はじめに
スプレーマムを上手に栽培しよう!
スプレーマムは枝分かれしてたくさんの花をつける種類の洋菊のこと。菊だけでなくバラやカーネーションでも1本の枝がこまかく分岐してそれぞれに花を付ける種類をスプレー咲きと呼びます。それと同じな西洋風のキク科の花と思えばわかりやすいでしょう。
次々とたくさんの花が咲くスプレー咲き品種
バラはスプレー咲きになると花の大きさが圧倒的に小粒になりますが、菊はそれほど小ささを感じずきれいにこんもりと咲く姿が美しい!今日はこのスプレーマムの花言葉から種類、その育て方や自宅で株を増やす方法も細かく解説します!
スプレーマムについて
スプレーマムの基本情報
科・属:キク科・キク属
原産地:アメリカ
学名/英語名:Chrysanthemum morifolium/Spray mum
スプレーマムの特徴
咲き方は一重のシンプルな物が多いが、八重やポンポン・管咲きといったボリューミーなものも切り花や鉢花として人気があります。花色も多く白から黄色、ピンクや赤・オレンジなど。草丈は1mほどになるものが一般的。矮性剤を利用して小さく作っている株もありますので、それらの種類を選ぶと栽培しやすいのでおすすめ。
スプレーマムは菊の品種改良種
菊の花には日本に古くから自生している和菊と西洋が原産地の洋菊の大きく分けて2種類あります。この品種は純粋な洋菊かと思いきや、実は日本の和菊をアメリカで品種改良した逆輸入の植物。マーガレットやデイジーのような洋菊とは元となる物が違うのです。
スプレーマムの花言葉「清らかな愛」
スプレーマムの開花時期
まずはスプレーマムの開花時期。菊の品種改良種で元の花と同じく秋から冬にかけて花を咲かせる植物。少数ではありますが春咲き(実質5~6月になるので開花季節は夏)という種類もあります。
花言葉「清らかな愛」
スプレーマムはシンプルな形の花びらがたくさん集まって、美しい花を作っている様子から清らかさの象徴とされます。余計なものを加えずとも人の気持ちを引きつけるその姿は、打算的なものを感じないまさに清らかな愛にピッタリ。この花言葉からウエディングブーケの花としても人気が高い植物です。
スプレーマムのその他の花言葉
高潔は和菊と同じ花言葉。アメリカで品種改良されても元は同じ菊で、花言葉も同じものが伝わっているのに由来します。この他に「気持ちの探り合い」の花言葉も。
スプレーマムの季節の栽培カレンダー
スプレーマムの季節のお世話・春
3月から5月の春の季節。花が咲くころに売られていることが多いので、春に株を持っている人は前年から引き続きお世話をしている人。ここでするお世話は植え付けと肥料やり。冬を越して成長期に入ったことにより植え替えや挿し木を始めるのにも向いています。
スプレーマムの季節のお世話・夏
6月から8月の夏の季節。品種改良された種類の中には、珍しい春咲き(夏咲き)のスプレーマムがあります。この花なら夏に開花時期が訪れます。高温多湿な季節に向けて切り戻しや花柄つみなどの剪定をおこなう時期。同時に花が咲く株なら肥料不足も懸念されますので、追肥を切らさないよう注意が必要。
スプレーマムの季節のお世話・秋
9月から11月の秋の季節。花屋やホームセンターにたくさんの苗や鉢植えが並ぶ季節です。新しい花をガーデニングに迎え入れる時期。一般的な品種はこの秋から冬にかけて次々と花を咲かせる見ごろの季節。株をできるだけ疲れさせず次々と花を付けさせるためには、花柄摘みは忘れずに。花が終わるころまでしっかり肥料やりを続けることが多くの花を見るためには大切。
スプレーマムの季節のお世話・冬
12月から2月までの冬の季節。花も終わるので肥料をあげるお世話はお休みになる期間。特に変わったお世話は必要としませんが、スプレーマムは冬でも休眠がなく通常通りのお世話をします。特に水やりを忘れがちですので注意して。冬でも控えることなく通常通り与えます。
スプレーマムの育て方①苗の植え付け
スプレーマムの苗選び
この植物の苗が出回るのが秋の花の季節。つぼみがついていたり、中には開花をはじめている株もあるでしょう。選び方はできるだけつぼみが多いもの。葉色が良く枯れた葉などがない手入れされている苗を選ぶのがコツ。
苗の植え付け
鉢で売られているものは来年の春まで苗の植え付け(植え付け)は待ちます。季節の栽培カレンダーでも紹介したとおり植え付け時期は春が適期。地植えで管理したい場合は、庭の土を耕し堆肥を混ぜ込んだところに植え付けて育てます。
スプレーマムの育て方②土
スプレーマムの植え付け用の土
スプレーマムは洋風とはいえ菊の仲間。菊はとても肥料が必要な植物なのでよく肥えた土を用意します。植え付けには赤玉土に腐葉土を混ぜたものに化成肥料の元肥をして使いましょう。鉢植えを路地に植え替えるときには先ほどご紹介したように庭土に堆肥をまぜて肥やしてからさらに元肥として化成肥料を加えて!
初心者におすすめのスプレーマム用の土
プロトリーフ 菊の土
菊の花を育てるのがはじめての方は草花用の培養土を使うと手軽に土を用意できておすすめ。すでに肥料も配合されているので植え付け・植替えがそれだけで終わります。菊の土と書かれたものならなお良いでしょう。
スプレーマムの育て方③日常管理
スプレーマムの日当たり
この植物は暑さよりも寒さに強い種類。日当たりは良い場所が良いですが、夏はあまり暑くなるようなら半日陰を作ってあげてください。その代り冬は戸外での栽培が可能。
スプレーマムの水やり
この植物への水やりは、一般的な植物の水やり方法でOK。乾いたらあげるやり方を意識してください。むしろあげすぎに注意。いつも土が湿気っている状態だと根腐れを起こす原因に。ただし、冬場も春~夏と同様に水やりを行うのは他と少し変わったところで注意します。
スプレーマムの肥料
先ほども触れたように菊の仲間は肥料が大好き。春~秋までは肥料を切らさないように緩効性肥料をあげます。大輪の和菊を育てている人はこの肥料の配合もこだわりを持ちますがスプレーマムならそれほど気にせず一般的な花の肥料で。肥料の中のリンという成分が花を育てるので、リンが多めに入っているものを選ぶとなお良いでしょう。
スプレーマムの育て方④剪定
スプレーマムの剪定時期
剪定の目的は切り戻し。市販の鉢植えは矮性剤で生育を抑えてコンパクトに仕立てられているものがあります。自然なスプレーマムは草丈が高い植物。翌年には矮性剤も効果がなくなった本来の草丈に戻ってきます。背が高すぎると株が倒れたり管理がしづらくなりますので、切り戻しという剪定をおこないましょう。
スプレーマムの剪定方法
春の成長期を過ぎて夏近くなるとかなり草丈も伸びているでしょう。初夏から夏のはじめ頃に1/3程度の高さにバッサリと切ってしまいます。こうすることでわき芽も出てきて株がこんもり仕上がります。秋の花付きも良いのでこの時期に切り戻しをするのがおすすめ。
花柄摘みも剪定のひとつ!
切り戻しが剪定のメインですが、秋の開花時期に花がらを摘むのも剪定の方法のひとつ。花の時期は肥料も普段よりもたくさん使いますので咲いた花は積極的に切り花に使用したり咲き終わった花がらを摘んだりと剪定をしましょう。
剪定で草丈と花数を調整できる!
剪定の時期は夏から秋。草丈を整える目的と次々と花を咲かせる目的でおこないます。後述の種類の項目でご紹介クッションマムに関しては写真のように元々放置しておいても株が丸くまとまる品種。このマムに関しては剪定の手をかけずにおきましょう。
スプレーマムの育て方⑤増やし方
スプレーマムの増やし方
お世話も簡単で育てやすい花なのでもっと増やして楽しみたいという方もいるでしょう。ここでスプレーマムの増やし方を見ていきます。2年目3年目ともなると剪定もされた方がいるのでは?その剪定で刈り取った部分を使ってできるやり方なので無駄にするものが少ないのがよいところ。はじめての方でも気軽に試せるのでおすすめ!
挿し木での増やし方
挿し木はできるだけ若い枝を使っておこないます。使う枝の長さは5~7cm程度。葉の数は光合成がギリギリできれば良いので、吸い上げた水を効果的に発根に回すためにも2枚残すくらいで取ってしまいます。挿し木用の土は雑菌が心配なので新しく清潔な赤玉土を使います。
スプレーマムの挿し木の注意点
スプレーマムに限らず挿し木の大敵は乾燥と雑菌です。清潔なカッターを使いきれいな切り口にカットしてください。1晩水につけて十分水あげを。種苗箱か黒いビニールポットに土をいれたところに挿しておきます。たっぷり水をかけ乾燥しないよう日陰で発根まで管理しましょう。
スプレーマムの種類
種類選びのポイントは開花時期と大きさ
姿や色が豊富な花で迷いますが、ポイントを決めて選ぶと何を栽培したらいいのか苗も選びやすいでしょう。決め手になるのは開花時期と草丈。それぞれの種類の特徴をご紹介します。
夏咲きスプレーマムの種類
8月に咲くスプレーマム [レベッカ] 単品
数は少ない種類で春咲きや夏咲きと呼ばれる早めの季節に咲く花。中には6月と10月の年に2回開花時期を持つ品種もあり長く楽しめます。スプレーマムをいつも咲かせていたいという場合は、これらと通常の秋冬咲きを栽培すると良いですね。
秋冬咲きスプレーマムの種類
キク科ということもありだいたいが秋冬咲きです。スプレーマムは和菊と同じく大変花の種類が豊富で色や形、大きさ咲き方などさまざま。市販の切り花は日照時間などを調整して通年咲かせるのでいつでも咲くイメージを持つ方も多いのでは?しかし自然な状態で栽培するとほとんどが秋から初冬にかけての開花時期に。この種類がたくさんの中から選びやすいとも言えるでしょう。
矮性スプレーマムの種類
10月〜11月に咲くガーデンマム [ロポス]
可憐な花の見た目に反して意外と草丈が大きくなる花。少し栽培しにくいと感じる人も多いもの。その中で矮性という背丈が低い種類があります。代表的な矮性品種がクッションマム。この名前は針山(ピンクッション)から付けられており、丸い形に花が咲くのが特徴。見た目は中心から外に向かって長さの異なる花びらがつくので、パッと見は貝殻草に似た感じも受けます。こんもりと丸い樹姿で栽培管理がしやすい種類。
まとめ
スプレーマム栽培は簡単!
スプレーマムは肥料を切らさないようにすれば夏から秋にたくさんの花を咲かせてくれる植物です。育て方も簡単で、素敵な花言葉の意味もあり人気の花。鉢植えや切り花で部屋を飾ったり、ブーケ作りにも。たくさんの色や形が揃っているので自分好みの1株を見つけるのも楽しさのひとつ。冬越しも簡単なので初心者の方にもおすすめ!ぜひキク科の植物の栽培を楽しんでくださいね。
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