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出世魚とは?成長で名前が変わる魚の種類や地域による名前の違いを解説!

出世魚は、成長過程で名前が変わる者のことを指します。しかし、例外もいるわけで、出世魚ではない魚でも、成長するにつれ名前を変える魚もいます。今回は、出世魚、そうでない魚も含め、名前の変化が特徴的な魚について、じっくりと解説させていただきます。
2020年8月27日
riockdododoto
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出世魚ってなんのこと?

出世魚の意味を教えて!!

魚の中で、よく名称の変わる魚っていますよね。代表的な魚でいうと、ブリなどがわかりやすいでしょうか。ブリは、(若子→)ツバス→ハマチ→メジロ→ブリと名称を変えるのは、ご存知のことでしょう。関東では、若子→イナダ→ワラサ→ブリとなります。(若子は「ワカシ」と呼称します。)このように、魚の成長によって、名前が変わる魚のことを出世魚といいます。

出世魚の由来を掘り下げよう

そもそも、我々人間も、過去にさかのぼると、成長することで、名前を変えるという風習がありました。江戸時代より前は、武士や貴族などといった者が、元服と呼ばれる成人扱いとなる儀式、通過儀礼が行われました。その際、身なりも大人っぽくなり、名前も変わる習慣がありました。名前が変わる魚、出世魚のルーツともいえます。若干、わかりづらいと思いますので、現代社会風に置き換え、わかりやすくしてみましょう。

現代社会風にわかりやすくしてみると

現代日本では、役職での出世があるので、そちらの例えでもわかりやすいかと思います。課長、部長、社長と実績を残すことで、良い役職を得ることができます。要は、成長に応じて、名前(役職)が変わるのです。魚も同様で、自分の成長に応じて、名前が変わる魚もいくつか存在します。それが、出世魚と呼ばれ、縁起物として祝いの席で出されることがあるのです。

出世魚と呼ばれる代表魚5種類をご紹介!

出世魚5種の呼び名、成長について触れよう!

では、ここからは、代表的な5種類の出世魚についてお話していこうと思います。出世魚の呼び名は勿論のこと、どのような成長過程があるのかであったり、サイズによっての味わいについても触れておこうと思います。魚によっては、味の変化と成長の関係性は、非常に大きいものとなっています。では、1種類ずつ細かくお話させていただきます。

出世魚の代表魚:イワシについて

イワシの名前の変化について

まず、イワシ(マイワシ)の名前の移り変わりからお話していきましょう。イワシは、基本的には、シラス→カエリ→コバ→チュウバ→オオバと名前を変えていきます。おそらくよく耳にするのは、シラス(白子)と呼ばれる1センチ程度の稚魚の時期、そして、節分に多く出回る20センチを超えるオオバの2つだと思います。カエリはあまり耳にしませんが、数センチになる幼名にあたり、コバは10センチ、チュウバは15センチほどのサイズを指します。

イワシの成長と進化について

Photo bymakamuki0

基本的にイワシは、群れで回遊し、行動する魚です。水族館で見たことのある方も多いのではないでしょうか。主に食用とするのは、プランクトンです。成長につれて、表層の方へ浮上、移動する傾向にあります。成長するにつれ、生存率が大きく減少し、1センチ程度で生存率1%をゆうにきっています。寿命は、5~8年ほどといわれています。

イワシの味わいの変化について

Photo by ytaquino

イワシは、大きく分けると、シラス、コバ~チュウバ、オオバに分けて食されることがあります。シラスの場合、釜揚げシラス、ちりめんじゃこなどで、コバ~チュウバでは、ショウガ煮やみそ煮、オオバは、塩焼きなどで食べられることが多いです。イワシ本来の味を楽しみたい方には、コバ~チュウバ、脂ののったイワシを楽しみたい方は、大きくなったオオバをおすすめします。海の近い場所では、生シラスが味わえる場所もあるので、食べてみてほしいです。

出世魚の代表魚:コノシロについて

コノシロの名前の変化について

続いては、コノシロです。一部では、出世魚に含めないという話もありましたが、今回はまとめさせていただきました。イワシと同じシンコ(幼名)から始まり、コハダ→ナカズミ→コノシロとなります。地域によっては、ツナシ、ジャコなどとも呼ばれているようです。

コノシロの成長と進化について

では、コノシロの成長についてお話しましょう。基本的に、春から秋は、塩分の多い海域に、冬は湾口の深い場所で見かけられる魚です。産卵期の春に卵を産み落とされ、3かあれば孵化する魚です。成長も早く、初夏には5センチ程度には成長しています。イワシに比べて寿命は短く、生きてせいぜい3年ほどのようです。

コノシロの味わいの変化について


Photo by is_kyoto_jp

コノシロといえば、幼名であるコハダの時期(10センチ以下)には、お寿司で人気のネタになります。このコハダ、ナカミズまでのサイズが、出回ることが少なく、ほとんどが寿司店、料亭などで取引がされています。また、シンコに関してもかなり価格が高いのが特徴です。大きくなるにつれて、出回りやすくなり、価格も安くなっているのが、この魚の特徴ですね。味も価格に比例しているといってよいでしょう。

出世魚の代表魚:ブリについて

ブリの名前の変化について

続いては、ブリになります。ブリは、冒頭でも軽くお話しましたが、改めてお話しておきましょう。関東の場合、若子(15センチ)→イナダ(40センチ)→ワラサ(60センチ)→ブリ(メートル級)となります。関西では、若子→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリの流れになります。全国的に食用とされる魚なのもあり、様々な名前で呼ばれている魚でもあります。長野県の一部の地域では、イナダ→ハマチ→ブリと関西、関東が混ぜ合わさった呼ばれ方をしている場所もあるようです。

ブリの成長と進化について

ブリという魚は、基本的に寒くなると南の方へ、春や夏の温かい時期になると北上する回遊魚です。生まれてから3年~4年ほどで、産卵期を迎えます。卵からは、2~3日でふ化します。若子サイズを超えるのに半年弱、幼名であるツバスサイズまでは、1年ほどで、ハマチサイズまでは、さらに1年、メジロサイズまではさらに1年と一目でどどれくらいの進化を重ねたかがわかる魚でもあるのです。

ブリの味わいの変化について

Photo by ketou-daisuki

味わいについては、成長すればするほど脂身が乗り、柔らかな食感と味わいを得ることができます。若子、ツバスは脂身が少なく食べやすいという意見もあるので、一概にブリがおいしいとは言い切れません。料理によっては、若子、ツバスなどの方が合うこともあります。ただ、夏のブリは味が落ち、逆にイナダ、ハマチのサイズは、夏こそ食べてほしいサイズです。

出世魚の代表魚:スズキについて

スズキの名前の変化について

続いては、スズキです。こちらもブリ同様、各地域で呼び名が違うことで有名ですよね。とくに有名なのは、関東のセイゴ(30センチ未満)→フッコ(60センチ程度)→スズキ(70センチ以上)(→オオタロウ)、関西のセイゴ→ハネ→スズキの2つの地域の名前の移り変わりです。また、その他の地域である東海地方のセイゴ→マダカ→スズキの名前に関しても、よく知られているようです。

スズキの成長と進化について

スズキの成長についてですが、まず、ほかの魚と大きく異なるのは、河川の中も回遊する魚であるということです。海水、淡水共に生息地域としているのは、数少ないです。その中の一種でもあるということです。産卵期である10月~3月の秋から冬にかけての時期に卵を産みます。卵は、海を流れ、成長にあわせて、河口域など比較的危なくない場所へ集まります。2センチほどまで成長すると、河川に遡上します。そして、5センチほどまで成長すると海へ戻ります。成長しても春~秋になると河川で暮らす個体もいるようです。

スズキの味わいの変化について

Photo bytarasov1984

スズキは、大きさによっても味は変わりますが、特に注意したいのは季節ですね。まず、覚えておきたいのは、旬の季節は夏であるということです。秋になると、子持ちの雌の魚は、養分を卵へ移すため、格段に味が落ちてしまいます。臭みが増した味にもなってしまうので、注意しましょう。大きいものの方が、脂がのっていて、味わい深いというところもチェックしておきましょう。

出世魚の代表魚:ボラについて

ボラの名前の変化について

最後に紹介するのは、ボラです。オボコ→イナ→ボラ→トドと名前を変える魚です。「とどのつまり」の語源であるトドは、ボラの最大サイズの名前から来ています。哺乳類のトドのほうではありません。また、勿論、フナではありませんが、小魚のころは、江鮒という名前で呼ばれることもあるようです。サイズによって、呼称を変えず、ボラとそのまま呼ばれることも多い魚でもあります。

ボラの成長と進化について

ボラに関しても、スズキ同様、淡水暮らしの時期があります。とはいえ、細かい遡上のタイミングに関しては、スズキと異なり、定期的ではないということです。海でも、河口部や内湾の汽水域を中心に生息しています。特徴として、水面をはねる習性があり、サーファーなどにけがを負わせることもしばしばあるようです。産卵時期など含め、未解明の部分が多い魚でもあります。

ボラの味わいの変化について

ボラの味は、臭みがあっておいしくないという意見が多いですが、すべてがそうというわけではありません。生息地域が汽水域や淡水のものも多く、水質の問題も含め、おいしく食べることが難しくなっているともいわれています。とはいえ、寒ボラのように、おいしく食べることのできる見定めるのもポイントの1つです。また、調理の気の回し方1つで味も変わります。可能な限り、身に臭みが映らないように、細かく水洗いするなど、心がけるとよいでしょう。

出世魚には含まれないが、名前が変わる魚がいる?


出世魚以外でも、名前の変化が見られる?

さて、ここまで出世魚について話してきましたが、出世魚のように、名前を変える魚たちは、ほかにも存在します。しかし、これから紹介する魚は、公式には出世魚として含まれていません。そんな出世魚に含まれていない魚たちって、どんな魚たちなのでしょうか。こちらに関しては、かなり数が多いのですが、特に出世魚にまちがえられるなど、名称が変わる魚として知名度がある合計6種類の魚たちに触れていきましょう。

名前が変わるのに出世魚じゃないわけ

どんな魚がいるかをお話する前に、ンぜ出世魚に含まれないのに、名前が変わる者がいるのかを簡単に触れておきましょう。魚によっては、成長過程で名前を変えている、呼称が変わっているというものがいくつもあります。ですが、歴史をさかのぼると、縁起の良い魚ではなかったり、肥料などに使われるような魚だったりと、今の文化と大きな差が見られる魚などがいます。そのあたりは、魚によってもそのあたりは異なります。

名称が変わる魚:マグロについて

マグロの名前の変化について

皆さん大好きなお魚、マグロです。種類は多いですが、どの種類も愛されている魚ですね。マグロは、幼名でヨコワとも(キハダの場合の幼名は、キメジ)呼ばれている魚なので、出世魚と思われている方も多いはずです。ですが、正式には出世魚とは呼ばれない魚たちです。現代でこそ、漁業、洋食の進化のおかげもあり、重宝される魚なので、今なら出世魚向きの魚ですが、当時は、腐りやすいデメリットが、縁起の悪さにつながっていたようです。人気も当時はありませんでした。

マグロのプチ情報について

Photo by elmimmo

マグロといえば、かなりの種類の数がいるのはご存知かと思います。有名なものでも、クロマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロなどがいますよね。マグロと名の付く名称には、イソマグロなどもいるのですが、このイソマグロを含めて、分類上、マグロに含まれない個体もいくつか存在します。名前がマグロとなっていても、マグロじゃない可能性があるという豆知識を是非、覚えておいてください。

名称が変わる魚:鮭

鮭の名前の変化について

続いては、鮭を紹介します。こちらも、皆さんになじみ深い魚の種類かと思います。鮭に関しても、出世魚ではない名前を変える魚に含まれます。鮭の場合は、地域での名称の違い、河川遡上するものや陸封型などの存在で、別名で呼ばれることも多い種類です。これは、鮭というよりもマス、トラウト全般に言えることでしょう。マス、トラウト類については、成長、進化する過程で、生育する環境によって、名称が大きく変わることがあります。

鮭のプチ情報について

鮭という魚は、食材としても、かなり重宝されている魚です。皆さん誰でも、コンビニなどで売られているおにぎりの具材として、鮭がないなんて光景は、目の当たりにしたことがありますか。鮭は、保存も効きやすいので、食に困っている場合でも、活躍してくれます。何より、かなり幅広い料理に合うというのが、我々の食の手助けとなっている部分は、かなり大きいでしょう。

名称が変わる魚:サワラ

サワラの名前の変化について

続いて紹介するのは、サワラになります。サワラも幼名のサゴシという名前から、出世魚と思われている方が非常に多いのです。しかし、こちらも残念ながら、出世魚ではありません。そもそも、サゴシは、成長、進化するうえで名前を変えたものではなく、狭腰(さごし)から来ている名前です。とはいえ、特に関西圏では、サゴシ→ヤナギ→サワラと出世魚のような、成長過程に応じた呼ばれ分けが既に広まっています。とはいえ、正式には出世魚とは言えないのです。

サワラのプチ情報について

Photo by yamakk

サワラという魚は、アジやイワシを追いかけるフィッシュイーターとしても知られています。なので、釣りでは、泳がせ釣りやウキ釣り、ルアー釣りで狙いやすい対象魚なのです。これは、同じくフィッシュイーターである太刀魚も同様ですね。注意したいのは、鋭い歯です。基本的に、サワラを釣り上げた際は、絶対に素手で仕掛けを外そうとしないようにしましょう。非常に危険です。

名称が変わる魚:ウナギ

ウナギの名前の変化について

続いては、こちらも皆さん大好きな高級魚、うなぎです。蒲焼きなどでおいしくいただける魚として知られていますね。うなぎも幼名では、シラス(うなぎ)とも呼ばれていることもあり、出世魚と思われがちです。また、縁起物にもなりそうな高級魚でもあります。ですが、残念ながら、正式に出世魚としては呼ばれておりません。シラス(ウナギ)はうなぎの幼魚ですが、別種のような扱いで呼ばれていることが多いですね。

うなぎのプチ情報について

Photo byMartinStr

うなぎといえば、現在、日本では、シラスウナギの養殖に力を入れていて、うなぎの完全養殖の研究が、日々進んでいるといわれています。完全養殖というのは、人工孵化から誕生した魚が、産卵し、その卵が孵化し、人の手で養殖されていくという、生まれてから産卵するまでのサイクル(流れ)が出来上がった養殖のことを言います。かなり力が入っているので、今後が楽しみな食材の1つですね。
 


名称が変わる魚:イサキについて

イサキの名前の変化について

続いて紹介するのは、イサキになります。このイサキも、幼いころのというよりは、呼称といった方が正しいかもしれませんが、また違った呼ばれ方をしている魚なのです。イサキの幼魚のことイノシシの子供のウリ坊に似たフォルムの体色をしているため、そのまま、幼名としてウリ坊と呼ばれていますが、こちらは、あくまでも別名の呼称といった所でしょう。なので、こちらも残念ながら出世魚には含まれることはありません。

イサキのプチ情報について

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

イサキは、我々の手に届きやすい魚でもあります。スーパーでももちろん見かける機会はありますし、釣りに関しても、サビキなどで、アジやイワシと混ざって、このウリ坊が釣れることがあります。船で出れば、カゴ釣りなどでお目にかかることができます。日本の海では、割とどこでも釣ることができるので、堤防釣り、船釣りの両面で、初心者のターゲットとしても、是非、おすすめしたい魚です。

名称が変わる魚:きびなご

きびなごの名前の変化について

最後に紹介するのは、きびなごになります。きびなごも多くの名前で呼ばれていることから、出世魚なのではないかと思われていますが、こちらに関しては、大きさで名前が変わっているわけではなく、細かい地域ごとによって、かなり多くの呼び方がされているといった所です。。生息地域も北は北海道から南の沖縄県に至るまで、幅広い地域に住んでいるのも影響しているポイントの1つかもしれませんね。

きびなごのプチ情報について

Photo by jetalone

我々の食用としても知られる魚でもあるのですが、釣りをされる方の間では、エサとしても使用する魚としての認識もあるのではないでしょうか。根魚、サワラ、タチウオなどの釣りには、よく使われるエサとなっています。食用として食べる際に関しては、煮干しなどでだしを取る役割から、揚げ物、生食にいたるまで、かなり幅広く食べることのできる魚でもあります。まさに、食に関しては万能の魚ですね。

身近な魚の本当の名は実は・・・?

今まで食べていた魚の名前は正式名称じゃない!?

いかがでしたでしょうか。魚の名前は、成長によって名前を変えるものもいれば、生育環境や地域ごとに名前の呼び方が変わるものまで、かなり幅広いということをご理解いただけたかと思います。今、私達が食べている魚の名称も、実は地域ごとに替えられた名前かもしれません。本当の名前ってなんなのかなと思った方は、是非、すぐにでも調べてみてください。実は、今まで読んでいた名前は、正式名称じゃないかもしれませんよ。

出世魚が気になる方はこちらをチェック!

出世魚の代表格のブリに関する記事になります。細かい詳細について、食べ方まで記載されている記事なので、おすすめです。

つづいて、こちらも出世魚の代表格、スズキですね。シーバスとしても知られる魚ですが、高級魚でもあります。価格についてや食べ方についてまで、くわしく記載されているので、是非、ご確認ください。

最後にブリ、ヒラマサ、カンパチの青物たちの見分け方についてです。今回、出世魚のブリを紹介しましたが、ヒラマサ、カンパチと見分けがつかないという話もよく出てきます。是非、判別できるようになりましょう。