はじめに
川砂の種類や販売価格は?山砂との違いも
園芸の本やサイトなどを見ていると、時々土作りで川砂を配合すると指定された植物があるでしょう。土の中の通気性をあげて中の水分を逃がす目的であったり、盆栽の化粧砂け用として使われたりするのがごくごく普通の使い方です。
種類によって名前が違う川砂の用途も紹介
この川砂はそのままの名前で販売されることもありますが、産地によって〇〇砂と名前が付けられたものも多く、一見して川砂とわからないことも。採れる場所でかなり特徴が違うブランド砂が多くて、買う時に混乱する人も多いと言われています。
そんなお悩みに川砂の種類と主な用途も解説していきましょう。
川砂について
川砂はどんなものか?と聞かれても詳しく答えるのは難しいですね。知っていそうで知らなかった砂の特徴からまずは見ていきます。
川砂とは
川砂とは川の上流にある岩が崩れて川を流れてくるうちに、角が取れて細かくなった砂のことで、物によっては鉄分などを含むことはありますが、全体的に養分もなくその加工処理のおかげで雑菌もない砂です。
川砂の特徴
砂であることからサラサラでかたまりにくく、通気性に富んでいるので虫も住みにくいといわれています。川砂と呼ばれるのは川底に沈んでいるものを採取しているからで、元々川にあったものではなく上流の山の岩石が壊れて細かくなったものなので、花崗岩などの微細なかけらであることが多いです。
川砂の一般的な用途
ガーデニングをはじめて調べてみると、砂は普通にホームセンターなどでも販売されていて驚いたという方もいるでしょう。意外と使いみちのある川砂の用途についてここでは見ていきます。
川砂の特徴を活かした用途
かたまりにくくサラサラしているということで、水はけが良いというのが大きな特徴です。園芸用だけでなく他の用途にも使われています。
グランドや砂場などの建築用途に
知らずに多くの人が川砂に触れたことがあるのが公園の砂場や学校のグランドです。コンクリートを混ぜて作る工程でも大量の川砂が使われています。
水槽用・園芸などの用途も
その他には大粒なものは魚を飼育するようの水槽に敷いたり、水はけが良い特徴を活かして園芸用の土作りにも他の土と混ぜられたりと、利用目的の多い砂だということがおわかりいただけたでしょう。
川砂は園芸用途に向いている
用途の中でも今回のメインテーマでもある園芸での活用方法についてご紹介していきましょう。どうしてガーデニングに必要なのか、使う時にはどうしたらいいのかなど解説します。
川砂が園芸に向く理由
植物の中でも極端に多湿を嫌うものは少なくありません。その中でも有名なのが最近は100均などでも売られており、ガーデニングに興味のなかった方でも、部屋のインテリアとして使うなど人気が高まっている多肉植物。
このような土の通気性をあげる必要がある植物を、植え付ける土を作るのに使われるのが川砂です。
川砂は水はけが良い
川砂はかたまりにくいというお話をしましたが、かたまらないことで土の中に空間ができてそこから余分な水分が排出されやすくなり、水はけが良い土つくりができます。これが多湿を嫌う植物にはとても良い環境となるのです。
川砂単品では園芸用途でも使いにくい
ただ川底に沈んでいた砂なのに加えて、販売するときに加熱・殺菌処理をしているので栄養分はほとんどないので単体では使いにくいです。清潔なので挿し木などには向いているといえますが、観賞用の植物を育てるのであれば、赤玉土や腐葉土と混ぜて使わないと養分が不足してしまうので注意しましょう。
川砂の園芸用途例
それではどんな植物には川砂をどのように使うのか?具体的なケースを見ていきましょう。水はけ目的だけでなく他にも目的があって使われるのがわかりますよ。余った砂の良い利用法もあるのでぜひ参考にしてください。
園芸用途①サボテンなどの栽培
川砂を混ぜた土作りが必要になるのは、サンセベリアなどの多肉植物やサボテン類など、自分の中に水を貯め込む性質の観葉植物全般。東洋ランも水はけを必要とするので、土づくりに川砂を使ってください。
園芸用途②芝生の目土に
砂の特徴に水はけの他、雑草の種を含まないという点があります。また地温を上げて生育を良くするために、芝生の目土(めつち)用としても川砂を利用する場合が多いです。
園芸用途③挿し木用に
雑菌を含まない用土ということで、特に腐敗を嫌う挿し木用に川砂は推奨されます。
挿し木は枝をカットしてそこから新しい根を発根させて植物を増やす方法ですので、木の一番敏感な内部が直接土にさらされていることになり、雑菌などが触れるととても腐りやすいというのは想像できるでしょう。そのためには清潔な川砂がむいているのです。
川砂と他の種類との違い①山砂
〇〇砂は3種類ある
ここまでは川砂だけに触れてきましたが砂には実は3種類あり、それぞれに特徴も性質も少しずつ変わってきます。少し話しがズレてもきますが、川砂のことをもっと深く知っていただくために他の2つの砂についても紹介していきましょう。
山砂とその特徴
山砂は山にある砂で、川砂が川に流れる前のものともいえるでしょう。水でいろいろなものが取れていないので角がある少し荒々しい砂であったり、色も黒っぽいものが多いです。
川砂と山砂の違い
山砂は水流にもまれて角が取れる前の砂とも言いかえられるので、土に近い特徴があり養分も少しながら含まれていることもあります。そのため川砂よりも保湿性もあり、圧迫するとかたまりやすい性質を持っているところが違いです。
山砂は水はけはイマイチ
粒の大きさもバラバラでかたまりやすい性質を持っている上、保湿性があるので水はけはあまり良いとはいえません。園芸目的では使われず、多くは建設資材としての用途として用いられます。
川砂と他の種類との違い②海砂
海砂とその特徴
もうひとつの砂は海砂と呼ばれるもので、これは川よりさらに遠くに運ばれた山の岩石が壊れたもの。川砂とほとんど同じなので最近は川砂と呼ばれているものも、海砂が利用されていることも多いと聞きます。
川砂と海砂の違い
海砂との違いはほぼなく、同様の砂と思ってよいでしょう。近年河川保護の目的から川砂を採取する行動を規制する傾向が高く、そのために建築用など大量に砂が必要な場合、川から海へと砂採取が以降しつつあります。
おすすめの川砂の種類と販売価格目安
ここまでひとくくりで川砂と呼んできましたが採れる場所によってその色などの特徴も変わってくるのです。そのため向いている植物にも違いがでる場合もあるのが事実。
地名がついた砂は特にその傾向が強く使い方にコツがあると思ってよいでしょう。川砂の種類とそのおすすめの使い方など、販売価格の目安を織り交ぜながらご紹介します。
川砂の種類と販売価格目安
販売されている川砂の価格も産地によってかなり幅がありますが、2Lで200円台から600円台くらいが価格目安です。特に販売価格が高いのが、黒い色が特徴的な富士砂。
富士山の火山岩が崩れた砂となっていて、土づくりだけでなく盆栽の飾り砂としても目的でも利用されるので、特例といえるでしょう。目安として200円台/2Lくらいのものがポピュラーな価格帯です。
おすすめ川砂①洋ラン栽培向け
矢作砂 小粒
川砂を洋ラン栽培に使うのであれば、矢作砂がおすすめです。矢作とは地名でこちらの川砂は花崗岩質で、色が白っぽいのが特徴。川砂や山砂はその採れる場所により質が違うので、地名が付けられているものが多くそれがブランド名ともなっています。
おすすめ川砂②山野草の栽培にも
田宮園芸 川砂
田宮園芸の川砂は通気性に富んでいながら、保湿力も他の砂と比べてあるという口コミが多い川砂です。最近流行りの苔盆栽作りにも使えますし、多肉植物やサボテンの栽培用途はもちろん、野草の土づくりにも適しています。
産地の書かれていない砂でもこのような特徴がありますので、選ばれるときは実際に使った方の口コミなどを参考にするのがおすすめです。
おすすめ川砂③盆栽に
朝明砂
あさけずなと読むこの砂は、三重県朝明川で採取できる川砂で、砂質は花崗岩が崩れたものとなり鉄分も含みます。ラン栽培の他竹や、松などの盆栽に向いている川砂としても有名です。
おすすめ川砂④見た目が黒い化粧砂
あかぎ園芸 富士砂 2L
色が黒いのが特徴の火山岩の川砂で、土に混ぜて通気性や水はけを向上させるだけでなく、盆栽用の化粧砂としての用途としても重宝されます。少量のパッケージでも、他の地域の川砂と比べて販売価格が約2.5倍程度と、少し高めなのが特徴です。
おすすめ川砂⑤挿し木や鉢植え用の土作りに
平和 川砂 2リットル
中部地方の川砂を加熱処理したものです。水はけが良い園芸用目的に使うのにポピュラーな性能を持っています。挿し木用の用土としても利用可能。少量パックなのでプランターや鉢植えに少しだけ欲しいという人におすすめです。
川砂利用の注意・河川維持のための規制
川砂は自分で採取したら違法?
川砂は自分で川から採取してきたものを使ったらタダなのでは?と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。でも、ちょっと待ってください!その行為は法律に触れることとして罰されるかも知れないので、自分で採るのはやめてください。
河川の管理は地方自治体の管轄
日本での川砂の採取は、全体的に採取を許可制にしてむやみに採らせないという方向に向いているのは確かですが、管理しているのは河川がある各地方自治体ですので、地域によってその規制には幅があります。
川砂や山砂は園芸用に処理ずみだから使える
許可を得られれば採取できるとはいえ、自然の砂を採取してきても園芸用途に使うのにはおすすめできません。販売されている川砂は採取した砂の粒も厳選し、洗浄して除菌・殺菌処理をしてから売られています。
採ってきた砂をそのまま園芸目的で簡単に使うことはできないのです。いろいろな手間を考えたら市販されているその販売価格は、かなり安いものだと感じることでしょう。
まとめ
川砂と山砂の違いを理解して園芸に活用しよう
園芸用の土つくりにも利用される川砂について、山砂や海砂など他の種類の砂との違いや、おすすめの川砂の特徴と販売価格目安などと詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今後は砂も選んで、より植物に合った用土作りができますね。特に多肉植物を腐らせてしまったという経験がおありの方は、次には土つくりに砂を加えて水はけを向上させてみることがおすすめ。あなたのガーデニング、特に土つくりにお役に立てれば幸いです。
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