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海棠(カイドウ)ってどんな植物?桜との違いや庭木としての育て方をご紹介!

桜と並んで人気が高く、読みづらい漢字の海棠(カイドウ)は、春桜の後に美しい花を咲かせる花木です。ではどの様な植物なのか。花言葉は、また、同じ花木の仲間である桜との違いや、海棠(カイドウ)を庭木としての育て方や管理の仕方などをご紹介しましょう。
更新: 2024年1月9日
Meigen Oka
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海棠(カイドウ)とはどんな植物?

花海棠の事を一般的には海棠と呼んでいますが、八重咲種や実を付けるものなど、いくつかの種類があります。落葉低木でバラ科の植物で庭園木や盆栽として高い人気があります。4月の末から5月にかけて、蕾(ツボミ)の頃は紅色で、開花の時は少しうつむき加減の薄いピンク色の花を咲かせることから、「垂糸海棠(スイシカイドウ)」という名でも呼ばれています。その端麗(たんれい)な美しさから花言葉もその名にそぐわしいものがあてられています。

海棠は育てやすい植物

花言葉の例にも挙げられる淡いピンク色の花は徐々に色が薄くなり、散り際には白っぽくなってしまいます。花海棠は実海棠と違い、花後に赤く小さいリンゴの様な実を付ける場合があって食べることも出来ますが、あまり結実しません。丈夫ですので育て方も難しくなくポピュラーな花木植物です。

海棠(カイドウ)と桜(サクラ)の違い

海棠は、桜と科目は一緒のバラ科ですが、違いは桜がサクラ属(サクラ亜科)に対し海棠はリンゴ属に分類されます。桜が満開となり散り始める頃に海棠は開花します。紅色の蕾から除々に花を咲かせ薄紅色に変化させた色合いとなり、咲いている寿命の短い桜とは違い花を1ヶ月程に渡って咲かせますので、桜より花を長く楽しめる事から愛好家が多い所以(ゆえん)でしょうね。

海棠(カイドウ)は中国原産

中国原産の海棠(カイドウ)の「棠」は梨のことを指します。林檎(リンゴ)の仲間なのですが、意味として海の彼方から来た梨ということです。漢字名は原産国の中国名をそのまま和名として付けられているものです。尚、中国では海棠というと花を大きく咲かせる「本海棠(ホンカイドウ)の種類を指します。

海棠の日本への渡来は

日本国内には江戸時代に入ってきたと推定されています。江戸時代では実をつける「実海棠(ミカイドウ)」のことを海棠と呼んでいたと言われています。その後、海棠の植物として丈夫で育て方も容易で、可憐な花の美しさが人気となって、日本国内でも北海道から九州に至る広い範囲で庭木などとして植栽されています。

海棠(カイドウ)の花言葉

花言葉もその花の美しさを譬(たと)えたもので、中国唐の時代、九代皇帝「玄宗」が寵姫(ちょうき)であった「楊貴妃」の眠る姿に“海棠の睡り未だ足らず”と海棠の薄紅色の花の美しさになぞらえたという事から、牡丹の花と並んで美人の形容詞ともなり花言葉の謂(いわ)れとされています。

海棠(カイドウ)は美人の形容詞!


海棠(カイドウ)の花言葉は、「美人の眠り」「艶麗(エンレイ)」「温和」とされています。その意味は、前述した中国の伝説的美人「楊貴妃」の例えからとされています。「睡花(スイカ)」という別名もここから付けられたものです。慣用句に「海棠の雨に濡れたる風情」という語句がありますが、これは美人が憂いを含んで萎(しお)れている様子を例えたものです。

海棠(カイドウ)の花の形状

海棠(カイドウ)の花は基本的に下向きに開いて花びらは半開きの状態を維持します。桜の花が散る頃に花を咲かせます。花海棠は花後に1cm程度の実を付けることがありますが、結実はあまりしません。これに対して2cm程度の実を付ける「実海棠(ミカイドウ)」は結実性も良く食用になります。花海棠の枝は薄紫色で柔らかめであるので剪定もし易く盆栽にも最適です。小枝は一部棘(トゲ)の様に尖った枝になりますが、触れてもさほど痛くありません。

海棠(カイドウ)の種類

海棠(カイドウ)には色々な種類があり、花海棠は桜の花の終り頃に枝先から徐々に開花させてゆきます。桜と違い花の見ごろが長く、育て方もやさしいので、桜よりも花海棠の方を好む方も多くいます。花海棠の他に花後に林檎ににた小さな6cmから10cm程度の食用にもなる実を付ける「実海棠(ミカイドウ)」があり、別の名を「ナガサキリンゴ」とも呼ばれています。

海棠の希少種

他にも、九州のえびの高原に自生し、国の天然記念物にも指定されている希少種の「野海棠(ノカイドウ)や、「酸実(ズミ)」とも呼ばれる日本全国に分布している「姫海棠(ヒメカイドウ)」などがあります。

海棠(カイドウ)の植付け

海棠(カイドウ)の苗は「桷(ズミ)」を親木とした接ぎ木で販売されています。苗木を購入する時は、病気や害虫などに注意しましょう。鉢植えや庭木としての地植え、どちらでも良いのですが、水はけの良い土壌を選び、日当たりの良い場所で育てる様にします。植える時期は葉が全て落ちた1月~2月が適期です。

海棠(カイドウ)の植え方

鉢に植える場合は、赤玉土(小粒)4に対し、腐葉土を3、黒土を3の割合で混ぜ併せて1週間ほど寝かせておき、植える際は苗木の向きを考えて植えます。根が落ち着くまで半月ほど半日陰に置き、水やりを忘れない様にします。その後日光が十分に当たる場所に移しますが、葉焼けを起こしますので西日が強く当たる場所は避けましょう。

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海棠の地植え

庭木として地植えの場合も、日当たりの良い場所を選び大き目に穴を掘り、腐葉土などを土壌に混ぜ込んでおきます。植込む際は支柱などで添え木をすると良いでしょう。苗木の徒長した枝は半分ほどに切り取ります。

海棠(カイドウ)の植替えと剪定(せんてい)


庭木で植えた場合はそのままで良いのですが、鉢植えは、2年に1度程度に植え替えを行います。時期は落葉している1月~2月が適期です。鉢に根がいっぱいになっている状態ですので、鉢は一回り大きいものに替えます。用土は苗を植えた時と同様で良いでしょう。

剪定(せんてい)の時期と方法

庭木も鉢植えも剪定の作業は、12月~2月末頃に行います。病害虫の発生を防ぐ意味でも混み合っていたり、絡み合っている枝の剪定と徒長枝と花芽がつかなかった枝を切り取ります。太い枝などを切り取った場合は切り口から枯れてしまう場合がありますので殺菌剤を塗布しておきましょう。 6月頃の花後に見苦しい枝の剪定することも可能ですが、花芽を形成する時期でもあるので強めの剪定は控えた方が良いでしょう。

海棠(カイドウ)への水やり

鉢植えも地植えどちらも、苗木を植えつけたら植付け時と植え替え時にはたっぷりと水を与えておきます。その後は土の表面が乾いた状態の場合だけたっぷりと鉢底から水が出るまで与えて下さい。庭木の場合は余程土壌が乾いた状態になっていなければ特に水やりの必要はありません。

夏場の水やり

夏場の高温時には、朝早い時間と夕方の気温が下がった時に葉水を与えながら根元にもタップリと与えましょう。特に葉水は害虫などを防除するのにも効果がありますのでホースから勢い良く掛けてあげると良いでしょう。夏場以外は鉢植えも地植えも過度に水を与えすぎると加湿状態になって根腐れを起こしてしまいますので注意をしましょう。

海棠(カイドウ)への肥料の与え方

良い花芽を多く付けさせる為には肥料が欠かせません。植付けの際には元肥として堆肥などを用土に混ぜて施します。6月頃の花後にお礼肥として即効性の科学肥料を根元に近づけない様に施肥します。肥料は根の先端から吸収するので根元から離して与えます。その後晩秋から冬場に有機質の緩効性肥料を施肥します。

活力剤の効果

活力剤は肥料ではありません。肥料との違いは、活力剤は法律によって定められた肥料成分(チッソ・リン酸・カリウム)が含まれていないか含有量が既定より少ないものを言います。植物を元気にする必要な微量要素が含まれていますので、植物が何となく元気がない時や、効率よく肥料効果を高めたい時に肥料と併用して与えるものです。海棠(カイドウ)の葉や花の色合いが冴えないという場合や、肥料を与えない時期の夏場などに使用すると良いでしょう。

海棠(カイドウ)の病気対策

海棠(カイドウ)に主に発生する病気は、赤星病とうどんこ病があります。赤星病は”サビ病”とも呼ばれ、葉の表面に赤茶色をした模様の様な斑点が見られ、そのまま放置すると葉全体が侵されて枯死してしまいます。うどんこ病は葉や茎にうどん粉をまぶした様になるカビの一種によって発症する病気です。

病気の防除


病気の原因となるものに害虫によって媒介(ばいかい)されたりしますので、どちらも早期に発見して処理することが必要です。発見したら病気の枝を切り取ります。どちらも発生する時期は4月末から6月にかけてが多いので、その時期に予防として「石灰硫黄合剤」や「オーソサイド水和剤」などの殺菌剤を散布しておきます。

海棠(カイドウ)の害虫対策

海棠(カイドウ)に発生する害虫は、4月~6月頃にかけてゴマ粒状のアブラムシが新芽の茎などビッシリと付いたりします。葉が葉巻の様に丸まっていたり縮れているのを見つけたら「ハマキムシ」の疑いありです。葉の裏がススの様に黒くなっていたら「グンバイムシ」です。葉の裏から養分などを吸汁して生育を悪くしてしまいます。

害虫の防除

病気の場合も同じですが、風通しの良い環境を作ってあげることが害虫を寄せ付けない対策法です。散水する時に強めに木全体にかけるのも予防法のひとつです。発生は早期に発見して駆除することが大事です。スプレー式の殺虫殺菌剤が市販されていますので用意しておくと良いでしょう。また、浸透性殺虫剤(オルトラン粒剤)を根元に撒いておくと予防できます。

まとめ

海棠(カイドウ)は、花言葉にも譬(たと)えられるほど美しい花を長期間楽しめます。育て方もやさしく、そのまま手を加えなくても整った樹形を楽しめますので、盆栽に向いた樹木です。庭園樹としても同様で枝の剪定などほとんど必要としない程整った樹形に成長します。すぐに散ってしまう桜と違って1ヶ月ほども花を見ることができることと、育て方もあまり手が掛からないのでファンが多い理由です。

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