グルーガンについて
グルーガンは銃形の接着アイテム
グルーガンはその名の通りガン(銃)の形をしています。グルーとは樹脂のことで、グルーガンに使う樹脂製品の呼び名はグルースティックです。
グルーは熱によって溶けて冷えると固まりますが、この性質を接着材のように活用できます。グルーを熱で溶かし、局所的に接着材として使うためのアイテムがグルーガンです。グルーガンへグルースティックを装填して使用します。
手に入れやすいグルーガン
グルーガンは種類によって価格がさまざまです。さすがに100円では販売されていませんが、100均ショップに300円(2018/5/4時点の価格)で売られています。
初めてグルーガンを試してみようという人には、気軽に手を出しやすい価格ではないでしょうか。ちょっとした手芸にはこの低価格なタイプで十分ですし、DIYで使うとしても小型のものなら1,000円前後で購入ができます。まずは100均ショップのものがおすすめです。
グルースティックと電源があれば使える
グルーガンを使うにあたり必要なものは、グルースティックとコンセントの電源だけです。グルースティックは消耗品になります。なのでストックを用意しておきましょう。
グルースティックは100均ショップに100円(2018/5/4時点の価格)で販売されています。ただし使いやすいのはホームセンターで売られているものです。グルースティックを溶かすには熱を発生させないといけませんが、そのために電源が必要になります。
グルーガンの接着
グルーガンで接着できる素材
グルーガンは、ほぼ何でも接着できるという認識で大丈夫です。紙や布から革とフェルト、木材、発砲スチロールはよく接着させられます。ですがプラスチック、ガラス、鉄といった表面にザラつきのない素材に関しては、接着しづらいです。
とはいってもまったくくっつかないわけではありません。くっつかない素材については後項で詳しく解説します。どんな素材にも接着材として使えるため、DIYや手芸の道具に加えておくと便利です。
接着剤とグルーガンの違い
グルーガンはいろいろな素材に使用できる接着材と解説してきましたが、ボンドのような接着剤との違いが気になることでしょう。グルーガンとボンドなどの接着剤は、それぞれにメリットとデメリットがあります。
そのため用途によって使い分けるのがベストです。ボンドなどの接着剤ではきれいにくっつかない場合にグルーガンを使用したり、その逆のパターンにしたりと、それぞれを上手に活用してください。
固まるのが早いグルーガン
DIYや手芸をしていてグルーガンを使ったことのなかった人は、ボンドなどの接着剤を使用していたはずです。それらは乾かさないといけないため、接着されるまでに時間がかかります。
接着を待たないと次の工程へ進めない場合もあり、時間がもったいないです。でもグルーガンは溶かしたグルーが冷えれば固まるので、すぐに接着できます。また、グルーガンよりも早く固まるのが瞬間接着剤です。
グルーガンは接着力も強い
くっつける素材しだいでも大きく変わりますが、多くの場合でグルーガンはボンドなどの接着剤よりも接着力が強いです。瞬間接着剤の強度とほぼ同じくらいをイメージしてください。
ですがグルーガンをプラスチック、ガラス、鉄に使用する場合には接着力が落ちます。また、布や木材などの素材に使用しても、繊維の中へ浸透しないのがメリットです。
扱いやすいグルーガン
グルーガンよりも早く接着でき、強度は同等かそれ以上で素材を選ばないのが瞬間接着剤です。接着アイテムとして瞬間接着剤に軍配は上がりそうですが、価格の高さと扱いづらさがデメリットになります。
一方グルーガンは、本体が低価格から選べる上にグルーは安いものです。それに強い臭いもなければ、瞬間接着剤のように手に付いて困ることもありません。ガンの形状もふまえ、グルーガンは扱いやすいアイテムです。
グルーガンの種類
グルーガンは用途にあわせた種類がある
他の工具と同じように、グルーガンもいろいろな種類があります。プロの施工に使う本格的な工具としてのグルーガンから、DIY向けの基本タイプ、ちょっとした手芸に活用できる小型で低価格なグルーガンなどです。
小さく軽い素材を扱う手芸で、プロが使うグルーガンを用意しても意味がありません。その逆であればプロの工具として役立たないことでしょう。用途にあったグルーガンを選ぶ必要があります。
グルーを溶かす温度の違いで大きく分かれる種類
グルーガンは、グルーを溶かす温度の違いで大きく2つの種類に分けられます。グルーもそれぞれの種類に適したものを使用しないといけません。
1つは温度が180度前後の高温グルーガンで、うまくくっつかないと解説していたプラスチック、ガラス、鉄といった素材もちゃんと接着させられます。ただしプロの工具として使われるタイプで高額です。もう1つは温度が130度前後の低温グルーガンで、家庭用の低価格タイプになります。
グルーガンの種類を見分けるポイント
グルーを溶かす温度の違いの他に、グルーガンの種類を見分けるポイントがあります。それは本体の形状、大きさや重さの違いで、持ちやすさに関わってきますから重要です。
それと高額タイプであれば、ノズルを取り替えられる種類があります。ノズルを変えると出すグルーの量を調節できるので便利です。低価格タイプはほとんどの種類でノズルを変えられません。また、電源コードの長さもチェックしておきましょう。
グルーガンの使い方①注意点
取り扱いに注意が必要なグルーガン
グルーガンは電気を得て扱う工具のため、取り扱いに注意が必要です。たこ足配線をしたコンセントから電気を得ないことや、電源コードを延長して使わないといった基本的なことを守ってください。
なおグルーガン自体に電源のスイッチは付いていません。なのでコンセントへコードを差し込んだらオンになり、コードを抜いたらオフになります。差し込んだままにしているととても危険なので、使い終わったらすぐに抜きましょう。
グルーガンの先端の温度に注意をする
グルーを溶かすためにグルーガンの先端は高温になります。低価格の低温タイプでも温度が100度を超えますから、触れるとヤケドを負ってしまいます。
コンセントへコードを差し込んでからは、グルーガンの先端を触らないようにしてください。なのでグルーガンを扱う際には、肌の露出を控えた格好で作業をおこなうことがおすすめです。また、子供やペットが近くにいる場合はより気をつけないといけません。
使い始めには予熱が必要なグルーガン
他の電気工具が電気を動力にするのと違い、グルーガンは電気を熱にします。そのためコンセントへコードを差し込んでから5分間ぐらいの予熱が必要です。
予熱が足らず先端が十分な熱を持つ前に使い始めると、ノズルにグルーが詰まり、それ以降グルーが出ないこともあります。他にも何かしらの悪影響をおよぼし、これが原因で故障してしまいかねません。作業を始める少し前に電源を入れておくと、スムーズに扱えるようになります。
グルーガンの使い方②スタンドを使う
使用中のグルーガンは置き方に気をつける
グルーガンのコードをコンセントへ差し込んでいる間は、電源が入ったままになっていると上項で説明した通りです。なので先端は熱を持ち続けており、次に使用する予定のグルーも溶けた状態になっています。
このグルーガンは置き方に気をつけないといけません。先端を下方向にしておかないと、溶けたグルーが本体の奥へ入り込み、故障する恐れがあるためです。
グルーガンをスタンドへ置くようにする
グルーガンの先端を下方向にしておくためには、構造から考えて手に持ち続けないといけなくなります。でもそれでは他の作業ができず、とても不便です。この問題を解決してくれるのが、グルーガン用のスタンドになります。
販売されているものもありますし、自分で作ることも可能です。先端を下方向にして置ければよいだけなので、自作してみましょう。洗濯バサミをスタンド代わりに活用する方法もあります。
先端から垂れるグルーを無駄にしない
グルーガンの先端を下方向にして置いておくと、溶けたグルーが垂れることもあります。この先端から垂れるグルーは冷えて固まれば、もとのグルースティックと同じものです。
つまり垂れるグルーは後からグルースティックのように使えます。なので垂れるグルーを無駄にしないよう、垂れる位置にシリコン製のマットやカップ、またはオーブンペーパーを置いて回収しましょう。これで垂れることが気にならなくなります。
グルーガンの使い方③グルースティックのセット
グルーガンへグルースティックをセットする
まず最初の使い方として、グルーガンへグルースティックをセットします。先端から見て反対側となる後方に穴が開いており、そこがグルースティックの挿入口です。
ここへグルースティックを奥まで差し込めばセット完了と、とても簡単な使い方になります。グルーガンへグルースティックをセットしていない状態で、電源は入れないようにしてください。
グルースティックがなくなってきたら補充する
グルーガンを使っていれば、当然ながらセットしたグルースティックが消費されて、しだいになくなっていきます。そのままだとグルーは出ないので補充が必要です。
使い方として補充も簡単で、挿入口へグルースティックを追加で差し込みます。まだ残っているグルースティックに密着させる感じで、奥まで入れてください。補充のタイミングは、使用している分の残りが少なくなってきた時です。
グルーガンの使い方④電源にセット
コンセントへグルーガンの電源を差し込む
グルーガンへグルースティックをセットしたら次の使い方に移りますが、これも簡単でコンセントへ電源を差し込むだけです。先項で解説した通り、先端がグルーを溶かせる温度に上がるまで予熱が必要になります。
この間にもグルーは溶けて垂れることがあるため、先端を下方向にしてスタンドへ置いて待ちましょう。グルーが出ない時は、予熱の足りていない場合が考えられます。
グルーガンの使い方⑤グルーを出す
グルーガンのレバーを引くとグルーが出る
グルーガンは銃の形をしているだけでなく、引き金のようなレバーも付いています。このレバーを引くことで、グルーガンの先端から溶けたグルーが出る仕組みです。
出るグルーの量はグルーガンの種類によって異なりますが、レバーの引き具合によって調整できます。グルーの排出量を自在にコントロールできるようになると、無駄なくきれいに扱うことが可能です。何度もグルーを出して練習し加減を覚えましょう。
グルーが固まる前に素材を接着させる
グルーガンのメリットの1つとして、早く接着できることが挙げられます。これは溶けたグルーが早く固まるということです。そのためグルーを出したら、布、木材、鉄などに関わらず、すぐに素材をくっつけないといけません。
グルーが固まり始めるまでの時間はおおよそ10秒ほどです。布、木材、鉄などの素材をグルーであわせたら、素早く手で30秒ほど押し続けてください。そこから1分ぐらいで固まり接着されます。
グルーが出ない場合の対処方法
グルースティックをセットしたばかりであれば、グルーが出ないことはまずないです。でも低価格のグルーガンは、スティックが短くなってくるとグルーが出ない場合もでてきます。グルーが出ない状態でも故障とはいいきれません。
新しいスティックの片側を熱でちょっと溶かし、固まる前に溶かした側から追加でセットします。奥に押し込んで残っている分と完全にくっつけてください。多くはこの方法で出ない症状が改善されるはずです。
グルーガンの使い方⑥グルーをアイテムに
接着材としてだけではないグルーガンの使い方
グルーガンは布、木材、鉄などの素材を接着させる以外にも使い方があります。溶かした樹脂を出して固まるという特徴に注目すれば、さまざまな使い方が浮かんでくることでしょう。
紙や布を補修したり、木材や鉄製品の補強をしたり、そのほか穴埋めなど、ちょっとした部分に大活躍してくれます。また、グルーは樹脂なので耐水性があることから、水まわりや電気まわりに使っても問題ありません。
グルーで1つのアイテムを作る
グルーガンの使い方として、布、木材、鉄などの素材へ使うほかに、グルーを活用する方法があります。グルーだけでデコレーションパーツや、ミニオブジェなどの1つのアイテムを作れるのです。
グルーは樹脂ですから、樹脂製のかわいいアイテムができあがります。ですがこれはグルーガンを使いこなせないと難しいです。布、木材、鉄などの接着工具としての使い方に慣れたら、アイテム作りにも挑戦してみてください。
グルーガンの使い方⑦片付け方
グルーガンを十分に冷ましてから片付ける
グルーガンの片付け方には1つだけ注意点があります。グルーガンの先端は高温になっているため、冷めないうちに片付けると火事を起こす恐れがあるのです。
コンセントからコードを抜いてしばらく待ち、触ってみて十分に冷めていることを確認した後で片付けましょう。グルースティックはセットしたままの方がよいです。一度セットしたグルースティックは抜かずに使い切るようにしてください。
グルーガンの使い方とコツ①くっつかない場合
素材がくっつかない一番の原因
グルーガンを使って、布、木材、鉄などの素材を接着させたいのに、うまくくっつかないという場合があります。くっつかない一番の原因は、グルーが固まっていないことです。
グルーは早く固まりますが、それよりも早く素材が離れるとくっつかないのです。グルーで接着させてから1分ほどは、素材が離れないように固定させてください。紙や布など薄い素材は手だと熱いので、クリップなどを活用しましょう。
汚れている素材はくっつかない
素材の表面が濡れていたり汚れたりしている場合も、グルーガンでは接着させづらいです。革、鉄、ガラスなどの素材はきれいに拭いて、木材などの素材は表面を軽くでも研磨してからグルーガンを使ってください。下準備もグルーガンの上手な使い方のコツです。
グルーガンの使い方とコツ②垂れるグルーの糸
グルーの糸が垂れるときれいに接着させられない
グルーガンから溶かしたグルーを出すと、糸状のグルーがたくさん垂れる現象になります。この糸状のグルーが垂れると、素材をきれいに接着させられません。糸状のグルー対策には、使い方のコツがあります。
グルーを出したらすぐに、グルーガンを何周もまわして糸を切ってください。グルーが固まる前に切ることがコツです。慣れればグルーを出すたびに自然とグルーガンをまわして、簡単に糸を切れるようになります。
グルーガンの使い方とコツ③グルーの剥がし方
グルーは温めると剥がせる
グルーは熱で溶かして使うということから分かる通り、熱を加えれば溶けます。そのためグルーガンから一度出したグルーは、熱を利用して取れるのです。
その剥がし方とコツは簡単で、剥がしたいグルーにドライヤーの暖かい風を当てて、やわらかくすればきれいに剥がせます。ボンドなどの接着剤と違って、やり直しができることもグルーガンのメリットの1つです。
グルーガンの使い方とコツ④くっつかない素材
ボンドなどの接着剤と併用する
先項で解説したようにグルーガンはどんな素材でも接着させられます。特に紙や布、革や木材に有効です。でもプラスチック、ガラス、鉄といった素材は、低価格タイプのグルーガンだと難しい場合もあります。
これらの素材を確実に接着させたいなら、接着剤を使った方がよいでしょう。さまざまな素材を一度に使う場合は、グルーガンと接着剤を併用し、うまく使い分けてください。これがDIYや手芸を上手におこなうコツです。
グルーガンの使い方/まとめ
グルーガンの使い方とコツ、グルーが垂れるまたは出ない場合や、くっつかない時の対処方法などを解説してきました。グルーが出ない状態になっても、故障とは限りません。出ない時にはグルースティックを追加してみてください。
さまざまな素材を接着させられるグルーガンは、DIYや手芸を行うなら持っておくと便利です。制作の幅も広がることでしょう。低価格タイプもあるので気軽に試せます。
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今回はグルーガンの使い方について解説しましたが、DIYに役立つ他のグッズも気になるという方は、下記のリンク記事を読んでみてください。
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