グルーガンとは
グルーガンとは、ホットボンドやホットメルト接着剤とい熱で溶けるタイプの接着剤を使うための道具です。その名の通り銃のような形をしていて、引き金を引くと接着剤が出てくる仕組みです。熱で樹脂を溶かすので、特に先端部分はかなり高温になります。取り扱いには充分注意しましょう。グルーガンの主な用途は接着ですが、様々な使い道があり、DIY愛好者の間で人気になっています。
グルースティックとは
グルーガンで使用する接着剤はグルースティックという棒状の樹脂です。この樹脂は熱で溶け、常温で固形になる性質があります。冷える時間だけで良いので、短時間で接着できるのが特徴です。ホットボンド、ホットメルト接着剤とも呼ばれ、片手で使え、短時間で固まるのでDIY・工作をはじめ、様々な用途に使用されています。また、溶剤を使用していないのでにおいがほとんどなく、屋内でも快適に作業することができます。溶けている時は透明になりますが、冷えて固まると元の色に戻ります。
色付きのグルースティックとは
グルーガンで使うグルースティック(ホットボンド・ホットメルト接着剤)には透明のものと色付きのものがあります。溶けている時は透明感が増しますが、冷えて固まると元どおりの色になります。一つの本体で複数の色のグルースティックを使用すると、内部に残っていた別の色が混ざってしまうことがあるので、色によって本体のガンも使い分けるのがオススメです。ラメ入りのものなどもありますので、使用する素材の色や、作りたいものなど用途によって選ぶのが良いでしょう。あえてグルーの色を見せるのもアクセントになってかわいいですよ。
グルーガンを買える場所とは
まずは100均がオススメ
グルーガンは様々なメーカーから販売されています。用途によって様々な大きさ、種類があり、通販サイトやホームセンターで購入することができます。値段は1500円〜5000円程度です。(2019年4月時点)ホットボンド、ホットメルト接着剤という名前で売られていることもあります。とりあえず使ってみたい、初めて使う、という方には100均がオススメです。本体とグルースティックをそれぞれ購入しても、業務用のものよりずっと安く済ませることができます。色付きのグルースティックを色ごとに使い分けたいときにも、100均ならお手軽です。
グルーガンでできることとは
接着する
グルーガンで使用するホットボンドの主な用途は接着です。熱で樹脂を溶かし、冷えて固まると接着される仕組みなので、短時間で接着することができます。グルーガンはほとんどの素材に使用することができますが、いくつか注意する点や素材があります。
補修・修理にも
補修や修理にもグルーガンは大活躍です。革・布・プラスチックに使えるので、穴が空いてしまったり、割れてしまったものの隙間を埋めることができます。表面が破れてしまった電気コードの補修もできるので、とりあえず!という時に役に立ちそうですね。
グルーガンに向いている素材とは
段ボールなどの紙類、木材、金属、プラダンなどのプラスチックをくっつけることができます。しっかりと接着させる用途で使用する場合は、端材などで試してみましょう。
グルーガンに向いていない素材とは
溶けたグルースティックは高温になるため、熱に弱い素材には向いていません。発泡スチロールや、薄いガラスなどは熱で溶けたり、割れたりする恐れがあるので使用を避けましょう。また、グルースティックは熱で再溶解するので、高温になる場所に置くのも避けましょう。キッチンのガスコンロの周りなど、火の近くで使用するものには使わないようにして下さい。また、テフロン加工されているもの、シリコンゴムは接着できないので、そのほかの接着剤を使用しましょう。
グルーガンを使う際の注意点
火傷に注意
グルーガンで溶かしたばかりの接着剤はとても熱くなっています。接着する際に指で押さえる場合は十分注意してください。お子様と作業する場合は、軍手を着用すると安心です。
接着力はそこそこ
グルーガンの接着力は、瞬間接着剤と比べるとそれほど強くありません。重たいものを乗せたり、強く引っ張られるような場所には向いていないので注意が必要です。また、周囲の温度が高くなる場所に置いておくと、強度が下がり剥がれやすくなったり、変形してしまったりするので気をつけましょう。
グルーガンの使い方とは
1:グルースティックを本体にセットする
使用したいグルースティックを本体のおしり部分から挿入します。奥までぐっと押し込むようにして下さい。
2:電源コードをつなげる
電源コードをつなげると本体が温まり始めますので、十分に温まるまで待って下さい。オンオフのスイッチはないものが多く、コードをつなげると自動で温まり始めるので、置き場所には気をつけましょう。特に接着剤が出てくる先端部分は火傷するほど熱くなります。電源に繋いでいるときは、うっかり触れることのないようにして下さい。
3:引き金を引く
しっかりと温まったら、スティックが液状に溶けているか確認しましょう。引き金を引くと、溶けたグルーが出てきます。適当な紙などに出してみて、透明になっていれば準備完了。あとは接着したものにグルーを適量出して、そっとくっつけるだけです。グルーが完全に冷えるまで、少しの間押し付けているようにして下さい。冷えて固まれば、接着完了です。
しまうのは完全に冷えてから
使い終わったグルーガンをしまう時は、本体が完全に冷えるまで待って下さい。本体が熱いまま引き出しや箱などに入れてしまうと、内部で高温になり、火事の原因になる場合があります。本体にセットしたグルースティックはそのままで大丈夫です。無理に引きに抜くと故障の原因になることもありますので、セットしたまましまいましょう。
グルーガン活用法①
グルーガンはDIYや手芸の分野で大活躍のツールです。接着以外の使い道やグルーガンを使用した作品を紹介します。
造花をグルーガンで接着
グルーガンの使い道は主に接着することです。グルーガンは様々な素材に使用することができるので、リース作りにぴったり。造花や、貝殻、金属パーツなど色んな素材を使って華やかな作品を作ることができますね。同じ要領で写真たてに造花をつけたり、鉢カバーをデコレーションすることもできます。手作りのウェディングボード作りにもオススメです。
タイルを使った作品
こちらはタイルをグルーガンでくっつけたもの。タイル用の目地材などを用意する必要がなく、道具もほとんど汚れません。ベニヤ板に直接タイルをつけてコースターにしたり、写真用のフレームなどを飾りつけることもできます。固まるのが早いので、一列ずつ貼り付けるか、ひとつずつ貼り付けるようにしましょう。ガラスタイルは下地がなく、透けている素材のものもありますのでグルースティックの色選びはタイルの色に合わせたものにするときれいに仕上がります。
グルーガン活用法②
アクセサリーなど小物にも
アクセサリー作りも簡単です。ヘアピンやバレッタなどの土台に、好きなパーツを貼っていくだけで完成です。短時間で固まるので、色違いや形違いをたくさん作りたい時にも便利です。ツルツルとした素材のものを付ける時は、表面の汚れを拭いてからグルーガンをつけるようにしましょう。パーツや土台も100均で手に入ります。
グルーガン活用法③
ぺット用DIY
こちらはペットのおうちです。プラスチックケースに石や苔をグルーガンで接着しています。グルーガンで使われるホットボンドやホットメルト接着剤は熱で溶かすため溶剤が入っておらず、ほとんど匂いがありません。ペットやお子様のおもちゃにも安心して使えますね。石などの重たいものを接着する際は、グルーを多めに塗り、冷えるまでしっかりと押さえて下さい。
グルーガン活用法④
本来の用途は接着剤ですが、ホットボンド・ホットメルト接着剤の性質を利用して別の用途でも楽しむことができます。いくつかご紹介しますので、グルースティックが余っている方はぜひお試し下さい。
色付きのスティックでシーリングワックス風
手紙などに封をするシーリングワックス。溶かした蝋を紙の上に垂らし、金属製のスタンプなどを押し付けることで作るものですが、蝋は取り扱いが難しく、失敗するとやり直せないため慣れないうちは大変です。でも、グルーガンを使えばとっても手軽に作ることができるんです。
作り方
作り方は、色付きのグルースティックをクッキングシートの上に円形に出し、固まる前にシーリングスタンプを押し付けるだけ。固まったらクッキングシートから剥がし、デコレーションしたい部分に糊や両面テープで貼れば完成です。保存もできるので、たくさん作って取っておくこともできますよ。シーリングスタンプも100均に売っていますので、材料が全て揃うのも嬉しいところ。こんな風に接着剤としてではなく、樹脂そのものを楽しむ使い道もあるんですね。
透明のグルースティックでレジン風に
こちらは透明のグルースティックを使い、内側にラメやドライフラワーを入れたもの。透明のグルースティックならレジンのような使い方もできます。クラシカルなシーリングも素敵ですが、こちらも華やかで素敵ですね。レジンほどの透明性はありませんが、レジンとは違う独特の風合いに仕上がります。
グルーガン活用法⑤
直接描く
グルーガンを使って絵を描くこともできます。クッキングシートの上にグルーガンで形を描き、冷えて固まったらペリッと剥がすだけ。冷えて固まる前にリボンなどのつけてデコレーションするもできます。オーナメントなども簡単にできて可愛いですよ。
文字も書ける
ちょっとコツが要りますが、文字を書くこともできちゃいます。下書きしたものをクッキングシートの下に敷いておくと、迷いなく書けるのでおすすめです。慣れるまで難しいので、何度か練習してみましょう。ひとつなぎにして書けば、紐をつけてオーナメントのように飾ることもできます。
グルーガン活用法⑥
立体的な装飾をグルーガンで
こちらはお箸をベースに、グルーガンで立体的な装飾をしたもの。グルーガンなら細い線を描くのも簡単です。接着剤なので取れる心配もなく、短時間でできます。グルーガンの上からアクリル絵具などで色をつけることもできます。ハロウィンの小物に良さそうですね。
型に入れて
まるで本物のチョコレートみたいな、こちらの作品もグルーガンで作られています。シリコン製などのチョコレート型に茶色のグルーを流し込み、冷えて固まってから取り出します。上から線状に白やピンクのグルーをかければ出来上がり。あとはヘアピンやバレッタの土台にくっつければ簡単に可愛いアクセサリーが作れちゃいます。工夫次第でグルーガンの使い道はたくさんあります。
グルーガン活用法⑦
ステンドグラス風
こちらは透明のガラス板を、黒のグルーガンでステンドグラス風にしたもの。黒いグルースティックを使い、直線を描いています。大きな作品は大変そうですが、小さな窓や、ガラスコースターを作るのも良さそうです。ガラスの色付けは100均に売っているガラス絵具でできますよ。ただし、ホットボンドやホットメルト接着剤にはガラスの接着を得意としないものもあるので、ガラス同士の接着には注意が必要です。しっかりと接着したい時は瞬間接着剤を使用しましょう。
アイデア次第!
こちらの動画ではグルーガンを使用した様々なアイデアを紹介しています。思わず試したくなるものばかりで、見ているとグルーガンが欲しくなりますよ。グルーガンの使い道は、工夫次第で様々です。色々と試してみましょう。
うまくいかない!失敗の原因とは
糸を引いてしまう
グルーガンで使用するホットボンドやホットメルト接着剤は粘性があるので、溶けると糸を引いてしまいます。そのまま引っ張ってしまうと、どんどん伸びて余計なところに接着剤がついてしまって失敗の原因になってしまいます。糸を引いてしまった時は、あまり持ち上げずに、接着場所でグルグルと本体を回して下さい。ちょうど、納豆が糸を引いた時にお箸を回す感じです。そうすると自然と糸になっていたグルーが切れますので、そのまま接着します。
くっつくない!すぐに外れてしまう
表面はきれいに
接着する面に汚れや油分が付いているとうまくくっつきません。ツルツルしている素材などは、特に表面をきれいに拭いておきましょう。油分はアルコールをつけて拭くときれいに落ちますよ。
素材が適していない
表面のツルツルしたアルミ系の素材はグルーガンでくっつきにくい場合があります。アルミ素材を接着したい場合は、瞬間接着剤など他の接着剤を使用しましょう。
量が足りない
広い面を接着したい時は、グルーを多めに使いましょう。縁だけにつけるのではなく、波状に全体に塗ると接着しやすくなります。また、グルーが冷えるまで1〜2分ほどしっかりと押さえましょう。
失敗した!外したい時は?
一度つけたグルーを剥がしたい時はどうすればいいのでしょうか。実は簡単に取ることができるのです。グルーガンで使用するホットボンドは温めると何度でも溶けてくれます。剥がしたい場所をドライヤーで温めると、グルーが柔らかくなり簡単に取ることができるのです。失敗してしまった時は、焦って無理に剥がそうとせず、裏側からドライヤーを当ててゆっくりと外して下さい。
まとめ
グルーガンの基本的な使い方から、様々な使い道をご紹介しました。ご紹介したほとんどの材料は100均で揃います。ものづくりが趣味という方は持っていて損のない道具ですので、一度試してみてはいかがでしょうか。
グルーガンについて気になる方はこちらもチェック!
グルーガンについてもっと知りたい方は、より詳しくまとめている記事がありますので、そちらもチェックしてみてください。
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