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油粕(油かす)の成分や使い方を学ぼう!どんな肥料?驚きの効果があった!

油粕(油かす)は有機肥料として高い窒素を含んでいる資材ですが、撒き方を間違えると悪臭がしたり、カビや虫が発生するため少し扱いにくい肥料と思われがちです。正しい使い方をすれば便利な肥料となるので油粕(油かす)関することを紹介します。
更新: 2024年9月27日
揚げ餅
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油粕(油かす)肥料とは

油を搾った後の植物片

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油粕とは菜種油などの植物から油を絞る時にでる皮などのカスです。つまり本来なら廃棄物となる部分ですが、江戸時代にはすでに肥料として使われている歴史のある「有機肥料」になります。天かすではないので注意しましょう。

有機肥料というのは動植物に由来する肥料で植物の栄養になる前に一度土に棲む微生物によって分解されてから初めて肥料としての効果があるため即効性はなくゆっくり効果が出る緩効性肥料となります。

種類が多い

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有機肥料の特性として面白いのは原料となる材料(油粕)で肥料としての成分が異なるため効果も異なることがあります。油粕も同じで大豆を使った油粕と菜種を使った油粕では窒素の量(比率)が大きく変わってきますよ。

また米ぬかにいたっては全体的に成分が低いのが特徴です。成分が異なってくると効果も変わるので撒き方にも多少影響がでてくるので買うときはどんな油粕なのかチェックしておきましょう。

扱いにくい有機肥料を使う意味

化学肥料と比べ含まれている成分が極端に多かったり、少なかったりして扱いにくい有機肥料を使う意味としてはよい土を保つ意味があります。微生物の餌となる有機物がなくなると、微生物が死滅し植物が栄養を取り込めなくなったり、悪い菌が繁殖しやすくなったりとデメリットが大きいですよ。

油粕(油かす)肥料の発酵と未発酵について

有機肥料を使う時に注意すべきポイント

油粕に限らず有機肥料を施肥するときに大切になるのが発酵の状態です。科学的に作られた肥料ではないので未発酵のものを使うと微生物により分解され発酵が進んでいくのですがこのときに地面から湯気が上がるほど暑くなったり二酸化炭素が発生するので植物に悪影響になります。

ただし発酵していない肥料が危険というわけではなく施肥してから2週間ほどしてから植物を植えるよう使い方を工夫すれば未発酵でも問題なく使えますよ。

そのままの油粕

サンアンドホープ 菜種油粕

出典:Amazon

市販されている油粕には2つのタイプがあります。例えば食用油などでおなじみのJオイルミルズから発売されているものは未発酵です。

前述したように地面に撒いてすぐに植物を植えるのではなく日数をあけるなどして使い方に工夫が必要ですがコストが安く広い畑に使う場合などにおすすめですが、臭いや、コバエなどの害虫、カビの原因になるので詳しい使い方や注意点などは後述します。

発酵した油粕

発酵することで匂いが抑えられて悪臭がしにくくなっています。また一度酵母によって分解されている状態なので微生物が分解する過程が不要になるためやや即効性はあります。

処理済みなので熱や二酸化炭素も出ないため使いやすい特性があり、不足しがちな成分を骨粉などで補っている製品もあり肥料としてバランスの取れた効き目がありますよ。手を加えているのでペレットや固形になっています。

油粕(油かす)肥料の成分

主な成分の含有量(比率)

出典: https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/e-hanas2/cabinet/joy/4962311090230.jpg

油粕の主な成分は下記の表のようになります。窒素は植物の葉に作用し過多になると実付き、花付きが悪くなりますが、なくてはならない成分です。リンは花や実に作用するのでトマトやスイカなどの実を食べる植物には特に大切な成分でカリウムは根に作用します。この三種類の成分を三要素といい植物を育てる上で欠かせない成分になります。
 

種類 窒素(N) リン酸(P) カリウム(K)
菜種 5 2 1
大豆 7 1 1
発酵 4 6 2

その他の要素


三要素ほど必要ではありませんが、育てる上で欠かせないごく少量の要素も含んでいてマグネシウムや亜鉛、銅などの要素もあるため、植物を育てる方法はたくさんありますがその中でも非常に有効的な肥料です。

油粕(油かす)肥料の効果

植え付け時の成長を促す

油粕多い窒素は葉に作用することからまだ苗が小さい時に非常に大切な役割をします。光合成をするための細胞も窒素が必要ですし、葉が大きく育たないと光合成が難しくなるので全体的に元気がない苗になるでしょう。

光合成ができない状態を人間で例えると飲まず食わずの状態でひたすら立ち続けているような状態なのでやがて枯れます。仮に枯れずに育っても美味しい実、野菜、美しい花は咲かず弱々しい状態になります。

ゆっくり長く効く

肥料の使い方は主に植え付け時に土に混ぜ込んだり一定の深さに埋める方法と、後から株元を避け周囲にまく方法に別れます。ゆっくり長く効く油粕は土に混ぜ込むことで植物の成長に必要な栄養を常に届けることができるため頻繁に施肥する必要がなくなりますよ。

堆肥などの有機肥料は元肥として主に土に混ぜ込む方法で使われますが、効果が早く出やすい発酵油粕は土の表面に施肥する追肥としても使われます。

油粕(油かす)肥料の使い方1

土に混ぜ込む

油粕の臭いや虫の発生を防ぎつつ効果的に使える方法はやはり元肥として土に混ぜ込む方法になります。土作りの際に適量を混ぜ込んでから分解が始まる2週間ほどしてから植え付けましょう。分量はメーカーや使用している原料によって多少異なると思いますが、1㎡あたり200g程度となります。

ですが、牛ふん堆肥や腐葉土やバーク堆肥のように土壌改良の効果はないので土壌改良が終わったタイミングで上記の量を目安に混ぜます。

未発酵のものを使用する

元肥という方法で使うなら分解される速度が早くすぐに栄養となる発酵油粕は使わないようにしましょう。元肥は緩効性肥料というところがポイントになります。

地面をふかふかにするなどの効果はありませんが、油は酸化するものなので酸性になりやすくphは5前後の酸性を示すことから酸性の土が好きなブルーベリーやシャクナゲなどの植物とは相性がいいでしょう。逆に言えば多すぎると酸性に傾きすぎるということなので注意してくださいね。

酸性が好きな植物

すずらん、ツツジ、ヤマボウシ、スイカ、大根、トウモロコシ、じゃがいも、お茶など意外と酸性が好きな(酸性に強い)植物も多いです。

油粕(油かす)肥料の使い方2

後から撒いて追肥する

他の肥料と同じように土の上から撒いて追肥としても使えるのですが、発酵して悪臭がしたり害虫がよってくる原因になるので適当な撒き方ではなく、正しい撒き方を覚えましょう。

追肥として使う場合は株元ではなく周囲に撒くのが一般的なやり方です。油粕は肥料焼け(肥料で植物に傷む状態)しやすいので直接かからないようにします。追肥として使う場合すぐに効力がでやすい発酵油粕がおすすめですよ。

可能であれば土で覆う

悪臭、コバエなどの害虫を防ぐに土をかぶせるしか手はありません。発酵油粕を使えば多少マシになりますがそれでも有機肥料である限りは臭いや虫の発生源になりやすいです。また土をかぶせることで微生物が分解しやすくなるので肥料として効果が出やすくなりると言われていています。

撒き方の要点をまとめると株元ではなく周囲に撒き、土をかぶせること、発酵油粕を使うとやや即効性があり多少臭いの発生を抑えられる可能性があります。


容器栽培なら発酵油粕

容器が決まっていて土の量も限りがある場合は少しでも臭いがしない発酵油粕を使いましょう。土をかぶせることができなくても効果がでるのでプランターなどの容器栽培向けです。

油粕(油かす)肥料のより効果的な使い方

ブレンドする

より効果のある肥料作り方として有名なのは油粕と他の肥料をブレンドすることです。窒素が多くリンとカリウムが少ないのでカリウムの多い肥料やリンの多い肥料を足していきましょう。

例えば同じ有機肥料から選ぶならリンを多く含む骨粉、鶏糞をブレンドしたり、カリウムが多い草木灰と組み合わせることで窒素以外の成分が入った状態になります。鶏糞と草木灰はアルカリ性なので混ぜると油粕の酸性が中和されます。

サンアンドホープ 草木灰 500g

出典:Amazon

即効性の液肥にする

未発酵のものを水と合わせて発酵させると液肥にできます。液肥は液体の肥料のことで施肥してからすぐに効果が出る即効性となっています。成分は主に窒素となるのでやりすぎないように注意しましょう。詳しい作り方や撒き方は後述します。

玉肥に加工する

出典: https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/auc-garden-bank/cabinet/shouhin09/kh13-2.jpg

盆栽などに使われる玉肥に加工することもできます。玉肥にすることで肥料焼けしにくく長期間効果のある緩効性肥料として使えますよ。そのままの状態ではなく固形にすることで風に飛ばされにくくなったり、水をやる際に成分が溶けて初めて施肥したような状態になり、使い方もただ置くだけでなので便利です。詳しい作り方は後述します。

堆肥に加工する

すこし変わった使用方法としては生ゴミも油粕や米ぬかを混ぜてコンポストで自家製の肥料を作る方法もあります。油粕そのものでも肥料として使えますが堆肥にすることで量を増やしたり、より成分がたくさんある有機肥料に変えることもできます。

発酵してできた堆肥は、油粕より肥料焼けの心配がなく、撒き方も上に撒くだけなので使いやすいです。臭いが気なる場合は土をかぶせたりもみ殻くん炭などを使いましょう。

油粕(油かす)肥料を使った玉肥の作り方

水と合わせて団子にするだけ

子供の頃に作った泥団子のように粉末状の油粕と水を加えて混ぜてから団子状にした後、発酵させれば玉肥の完成です。作り方自体は簡単ですが、発酵中の臭いや虫に気をつけないといけません。加える水の量は油粕の量の4割ぐらいになります。

蓋ができる容器に油粕と水を加えて発酵させてから丸めてもいいですよ。どちらの作り方でもできるので、やりやすいやり方で作ってみてくださいね。

密栓は危険

臭い対策などで蓋をするときは密栓すると発酵するときに発生する二酸化炭素で容器が破裂する危険性があります。かならず軽く蓋をするだけにしてください。発酵期間は温度や湿度によって変わりますが、3週間ほどあれば発酵します。


油粕(油かす)肥料を使った液肥の作り方

水に溶かして発酵させる

液肥の作り方は油粕を水に溶かす(入れる)だけです。こちらも玉肥と同じように作り方は難しくないのですが発酵に時間がかかります。水の量は油粕を対して10倍にするのが一般的で、よく混ぜたあと蓋をして風通しのいい場所で最大1ヶ月ほど発酵させます。

気温によって変わってくるので夏は2週間ほどでできる場合がありますよ。液肥きを施肥する際は上澄み液を5倍ほどに薄めて根本に撒きましょう。密栓しないのは玉肥と同じです。

葉にかけないように注意

もともと油粕は肥料焼けしやすいので、液肥にした状態でも葉にかけてしまうと、水分が蒸発し濃くなった成分により葉が変色したり、葉が枯れたりする可能性があります。施肥する際は撒き方に気をつけましょう。

油粕(油かす)肥料の注意点

油粕 元肥に向いている
発酵油粕 追肥に向いている
そのままで使うとき(元肥) 植え付け2週間前に施肥、土壌改良後に使用
土とよく混ぜる
直接根に触れないようにする
そのままで使うとき(追肥) 株元ではなく周囲に撒く
土で覆うことで臭い、虫、カビ対策になる
液体に溶かすとき(液肥) 葉にかけない、発酵している最中は密栓しない

油粕(油かす)肥料のまとめ

有機肥料として最高の資材

出典: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/911gJR21%2BAL._SL1500_.jpg

養分が多く注意点を守ると有機肥料としては非常にいい資材です。発酵前の油粕は植え付けの2週間~3週間ほど前にかならず撒きましょう。根を傷めずに元気に育てるためにこの期間は守ってくださいね。

時期的には冬の終わり頃に撒いたら、春の中頃の植え付けにちょうどいいでしょう。少しだけ油粕を使いたい場合は、100均でも売られているので試してみてくださいね。

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