しくなくなってしまうので注意してください。15~30分程度の待ち時間を利用して、コーヒー豆を手で挽き、ゆっくりドリップしたらちょっと優雅な時間を楽しめますよ。コーヒーとスモークチーズの相性もバッチリです。
スモークチーズと一緒に燻製
タイトルが簡単スモークチーズなのでチーズばかりご説明していますが、燻製に向いている食材はいろいろあります。代表的なのは、ゆでタマゴやウインナー、エビやタコなどの魚介類、ナッツを燻製する人もいます。チーズはスライスして、タコは一口大に切ってくださいね。
お豆腐とチーズは見た目が似ます
一度にまとめて作らず、順番に燻してもいいですし、いろいろな食材を少量ずつ燻す方法もおススメです。水分が多いものは向きませんが、下処理で水分を抜いておけばお豆腐なども燻製にできるんですよ。実際に商品化もされています。お豆腐なのにスモークするとチーズのような見た目に!興味がある方はぜひお試しください。
キャンプでスモークチーズを楽しもう
キャンプの料理と言ったらバーベキューや焼き肉、カレーに焼きそば、そしてスモークチーズです。スモークしている姿は他のキャンパーから見ても注目の的になるでしょう。ファミリーキャンプでパパが、お手製の燻製器を使ってスモークチーズを作ってくれたら、子どもたちは大喜び!外で燻製をするので煙も気になりませんし、何といっても外で食べる料理はひときわ美味しいものです。お子様と一緒に燻製器を組み立てる工程も面白くて、良い思い出になりますよ。
大人のスモークチーズ作り
大人同士なら時間を気にせず、スモークチーズを作る工程にもこだわってみてはいかがでしょうか。チップを変えたり、ワインのおつまみを作ってみたり、レシピも今はアプリなどで簡単に検索できますので、あれやこれやとワイワイ言いながら楽しんでみては?チーズもブルーチーズなどのクセのあるものを試しても面白いですね。
スモークチーズの美味しい食べ方
そのまま食べても美味しいスモークチーズですが、サラダにしてもとても美味しくなります。カラフルなカット野菜と混ぜたり、レタスで巻いたり、スモークチーズを作るのも面倒!と言う人には、スモークチーズドレッシングというのも販売されています。とはいえスモークチーズは作る工程も楽しいので是非ご自分で作ってみてください。
オシャレなチーズ・オン・カナッペ
その他の定番レシピでは、クラッカーの上に乗せるカナッペですね。チーズはハムとの相性も良いですし、キャビアを乗せたり、オリーブをピックで刺したりと、オシャレさんにもってこいのレシピです。もしかしたら合わないかもと思うような食材でも、スモークしたチーズになら意外とマッチするかも? 合わない食材の組み合わせも、キャンプやパーティなどでの罰ゲームに使ったら楽しいかもしれません。
スモークチーズに合うおすすめ飲み物は?
スモークチーズに合う飲み物と聞いて何を思い浮かべますか?ワインやビールなどのアルコールでしょうか。でもお子さまはアルコールを飲めませんし、筆者は大人でも飲めません(笑)ではどんな飲み物ならスモークチーズに合うのでしょうか?
アルコール以外でスモークチーズに合うおすすめの飲み物は、ズバリ「紅茶」です!え~っ…という声が聞こえてきそうですが、元々チーズと紅茶は相性がいいんです。緑茶にも合います。また、アルコールではありますが、梅酒とスモークチーズもおすすめの組み合わせです。梅酒ならノンアルコールも発売されていますので、お酒の弱い人でも大丈夫ですね。
簡単!スモークチーズレシピ
スモークチーズって既に料理されてるものと思いますか?それとも食材のひとつ?どちらも正解です。美味しいスモークチーズに、もうひと手間加えてさらに美味しくしましょうという、簡単レシピをご紹介します。料理工程も少ないのでおすすめですよ。
挟んで並べるだけ!カプレーゼ
一般的にはモッツァレラチーズを使いますが、スモークチーズでも美味しくできます。 【カプレーゼの作り方】 1.フルーツトマトの種を取り、5mm幅に切る 2.スモークチーズを5mm幅に切る 3.フルーツトマトとスモークチーズを交互に挟んで器に並べ、上からオリーブオイルをかける。
包んで揚げるだけの包み揚げ
オードブルやお弁当にも向いているレシピです。 【包み揚げの作り方】 1.スモークチーズを一口大に切る 2.春巻きの皮をスモークチーズが包める大きさに切る(4等分程度) 3.春巻きの皮でスモークチーズを包み、水溶き小麦粉で端を止める 4.中温の油で1分ほど揚げる
サラダで食べるスモークチーズ
切るだけなので簡単なレシピです。お好みでレーズンやナッツも入れてみて。彩りが気になる人は器に盛ったあとミントを飾ったり、ブロッコリースプラウトを細かく切って入れてもGood! 【リンゴと生ハムのサラダ風の作り方】 1.リンゴとスモークチーズは一口大のサイコロ状に切る 2.生ハムは数枚重ねて4等分のイチョウ切りにする 3.1と2を和える 4.器やココットに盛り付け、オリーブオイルやドレッシングをかける
あれ?失敗しちゃったかも
燻製作りで多い失敗談は塩辛い、酸っぱい、硬いなどですが、そうなる理由がきちんとあります。例えば酸っぱくなるのは水分が抜けきっていないとか、逆に硬いのは水分が飛びすぎたとかです。水分が多い食材だから…と時間を長くせず、下準備の段階で水分を抜いておきましょう。
チーズをお湯に入れる?
スモークチーズの場合は、浅く燻しただけであれば、表面を切ってしまえばOK。硬くなってしまったら、表面の硬い部分を薄く切り、ナイロン袋やジップロックに入れてお湯の中に5~10分入れてください。柔らかくなって食べられるようになります。この食べ方は失敗していなくてもおすすめの食べ方なんですよ。
スモークチーズが苦手な方は
チーズは好きだけどスモークしたチーズは好きじゃないという人もいますよね。そういう場合は、燻製材を変えてみたり、燻製時間を短くしてみたりしてください。また、燻製時にザラメを一緒に置いてスモークするのもおすすめです。その上で、相性の良い食材と一緒に食べてみてください。キャンプやハイキングなど、アウトドアで楽しめば「あ、意外と美味しい」と感じるかもしれません。
豆知識:日本にも昔からチーズは存在した?
チーズで有名な国はスイスやフランスなど海外のイメージが強いのですが、実は日本にも古くからチーズは存在しました。「蘇」(そ)と呼ばれるもので、飛鳥時代には既に蘇が作られていました。作り方は牛乳をひたすら煮詰めて固めるのですが、水分が残っているとカビたり腐ったりするので、煮詰めて乾かして保存食として用いたようです。現代でも奈良県などでは「蘇」がお土産や郷土料理として売られています。
さぁ、スモークチーズを愉しみましょう!
いかがでしたか?燻製作りは難しそう、スモークチーズのレシピが浮かばないという人も、意外と簡単だということがお分かりいただけたかと思います。こうしなければならないというルールはないので、自分流のアレンジを加えて、スモークチーズ作りを愉しんでください。