カロライナジャスミンってどんな植物?
カロライナジャスミンは、北アメリカ原産の植物です。ジャスミンに似た甘い香りを漂わせ、カロライナ地方に自生していることから、「カロライナジャスミン」という名前がつけられました。カロライナジャスミンはツル性の常緑樹で、日本では、フェンスに絡ませたり、生垣に用いられることの多い植物です。
カロライナジャスミンとジャスミンは違う植物
カロライナジャスミンは、黄色い花色からイエロージャスミンと呼ばれることもありますが、実はジャスミンの一種ではありません。ジャスミンは、モクセイ科ソケイ属に属し、カロライナジャスミンは、マチン科ゲルセミウム属に属します。
カロライナジャスミンの毒性
カロライナジャスミンには毒性があります。カロライナジャスミンは、葉っぱや花、茎、根っこのすべてに毒性があります。カロライナジャスミンの毒性は、ゲルセミシン、ゲルセミンという成分によるものです。カロライナジャスミンの毒性は強く、誤って口にすると呼吸麻痺や血圧降下、心機能障害といった重篤な症状に見舞われることがあります。カロライナジャスミンの花は可愛らしく香りがよいので、幼い子供が間違って蜜を吸ってしまうといったことが考えられます。また、カロライナジャスミンに似たジャスミンは、ジャスミンティーなど食用にされることもあるので勘違いすることがあります。注意しましょう。
カロライナジャスミンの花の特徴
カロライナジャスミンの花の咲く時期は、4~7月ごろです。カロライナジャスミンは黄色くらっぱのような形の可愛らしい花をたくさん咲かせます。その花姿からトランペットフラワーという別名で呼ばれることもあります。カロライナジャスミンの花からは、ジャスミンに似た甘くよい香りが漂い、生垣などにしておくと花姿とともに香りを楽しむことができます。
カロライナジャスミンの葉の特徴
カロライナジャスミンの葉っぱは、濃いグリーン色をしています。カロライナジャスミンの葉っぱの形は楕円形で、先がとがっています。カロライナジャスミンのグリーンの葉っぱは、秋になると紅葉して美しいもの。日本では古くより生垣として重宝されてきました。
カロライナジャスミンの基本データ
科名属名
マチン科(ゲルセミウム科)ゲルセミウム属
学名
Gelsemium sempervirens
和名
カロライナジャスミン
別名
カロリナソケイ、ゲルセミウム、イブニングトランペット、ニセジャスミン、トランペットフラワー
英名
Evening trumpet flower
原産国
北アメリカ
カロライナジャスミンの花言葉
カロライナジャスミンには、3つの花言葉が存在します。どの花言葉も、カロライナジャスミンの可愛らしい花姿や、甘い香りからイメージされたものになっています。
花言葉1「甘いささやき」
カロライナジャスミンの花からは、とてもよい甘い香りがします。花々が咲き乱れながら漂わせる香りにうっとりしてしまうほど。「甘いささやき」はそんなカロライナジャスミンの特徴から生まれました。
花言葉2「長寿」
カロライナジャスミンには強い毒性があり、注意が必要です。一方で大昔には薬として使われていたという歴史も。そのため「長寿」という花言葉がつけられました。ただし、一般のひとがカロライナジャスミンを薬とするのはとても危険です。カロライナジャスミンは絶対に口に入れないようにしましょう。
花言葉3「気立てのよさ」
カロライナジャスミンのすくすくとツルを伸ばす様子や、春から夏にかけて咲く黄色の花模様は、とても素直で明るい雰囲気です。そんなカロライナジャスミンの草姿から、「気立てのよさ」という花言葉が生まれました。
カロライナジャスミンの育て方1 土づくり
カロライナジャスミンは、水はけのよい水持ちのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土や川砂を少し混ぜたものを準備するとよいでしょう。市販の草花用培養土を利用しても便利です。
カロライナジャスミンの育て方2 肥料
カロライナジャスミンは、丈夫な植物。それほど肥料を施す必要はありません。カロライナジャスミンの花が咲き終わったあとに、お礼肥として少量、穏効性の固形肥料や油粕を与えましょう。また、1~2月の寒い時期に、寒肥として同じく穏効性の固形肥料や油粕を与えるとベストです。ただし、あまり窒素成分の多い肥料を寒肥に与えると、春からの花付きが悪くなりますので注意しましょう。
カロライナジャスミンの育て方3 水やり
カロライナジャスミンは、比較的水を好む植物です。カロライナジャスミンを鉢植えにしている場合は、植えている土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。だいたい鉢の下から水が流れ出るくらいが目安です。生垣など地植えの場合は、ほとんど水やりの必要はありません。
カロライナジャスミンの育て方4 場所
カロライナジャスミンは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。カロライナジャスミンは強い樹木なので、半日陰のところで育ててもすぐに枯れてしまうというわけではありません。ただし日当たりがよくないと、花付きが悪くなってしまいます。
夏越し
カロライナジャスミンは、暖かい国原産の植物なので、夏越しは比較的容易です。ただし、日本のじめじめとした梅雨時期は少し苦手です。ちょうど春から初夏にかけて花を咲かせるカロライナジャスミン。枯れた花がらをこまめに摘み取って、カロライナジャスミンをできるだけ風通しよく管理しましょう。
冬越し
カロライナジャスミンは、比較的耐寒性のある植物です。ただし植え付けて間もない小さな苗は冬の寒さにあたると枯れてしまうことがあります。鉢植えの場合は、冬の霜や寒さにあたらないように軒下や室内に取り込むとよいでしょう。地植えの場合は、カロライナジャスミンの株元にバークチップや落ち葉などを厚く敷いて、根っこが寒さに直接あたらないようにしてあげると冬越させやすいです。
カロライナジャスミンの育て方5 植え付け
カロライナジャスミンは、ほとんど種が流通しておらず、苗から育てるのが一般的です。カロライナジャスミンの苗の植え付けの適期は、4~5月もしくは9~10月ごろです。植え付けたい苗に合わせて鉢などを準備しましょう。カロライナジャスミンの苗を植え付けたら、根っこが張ってしっかり安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。カロライナジャスミンはツルを伸ばす植物なので、植え付けの際には、フェンスを仕立てる、生垣にするなどの予定を立ててからおこないましょう。
カロライナジャスミンの育て方6 植え替え
カロライナジャスミンは、生育旺盛な植物です。鉢植えの場合には、根詰まりを防ぐため定期的に植え替えをしましょう。だいたい1~2年に一度の割合で植え替えします。カロライナジャスミンの植え替えに適した時期は、4~5月ごろです。これまでより一回り大きな鉢を準備します。植え替えたいカロライナジャスミンの苗を植え替えましょう。植え替えた苗がしっかり根付いて安定するまで、日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。
カロライナジャスミンの育て方7 剪定
剪定1・切り戻し
カロライナジャスミンは、生育旺盛で放っておくと四方八方にツルを伸ばします。切り戻しによる剪定をこまめにして、カロライナジャスミンの樹形を保ちましょう。カロライナジャスミンの切り戻しによる剪定に適した時期は、春から夏にかけてです。カロライナジャスミンは、次の年に咲く花芽を夏につけます。花芽がついてから剪定してしまうと、次の春に花が咲かないので注意しましょう。カロライナジャスミンは、思いきって半分くらいの長さまで強剪定しましょう。剪定したところから新しい芽が出てきます。
剪定2・摘芯
カロライナジャスミンには、摘芯と呼ばれる剪定方法を施しましょう。カロライナジャスミンの摘芯に適した時期は、4~7月ごろです。カロライナジャスミンの先端を剪定ばさみでちょんちょんと切ります。摘芯により脇芽を増やし、花数を増やすことができます。なお、カロライナジャスミンは毒性があるので、剪定の際には手で直接触れないように注意しましょう。
カロライナジャスミンの育て方8 誘引方法
カロライナジャスミンは、ツルをぐんぐんと四方八方に伸ばすので、剪定しながら誘引してあげましょう。支柱を用いたり、フェンスに伝わせるとよいでしょう。フェンスに伝わせる場合は、あまりはみ出すぎないように、伸びすぎた枝を切り必要な枝のみ残します。そして、麻ひもなどを用いてカロライナジャスミンのツルをフェンスにつなぎ留めましょう。成長に合わせて何度か誘引しているうちに樹形が整ってきます。あとはこまめに剪定すると、無機質なフェンスが美しいグリーンに変身します。
カロライナジャスミンの育て方9 病気
カロライナジャスミンは、それほど病気の心配はありません。
カロライナジャスミンの育て方10 害虫
カロライナジャスミンには、ハダニが発生することがあります。ハダニはとても小さい害虫です。しかも主に葉っぱの裏に寄生するので発見が遅れてしまうことも。ハダニはカロライナジャスミンの葉っぱに寄生して、栄養分を吸い取ってしまいます。ハダニは群生する害虫なので、気づいたときにはカロライナジャスミンの栄養分をかなり吸い取られていたということも。カロライナジャスミンをこまめに観察しながら、ハダニを発見次第すみやかに駆除しましょう。
カロライナジャスミンの増やし方 挿し木
カロライナジャスミンは、挿し木により増やすことができます。カロライナジャスミンの挿し木に適した時期は、5~6月ごろです。育てているカロライナジャスミンから、程度のよい茎を10センチくらい剪定ばさみで切り取り挿し木用とします。上部の葉っぱを2枚くらい残してあとの葉っぱは取り除きます。挿し木用に茎は、1~2時間水につけて、水揚げさせましょう。挿し木用の土を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。挿し木したものから発根して安定するまで、直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。葉っぱが2~3枚出てきたら挿し木苗の完成。好きなところに植え付けましょう。
カロライナジャスミンを育てよう
カロライナジャスミンは、生垣などによく用いられる植物で、それとは知らずにカロライナジャスミンを見たことのある方も多いようです。カロライナジャスミンはツルを元気よく伸ばすので、生垣のほか、鉢や庭に植えたものをフェンスにつたわせるとよいでしょう。春から初夏にかけて、黄色くてラッパのような形の可愛らしくて甘い香りの花を咲かせます。育てやすい植物なので、生垣に何を植えようかと考えている方にもおすすめです。