チャイブの基本情報
家庭菜園でもお馴染みのハーブですが、その中でもチャイブほど万能なものはありません。けれど聞いたことがない、という人もいると思います。チャイブの育て方や栄養を紹介する前に、チャイブとはどんなものかを紹介します。
そもそもチャイブとは?
チャイブとは、ハーブの種類の一つで、キジカクシ目ヒガンバナ科ネギ属セイヨウアサツキ種の球根で栽培されるものです。その葉は円筒形で中は空洞になっており、成長すると30センチほどになり、ネギによく似ています。緑色で細長く、花は可愛らしいピンク色で丸みを帯び、観賞用にもドライフラワーにもなります。根は球根で、多年草なので何度でも収穫可能です。
チャイブの起源は?
チャイブは2000年前からヨーロッパ諸国で栽培されており、あちらではごく一般的な食材です。葉、茎、花全て調理可能であり、フランス料理でも使われるほど愛されています。球根を畑に寝かせておけば翌年も収穫できるので、非常にお手軽に栽培できるため各地で使用されています。
チャイブの起源は中国、そしてアジアへ広まり、ヨーロッパに伝わったとも言われています。今ではイギリスやドイツ、アメリカなどで流通しています。
チャイブの別名
チャイブの別名は「エゾネギ」、「セイヨウアサツキ」とも呼ばれ、フランスでは「シブレット」とも呼ばれています。また学名を「Allium schoenoprasum」といい、「Allium」(アリウム)はラテン語で「ニンニク」、「schoenoprasum」(スコエノプラスム)は「蘭のような、ニラ」という意味です。また日本の「アサツキ」はチャイブの変種で日本原産になります。
チャイブの花言葉
チャイブの花言葉は「柔軟性」、「素直」、「忠実」などです。その由来は、チャイブが万能な食材であることから付けられました。どんな料理にも合い、球根により株を増やして栽培も柔軟に対応でき、何年にも渡り収穫できるところがまさに「柔軟」で「素直」なイメージですね。
チャイブの育て方①:準備
ではチャイブの栽培に必要なものを準備しましょう。チャイブの育て方は、種からと苗からの2種類の方法があり、どちらも市販してますので、簡単に手に入ります。
プランターで栽培する場合は?
家庭菜園で育てる場合、プランターと畑で直接栽培する方法があります。プランターの場合は、大体65センチほどの深さの野菜プランターを用意しましょう。また、土は酸性の土壌に弱いので、市販の野菜用培養土を用意します。もしも自分で配合をする場合は、「赤玉土」を6、「腐葉土」を2、「堆肥」を2で配合しましょう。苦土石灰を少々混ぜるとよりよいです。
地植えの場合は?
地植えでもプランターと同様にチャイブは酸性の土壌に弱いので、栽培の2週間前には苦土石灰を土に混ぜ、酸性の度合いを中和しましょう。その後、「堆肥」、「腐葉土」を混ぜ込み、土に栄養をたっぷり含ませ、水はけを良くしておくと良いでしょう。
チャイブの育て方②:種まき
種まきは簡単に育てられますが、収穫できるほどに育つまでに時間がかかります。でも、種から育てて球根を株分けすればたくさん収穫できるようになるので、多く育てたい方におすすめです。種まきに最適な時期は暖かい3月~5月、9月~10月になります。
種の撒き方は?
種のまき方は適当でも大丈夫です。温かい時期であれば発芽しますし、後で間引きするので間隔なども特に気にせずに撒いても問題ありません。ただし、土のかけ方は非常に重要です。種から5ミリ以上土をかけてはいけません。光を好む好光性のチャイブなので、土を厚くせず薄めにし、手で軽く押さえる程度にしましょう。
プランターの置き場所は?
チャイブは暑さに少し弱いので、芽が出るまでは風通しの良い日陰に置くと良いでしょう。水はけの良さも大切なので、ジメジメしすぎない場所が最適です。
寒さにはとても強いので、葉が生えてからは冬に特別な対策は必要ありません。地上部が枯れ、球根が土の中にいますので、暖かくなればまた自然と葉が生えてきます。寒冷地は霜で根が浮いてしまう可能性があるので少しだけ土をかけてあげると良いでしょう。
芽が出てきたら間引く
1週間ほどして芽が生えてきたら、芽が密集するので間引きましょう。間引くコツは、色の悪い芽、他よりも細い芽などを目安に間引くと良いです。間引いた芽は捨てずに食べることができます。味噌汁や卵焼きなどに混ぜると良い香りがするのでおすすめです。
チャイブの育て方③:苗の植え方
チャイブは種からでも簡単に育ちます。しかし、花が咲くのは2年目から、収穫が安定するのは3年目、と時間がかかるので、早く収穫したい人は苗から育てるのがおすすめです。
苗の植え方は?
プランターや地植えでも土の作り方は同様なので、チャイブに最適な土壌ができたらプランターや畑に苗を植え付けます。
プランターの場合は、底に石を敷いて水はけを良くし、3株ほどまとめて植え付けます。畑に植える場合は4、5株ほどまとめて植え、15~25センチほど間隔をとりましょう。どちらに植え付けても直ぐに水やりはせず、葉っぱがしおれてきたら水を与えてください。
チャイブの育て方④:水やり・肥料
チャイブを植えたら、水と肥料を定期的に与えなければいけません。あげすぎても育ちが悪くなり、なさ過ぎても枯れてしまいます。ここではあげ方のタイミングやポイントを紹介しましょう。
水やりのポイント
チャイブはある程度湿り気のある土が良く、乾燥を嫌います。プランターも畑も同様に水やりのタイミングは、土の表面が乾き、葉っぱがしおれてきたらたっぷりと水をあげましょう。ただし、夏場はすぐに乾いてしまうので、春や秋よりも多めに与えてください。冬場は、地上の葉が枯れても根である球根は休眠しないので、定期的に水やりをしましょう。
肥料のあげ方のポイントは?
肥料は、土壌を作る際に少々混ぜ込んでいますが、植え付けるときにも化成肥料を与えます。春から秋の間は1ヶ月~2ヶ月に一度、色んな種類の肥料を与える必要はなく、液体肥料を薄めてかけるか、小さじ1杯ほどの少量をかける程度で十分です。
チャイブにつく害虫の種類は?
ネギアブラムシというチャイブだけでなく、ネギの種類であれば、ほぼ全てに好んでつく黒いアブラムシが付きます。放っておくと大量発生するので、早めに駆除しましょう。
チャイブの育て方⑤:摘花
チャイブは可愛らしい花が咲きます。観賞用にも良いのでそのまま咲かせておきたいのですが、おいしく食べるには大切な作業があります。それが摘花です。
摘花が重要!
チャイブの開花時期は5月~7月の初夏です。観賞用ではなく、葉を食用にしたいと考えているなら花を早めに摘み取りましょう。できれば咲く前のつぼみの段階で摘み取る方が葉が固くなりません。また、種を採る目的がある場合はその花だけ残しましょう。
チャイブの育て方⑥:収穫
葉がある程度伸びたら収穫可能です。目安は25センチから30センチほどの長さまで葉が育ったら食べ頃です。見た目に葉が成長していたら刈り取りを始めましょう。
収穫方法
収穫の方法は非常に簡単です。バッサリと根元から刈り取ります。根元から3センチから5センチほどの場所を刈り取りましょう。刈り取った後はまた葉が伸びてきます。収穫して時間がたつと味が落ちるので、使いたいときに刈り取るのをおすすめします。
株分けして増やそう!
根が球根なので株分けができ、寒い時期と真夏は避けましょう。株の周りを丁寧に掘り、腐った根や枯れた根を切り落とします。傷つけないように3~5個ほどに分け、15~20センチの間隔で植え付けましょう。
チャイブの使い方と食べ方
チャイブを収穫したらいよいよ料理に活用しましょう!そこで知りたいのがチャイブの使い方と食べ方です。チャイブは万能でどんな使い方でも料理の味を引き立てます。
チャイブの味はどんな味?
ネギ科の種類であるチャイブは、味はネギに似ています。けれどネギのようなくせがなく、少しだけまろやかさがあり、優しくやわらかな味わいです。ネギほど主張がないので様々な種類の料理に入れても合い、香りはタマネギに似ていると言われています。
オススメの食べ方は?
チャイブの一般的な使い方は葉と花を使用します。サラダ、スープ、ソース、肉料理や魚料理などにトッピングして香り付けになりますし、ピクルス液に漬け込むと味わい深い風味になります。オムレツに混ぜる、タルタルソースに混ぜる、など食べ方も様々です。
チャイブの効能や栄養
チャイブの栄養は?
ビタミンとミネラルを豊富に含むチャイブ。ビタミンA、B1、B2、B3、B6、C、E、K、葉酸、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分、リンなどたくさんの種類の栄養成分になります。また、アリシンという硫黄化合物の香り成分が多量に含まれているという特徴があります。
チャイブの効能は??
チャイブは様々な効能を持っており、代表的な効能が消化促進、食欲増進、血行改善、貧血の予防、抗酸化作用などがあります。さらにアリシンの効能が注目すべきものです。アリシンの効能は、新陳代謝を向上させダイエット効果が見込めます。さらに疲労回復、滋養強壮などの効果もあり、血液全般にも大きな効果があるのです。
チャイブの料理レシピ①
チャイブバター
材料 バター(発酵バター使用)100g チャイブ (フレッシュ)大さじ1~2 レモン汁 小さじ1/2 こしょう少々 ※にんにくの微塵切りorガーリックパウダー
チャイブの料理で多く見られるのがチャイブバターです。一度作れば2~3日は持つので、多めに作って様々な料理に使いましょう!
詳しい作り方はクックパッドで
作り方はとっても簡単です。食べ方も様々で、熱々のゆでたジャガイモに乗せてもいいですし、パスタやトーストにのせるだけでもとっても美味です。お手軽簡単で絶品のレシピをお試しください。
チャイブの料理レシピ②
チャイブティー
チャイブはハーブなので、ハーブティーとしての使い方もできます。材料はチャイブのみです。お茶にして飲むと、鉄分やビタミンをより吸収し、チャイブの効能をより効果的に体に取り込むことができます。
詳しいレシピはこちら
チャイブはネギの仲間なので、ネギくさいかな、と思いがちですがチャイブティーにするとネギ臭さがなく、とても飲みやすいハーブティーです。寒い季節も風邪に負けない体になります。ぜひお試しください!
チャイブの料理レシピ③
チャイブビネガー
材料は、チャイブの花、ホワイト・ビネガー、消毒したガラス瓶
チャイブの花を使って作るチャイブビネガー。ビネガーとは、西洋の酢です。ワイン酢やリンゴ酢などから作られた香り豊かな酢にチャイブの花をつけ込むとそれは美しいピンク色になり、食卓に彩りが増します。
詳しいレシピはこちら
チャイブビネガーの使い方は、サラダのドレッシングやカルパッチョなどがおすすめです。チャイブの良さがぎゅっと凝縮されたチャイブビネガーは見た目も味もとっても上品でおしゃれで色々な料理で楽しめます。ぜひ試してみてください。
チャイブの料理レシピ④
ポテトサラダ
材料 (3~4) じゃがいも(メークイン)500g 玉ねぎ(みじん切り)1/4個 チャイブ、もしくは浅葱ねぎ大さじ2杯 ■ ドレッシング サワークリーム 150ml マヨネーズ大さじ3杯 マスタード小さじ1杯 レモン汁 大さじ1杯
チャイブの食べ方で最も有名なのがポテトサラダです。特にヨーロッパ諸国では、「チャイブのないポテトサラダにはソウルがない」と言われるほど。伝統的なチャイブの使い方の一つです。
詳しいレシピはクックパッドで
ヨーロッパ諸国でポピュラーなチャイブ入りポテトサラダですが、特にデンマークでは伝統の味、お母さんの味として有名です。ぜひ作ってみてください。
チャイブを育ててみよう!
万能ハーブ、チャイブの育て方や食べ方は参考になったでしょうか?一振りで食卓がさらに華やぎます。栽培も初心者向けなので、家庭菜園をこれからやってみたい人にもとてもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてください!
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