ハスの実は食べれるの?
お寺などの池でよく見かける美しいお花、ハス。蓮華(蓮花)とも言われていますよね。夏時期にその美しいお花を咲かせ、ハスの見頃が終わる頃は夏の終わり頃と重なり大変美しい印象があります。その根本はレンコンとして食されることは知られていますが、ハスの実も食べることができると知っていましたか?
見た目は少し怖いのですが、実はハスの実は大変おいしい食べ物であり、海外ではよく食されている食べ物でもあるのです。海外では一般的に食べられているハスの実ですが、おいしいだけでなく疲労回復の効果やそのほか色々な効能があります。日本であまり知られてはいませんが、栄養満点だったりとハスの実は素晴らしいはたらきをしているのです。
今回は日本ではあまりみかけないハスの実について、効果、効能から食べ方まで見ていきたいと思います。そしてこれを機に日頃の食卓のレパートリーに増やしていただけたらと思います。
いつからハスの実は食べられていた?
ハスの実はいつから食べられているものでしょうか。現在の日本ではレンコンを食べたりハスを観賞用として愛でる風習はありますが、ハスの実を食べることはなかなかあまりありませんし見ないですよね。しかし日本でも、昔は普通にハスの実を食べていたようです。
遡ること弥生時代において、古代の日本ではハスの実を食べる習慣があったといわれています。食事としてはもちろん、その効能から食べるお薬としても使われていたようです。特にアジアの国々では今でも一般的にハスの実を食べる文化が今も色濃く残っています。
中華圏の国だと、ムーンフェスティバルや旧正月などに欠かせない月餅というお菓子にハスの実を使用していますし、ベトナムではハスの実はもちろんハスのお茶も日常的に好まれて食べられたり飲まれたりしています。ベトナムのハス茶に関しては、ダイエット効果が高いと日本でも有名になったことがありました。台湾のお茶うけとして出されるものも、砂糖漬けにされたハスの実、ということがよくあります。
ハスとは
蜂の巣に似ているため、日本古来の言い回しでは「はちす」という言い方をされていたようです。ハスの花と睡蓮を総称して蓮華といったりします。中国やベトナム、インド、オーストラリアと生産分布はアジアからオセアニアに至ります。泥に埋まっている茎の部分はレンコンとなり日本でも親しまれている食材です。
茨城や徳島がレンコンの生産で有名な地域となります。ハスの実は緑色の皮に包まれており、皮をむくと白い実が現れます。生でも食べることができて、ほのかな甘みが特徴です。朝顔のように、朝には咲いて昼頃にはお花を閉じてしまうハスですが、大変生命力が強いと言われています。
千葉県にある遺跡で発見されたハスの実(種)を、実験で再度咲かせることに成功した弥生時代のハス、というものまであります。今でも実験によって蘇った弥生時代からのハスの花を見にいくことが可能です。ハスを育てたい場合は実の部分の種からか、もしくは茎部分の苗から育てることができます。
ハスの実の効能について
ハスの実の効能について、どんな効能があるでしょうか。昔から食べ続けられているのも納得の様々な効果効能があります。まず代表的な効能としては脾臓を調整してくれることです。また、内臓の調子を整えたり精力を養う効能のほか、むくみを改善する効能、ハス茶でも有名な便通改善といった効能や自律神経のバランスを保ってくれる効能まであります。もちろん骨や髪にとってもいい働きをしてくれます。
ハスの実の栄養分について
婦人病改善の効能や腸内環境を整えるといった効果や効能があるハスの実ですが、ハスの実自体はどんな栄養素が詰まっているのでしょうか。栄養素としては、ビタミンやカルシウム、カリウム、食物繊維が豊富にあります。ビタミンの中でもビタミンB1が豊富に詰まっています。ダイエット効果にもってこいな成分がカリウムと食物繊維です。
これらハスの実が持っている栄養分によって、お通じ改善であったり生理痛改善といった効能はもちろん、自律神経のはたらきを高める効果、効能が発揮され、古くは弥生時代から食べ続けられてきたのです。カルシウムもたくさん入っているので、骨を丈夫にしたり爪や髪の状態もツヤツヤにしてくれます。
ハスの実で疲労回復?!
ハスの実が持つ効能で腸内の状態を整えることは有名ですが、特に栄養分の中で注目したいのがビタミンという栄養素を含んでいることです。ビタミンB1が豊富に含まれているため疲労回復の効果がハスの実にあります。夏バテの時期であったり、なんだか体がだるいという時、体の中では糖分が蓄積されている状態にあります。血液がドロドロとしたイメージを持つとイメージしやすいかもしれません。
そのため、疲労回復のために大事なことの一つとして、糖分を分解する必要があります。ビタミンB1を含むハスの実は糖分を分解する力がありますので、疲労回復に一役かってくれます。
アジア圏では特に食欲がない夏場など、薬膳料理の中にハスの実を盛り込みますが、疲労回復という理由から親しまれているのかもしれません。暖かい料理や冷たいデザートまで、様々な状態でハスの実を上手に取り入れています。
ハスの実の効果は絶大
繰り返しになりますが、小さなハスの実ですがその効果はたくさんあります。特にカリウムによるむくみ防止やデトックス効果も外せません。体内の不要な塩分を体の外に出してくれますので、むくみが気になる方には特にトライしてほしい食材です。
そしてビタミンB1によるだるさ改善や疲労回復、食物繊維による腸内洗浄効果も必見です。これらにより肌質改善、美肌効果も期待できますし内臓がスッキリと保たれることで自律神経も安定しますので、小腹が空いたときのおやつとして手軽に食べることができるスーパーフードといえます。
ハスの実の効能を逃さず効果的に食べる方法とは
ハスの実を生でも食べても、ゆがいてから食べても、どのような状態にしても栄養素が損なわれることはあまりないようです。ただ日常的に生のハスの実を手に入れることは難しいかもしれません。乾燥状態で売ってあるハスの実の場合、調理しておいしいハスの実料理へと変換させるために一度実が柔らかくなるまで煮、状態を戻してから料理に使いましょう。
ハスの実はどうやって収穫されているの?
そもそも、ハスの実はどう収穫されているのでしょうか。ハスの実の収穫や収穫時期についてですが、食用と栽培用とで収穫時期が異なりますので注意しましょう。収穫の流れですが、ハスの美しいお花が咲き終わると、真ん中部分の実が徐々にでき始めます。初期の若い時点ではこの実の部分が緑色になっています。ハスの実を食べるために収穫するのであればこの時点の実を収穫します。
ハスの実を収穫して次の栽培につなげたい場合は、もう少し収穫時期を待ちましょう。さらに全体的に色が黒めの茶色になり、乾燥し、カラカラと音を立てるような状態となっており、実を包んでいる部分が簡単に割れるような状態にまでなっていると収穫してしまいましょう。ここまでくると、次のハスを咲かすための種となっています。収穫してしまい、次のハスとして育てるようにしましょう。ちなみにですが、食用にするのは避けましょう。
ハスの実の収穫時期
ハスの実の収穫時期はおもに8月の終わり頃と思っていいでしょう。ハスの綺麗な花を咲かす時期が6月ごろから8月ごろですので、夏の終わり頃、ハスの花が咲き終わり枯れ始めた頃にハスの実を収穫するようにしましょう。泥の中に足を入れて収穫する際、根元を傷つけないように注意しましょう。
ハスの実のおいしい時期
ハスの実のおいしい時期といえば、ハスが枯れすぎた状態、実が全体的に黒っぽくなってしまった時期に実を収穫してしまうと時期が遅すぎて食用にはむきません。ハスの実がおいしい時期は全体的に実が緑色に色付いている時期ですので注意しましょう。摘み取ってから3〜4日は食べられるようです。
ハスの実はもちろん生でも食べられるものですが、ハスの実の中にある芽のようなものは苦味が強くあまり好まれません。おいしい時期に収穫したとしても、できればハスの実の皮をむいたあと、ハスの実を割って、中心にある緑色の芽までとってしまいましょう。生の実の食べごろな時期でなくても、なんでも良いという場合は市販されている乾燥状態のハスの実を購入しましょう。
栄養満点!ハスの実のおいしいレシピ
生のハスの実の下ごしらえが少し大変でしたが、栄養満点のハスの実を使ったレシピで疲労回復しませんか。おいしい食べ方をレシピと合わせてご紹介します。アジアンテイストなスイーツレシピで美肌を目指すもよし、薬膳料理のような食べ方で疲労回復を目指すもよしなハスの実レシピを一緒にみていきましょう。特に夏場の疲労回復にはもってこいの食べ方をご紹介します。乾燥ハスの実を使用する場合は、一度ゆがいて戻してから調理に使いましょう。
おいしいハスの実レシピ:ハスの実おこわ
まず試してほしい食べ方が、ご飯にハスの実を合わせて食べる食べ方です。あまりクセのないハスの実がご飯と合わさり、ホクホクとおいしい一品になります。普通のご飯と一緒に炊き上げるのもおいしいのですが、おこわにすると美味しさが倍増します。お米、もち米、ハスの実、あればシイタケやクコの実を全て炊飯器に入れます。下味は醤油、酒、はちみつです。下味も炊飯器に投入したらあとは炊き上がるのを待つだけです。簡単なのに絶品です。
蓮の実20粒 お米1合 もち米1合 クコの実大さじ1 干し椎茸2つ お酒大さじ1 はちみつ 大さじ0.5 醤油大さじ1.5
ベトナムで出会ったおいしいハスの実ご飯料理のご紹介
ご飯との相性抜群のハスの実ですが、特に忘れられないお料理をここでご紹介します。それがベトナムで食べられているハスの実チャーハンです。大きな葉っぱに包まれており、開くとホワッとたっぷりのチャーハンが入っています。ハスの実がホクホクと、味全体も優しめです。ベトナムのお店においてあるソースを合わせて食べるとスプーンがとまりません。
おいしいハスの実レシピ:ハスの実サラダ
あまり見ない食べ方として、サラダとして食べてしまうという食べ方があります。根菜好きな方必見のハスの実サラダのレシピは次の通りです。ハスの実と相性抜群のレンコンと一緒に食べます。レンコンとハスの実を、マヨネーズ、ごま、お酢、醤油と砂糖で作ったソースにからめるだけです。ホクホクしゃりしゃりとした食感がたまりません。満腹中枢を刺激してくれるだけでなく、便秘解消にも繋がります。
蓮根約200g 蓮の実(乾燥)約50g ■ ゴママヨドレッシング *すり胡麻 大匙 3 *マヨネーズ大匙 1.5 *酢小匙 1.5 *砂糖小匙 1.5 *醤油小匙 1.5 *出しの素少々
おいしいハスの実レシピ:ハスの実薬膳デザート
おいしいのに疲労回復もしてくれる最高の一品です。あんまり食べたくないという夏バテの時にデザートとして食べてみてはいかがでしょうか。きっと疲労回復につなげてくれます。ココナッツミルクと牛乳、きび砂糖から作った甘いスープの中に、ハスの実、そしてあれば白きくらげを投入します。アジアンテイストで優しいスイーツの出来上がりです。
蓮の実12粒 白きくらげ8g 水500cc きび糖 大さじ1 ■ ●ミルクスープ ココナッツミルク100cc 牛乳100cc きび糖 大さじ1
海外でのハスの実の食べ方
アジアでは今も一般的に食べられているハスの実ですが、どのように食べられているのでしょうか。ハスの実といえば外せないのがベトナムです。ハスが国花でもあるベトナムでは特にハスを一般的に取り入れています。ハス茶はもちろん、お茶受けとして出されるハスの実は生であったりローストされていたり、もしくは砂糖漬けされているものまであります。チェーというかき氷のようなものにもよくトッピングされています。
中国や香港、台湾などでは餡に入れて月餅として食べられることがあります。この際の餡をハスの実で作った餡として特別な言い方もあるほどです。そしてもちろん、薬膳料理などにも頻繁に使われています。ほのかな甘みが美味しい、それでいて美容効果もあるハスの実を上手に取り入れているようです。香港や台湾でも、薬膳というくくりではなく一般的なスイーツとしてハスの実を投入しています。
栄養がたくさん!おいしいハスの実のまとめ
いかがでしたか?日本ではあまり馴染みのないハスの実でしたが、疲労回復やデトックス効果、脾臓をいたわってくれたりとその効果は驚くべきものがあります。特にアジアの地域で今も好まれているハスの実をですが、日本人の舌にもあうレシピと一緒にご紹介したので、これを機にどんどんハスの実料理にシャレンジしていただけたらと思います。
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