クッカバラってどんな植物?
クッカバラは、南アメリカなど熱帯地域を原産とする多年草です。原産地ではジャングルなどに自生しており常緑性です。日本では観葉植物として出回っており、育てやすい種類なのでインテリアプランツとして大人気です。では、クッカバラの育て方や増やし方のコツを見ていきたいと思います。
茎から気根を出す
クッカバラをある程度の期間育てていると、茎から気根画出てきます。気根というのは茎から出てくる根っこのことです。根っこは土に到達するまで空気中の水分を吸収します。そして徐々に値を伸ばし、やがて土に届くと土のなかで根づいていきます。
クッカバラの花の特徴
クッカバラの花は、カラーやサトイモの花に似ています。ただし、日本で花を咲かせるのは少し珍しく、花の咲く時期も定まっていないようです。クッカバラはあくまで観葉植物として葉を鑑賞して楽しむ種類の植物でしょう。
クッカバラの葉の特徴
クッカバラの葉っぱは、とても美しいグリーン色でツヤツヤとしています。葉っぱの形はぎざぎざと切れ込みがはいっていて、切れ込みの先は丸みがあります。
厚みのあるボリューミーな葉姿は、まさに南国情緒あふれるもので、見ているだけで元気が出てきそうです。なお種類によっては、ライムグリーンのような明るめのカラーの種類もあります。
クッカバラの基本データ
科名属名
サトイモ科フィロデンドロン属
学名
Kookaburra
和名
クッカバラ
別名
わらいかわせみ
英名
Laughing Kookaburra
原産国
熱帯アジアの国々、南アメリカ
クッカバラの花言葉
クッカバラには2つの花言葉が存在し、いずれの花言葉もクッカバラの生い茂るような葉姿をあらわしたものになっています。
花言葉1・壮大な美しさ
日本では、屋外での冬越しが難しいこともあり鉢植えで栽培されることの多いクッカバラですが、原産地ではジャングルのようなところで大きく自生している植物です。大きな葉っぱや太い茎をどんどん出しながら、生い茂るように育つ様子から、「壮大な美しさ」という花言葉がつけられました。
花言葉2・壮大な心
クッカバラは、大きめの葉っぱや太い茎が魅力的な植物で、パワーをもらえる葉姿から風水の世界でも人気があります。「壮大な心」はそんなクッカバラの特徴からイメージされつけられました。大変ポジティブな意味合いの花言葉なので、花言葉を添えてプレゼントフラワーにしても素敵です。
クッカバラの育て方1・土作り
クッカバラは水はけのよい土を好む観葉植物です。赤玉土にピートモスを半分弱混ぜ込むとよいでしょう。また市販の観葉植物用の培養土を利用すると初心者さんにも簡単です。
クッカバラの育て方2・肥料
クッカバラにはそれほどたくさん肥料を与える必要はありません。逆にあまり過度に肥料をあげすぎると、肥料やけを起こして枯れてしまうことがありますので気を付けてください。
春から秋の成長時期には、1~2カ月に一度の割合で、穏効性の固形肥料を少なめに与えます。
また、観葉植物用の液体肥料をほどこしてもよいでしょう。ただしその場合も通常の観葉植物より少し薄めの希釈率にしましょう。また、冬の成長をストップさせる休眠期には肥料を与えません。
クッカバラの育て方3・水やり
クッカバラは程よい水を好み、水を与えすぎのじめじめとした環境は大の苦手です。とくに、鉢の下にお皿などを敷いていて、そのお皿に与えた水が溜まった状態にするのはよくありません。お皿の水は常に捨てるようにしましょう。
春から秋の成長時期には、土の表面が乾いたな、と思うたびにこまめに水やりをします。冬の成長をストップさせる休眠時期はそれより水やりの頻度を下げましょう。
葉水もおすすめ
クッカバラには、観葉植物の水やり方法である葉水もおすすめです。葉水というのは、霧吹きで観葉植物の葉っぱに直接水を吹きかける方法です。葉水をすると、クッカバラはよりツヤツヤ活き活きします。
また、お部屋のなかで観賞する観葉植物の葉や茎には意外とホコリがたまるもの。葉水をおこなうとたまったホコリが取り除けて、美しく保つことができます。
クッカバラの育て方4・場所
クッカバラは、観葉植物のなかでもある程度の耐陰性のある種類です。そのため、寝室など日の当たりにくいところにも飾ることができます。ただし、あまりに日陰すぎると成長スピードが遅くなります。
日当たりのよくないお部屋で楽しむ場合も、季節のよい時期には時折、外の日差しと風にあててやるとよいでしょう。
春から秋
春から秋はクッカバラの成長時期。屋外の気候のよい時期でもあり、外で育てることができます。ただし、真夏のジリジリと照り付けるような日差しは少し苦手で、葉焼けを起こして茶色く変色してしまうことがあります。真夏は直射日光の当たらないところで管理しましょう。
冬
クッカバラは暖かい国々原産の植物なので、日本の寒い冬はあまり得意ではありません。クッカバラは地植えにするよりも鉢植えにして、冬のあいだ暖かい場所に移動させる方法が一番です。とくに霜の当たるようなところは厳禁です。
クッカバラの育て方5・植え付け
クッカバラは観葉植物なので、あらかじめ鉢に植えられて販売されていることが多いのですが、もし小さな育苗ポットの苗を購入した際は、新しい鉢に植え付けます。植え付けに適した時期は、春もしくは秋です。
苗をすぽんと育苗ポットなどから取り出したら、新しい鉢に植え付けましょう。植え付けた苗がしっかり根付くまで、こまめに水やりを続けながら、直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しましょう。
クッカバラの育て方6・植え替え
クッカバラは適した環境にあるとぐんぐん根っこを伸ばしながら成長します。根づまりを防ぐため、鉢植えを定期的に更新して植え替える必要があります。植え替えに適した時期は、春もしくは秋です。
植え替えたいクッカバラを土から抜き出したら、手で軽く根っこについた土をほぐします。そしてこれまでより一回り大きめの鉢に植え替えましょう。植え替えた株が安定するまで、水やりをこまめにしながら、直射日光の当たらない風通しのよい環境で育てます。
クッカバラの育て方7・剪定
クッカバラは、自然のままでもそれほど樹形が乱れず、次々と出てくる葉茎が茂るようにする方が見栄えがします。ですから樹形を整える意味での剪定はさほど必要ではなく、管理しやすい種類と言えるでしょう。
ただし、クッカバラは風通しのよい環境を好むので、いつも風通しよくするために剪定をおこなうとよいでしょう。
剪定に適した時期は春から秋。まず、茶色く変色したような葉や茎があれば、根元から剪定ばさみでスパッと剪定します。さらに、あまりに混みあっているようなところを剪定しましょう。剪定することで株の蒸れを防ぎ、病害虫の発生を防げます。
クッカバラの育て方8・病気
軟腐病
クッカバラは軟腐病にかかることがあります。軟腐病は、葉や茎がぐにゃっと腐ってきて、やがて株全体が枯れてしまう病気です。とくに梅雨時期などじめじめとした環境で発生しやすい病気で、一度かかってしまうと残念ながら根治は難しいです。
育てているクッカバラをこまめにチェックしながら、病気を見つけたらすみやかに処分します。ただし、初期の段階でほんの少しの病斑部なら、その部分を剪定ばさみで切り取ってしのげることもあります。
クッカバラの育て方9・害虫
ハダニ
ハダニは、春から夏にかけて発生しやすい害虫で、あらゆる植物に寄生します。とくに葉っぱの裏につくことが多いので、見つけるのが遅くなりがちなのがやっかいです。一匹の大きさはとても小さいのですが、群生して発生することが多く、想像以上にダメージがあります。
とくに成長点や新芽を食べられるとそのあとの成長に影響します。ハダニは早期発見して駆除しましょう。なお、葉水をこまめにしているとハダニがつきにくくなっておすすめです。
カイガラムシ
クッカバラにはカイガラムシがつくことも多いです。カイガラムシは植物の新芽やつぼみなどやわらかい部分につきやすく、そこから栄養成分を吸い取ってしまいます。また、群生して寄生することが多く、気づいたときには被害が出ているということも。
クッカバラをこまめに観察して、カイガラムシが大量に発生しないように気を付け、発生を見つけたらただちに駆除してください。
なお、カイガラムシはとてもかたい殻で覆われた害虫で、通常の殺虫スプレーを吹きかけてもあまり効果が見られません。カイガラムシを駆除するには、直接ブラシなどでこそぎ落とすのがおすすめの方法です。
クッカバラの増やし方1・挿し木
クッカバラのひとつめの増やし方は、挿し木です。クッカバラの茎を切り取って挿し木するのもよいですし、気根の出ている茎を切り取って利用してもよいでしょう。
気根はすでに根っこの状態なので、より挿し木の成功率があがります。挿し木に適した時期は、春もしくは秋です。冬の訪れの早い寒冷地では春の挿し木をおすすめします。
剪定ばさみで手ごろな茎を10センチくらい切り取って挿し木用とします。挿し木用の茎を発根材を入れた水に数時間つけておきましょう。
挿し木用の土もしくは水を含ませた水苔を入れた育苗ポットや鉢に挿し木します。挿し木したものから発根して安定してくるまで、土や水苔が乾燥しないようこまめに水やりをしましょう。
クッカバラの増やし方2・株分け
クッカバラの増やし方としては、株分けも有効です。株分けは比較的成功しやすい増やし方です。育てているクッカバラが充実してきて子株ができてきたら、株分けによる増やし方に渡来しましょう。株分けによる増やし方に適した時期は、春もしくは秋です。
ただし、冬の訪れの早い寒冷地では春におこなったほうがよいでしょう。まず、子株を手かもしくは清潔な剪定ばさみ、カッターで切り取り株分けします。株分けした子株の切り口を乾かしたあと、土もしくは水苔を入れた鉢に植え替えます。
株分けして植え替えた子株がしっかり根付くまで、水を絶やさないようこまめな水やりをしましょう。
クッカバラをお部屋に飾ろう
クッカバラは、ツヤツヤと美しい葉姿が魅力の観葉植物です。日本で出回っている観葉植物のなかでも、耐陰性があり比較的育てやすく増やしやすい種類なので、園芸ビギナーさんにもおすすめです。
ポイントは春から秋の成長期と冬の休眠期で、水やりや肥料の量を変えることです。一鉢お部屋に飾っておくと、そのパワフルで南国のような雰囲気にパワーを分けてもらえそうです。
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