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自転車の変速機を調整しよう!初心者でもわかるメンテナンス方法を解説!

初心者には難しい自転車のギアの調整。とはいえ、新車でも購入した自転車でもギアが動かなくなったり、ギアが入らなくなるトラブルは必ずあるものです。ここでは変速機の調整方法やメンテナンスを、初心者でも出来る直し方をご紹介します。
更新: 2022年3月28日
山口 徳成
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自転車のギアが入らない!?

出典: https://www.pakutaso.com/20170212038post-10298.html

ママチャリや小径自転車などで、急にギアが動かなくなったり、入らなくなったりすると、とりあえず自転車屋さんに行って、変速機の調整をしてもらっていたでしょう。果たして素人でも変速機の調整ができるのでしょうか。答えはできます!

ここではママチャリや小径自転車、クロスバイクなどで多用されているリアディレイラーの調整方法をご紹介します。

自転車のギアの種類

自転車のギアの切り替えを行う装置は、主に3種類ほど存在します。ここでは自転車のギアの切り替え装置についてご紹介します。

外装ギアとは?

最も一般的な変速機付きの自転車に採用されている外装ギアは、文字通り丸見えの変速機です。メンテナンスが必要ですが故障も少なく、直し方さえ覚えていれば、誰でも調整できる変速機です。

内装ギアとは?

内装ギアは、変速機をケースの内側に組み込まれた部品になります。メンテナンスフリーで、見た目もスッキリとするなどいいことずくめですが、価格が高いのがネックです。また故障した場合は、直し方が無い為ギアごと交換しなければなりません。

シングルギアとは?

シングルギアとは、変速出来ないギアです。ギアが一段しかないタイプです。

自転車の変速機部品の名称

自転車の変速機にはフロントディレイラーとリアディレイラーと呼ばれる部品があります。ママチャリや小径自転車やクロスバイクの1部は、リアディレイラーしかありませんが、ロードバイクやMTBなどにはフロントディレイラーがあります。ここではそれぞれの部品の役割をご紹介します。

リアディレイラーとは?

自転車が変速するためには、シングルギアの自転車よりもチェーンが長くないといけません。しかしそれだとチェーンがたるんでしまいます。そのチェーンのたるみを解消しなければ、チェーンが外れてしまいます。チェーンのたるみの解消と、チェーンを指定されたギアにはめ込む仕組みが必要となります。それがこのリアディレイラーです。
 

フロントディレイラーとは?

フロントディレイラーは、自転車の前輪にある各歯車にチェーンをはめ込むためのガイドです。指定されたギアにはめ込む仕組みがあります。このフロント部分のギアが2枚あれば、フロント2段変速、3枚あればフロント3段変速となります。
 

自転車の変速機を可動させるシフト

自転車は自動車のように、オートマチックでギアチェンジ出来ません。スピードが上がったらギアを上げ、坂道に差し掛かったらギアを下げたり、自分でシフトアップやシフトダウンなどのシフトチェンジを行う必要があります。自転車のシフトには様々な種類がありますが、ここでは代表的な自転車用のシフトをご紹介しましょう。
 

ロードバイク用シフト

ドロップハンドル用のシフトレバーは、ロードバイクに採用されているブレーキ一体型のコントローラーです。ロードバイクのほとんどが、フロントディレイラーとリアディレイラーの2つの変速機が付いているため、コントローラーが左右に付いています。ブレーキのようにレバーを絞ることでシフトチェンジします。
 

グリップシフト


グリップシフトは、ハンドルのグリップの部分を前後に回すことで変速させるコントローラーです。身近なママチャリやクロスバイク、折りたたみ自転車や小径自転車などで採用されているコントローラーです。グリップを回すことでシフトチェンジします。
 

サムシフター

サムシフターは、ハンドルを握ったまま親指で変速機を操作するコントローラーで、文字通り親指だけでギアチェンジができます。左右にサムシフターが付いている自転車もあり、これはフロントディレイラー用と、リアディレイラー用と別れているからです。レバーを指で押さえることでシフトチェンジします。
 

トリガータイプ

トリガータイプのコントローラーは、本格的なマウンテンバイクやクロスバイク、フラットバーロードや高価なママチャリに採用されているコントローラーです。レバーを押し込むことでシフトチェンジします。
 

素人でも自転車の変速機の調整が出来る!?

リアディレイラーの調整やメンテナンスは、自転車屋さんで働く新入社員の方でも最初につまずくと言われているほど素人には難しい調整です。自転車に慣れていない初心者の方なら、なおさら難しい調整となるでしょう。そのためここでは初心者の方用の簡単なメンテナンス、調整方法をご紹介します。
 

リアディレイラーについているプーリーを動かす調整も可能ですが、基本的に『新車購入時に自転車屋さんで調整されている』ため、あまり触る事はありません。自転車が派手に転倒し、プーリーの位置がずれた場合などに使います。自転車のギアの調整はワイヤーのたるみを緩める、張るこの2種類で基本的に調整します。

自転車のリアディレイラーの仕組み

まずは自転車の変速機、リアディレイラーの仕組みをより詳細にご説明します。この仕組みがわかっていると調整もかなり楽になります。グリップシフトにしろトリガータイプにしろ、シフトの種類は様々ありますが、リアディレイラーの仕組みは同じです。
 

ギアは、タイヤ側から低速用のギアになっており、外側に向かって徐々にギアの歯が少なくなっていきます。ディレイラーについているガイドプーリーがタイヤ側に動くとシフトダウン、タイヤの外側に動くとシフトアップになります。

その時チェーンがたるんで、外れる事を防止したり(テンションプーリー)、チェーンの位置がしっかりとそれぞれのギアにはまる為の役割を持っている(ガイドプーリー)のが、リアディレイラーです。つまりこのプーリーの位置を調整することが、シフトチェンジのメンテナンスの意味になります。

自転車のリアディレイラーの調整の前に

ギア(シフター)が動かなくなる原因とは

自転車のギアが入りづらくなったり、動かなくなったりするのは、ディレイラーにつなぐシフターワイヤー部分のテンションが張りすぎていたり、逆にたるみすぎていたりする場合です。そのためワイヤーがたるんでくると1速(ギアの1番大きい部分)に入りづらくなります。

新車から1年以上経つとワイヤーにも、必要以上にたるみが出ます。その為ギアの切り替えがスムーズに行えなくなります。たるみを適切に解消すれば、スムーズなギアの切り替えが出来るようになります。

ワイヤーのたるみでギアの入らない場所が変わる

逆にシフターワイヤーが張りすぎていると、6~7速ギアが入りづらくなったります。ワイヤーのたるみを取るつもりが逆に張り過ぎてしまった場合、よくこの症状になります。ワイヤー調整はハンドル部分、シフターの近くにもワイヤーのテンションを張ったり緩めたりする調整部分がありますので、実は自転車に乗ったままでも調整可能です。
 

ワイヤーの切れや、ケーブル内部の汚れも原因

しかし、注意して欲しいのは、ワイヤーが収納されている外装ケーブルの中が汚れていても、ワイヤーが動きづらくなったり、ギアが入りづらくなったりします。さらにワイヤーが切れるとシフターが空回りし、ディレイラーが全く動かないことも考えられます。もちろんシフター自体が壊れている場合もあります。

このような場合はワイヤーを交換、そしてケーブルの中をパーツクリーナー等で洗浄、シフターの交換をしなければなりません。この場合はお近くの自転車屋さんでのメンテナンスをおすすめします。

転倒するなどで調整が変わってしまった場合

また自転車が転倒したり、リアディレイラーが何かにぶつかって衝撃を受けた後、スムーズなギアの切り替えが出来なくなる場合があります。これはワイヤーのテンションが変わると言うよりは、プーリーの位置がずれたことによる、ギアの切り替えの不具合です。もちろんこれにも直し方があり、初心者でも対応可能です。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:1


メンテナンス道具について

自転車のリアディレイラーを調整、メンテナンスをするにあたって、特別な道具は必要ありません。ただ単に調整するならば、汚れないための手袋と、マイナスドライバーさえあれば充分です。ただしワイヤー交換や、外装ワイヤーケーブル内を洗浄する場合は、特別な工具が必要となります。
 

リアディレイラーのメンテナンスの際は、シフトチェンジ、ギアの切り替え、ペダルを回しなどチェーンを何度も動かします。自転車を斜めに傾けて作業しても良いのですが、メンテナンススタンドがあるととても便利です。

メンテナンススタンドは通常時は、固定式のスタンドとしても使えるので、もし無ければこの際に購入しておくことをおすすめします。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:2

ワイヤーアジャスターとインデックスについて

現在ほとんどのディレイラーは、インデックスタイプのディレイラーになります。インデックスとはシフターを1にすれば1速に、2にすれば2速になり、格段の最適な位置で変速するようになっています。ワイヤーアジャスターはこのシフターの位置を調整する場所です。時計回りでワイヤーがたるみ、半時計回りでワイヤーが張ります。
 


ワイヤーのテンションが正常であれば、ギアとインデックスの位置関係は上図のように、それぞれのギアに対してインデックスの位置がぴったりと合うようになっています。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:3

ワイヤーが緩んでいる場合


インデックスがずれている場合はどのようなことが起こるのでしょうか。シフトワイヤーが緩んでいる場合は、2速から1速に入りにくくなります。

またトップギアから、セカンドギアにシフトチェンジしても、音を立てるだけで変速しづらく、さらにサードギアへシフトチェンジした場合、ようやくチェーンがセカンドギアに入ると言う症状になります。つまりインデックスが右側(タイヤから外側)にずれているのです。
 

ワイヤーが張り過ぎている場合

ワイヤーを張りすぎている場合は、緩んでいる場合と逆でインデックスが左側(タイヤ側)にずれています。症状が全く逆で、セカンドギアからトップギアにシフトチェンジしづらく、1速(ローギヤ)にシフトダウンしようとしても、シフターが動かなかったり、入ってもシフターから手を離すと再び2速に落ちてしまうと言う症状になります。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:4

ワイヤーのテンション調整を、まとめたのが上の図になります。また下には各症状に対しての対処方法になります。ほとんどの場合は、この方法で対応可能です。

コツとしてはワイヤーのたるみを取る場合でも、ワイヤーを張る場合でも1/4ずつ回すことです。ワイヤーが張りすぎたり、たるみすぎたりすることを防止する為です。たるみの部分が大きいと、チェーンが外れたりします。

症状 対処
1~3速に入りづらい ワイヤーのテンションを張る
4~6速に入りづらい ワイヤーのテンションを緩める

調整が終わったら、ガイドプーリーとギアの位置を自転車の真後ろから確認します。次にペダルを回し、ギアの切り替えしを何度か行い、スムーズな切り替えが出来るかどうか確認します。まだ切り替え時にガリガリ音が出るようならガイドプーリーの振り幅を確認します。

自転車のリアディレイラーの調整手順:5

ワイヤー固定ネジは触らない

ワイヤーを固定している、ワイヤー固定ネジは、基本的に触らないようにしましょう。新車で購入した際にワイヤーのテンションをある程度調整して固定しているため、いちど外すと流石に初心者では直し方が難しくなりますので、基本的には外さないようにしましょう。

私はこれを外してしまい、シフトチェンジが出来なくなったり、チェーンがすぐ外れてしまうといったトラブルになりました。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:6

部位の説明:ハイ、ローアジャストボルト

自転車が転倒したり、衝撃を与えてしまいスムーズなギアチェンジが出来なくなった場合の直し方です。リアディレイラー本体に付いてあるこのネジは、ガイドプーリーの、振れ幅を調整するネジになります。自転車が転倒して、プーリーが動いたりした場合はこのネジで再度調整します。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:7

ガイドプーリーの直し方①


まずは自転車のギアを、1番タイヤ側(一速)に合わせます。

まずは自転車のギアを、1番タイヤ側(一速)に合わせます。そして調整ネジはローギア側のネジで、ガイドプーリーの位置を調整します。

ガイドプーリーの直し方は、調整ネジを時計回りで回すと、ガイドプーリーは右側(タイヤの外側)に動き、半時計回りで回すと左側(タイヤ側)に動きます。ギアの真下にガイドプーリーが来るように調整します。

自転車のリアディレイラーの調整手順:8

ガイドプーリーの直し方②

ハイ側の直し方も、ロー側と同じ直し方です。6段変速ならば6段目にギアを切り替え、7段変速ならば7段目に、つまり一番大きい数字のギアへ切り替えます。その後ハイギア側の調整ネジを回し、ガイドプーリーの位置を決めます。

ロー側の直し方で述べた通り、時計回りでネジを回すとガイドプーリーは左側に、半時計回りでネジを回すとガイドプーリーは右側に動きます。ギアチェンジ、ギアを切り替えた際、真下に来るように位置を調整します。
 

自転車のリアディレイラーの調整手順:9

ディレイラーの動きを確認

ある程度ガイドプーリーの位置の調整が終わったら、ペダルを回しながらギアチェンジを何度か行い、スムーズなギアチェンジができるかどうかを確認します。もちろんペダルを回しながら、ガイド振りの位置調整のネジを回すこともできます。シフターワイヤーのたるみの調整は、必ずペダルの回転を止めて、行うようにしましょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。ここでは初心者の方でもスムーズなシフトチェンジが行えるための、簡単なリアディレイラーのメンテナンス方法、直し方をご紹介しました。

基本的にはシフターワイヤーのたるみ部分の調整で済むと思います。コツはあまり回しすぎないこと。ガイドプーリーの振り幅の直し方も慣れれば5分程度で、出来るようになります。新車を購入した場合でも、1年後にはメンテナンスをおすすめします。まずはここで紹介した簡単なメンテナンス方法で、チャレンジしてみてくださいね。

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ここでは自転車のリアディレイラーの調整やメンテナンス、直し方の紹介でしたが、フロントディレイラーやブレーキのメンテナンスや直し方も知りたい方はコチラの記事を読んで、自転車メンテナンス名人になってくださいね。