アンディーブはエンダイブ?その特徴は
フリーゼにベルギー!個性派が多い野菜
ベルギーといっても、国の名前ではなく野菜につけられた名前です。その野菜とは、もちろん今回の主役であるアンディーブ。英語名ではチコリと呼ばれます。フリーゼもアンディーブの品種のひとつ。でも知らなければ同じ野菜とは思えない特徴的な姿をしています。個性派ぞろいのアンディーブの仲間たち。その特徴や味、おしゃれな食べ方も見ていきます。
アンディーブについて
アンディーブの基本情報
科・属:キク科キクニガナ属
原産地:ヨーロッパ
学名/英語名:Cichorium intybus/chicory
アンディーブというのはフランス語の呼び方です。
アンディーブの特徴
アンディーブの特徴といえば、少し先がとがった楕円の形です。白菜を少し細長くして尖らせたような形といえば伝わるでしょう。お皿のように使って、おしゃれに盛り付けられたサラダで見たことがある人も多いはず。そして、味は苦味のある大人向けの野菜です。キクニガナ属という分類からもわかりますね。この苦味も、形と並んでアンディーブの大きな特徴であり魅力となっています。
アンディーブの故郷はベルギー
原産地はヨーロッパですが、中でもベルギーのアンディーブは有名。日本で売られているアンディーブでも輸入品はベルギー産が目立ちます。また、先程もふれたように、一般的なイメージが強いキャンドルタイプ(お皿型)はベルギーチコリとも呼ばれる品種。わざわざ名前が付くくらい、アンディーブの産地といえばベルギー。ベルギー産チコリが日本にも多く輸入され、レストランや家庭の食卓にあがっていることがわかります。
アンディーブとエンダイブとチコリとフリーゼ
アンディーブとエンダイブは別物?
チコリと呼ばれる野菜にはさまざまな種類があり、リーフレタスにも似た姿をしているサラダチコリ、葉一枚一枚に、お皿のような深さがあるベルギーチコリと形がまったく違う品種もあります。そこでまた混乱するのが、アンディーブと似たエンダイブという野菜。こちらはアメリカではチコリではなくシコレと呼ばれる別野菜。正式にはサラダチコリはアンディーブではなく、エンダイブに分類されます。
エンダイブの特徴
リーフレタスに似ているとお伝えしましたが、エンダイブにはアンディーブとはまったく違った形の特徴があります。エンダイブは葉には細かく切れ込みが入り、葉脈の先に細かくカールした淡い緑の葉が少しだけついているような野菜です。2019年現在では、チコリとは分けられておらず、日本で流通するときはチコリと表示されていることも多いです。大きな違いは、アンディーブは多年草、エンダイブは1年草ということです。
チコリフリーゼの特徴
もうひとつ、エンダイブと形が似ているのですが、アンディーブの仲間にチコリフリーゼという品種があります。フリーゼはチコリの中では葉が一番小さく細かいものという特徴があります。それだけでなく、チコリにしては珍しく苦味があまりない、軽い味をした野菜です。チコリの苦味が苦手という人は、このフリーゼから食べはじめるとその美味しさがわかるでしょう。
呼び方表
呼び名 | 言語1 | 言語2 |
---|---|---|
アンディーブ | フランス語 | 英語ではチコリ |
エンダイブ | 英語 | フランス語ではシコレ |
フリーゼ | 英語 | - |
わかりやすく英語で揃えると、チコリ、エンダイブ、(チコリの仲間で見た目がエンダイブと間違われやすい)フリーゼとなります。
アンディーブの有色種と花について
レッドや紫のアンディーブ
radicchio rossa di treviso ラディッキオ・トレヴィーゾ、あまり馴染みはないかもしれないけれどリーフチコリの一種。チコリの和名「菊苦菜」の通り苦味のあるキク科の赤紫色と白のコントラストが綺麗な葉野菜。「爽健美茶」にもチコリが使われていたりする。 pic.twitter.com/akXx6j453t
— 草木のこと (@herecomethewar1) April 23, 2017
レストランでサラダとして出てくるアンディーブの多くは、黄みがかった白と薄緑で皿状のものではないでしょうか。しかし、品種によってはレッドチコリや紫チコリなどという色付きのものもあります。レッドチコリは特に食用としても使われますので、時々目にすることもあるでしょう。苦味だけでなく、甘みも強い品種です。
野菜には珍しいさわやかなブルーの花
チコリの花
— 夜空 (@katiuma889) December 12, 2015
良い色でしょ\(^_^)/ pic.twitter.com/oLPIRMWm3f
白や黄色が多く、どちらかというと地味な花の印象がある野菜。キレイなブルーの花色のものは珍しいです。食用にしても美味しいですが、よく見ると花もとてもきれいなアンディーブ。そのキレイな色の花は、SNSでも思わずみんなな見せたくなってしまうほどです。
アンディーブの旬
アンディーブは冬が旬の野菜
「野菜の貴婦人」チコリ食べごろ 北見で収穫ピークhttps://t.co/AIu0jfRlmG pic.twitter.com/YPXPy1Ev3D
— 北海道新聞 (@doshinweb) December 24, 2018
あまり見ることができない、チコリの畑。おがくずのようなところに、たくさん生えています。収穫時期は12月。これからまさに収穫されて出荷される大きさのものばかり。アンディーブは寒い冬に旬をむかえます。
アンディーブのおしゃれな食べ方①
アンディーブの簡単美味しい食べ方
アンディーブはスーパーで買うと1玉300円くらいする高級野菜です。1人暮らしや2人家族のご家庭では、サラダに使うだけでは多すぎるということもあり、もったいないとなかなか手が出ないことも。全部しっかり食べるレシピをお探しなら、簡単に作れておしゃれなグラタンがおすすめです。
材料・作り方ポイント
寒い冬は郷土料理で温まりましょう?定番ムール貝のワイン蒸しはもちろん、ベルギー??の冬野菜シコン(チコリ)のシンプルなグラタンや、オランダ??のエンドウ豆をスプーンが立つほど煮詰めたエルテンスープなどが身体を温めてくれます:blush: スイーツの代わりに濃厚なホットチョコレートもおすすめ:coffee: pic.twitter.com/amISABEAfH
— オランダ&フランダース (@hollandflanders) December 16, 2018
材料 (2人分) チコリ2本 ベーコン2枚 ■ A ホワイトソース1/2缶(145g) 牛乳50㎖ パルメザンチーズ大さじ2
アンディーブは半分にカットして、ベーコンを巻いて耐熱皿に並べます。そこに市販のホワイトソースを牛乳でのばしたものと、パルメザンチーズをたっぷりかけて、オーブンへ。あまり焦げ目をつけずに、アンディーブの優しい色がそのまま残るように仕上げましょう。暖かいチコリもまたいつもと違った味わいで、美味です。
アンディーブのおしゃれな食べ方②
アンディーブの王道サラダ
レストランなどでも出てくる、おしゃれなサラダ。アンディーブといえば、その形を活かしたこんなおしゃれな盛り付けや食べ方がしたい!という方に。旬の美味しい時期でないと食べることができない、ちょっと贅沢なサラダです。最初からトッピングしてもいいですし、各自自分のお好みの食材と合わせていただいても。
材料・作り方ポイント
ワインタイムは生ハムと野菜(妻作)です。生ハムは頂き物のセットのうちドイツ産で、燻製の香りが顕著です。チコリにクリームチーズをのせて生ハムを巻くと、いい感じに楽しめます。アルザスのピノ・ブランと合わせました。 pic.twitter.com/97YUfWOF7j
— Rinji (@m_rinji) December 3, 2018
材料 (2人分) チコリー(エンダイブ)8〜10枚 たまご一個 生ハム3.4枚 マヨネーズ大さじ1 塩コショウ適量
少しほろ苦さがあるアンディーブには、生ハムがよく合います。サラダの食材はお好みでよいのですが、できれば生ハムと合わせて一度召し上がってみることをおすすめします。玉子はゆでて、マヨネーズとあえておきます。
アンディーブのおしゃれな食べ方③
贅沢にまるごといただく食べ方
旬の季節でアンディーブが安くなっていたら、時には贅沢に一度に丸ごといただく食べ方でいただきましょう。ホットワインにも合う、おしゃれな一品。アンチョビペーストの塩気と旨味、アンディーブの苦味がマッチした大人のおしゃれなホットサラダです。
材料と作り方ポイント
本日の昼食。アスパラガスと胡桃、パルミジャーノとポーチド・エッグのサラダ、チコリの蒸し焼き、そしてプロシュットの盛り合わせ。キャンティとともに。 pic.twitter.com/2I5Z2MRQvv
— Camelia (@Cmla_12) March 10, 2019
材料 (二人分) チコリ1個 オリーブオイル 大さじ2 アンチョビペースト少々 にんにく 1片
材料は、4つあればできあがる簡単レシピ。フライパンひとつで作れます。蓋をして蒸すことで、しんなりとしたやわらかな食感が楽しめますが、蓋をせずに焦げ目だけつけて食べる食べ方も美味とのこと。両方試して、お好みの焼き方を見つけてくださいね。
アンディーブのおしゃれな食べ方④
アンディーブの苦味を抑える食べ方
苦味が個性のアンディーブ。でも、この苦味がちょっと苦手という方もいます。苦味がつよいアンディーブを中和させてくれる食材として、納豆が良いそうです。納豆と合わせたアンディーブサラダのレシピがこちらです。
材料・作り方ポイント
材料 (2~3人分) チコリ(アンディーブ)1株 納豆1パック 合い挽き肉100g 長ねぎ10cmぐらい しょうが 小1かけ にんにく 小1かけ 納豆のたれ・からし1パック分 サラダ油少々
洋風なサラダだけでなく、長ネギやしょうがなど日本の香味野菜をみじん切りにして、ひき肉といため、納豆とあえてトッピングとします。しょうゆ味にアンディーブが意外とあう。新しい発見のある食べ方です。苦いのが苦手な方にもおすすめ。
アンディーブのおしゃれな食べ方⑤
旬に食べたいチコリフリーゼのサラダ
チコリフリーゼは、結球しないチコリということで、いわばリーフレタスのようなもの。収穫時期はアンディーブと同じく冬の寒い時期、11月から12月。このころが旬となります。結球タイプのチコリとは違って、サラダにするときも細かくカットしていただきます。あまり市場に出回りませんが、見つけたらぜひサラダにして食べてみてくださいね。
材料と作り方ポイント
材料 (二人分) チコリ1本 胡瓜1本 トマト1個 タイム 2本程度 塩コショウ適宜 オリーブ油 適宜 レモン汁 適宜
材料は、お好みでかまいません。こちらでは、トマトやきゅうりと合わせている他、タイムも少々入っています。こしょうを効かせたレモンのさっぱりドレッシングをかけていただきます。切って時間がたつと、フリーゼは少し変色してきますので、その防止策として冷水にしばらく放っておきましょう。キレイなサラダに仕上がります。
アンディーブのおしゃれな食べ方⑥
山菜感覚で食べられる天ぷら
火を通した炒めものにしたアンディーブ料理も、密かに人気のあるレシピです。ここでは、天ぷら粉をつけて高温でカラリと仕上げた、天ぷらでの食べ方を紹介します。タラの芽やふきのとうなど、苦味のある野菜の天ぷらがお好きな方なら、きっとお気に入りの味になるでしょう。
材料・作り方ポイント
材 料(2人分) 国産ちこり(アンディーブ)1本 天ぷら粉適宜 水適宜 塩適宜
アンディーブといえば、サラダというイメージですが、ヨーロッパでも揚げ物にして食べる習慣もあるそうです。日本で揚げ物といえば天ぷら。苦味のある野菜は揚げ物にして塩でいたたくと美味しいですね。揚げたてをサクッといただきましょう。日本酒にもよく合います。
まとめ
旬のアンディーブを食べよう!
似たような別の名前の野菜もあり、混乱しがちなアンディーブ。エンダイブとの違いや、形や味の特徴、食べ方など細かく解説してきました。いかがでしたでしょうか。小型の白菜のような野菜だと思っていたアンディーブも、色や形が豊富にあることがわかりました。味も苦味がやわらかいフリーゼのような品種から、レッドチコリのような甘みの強いものまでさまざまです。いろいろ食べ比べてみてください。
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