東商 花木・庭木の肥料
ネコヤナギ栽培のコツは?剪定はどうやるのか
ネコヤナギの育て方や美しい季節を紹介
ネコヤナギという名前も個性的な植物をご存知でしょうか。名前を知らなくても、その姿は一度は見たら覚えているという人も多いのでは。コロコロと丸い形にふわふわの毛が密集して生えている花穂の姿をしています。見るだけで癒やされるネコヤナギ。自宅で育てる場合の育て方を解説します。
ネコヤナギとは
ネコヤナギの基本情報
科・属:ヤナギ科ヤナギ属
原産地:アジア(沖縄を除く日本も含む)
学名:Salix gracilistyla
特徴
ヤナギの仲間はどの植物も水辺を好みますが、ネコヤナギは特に川の近くが好きで、半分水に浸ったような場所にも自生します。水についている根は、そこから株を増やして増えていくくらい水が好き。木の大きさは大きくなるもので3mほど。
旬の時期
ネコヤナギの名前の由来でもある、丸いものは花穂と呼ばれる花のあつまったもの。まだ春浅い、寒さが残る時期からふっくらとふくらみ、かわいい姿を見せてくれるので、早春を告げる木としても有名です。そのまま、初夏まで種を育てて、種を綿毛で飛ばして増えることもします。花穂を活用するために栽培するなら、春が旬の時期といえるでしょう。
ネコヤナギの種類
カワヤナギ・エノコロヤナギ
広くネコヤナギと呼ばれているのが、この「カワヤナギ」「エノコロヤナギ」と呼ばれている種類です。呼び名はちがっても同じネコヤナギの品種。木の形、葉や枝の様子に違いはありません。茶色の花芽の皮をやぶって、白っぽい花穂を出す姿が美しい、川べりを彩る植物です。
アカメヤナギ
ネコヤナギの種類の中でも、赤い花穂が美しく、庭木としても人気が高いのが「アカメヤナギ」という品種です。白いネコヤナギと並んで、生け花に使われることもあり、目にしたことがある方も多いでしょう。アカメヤナギも花芽から顔を出したばかりのつぼみの頃はシルバーのふわふわに覆われた姿をしています。開いていくほどに赤さが目立ってきます。
ピンクヤナギ
全体的にピンク色がかった花穂がかわいらしいピンクヤナギ。アカメヤナギやこのピンクヤナギを含むネコヤナギは、雄株と雌株が分かれている雌雄異株といわれる植物です。見頃の時期をこえると、雄株には花粉がつくので雄株と雌株の違いがわかりやすくなります。
クロネコヤナギ
他のネコヤナギの種類とは、あきらかに変わった姿をしているのが「クロネコヤナギ」です。こちらは、ネコヤナギの突然変種として存在する種類です。雄株しかないので、種を作ることはありませんが、ネコヤナギは根を伸ばして株を増やすので、雄株しかなくても問題はないようです。このクロネコヤナギの他、ピンクヤナギも突然変種のひとつです。特徴はふわふわの綿毛がなく、大きさも他とくらべて小さなことがあげられます。
ネコヤナギの育て方①土
ネコヤナギは土を選ばない
ネコヤナギはどの種類もとても興味深い姿をしていましたね。それでは早速、家で鉢植えや地植えにしてネコヤナギを栽培するための育て方を。まずは、植物栽培にはまず用意しなくてはいけない土つくりから。ネコヤナギは育つのに必要な土を選びません。どのような場所でも、乾燥していなければ育ちますが、大きく育てようとするならば向いている土というものがあります。
今から準備するならこの配合で
ネコヤナギの栽培用の土を配合するなら、赤玉土に腐葉土を混ぜたものがよいです。庭に穴を掘って植えるなら、掘った土に腐葉土をたっぷりと混ぜておけばOK。鉢植えの土ならば、赤玉土7に腐葉土3程度の割合がよいでしょう。
ネコヤナギの育て方②管理方法
日当たり
ネコヤナギの管理はそれほど難しいことはありませんので、駆け足になりますがポイントをご紹介していきます。まずは、日当たりですが、自生している場所からもわかるように、他にしゃへい物がないような日当たりの良い場所を好みます。庭木として定植するのであれば、日陰にならないような、日当たりの良い場所を選んであげましょう。
水やり
ネコヤナギ栽培で気をつけることといえば、水やりというくらい重要なお世話です。しかし、それほど難しいことは必要なく、乾燥させないということくらい。よほど土が悪くない限り、直に庭に植えるなら、夏の盛りの水切れに注意するくらいで良いでしょう。鉢植えにするなら、毎日水をあたえます。水をあげすぎても枯れることがないので、あげすぎくらいが、初心者の方でも失敗がなくおすすめです。
肥料
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肥料の時期は成長期の前である、2月ころ。直接株につかない程度の株元に、有機肥料を与えます。そうすることで、花芽が元気に成長しますので、おすすめです。肥料をあげるのが面倒という人は、与えなくても良いくらい、ネコヤナギは手間がかからない植物です。逆に肥料をあげすぎると、ひょろひょろと縦長の木姿になって格好が悪くなることもあります。
植え替え
川べりに自生して増えるくらいなので、根つきはとても良く、移植にも気を使わずに植え替えを行うことができます。どうしても掘り起こして植え替えするのが怖いという人は、剪定して株をコンパクトにした後にすると、木への負担が軽くなり、容易に植え替えすることができます。植え替えの時期は成長期の前の2月頃が良いですが、鉢植えできゅうくつそうだと感じたら、時期を選ばす大きめの植木鉢に植え替えてかまいません。
ネコヤナギの育て方③鉢植え
鉢植えの仕立て方
ネコヤナギは鉢植えにして屋内に飾ることもできますが、おひさまが好きな植物なのでできれば屋外で管理して欲しい木です。苗を買ってきて植えるのは植え替えと同じく冬の時期、2月ころが好ましいです。どんどん根を伸ばしていく植物なので、年に1度は古い根を切り大きな鉢に植え替えるといいですね。小さく育てたい場合は、この後紹介する剪定をすることになります。
盆栽の鉢植えの管理
ネコヤナギは和風なおもむきのある盆栽としても好まれる木です。盆栽の鉢植えとして育てる場合も、普通の鉢植えと同様に、たっぷり日に当ててあげることが大切。そのほか、水切れに対する注意と、西日が当たらない場所に置いてあげましょう。
ネコヤナギの育て方④剪定
剪定の時期
剪定の時期は、花穂がついている時期がわかりやすいです。大きさがちょうど良いものなら、特に剪定する必要もありませんが、花穂のつきが悪くなった場合も枝を新しくしてあげるという意味で、「花穂のつきの悪い枝を切り取って更新する」という作業をします。毎年剪定する必要はなく、目安として3年から5年に1度くらい。盆栽などコンパクトに育てたい場合は、剪定を毎年おこなってもよいです。
剪定のやり方
花穂の少ない枝が古い枝なので、それを狙って枝分かれしている部分から剪定してしまいます。挿し木をしてネコヤナギを増やしたいときは、古い枝ではなく比較的若い枝を剪定してそれを使います。夏をすぎてしまうと、剪定すると花芽まで切ってしまうことになるので、花穂の時期から夏までの間には剪定を終わらせるようにしましょう。
ネコヤナギの育て方⑤増やし方
挿し木で増やす
ネコヤナギはとても生きようとする力が強い植物です。花瓶に挿しておいたネコヤナギから根が出ることもあるくらいです。水さえあれば、活力剤など使わなくても挿し木用の枝を作ることができます。ネコヤナギの増やし方で、持っていない品種なら、種を取ってきて植えるということもできますが、成長して花穂がつくまで何年もかかるので、苗を買うか枝をいただいて挿し木で増やすやり方がおすすめです。
挿し木のやり方
挿し木をする時期、季節はあまり問いません。とは言っても、あまり暑い時期、凍えるような寒い時期はネコヤナギも休みたい季節なので、その季節は避けた方が無難です。比較的若い枝を15センチから20センチほどの長さにカット。水を入れたコップに挿しておきます。根が出てきますので、そのあとに赤玉土を入れた種苗ポットに植え替えて、たっぷり水を与え大きくします。
ネコヤナギの育て方⑥注意点
雄株と雌株
ネコヤナギは育てるのが簡単で、初心者の方でも失敗しにくい庭木です。栽培するのは容易ですが、もし、「種を見てみたい」「種から育ててみたい」という人がいたらひとつだけ注意点があります。それは、雄株と雌株を揃えないといけないということ。それも、同じ種類でないと混ざってどんなネコヤナギになるのかわかりません。見た目は同じでも花穂のつく時期、葉の様子などが変わることも。
ネコヤナギの楽しみ方例
季節のネコヤナギを生け花に
最後になりましたが、庭木として育てたネコヤナギの楽しみ方を素晴らしいSNSに投稿された写真からご紹介しましょう。まずは、ネコヤナギといえば和風の生け花ということで、キレイにいけられたものから。これから開きそうな花穂が冬から春への季節の移り変わりを表現しているのでしょうか。和のサビといったものを感じさせる生け花ですね。花穂が少なくなって剪定した枝でも、このように生け花にして楽しむことができます。
リースにしても美しいネコヤナギ
銀色の花穂がたくさんの枝を、このようにリースにする方が増えています。Instagramでもたくさんのネコヤナギのリース写真を見ることができます。銀色のリースというば、白銀を思い出させますが、ネコヤナギは春の植物。春先に飾るリースとなります。1種類の植物でもとてもインパクトの強いキレイなリースができますね。
日常使いに無造作に飾っても
野生のものは、川沿いに無造作に生えていることもあるネコヤナギ。作られた美しさとはちがった、強い生命力を感じることができます。無造作にガラスの瓶にかざっただけでもおしゃれに見えてしまうから不思議です。ネコヤナギは花穂がついてから葉が出始めますので、葉のない時期を狙って剪定するとこのような日常使いの生け花の素材として活用できます。ちょっと大人なリビングの飾りにピッタリですね。
まとめ
季節の変わり目を告げるネコヤナギを育てよう
生け花や庭木としても人気のネコヤナギ。栽培するのも簡単な、初心者におすすめな木です。増やすのも挿し木で簡単です。好みのネコヤナギが川辺などに生えていたら、よく切れるナイフやハサミなどを持参して、少し枝をいただいて自分で挿し木で増やすのもよいですね。赤やピンク、黒などもあるネコヤナギ。ご自分で育てたネコヤナギの花穂で、春がきたことを感じられたら素敵ですよ。
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