花ごころ観葉植物の土
ポリシャス フィリシフォリア
はじめに
ポリシャスの基本の育て方から剪定や増やし方も
ポリシャスはたくさん種類があって大きさが違ったり葉の形や色が違うなど個性的なものが揃っている植物。低木で斑入りの葉を持つものは観葉植物としても人気があります。ポリシャスの育て方は簡単で初心者にもおすすめです。基本的な育て方から植え替えや剪定時期、夏越しや冬越しなどの季節に合わせたお世話まで詳しく解説します。
ポリシャスについて
ポリシャスの基本情報
科・属:ウコギ科 タイワンモミジ属
原産地:東南アジア・ポリネシア、オーストラリア
学名/英語名:Polyscias/Polyscias
ポリシャスの特徴
種類によって姿が大きく変わったり大きさも高木から低木になりますが、そのどの姿も個性があり魅力的です。①丸葉。②斑入り。③ギザギザの葉と、大きく分けて葉の形だけでも3つに分けられます。次の章では人気のポリシャスの株を写真つきで見ていきましょう。
ポリシャスの種類
この木はとても仲間が多い観葉植物で、その数100種類以上になると言われています。同じ品種でも高木や低木、葉の形や色などさまざま。その中からおすすめのよく買われる個性的な3つを見ていきます。
ポリシャス・バルフォリアナ
不規則に入る白っぽい色の斑入りなのが美しい丸葉と呼ばれるもの。この品種は人気が高くてたくさんの品種改良種も出ています。観葉植物として育てられるポリシャスの基本的なものといえるでしょう。
ポリシャス・フィリキフォリア
ギザギさに細くとがった葉っぱが印象的なのがこのフィリキフォリアという種類のポリシャス。丸い葉の基本がバルフォリアナであれば、細かく分かれた葉の基本となる品種改良元がこちら、フィリキフォリアになります。
ポリシャス・フィリシフォリア
ポリシャス フィリシフォリア
葉は全体的に20cm程度に長く、10cm以内の子葉がつき鳥の尾羽にも見えます。
ポリシャスの育て方①日当たり
ポリシャスが好む日当たり
この植物は明るい温かい場所が好きですが、絶対に日なたでなければ育たないというわけではなく室内での栽培も可能です。ただし、室内だけで育てているとどうしても葉色が薄くなったり成長がかんばしくなくなってきますので、時々は屋外に出して風と日光に当ててあげることが必要です。
ポリシャスの置き場所
屋内では春から夏の間は明るく温かい窓際に置くようにします。耐寒性は高くありませんので、冬は窓際は気温の差が激しくおすすめできません。部屋の中でも温度差があまり置きない窓から奥まった壁際に置くのがおすすめ。
ポリシャスの育て方②用土・肥料
ポリシャスの用土
用土とは植物を育てるために配合された土のこと。ポリシャスには水はけの良い用土が合いますので、粘土質の土を使うのは避けるなど工夫します。自分で土の配合が出来る方は次にその割り合いをご紹介します。
用土の作り方
ポリシャスの用土は赤玉土に肥料として堆肥や腐葉土を混ぜたものを使います。割り合いは7:1:2くらいになるように配合してください。ただし、水はけが悪いと根腐れを起こしてしまうのでその時は赤玉土の粒を大きくしたり鉢底石を敷いたりと用土に工夫をしましょう。
ポリシャスにおすすめの用土
花ごころ観葉植物の土
植物の栽培が初めての人は用土の配合といわれてもピンとこない場合もあるでしょう。最初から無理に全部自分でと思うよりも楽しくガーデニングをはじめましょう。市販の土の中には観葉植物用にすでに肥料まで配合された土が売られています。ホームセンターなどでも簡単に手にはいりますのでこれらを使うことがおすすめです。
ポリシャスの育て方③日常管理
ポリシャスの水やり
日常の水やりについては特に気をつけることはありません。土の様子を見ながら乾いていたらあげる。それだけで十分です。ただし冬場については変更点があります。詳しくは次項の冬越しを御覧ください。
ポリシャスの下葉取り
葉の一枚一枚にも寿命があり、新しい葉が出てきたら枯れる葉もあります。植物は上へと伸びていきますので、下の方から枯れるのが普通の状態。病気や害虫でない普通の枯れ葉はだんだんと下から黄色くなってきます。このような葉は見た目を悪くするだけでなく、つけておいても復活はしないので早めに取り除いてしまった方が他の葉に栄養がいきわたります。そのまま放置していても自然に落ちていきますが、黄色い状態で取り除いてしまった方が良いでしょう。
ポリシャスの育て方④夏越し・冬越し
ポリシャスの夏越しのやり方は
暑い国が原産の観葉植物ですがあまりにもジリジリと照りつける夏の日差しに晒し続けるのは、決して良い状態とはいえません。健康で美しい姿で夏越しさせるやり方は、直射日光にあてないこと。葉焼けといって葉の色が悪くなる原因です。レースのカーテン越しの明るい場所に移動させると良いでしょう。
夏越しの注意点
夏越しは日差しだけではありません。エアコンなどによる乾燥、気温の上昇この2点において水やりにも気をつけましょう。夏の窓際など暑くなる場所に置いているときは、お昼から午後涼しくなるまでの水やりは厳禁。あたえた水がお湯になって、植物を枯らしてしまいます。水をあげるなら朝か夕方の涼しいときにします。夕方土がカラカラになったら1日2回あげてもかまいません。
ポリシャスの冬越しのやり方は
夏越しだけでなく冬もまた気をつける点があります。こちらもまず水やりから。夏越しはあげる時間に気をつけましたが、こちらはあげる間隔を変えます。植物には生育期と休眠期があり、春~夏に生育期を迎える植物は常緑樹といえども冬にはお休みに入ります。
冬越しの注意点
水を生育期と同じにあげてしまうといつまでも休むことができずに木がボケます。翌年の新芽の出方にも影響しますので、冬の水やりは控えめに。また寒さにも弱いので夜間は室内に入れてあげましょう。できれば昼の温かい時は屋外に置き、夜間は室内へと移動させて外の空気に触れさせるのも必要です。
ポリシャスの育て方⑤剪定
ポリシャスの剪定の目的
ポリシャスの特徴として木が大きくなるにつれて下の葉とは違う葉が出てくることがあります。バランスを整えるために葉が違う枝は剪定して切り戻して整えるのが目的です。違う葉だけでなく自分の求める大きさに抑えるためにも、剪定をしましょう。また成長期にあまりも茂りすぎると風通しが悪くなり病気の原因にも。その場合も剪定をして適度な密度を保つようにします。
剪定の時期とやり方
剪定に向いている時期は5月ころ。大きくなりすぎな上の主枝を摘心(剪定して高さを止めること)したり、混んでいる枝、伸びすぎた枝、多すぎる葉を切るという剪定をおこないます。成長期の前半におこなうことで少し切りすぎてもすぐに元に戻ってきますので、思い切って強めに剪定してもかまいません。怖がらずにトライしてみましょう。
ポリシャスの育て方⑥増やし方と植え替え
ポリシャスの増やし方は挿し木で
苗を買うだけでなく今ある株の新しい枝を使って自分で増やすことができます。剪定で刈り取った枝を使えばコスパもよくたくさん欲しい人にはおすすめです。枝を使っておこなう増やし方を挿し木といいます。
挿し木の時期と増やし方
挿し木用の枝はできるだけ今年伸びてきた新しい枝が好ましいです。剪定時期と同じく5月ころが挿し木の時期でもありますので、一緒におこなうと良いでしょう。枝の長さは10cmほどに切りそろえ、新しい清潔な赤玉土などに挿します。葉がたくさん付いているときには1~2枚残して取り除きます。発根するまで乾燥させないようにしつつ日陰で管理します。株が大きくなって根が出たようであれば、少しずつ明るいところへ移動させ大きくします。
ポリシャスの植え替えは
挿し木で発根した株や何年も育てて大きくなりすぎた株は大きな鉢に植え替えをしてあげます。成長が早いので2年に1度は植え替えて鉢を大きくしましょう。
植え替えの時期とやり方
植え替えの時期は春~秋の成長期であれば植え替えが必要なタイミングを優先で良いですが、一番向いている時期は5月ころ。株を鉢から取り除きできるだけ古い土は落とします。根も観察して古かったり傷んでいるようなものは切り取ってしまいます。新しい土を入れた一回り大きな鉢に植え付けてたっぷり水をあげてください。
ポリシャスの育て方⑦注意点
ポリシャスが枯れるのは?
葉の寿命ではなく不自然に枯れるのは他に原因がある場合も。水やりの管理をしっかりしているのにポリシャスが枯れるのは病気や害虫を疑いましょう。この観葉植物に心配される病気や害虫対策等の注意点について解説します。
ポリシャスの病害虫
病気や害虫の心配があるのは、春~夏の温かい時期。冬にはほとんど病気も害虫も起こりません。特に気をつけたいのは夏の暑い盛り。風通しが悪くなると株も弱り病気にかかりやすかったり、害虫も活発に動き回る季節だからです。
病気:炭そ病と褐斑病
炭そ病の特徴は葉が丸くまだらに枯れてきます。葉全体が枯れるのではなく、一部が枯れ始めたら炭そ病かも知れません。褐斑病も同じくまだらに葉が枯れる病気。カビの菌によって起こりますので見つけたら病気の葉はすぐに取り除き他に伝染するのを防ぎます。
害虫:ハダニとカイガラムシ
ハダニやカイガラムシは乾燥によって多く発生します。室内に置きっぱなしの観葉植物では夏のエアコンによる乾燥がこの原因になることも。発生してしまったら薬剤散布が解決には近道。しかし、予防であれば葉水(葉っぱに水をスプレーすること)でも十分な対策方法です。少ない虫であれば水で洗い流すことで駆除できるため、葉水はまず試してみる価値があります。
まとめ
枯れる原因に注意してポリシャスを育てよう!
葉の形や木の大きさが違う種類もたくさんあり、好みのものが選びやすいのが嬉しいポリシャス。斑入りや細葉などおしゃれな姿が人気です。育て方や増やし方も簡単ですが、病害虫だけは少し気をつけるのが栽培の肝となります。とはいえ難しいことは必要なく、乾燥するときは葉水をあげる。剪定をして風通しをよくするなどで防げるものばかりです。適度に手がかかる植物ほどスクスクと育ってくれるのが楽しいという方も少なくありません。そんな意味ではポリシャスは育てて楽しい植物といえるでしょう。
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