花 野菜用 ゴールデン粒状培養土配合
微粉ハイポネックス
レインボー薬品 液体肥料 住友液肥2号
アボカド苗(ヤマガタ種) 接木苗
アボカド 露地でつくれる熱帯果樹の栽培と利用/米本仁巳
アボカドを種から栽培しよう!成長したら結実も
アボカドを自分で育成してみよう
森のバターとも呼ばれていて、ニュージーランドではバターの代用品として、パンに塗って食べられることもあるという果物「アボカド」。お刺身を食べる文化がある日本では、アボカドをわさび醤油で食べると「マグロ(トロ)の味がする」という人も多く人気の果物です。
1個あたりの単価も100円ほどと、安く買えるのも人気の秘密。現代日本人にとって、身近なフルーツとなったアボカドを自分で育成してみませんか。育成方法や剪定の仕方、収穫のコツもご紹介します。
アボカドとは
アボカドの基本情報
科・属:クスノキ科ワニナシ属
原産地:メキシコ、中央アメリカ
学名/英語名:Persea americana /avocado
日本語名を「ワニナシ」といいます。果実が結実するのにとても栄養が必要なので、毎年ではなく1年おきに実をつける性質があります。
特徴
アボカドの原産地は赤道付近の温かい地域。そんな場所では、アボカドは常緑樹として1年中葉を茂らせています。ただし、日本など冬がある地域で育てようとすると、落葉してしまう場合もあります。
木の高さは成長すると、10mほどにもなる高木です。観賞用にそだてるには、剪定が必要となります。ワニナシという名前は、その姿が梨に似ているから。果実を割ると中央には、大きな種がひとつ入っています。この種を植え、発芽させることで、家でも育成することが可能です。
アボカド栽培・簡単な育て方①下準備
種を用意しよう
自分で種から育成するなら、まずはその種を手に入れないとですね。種は市販の食べ終わったアボカドの種を使います。
現在日本では、アボカドの種というのは手に入りにくいので、ほとんどの人がこのスーパーで売られている食用のアボカドの種から育成しています。条件によっては、必ず芽がでるとはいいきれません。できるだけ成功させたい人は、保険としていくつか種を用意して種まきをします。
種以外に用意するもの
アボカド栽培で、種以外に用意するもの。おすすめは水耕栽培から発芽させる方法なので、まずは水耕栽培用の容器と、爪楊枝3本を用意します。水耕栽培の容器は、ガラス瓶などで大丈夫ですよ。ヒヤシンスやクロッカスなど花用の水栽培のために作られた、独自の形の専用の容器がある人は、それを使えば爪楊枝不要でできます。
種を発芽しやすくする
売られているアボカドが発芽しないのは、果実に発芽を抑えてしまう作用の成分があるからなんです。発芽率をあげるためにも、取り出した種は果肉がついていないように、よく真水で洗います。
また、種が冷えていると発芽率が落ちるので、食べる前に冷蔵庫に入れないこと。水栽培のためにとっておく種も、冷やさないように温かいところに置いておきます。
アボカド栽培・簡単な育て方②発芽まで
発芽が楽しめる水耕栽培がおすすめ
いきなり種を土に埋めて発芽させる方法もありますが、アボカドの種から発芽する様子がよく観察できる水耕栽培にチャレンジしてみては?ある程度大きくしてから土に植え替えることができますので、その後大きくそだてることもできます。アボカドの栽培を始めるなら、時期は気温が20度くらいで安定する時期(5月~7月)がベストです。
アボカドの水耕栽培のやり方
発芽しやすい種の下準備として、食べ終わった種を洗っておく、室温で温めておくということをすでにしている前提でお話します。水耕栽培の前に種の下準備からはじめてください。
1.種に3本の爪楊枝を刺す。アボカドの種は丸くなっている方から根がでます。そちら側を水につけるようにして、どこに刺すかの場所を決めてください。2.用意した容器に水を入れ、アボカドの種を乗せてみて、底から半分くらいまで水に浸かるくらいに水量を調整します。
3.部屋の中で直射日光が当たらない、でも温かい場所を置き場にします。水を腐らせないように、きれいなものに取り替えるお世話は、毎日必ずやります。
アボカド栽培・簡単な育て方③芽が出たら
土に植えるまでにすること
水耕栽培のアボカドは、根が出てそのあとに芽が出てきます。芽が出てきたら、光合成をさせてあげたいですね。少しずつ窓際の日が当たる場所に移動して、最終的にはだいたい1日のうちの半分は、日が当たっているように調整します。
根が出たらすぐに植え替えてもよいですが、せっかくなので根が伸びる様子などを観察できる、水栽培を楽しんでから土に植え替えるのがおすすめです。
土に植え替える目安は【成長】
どんどん根が出てきて、しだいに容器一杯に根が増えるようになるでしょう。芽も成長してきてかわいらしい葉っぱの新芽も数個見えてきているでしょう。すでに葉が開いている種もあるかも。
そうなってきたら水耕栽培でそだてるのにも限界が来てしまいます。そのまま水だけで育てようとすると、しだいに枯れてきます。土に植えてあげる時期です。
アボカド栽培・簡単な育て方④水耕栽培しない場合
最初から土に植える方法
水栽培で様子を見るのはよいので、はじめから土で簡単に育てたいという人は、鉢植えから育ててももちろん大丈夫です。ただし、その場合は鉢植えにすること。種まきから地植えはおすすめできます。
なぜかというと、アボカドは寒さに弱いため。日本ではよほど温かい地方でない限り、種まきからの地植えは失敗してしまうことが多いです。地植えする予定でも、まずは鉢植えからはじめてくださいね。種の下準備は水耕栽培と同じ。よく洗って、温かいところにしばらく置いておきます。
用意するもの
アボカドを植木鉢などの土に直接種まきする場合には、植木鉢、培養土、アボカドの種を用意します。水をあげる道具としてジョウロなども必要です。
植木鉢への種まき
種まきの時期は、水栽培と同じく5月から7月頃が成長しやすくおすすめです。土に軽く穴をあけ、そこに種を植えるのですが、全て土の中に埋めることはしません。いろいろな人の種まきの様子を見たのですが、1/4くらいしか埋めない人、頭だけ少し出す人と埋める深さはまちまちです。
でも、そのどのやり方もアボカドの種のとがった方を土から出しています。種が全部土に埋まらないよう、種まきしていくことに気をつけます。そのあとは、たっぷり水をあげ、日向で管理します。
アボカド栽培・簡単な育て方⑤土つくり
アボカドに向いている土は
さて、アボカドを鉢植えでそだてるには、土が必要です。アボカド用の土は、一般的な培養土でかまいません。水はけがよく、養分をほどほどに含んだものなら何でもよいです。
土を買って自分で混ぜ合わせるのであるのなら、割合としては、赤玉土7に腐葉土3の一般的な土作りがおすすめです。この土の配合であれば、他の植物を植えるときにも使えますので、一般的な土の配合として覚えておくとよいですね。
土の配合が心配な人は培養土がおすすめ!
花 野菜用 ゴールデン粒状培養土配合
水はけがよく、赤玉土に腐葉土など養分が入っている培養土なら、何でもOKなアボカド栽培。培養土を使う利点は、水はけのことも考えられているので、そのまま鉢に入れてアボカドを植えることができます。
もちろん、水耕栽培からの植え付け、鉢植えのアボカドの植え替えなどにも使うことができますよ。アボカドが成長したら、鉢を大きくするときに足す土になりますので、余っても無駄にはなりませんよ。きちんと保管しておいてくださいね。
アボカド栽培・簡単な育て方⑥水やり
生育期の水やりには気をつけて
アボカドに限らず、植物の多くは水切れに注意して水やりをしていきます。あげすぎもNG。人も植物も過ぎないことが一番快適に過ごせるのです。
「乾いたらたくさんあげる」という、水やりの基本的な方法でおこないます。ただし、大きくなる木ですので、育成が盛んな時期には、いつもの水やりでは水不足になってしまいます。
特に鉢植えで成長させるには、水切れには注意してあげましょう。アボカドの生育期は5月頃から8月頃。鉢植えのアボカドを持ち上げてみて、軽かったら時間は関係なく、すぐに水をあげましょう。
大きくなった地植えなら放置でも
本州西部の暖地であれば、地植えでアボカドを育てている人もいます。冬にマイナスにならないような場所であることが必須です。地植えのアボカドなら、水やりは本当に乾燥しているときだけで大丈夫。水やりに関してはほぼ放置することもできます。
アボカド栽培・簡単な育て方⑦肥料
元肥
微粉ハイポネックス
アボカドの鉢植えを植え替える時に、窒素リンカリウムの割合が等しい肥料を株元にあげます。元肥と書きましたが、鉢植えなので植え付けたあとに、株から少し離しておけばよいでしょう。
追肥
追肥も同じく、3つの肥料成分のバランスのとれたものを、5月頃暖かくなってきたら株元から少し離しておきます。
開花時
レインボー薬品 液体肥料 住友液肥2号
アボカドが開花するようになったら、開花時期には即効性の液肥を与えます。
アボカド栽培・簡単な育て方⑧剪定
放置すると10mにもなるアボカドの木
アボカドの木は剪定しないと木の高さが10mほどになる高木種です。鉢植えで育成する場合、地植えでも隣のお宅などに迷惑をかけないよう、剪定をして丈をつめてあげましょう。アボカドの剪定の方法は、最近は中央の枝を切り詰めてしまい、両脇の枝を成長させる方法が一般的です。鉢植えでも地植えでもこの剪定方法でよいでしょう。
アボカドの剪定のやり方
種まきから育てた実生アボカド。目安としては1年半から2年ほどで天井まで届くくらい背が高くなります。どのくらいの背丈で育成するのかは個人の好みですが、剪定は、その高さに合わせて中央の枝を切り詰めてしまうこと。脇から出てきた枝はそれほど成長せず、同じ背丈で管理することができます。
アボカド栽培・簡単な育て方⑨植え替え
収穫を目指すなら植え替えも必要
鉢植えのアボカドでも収穫することは可能ですが、大きめの鉢が必要。アボカドは大きくなる木ですので、無理なく成長させようとするなら小さな鉢で管理するのは限界があります。植え替えの目安は、鉢底から根が出てきたときですが、できれば2年に1度くらいで、ひとまわり大きな鉢に植え替えるのがおすすめです。
植え替え時期とやり方
植え替えをおこなう時期は、5月~6月頃。鉢から取り出した株は、あらかた土を落とし(でも、全て土を落とさないように注意)新しい鉢へと植え替えます。
地植えを考えているのであれば、霜がおりたり気温が低くなったりという条件に負けないよう、ある程度幹が大きく太くなってからの方が安心です。植え替え後には株元に緩効性肥料を置き肥して、たっぷり水を与えて終了です。
アボカド栽培・簡単な育て方⑩収穫を目指すなら
種から収穫は難しい
果実を収穫するためのアボカドは「接ぎ木法」という方法をとって木を管理しています。接ぎ木の目的は、強い品種の同種の木に美味しい果実がなる木を接ぎ木することで病気から防ぐこと。種から育てたアボカドを台木にして、買ってきた苗を接ぎ木して収穫できるようにしている方がいましたので、参考にご紹介します。
果実を収穫したいなら苗を買おう
アボカド苗(ヤマガタ種) 接木苗
果実の木を種から育てて、接ぎ木で収穫した経験がある人なら、種からアボカドも大丈夫です。しかし種から育てたアボカドが、実際に実がなることはほとんどありません。多くの方が、苗を買ってきて接ぎ木をして結実させています。
実際にアボカドを育てている方にうかがったところ、「種からの実生株なら10年位上たたないと花が咲かない。」とのことです。収穫するなら、接ぎ木苗を買って植え付けるのがおすすめです。
アボカド栽培・簡単な育て方⑪アボカドの受粉
人工授粉させよう
さて、アボカドの受粉はちょっと面倒です。というのも、アボカドは1本の木に雄花と雌花があり、両方咲くのですが時間差で咲きます。雌花が先か雄花が先かはその木によって違います。実を付けさせたいなら、人工授粉をしてあげるのが確実です。
人工授粉のやり方は簡単
花粉がついている花がアボカドの雄花です。その雄花が咲いているときに、花粉を落とさないように花を摘んでおきます。冷蔵庫で管理して、雌花が開いたら、雄花の花粉をめしべに受粉させます。
人工授粉のやり方は簡単ですが、失敗してしまうこともあります。もしうまくいかないようであれば、もう1本アボカドの苗を買って、2本以上育てると格段に受粉率があがりますので試してください。
アボカド栽培・簡単な育て方⑫注意点
心配なアボカドの病害虫
アボカドで心配される主な病気は炭そ病。葉が黒っぽく変色してくるのですぐわかります。原因は、風通しの悪さですので、葉や枝が混みすぎているなと思ったら剪定してスッキリさせてあげます。
また、害虫はカイガラムシとハダニに注意です。これも風通しが悪いと株が弱ってつきやすいので、適度に剪定して葉が密集しないようにしてあげるとよいですね。
冬越しのやり方
外に植えるなら5度以下になるような気温の場所は向いていません。鉢植えで管理して、冬は室内に入れてあげます。外に置いていた鉢で、秋に落葉して幹だけになってしまうアボカドも、暖かくなってくると新芽が芽吹いてきます。
失敗して枯らしてしまったと勘違いしないでください。そのまま、温かい場所で冬越しをさせてあげて春まで様子を見ましょう。
支柱を立てよう
どのくらいの背の高さに仕立てるかにもよりますが、アボカドは剪定しないとまっすぐに上へ上へと伸びていく植物です。はじめの数年は幹も細くて不安定なので、土に植えたときに支柱を立ててあげます。
もし、支柱が間に合わなくてポッキリと折れてしまっても、下の方から新しい芽が出てきます。寒さに気をつけてあげれば、簡単に育つ植物ですよ。
冷蔵されたアボカドは発芽率が低い
食べたあとのアボカドの種で、発芽させ栽培報告をされている方もよくお見かけします。ただし、売っているアボカドのすべての種が発芽するかというと、少し難しいときもあります。
それは、果物なので冷蔵されてしまっている場合。種が休眠状態になっているので、なかなか芽が出ない。芽が出る前に腐ってしまう…などが理由としてあります。どんな種でも発芽率は100%にはならないので、そういう場合もあると思っておきましょう。
【おまけ】接ぎ木にチャレンジしてみよう
接ぎ木の考え方をおさらいしよう
接ぎ木の考え方として、丈夫な木に美味しい実がなる木を接いで育てやすい美味しい木を作る…という例でご紹介しました。だいたいそんな感じで、人間が管理しやすいような木を継ぎ接ぎして、作っていくという考え方でよいでしょう。
アボカドも種から育てた株では、実がなることもあるし、成らないこともある。不確かな苗なのです。それを確実に実がなる木を接ぎ木してあげることで、収穫できるようにします。
接ぎ木をもっとアップのカメラで確認しよう
以下の動画は、モモの木にスモモを接ぎ木しています。「形成層があっていれば接ぎ方は何でもくっつく」のです。幹が太い、細い、硬い、柔らかいで接ぎ方を替えることもありますが、2つの枝の形成層を見えるようにカットして、くっつけてしっかりテープで巻きつける。これで下の台木から穂木へと栄養が渡されて成長します。
ポイントは①形成層をあわせる。②合わせたところから水分が蒸発しないよう、しっかりテープでカバーする。③芽が出る部分のテープは、1重にして芽がテープを破りやすくする。この3つです。
アボカドの接ぎ木を勉強したい人におすすめの本
アボカド 露地でつくれる熱帯果樹の栽培と利用/米本仁巳
こちらの本には、アボカドの接ぎ木の方法について解説されています。ネットで探してもアボカドの接ぎ木の方法がわからない。アボカドの育て方を本で勉強したいという方にはおすすめの本です。
まとめ
種からアボカドを成長させよう!
アボカドを種から育て、収穫する方法までご紹介しました。種から育てた苗(実生苗)は果実がなるかならないかわかりません。果実がなったとしても、それが美味しいかどうかもわかりません。そんなギャンブル的な不安定さがあるのが、種まきからの収穫です。
逆に美味しい!ということもあるでしょうが、どうしても接ぎ木苗のようにすぐ収穫は難しいです。気長に花が咲き、実がなるまで育ててあげてくださいね。待てないという人は、接ぎ木をしたり、苗を買うのがおすすめですよ!
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