沖縄のお盆休みの一般的な風習を紹介
沖縄県は日本の地方の中でも変わった方言が有名です、挨拶や日常会話でも県外の方には聞きなれない言葉ばかりでしょう。そんな沖縄ですが、お盆休みの風習に関してもしきたりは根強い文化が残っています。行事の日程、仏壇飾りのやり方、お供えや料理まで、沖縄のお盆休みでは多くの事柄が県外の人にとっては初めての体験になることでしょう。この記事では、沖縄のお盆の一般的な風習やしきたりについて紹介します。
沖縄県の本島のお盆を解説します
沖縄県といっても人が暮らして文化が成り立っている島は47島も存在します。よって沖縄のお盆休みの風習やしきたりなどの文化をひとくくりにすることはできません、沖縄本島と八重山諸島では同じ沖縄でも行事内容が大きくことなることもあります。この記事では主に沖縄県本島でのお盆について触れていきたいと思います。
沖縄のお盆の日程について紹介
沖縄のお盆の日程は、一般的なお盆と同じように夏のある4日間の期間に行われます。ただし1日ごとに呼び方があるのが特徴的で、1日目はウンケーと呼び2日目はナカビ、3日目はウークイと呼ばれています。関東や関西の一般的なお盆の日程は旧盆では7月、新盆では8月に行われ、多少日程が前後することもありますが数日程度です。しかし沖縄のお盆は旧暦に沿って決定されているため、その年によって8月下旬や9月に行われることもあります。
初日(ウンケー)の過ごし方とやり方
お盆の初日ではご先祖様の魂を迎え入れる風習は沖縄のお盆も同じですが、沖縄のお盆が他県のお盆と少し異なるのは、お墓まで迎えに行く必要がないという点です。沖縄では七夕祭りのときに墓参りをします、そのときにお盆が近くなってきていることを霊に伝える風習があるので、ウンケーの日はお墓にはいかず家の門の前でご先祖様の魂をお迎えするといった行事を行います。
ナカビの過ごし方とやり方
沖縄のお盆の真ん中に当たる日のナカビでやることは、主にお中元をご近所様に渡して回ります。昔から沖縄のお盆では位牌がない家がある家にお中元を渡すというしきたりがあります、中身は日持ちする食品であるケースが普通で、頂いた方はお中元を返すのではなくその場で食事やお茶・菓子などをふるまうといったしきたりが一般的です。
お中元の内容
沖縄のお盆で渡すお中元ですが、とくに決められたルールなどはありませんが、肉類は生死を連想させるので避けておくべきです。ほかには食べ物でしたら消費期限が短いものなど、慌ただしく消化しなければならない食品もNGでしょう。お米や菓子など保存できる食べ物が喜ばれるのでおすすめです。価格は1,500前後くらいがちょうど良いとされています。
ウークイの過ごし方とやり方
沖縄のお盆の最後の日であるウークイで行う主な行事は、まず御三味(ウサンミ)という重箱をあしらった祝料理を家族全員で頂きます。紅白餅や豚の三枚肉など豪華でめでたいメニューをそろえた食事をとり、同時にお供え物としても同じものを用意します。夕方になるとご先祖様の魂を送り出す行事に入ります。送り火のような風習はありませんが、ウチカビという紙を燃やして魂の成仏を願う文化があります。
ウチカビを燃やす理由
沖縄のお盆で使うウチカビとは藁で作られた紙のことで、霊が天国で使うお金に見立てて作られています。このウチカビを燃やすことによって、霊が成仏したあとも金銭的に苦しまないで済むといった願いが込められています。沖縄のお盆では、死後の世界にもお金の存在が少なからずあるという心積りがあったことが、このウチカビを燃やす文化から読み解くことができます。
沖縄のお盆の仏壇飾りのやり方をご紹介
沖縄のお盆を始めるにはまず仏壇飾りからです、お花や食べ物などを飾るまえにやっておきべきことは清掃です。拭き掃除でチリ埃などを取り払って清らかな気持ちでご先祖様をお迎えします。仏壇を綺麗な状態にしたら、沖縄のお盆の基本的な仏壇飾りの流れとして、真ん中には香炉や位牌を置きます。左右にはお花とお茶を並べます。家庭によっては花の代わりに果物を両脇にお供えする場合もあります。あとお水とお酒のお供えも定番です。
沖縄のお盆にさとうきびは欠かせない
沖縄のお盆の仏壇飾りで最大の特徴ともいえるのが、サトウキビの飾りものです。通常では15cmほどの短い長さにカットしたさとうきびを7本束ねたものを1つとして、仏壇の両端に1つずつ合計2束置きます。さらにその3倍から5倍ほどの長めのさとうきびを2本束ねたものを2つ用意して、仏壇の左右に並べます。沖縄のお盆でさとうきびを飾り付けるようになった理由は、故人が天国で杖の代わりに束ねたさとうきびを使うといった言い伝えがあります。
沖縄のお盆のお供え物にまつわる知識
沖縄のお盆休みでは、基本的に家族が食べる料理と同じものを仏壇へお供えします。その料理とは何でも良いのではなく、3日間の行事ごとに何を作ってお供えしていくかは決まっています。ウンケーにはジューシーを出したり、ナカビにはソーメンなどの麺類、最終日のウークイには豪華な重箱に詰まった料理などしきたりがあります。ここからは沖縄のお盆休みで仏壇にお供えするものについて、詳しく紹介します。
ウンケーではジューシーが決まり
沖縄のお盆ではウンケーやナカビなど日程に合わせてお供え物が定められていることがほとんどです。ジューシーとは炊き込みご飯のことで家庭によって入れる具材や味はさまざま、ジューシーはウンケーでお供え物に出すために作るのではなく、自分たちも食事としてお盆の初日はジューシーを食べるという風習があります。またウサチと呼ばれる酢の物もセットでお供えすることと、ご先祖様用のお箸も準備することもわすれてはいけません。
ナカビはそうめんと煮つけ料理
沖縄のお盆で多くの家庭が作る昼食にはそうめんが挙げられます。なぜそうめんなのかは決定的な理由は不明ですが、幸福を長く継続するという意味から沖縄のお盆のナカビではそうめんを食べる習慣が根付いていると言われています。夕食にはおめだく豪華な煮つけ料理を作ります、こうでなければいけないという習わしはありませんが、今も昔も沖縄のお盆では豚の三枚肉を煮つけ料理に取り入れることが一般的です。
最終日のウークイでは御三味
沖縄のお盆でもっとも豪華な料理が食卓に並べらるのが最終日のウークイです。御三味(ウサンミ)と呼ばれる重箱に色とりどりのおかずを盛りつけた料理を、家族はもちろん近所同士で集まってユンタク(雑談)をしながら楽しむのです。お供え物には御三味を一箱使うことも良いですが、一般的には御三味の中から何品かお皿に取り分けてお供えする家庭がほとんどでしょう。
御三味の内容
沖縄のお盆の最終日に食べる御三味の内容は、メインに豚の三枚肉、かまぼこなどの練り物、天ぷらに野菜の煮物、昆布の佃煮や甘い餅などで構成されます。ひとつだけ注意したい点は品目の数です。多くて9品、少なくても5品といった奇数にする必要があるとされています。煮物類が多いことから、昔の沖縄では煮つけが贅沢な料理だったことが伺えますね。
まとめ
沖縄のお盆について知識を深めていけばいくほど、多くの日本人が知らない素敵な文化があることに気づかされます。お中元も送らなくなってきた日本人が増えている中、現在でも沖縄では歩いてお盆のお中元回りやゆんたくを欠かさない人々がたくさんいます。この温かくて素晴らしい文化は、今後も引き継がれていって欲しいですね。お盆休みに沖縄へ旅行に行かれたさいは、沖縄のお盆の風習を意識しつつ観光を楽しまれてみてはいかがでしょうか。
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