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紫陽花の毒?!意外に知らない毒性や症状を解説!何に注意すればいい?

紫陽花には毒性の物質が含まれているというお話を聞いたことがあるでしょうか。実際に大人から子供、家畜などの動物も被害にあった例が国内外にいくつかあります。紫陽花の毒性とはどのようなものなのでしょうか。症状から致死量まで、解説していきます。
2020年8月27日
佐藤3
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紫陽花に毒性が?死亡例や致死量も知りたい!

紫陽花には毒があるというのは、最近いわれはじめたものではなく、古い書物にも書かれていたり、小説のネタとしても使われる「一般的な通説」として有名なものです。ですが実は紫陽花毒の成分については、2019年現在でもハッキリと判明していません。にも関わらず、配慮のある大人でも紫陽花を口にしたことによる食中毒の事例があります。死亡例はあるのでしょうか。また致死量は?細かく解説していきます。

紫陽花について

紫陽花の基本情報

科・属:アジサイ属ユキノシタ(アジサイ)科
原産地:日本
学名/英語名:Hydrangea macrophylla/Hydrangea
花色は、白、桃色、青色、紫色など。複数の色への変化種もあり。

紫陽花はこんな植物

梅雨どきにあちこちで見かける低木の花木、紫陽花。日本産の「ガクアジサイ」を品種改良したもので、海外から日本に逆輸入されたものです。現代、紫陽花はこのテマリ型に咲くアジサイのことを差します。同じ紫陽花とひとくくりにされるガクアジサイとアジサイですが、海外では別の植物扱いとなっています。土の酸性、アルカリ性、中性などの違いでも花の色が変化することから、「浮気者」や「移り気」という花言葉があります。

紫陽花には毒があるって本当?

紫陽花の毒性はハッキリわからない

紫陽花は日本原産の花木で万葉集にも出てくるような古くから存在しているもの。人間の近くにあって、親しまれていた花木です。昔からそれを口にした人や犬などペット、家畜に何らかの症状が出ていました。そのため「毒性がある(だろうと考えられる)植物だ」とはいわれていて、定説になってはいるものの、現在でもその毒性はハッキリとはされていません。以下は厚生労働省の発表から。

毒性成分は、未だ明らかではない。古くから、アジサイには青酸配糖体が含まれているとされ、半ば定説のようになっている。

厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」

紫陽花毒は青酸配糖体?

上の厚生労働省の発表でも「青酸配糖体」が毒性の正体(ではないかといわれている)としています。しかし、近年ではこの青酸配糖体が毒性説にも不確かなことが多く断定できず、どちらかというと「毒性成分ではない」とされる意見が強くなっています。

紫陽花の毒性に気をつけたい部位は

葉っぱを食べた症例が多い

紫陽花の毒性が疑われる、過去の症状例には葉っぱに関するものが多いです。それというのも、紫陽花の葉っぱの中には食用に食べられるものがあるため。毒性があるものもあるのに、その一方では食用に食べられる葉っぱもある。中国では、紫陽花の葉っぱを薬として利用することもあります。ただ、このときも毒性の症状が出るので頻繁に飲む薬ではないといわれています。

紫陽花の毒性とは①症状


症状①嘔吐

葉っぱを食べることで引き起こされるといわれている、症状を紹介していきましょう。この3つは代表的なもので、これ以外の症状が並行して起こる場合もあります。まずは、嘔吐。消化器症状の代表的なものです。ですが、嘔吐はかなり紫陽花毒の進行した形でもあります。症状は軽いので「何かおかしいかも」程度で済まされてしまうような症状が先にあらわれます。

症状②めまい

初期症状としてあらわれるものに、めまいがあります。というのも、青酸配糖体の毒性は神経系や血管系に症状があらわれやすいのです。めまいの他にも、息苦しく感じたり、不安になったり異様にドキドキしたりということもあります。

症状③顔面紅潮

血管系にあらわれる症状に「のぼせ」があります。発汗や血圧の急激な変化もあらわれます。そして、そのあと最後にあらわれるのが症状1の消化器系の症状である「嘔吐」となります。一番目立つ方法として先に紹介しましたが、2と3の症状だけがあらわれたときも、紫陽花の葉っぱを口にしたりしていれば、軽度の毒症状のあらわれであると考えることができるでしょう。

紫陽花の毒性とは②大人の例

紫陽花毒の症状:大人①

大人の男女が紫陽花が原因と見える食中毒を起こした有名な例に、つくば市の飲食店で「季節感を出すために」と添えられた紫陽花の葉を食べて8割の人に吐き気などの強い症状があらわれた事例があります。大人が食べてこれだけの症状なのですから、もし子供が食べたらとゾッとしますね。死亡するほどの中毒症状はなく、みんな2~3日すると全快したそうですが、この飲食店は保健所から営業禁止処分にされています。

料理に添えられていたアジサイの葉を食べた 10 人のうち 8 人が、食後 30 分から吐き気・めまいなどの症状を訴えた。

厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」

紫陽花毒の症状:大人②

もう1件、大人の紫陽花毒の症例として同じく外食でたまたま使われていた紫陽花の葉による食中毒事件があります。こちらの店舗での被害人数は1名。食べてから30分~40分ほどで気分が悪くなったり、カーっと頭に血がのぼるという症状が現れています。

男性一名が、だし巻き卵の下に敷かれていたアジサイの葉を食べ、 40 分後に嘔吐や顔面紅潮などの中毒症状を起こした

厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」

口にしなければ防げた事故

外食したときに、添えられていたから全て食べられるのだろうという判断をすることは多いと思います。しかし、このようなこともありますので、たとえ美味しそうな葉であったとしても食べたことがない食材をうかつに口に入れるのは大人でも避けましょう。毒性成分や致死量は、体重あたりの成分量で決まります。子供が外食などで見かけない食材を口にしようとしたら、大人がしっかり管理してあげましょう。

紫陽花の毒性とは③子供の例

紫陽花の近親種による子供の中毒症状


紫陽花ではありませんが、先ほどの厚生省の発表でも「紫陽花毒と同じ毒成分の事件」としてまとめられている中に、子供の中毒症状例がありました。こちらで被害を受けた子供は幼稚園児と小学1年生。幼児といわれる年頃の子供たちです。紫陽花にとても近い種類の植物である甘茶を花祭りの行事で口にして、73人の被害が報告されています。

花祭りで子供がアマチャを飲んで嘔吐症状を訴えた

厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ」

場所も年も違う2件の子供の甘茶被害

子供の甘茶被害は73名と書きましたが、実は28人の幼稚園児と45人の小学生の被害に分けられ、場所も岐阜と神奈川とまったく別の場所で置きています。花祭りに甘茶を飲むというのは、昔から行われてきたこと。それまで、中毒症状がおきていれば、イベントを廃止するなり、甘茶を提供するのをやめることになるでしょう。薬にはなりこそ、毒という見方はまったくされていなかった甘茶での中毒症状です。

紫陽花の毒性とは④動物の例

ペットの犬の葉食が心配される

動物による紫陽花毒の中毒は、ウマやウシなど動物が食べてふらつく、暴れる、ひきつけを起こすなどの症状が出てから世間に発表されたというところがあります。人よりもずっと葉っぱを口にすることが多く、被害が懸念される生き物です。犬などのペットが散歩中に草を口にすることは珍しくありませんね。もし、飼い犬が紫陽花の葉を食べて中毒症状を起こしたら…と考えると心配で仕方ないでしょう。

ペットの犬が紫陽花毒中毒になったら

犬がどのくらい食べたのか、量を確認して覚えておく。動物病院にすぐに連れて行く。そのとき、食べたと見られる葉を持っていけると何による中毒なのかわかりやすく、治療の参考になるでしょう。

ペットの犬の紫陽花毒防御策

まず、ペットの犬が勝手に道端の草を口にしないようにしつけをします。たとえ、有毒な紫陽花があったとしても、口にしなければ被害はないのですから。しつけをすると共に、散歩コースのルートを変えて、紫陽花から遠ざければ完璧です。ペットの愛犬の毒対策は簡単な方法でできます。

紫陽花の毒性とは⑤致死量・死亡例

紫陽花を食べたら死亡するのか?

致死量は口にする人の体重に対する、飲む毒成分の量で決められています。致死量が少ないほど「劇薬」といわれます。紫陽花の毒の成分もハッキリわからないのに、その致死量などわかりませんね。ただ、紫陽花を食べて人が死亡したという例は発表されていません。

紫陽花中毒での死亡例はない

日本では、紫陽花の中毒による死亡例の報告はありません。実際、先程の例で紫陽花の葉を直接食べた大人であって、嘔吐まで症状が進んだ人でも3日程度で全快しています。このことから、人間の大人であれば、紫陽花の葉を1枚2枚食べたくらいでは、致死量には至らないということがわかります。

その他にもある!気をつけたい毒性のある植物

①トリカブト


特に根に強い毒性があり、毒のある野草としてもサスペンスや推理小説でも利用される植物です。紫色のキレイな花が咲きます。致死量は根そのもので5g程度。精製して毒成分だけにしたなら、5mg摂取するだけで死亡してしまいます。

②ドクウツギ

北海道から近畿までの本州に分布する、毒性のある植物です。かわいらしい赤い実がつきますが、この実にも毒性があります。口にすると全身硬直や、唇が紫色になる、瞳孔が縮小するなどの症状があらわれます。葉を25g程度食べることで致死量に至ります。

③ドクゼリ

沖縄を除く日本全土に分布する植物。口にしなくても触れただけで皮膚から被害を受ける、猛毒を持つ植物です。神経毒、消化器系をやられる毒で、口から泡を吹く、けいれん、めまい、嘔吐が主な症状です。触れた肌が赤くなり、最終的には呼吸器麻痺がおこり、息をすることができなくなって亡くなるという非常にひどい症状があらわれますので要注意です。

野生の植物を安易に口にしないで

名前聞いたことがある植物はあったでしょうか。とてもめずらしいものばかりではなく、時々名前を聞くような植物も実はとても怖い毒性があることがわかります。アウトドアなどで外で調理し、食べる料理や、もっとサバイバル感を求める人は野草などを調理して食べたいと思うこともあります。しかし、野生の植物は見分けが難しく触れただけでも危険なものも少なくありません。安易に触れたり、口にしたりしないようにしてください。

まとめ

未確認の紫陽花の毒性には注意を!

青酸配糖体が原因かと思われていた紫陽花の毒性も、2019年現在ではこれは間違いであるという見方が強くなっています。それは別の毒成分が見つかったのではなく、とても怪しいけれど断定するまでは至らないという状態だからです。紫陽花の葉には何らかの中毒症状をおこす成分が含まれている(こともある)のに変わりはありません。大人は自分で注意することができますが、いたずらやうっかりで口にしてしまう可能性がある子供やペットには、保護者や飼い主の方々が注意をしてあげてください。

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そのほか、植物には身をまもるために毒の成分を持つものも少なくありません。毒のある植物の見分け方、回避の方法など、参考になる記事を集めましたのでご利用ください。