ベゴニア(ベコニア)とは?
シュウカイドウ科・シュウカイドウ属
夏の季節を代表とする花で、公園などで見かける機会が多いベゴニア(ベコニア)。原産地は亜熱帯や熱帯地方で、品種改良により多くの種類が作られました。夏に開花するイメージから、その時期に人気が高い花ではありますが、実は冬の時期に開花する種類も作られています。
ベゴニアの特徴
黄色い雌しべと雄しべが際立つ、白やピンクの花をつけるベゴニア。葉は硬く、艶やかで光沢があるのが特徴です。他の植物にはあまり見られない特徴を活かした寄せ植えも人気です。花壇に植え込めば、可愛いらしいプリッとした花が際立つでしょう。
ベゴニア(ベコニア)の種類
木立性ベゴニア
茎が木のように立ち上がる特徴を持ちます。木立性のベゴニアだけでも、世界中で何百種類も存在し数多くの場所で自生しています。花は茎から垂れるように咲く様子が素敵です。4月ごろから秋ごろにかけて長い季節の間、開花を見ることができます。
根茎性ベゴニア
地下茎をのばして成長するタイプの根茎性ベゴニア。直射日光が苦手なので、観葉植物として人気です。開花時期は長く、上手に管理すれば季節を通して一年中開花を楽しむことができます。
球根ベゴニア
球根を作るタイプのベゴニアは、特に見事な花を咲かせ、最も華やかで観賞価値の高い種類です。バラのように咲く種類もあり、見るものを唸らせるような美しさを誇ります。
しかし、育て方は難しく夏の季節は暑さにやられてしまうことがほとんど。球根植物ではありますが、うまく育てることができないため、1年ごとに買い換えるといった声も多いようです。
エラチオール・ベゴニア
球根ベゴニアと交配し、新たな種類とされたエラチオール・ベゴニア。こちらも華やかな花が特徴です。夏の最も暑い時期には花が休むことはありますが、ほとんどの季節に開花を見ることができます。耐寒性・耐暑性は弱いので、基本的には室内で管理することをおすすめします。
ベゴニア・センパフローレンス
ベゴニアの中で、最も栽培されている身近な種類です。公園や植栽で見かけるのはほとんどがこのセンパフローレンスでしょう。白・ピンク・ 赤の花色があり、育てやすいことから人気の花として需要があります。
ベゴニア(ベコニア)の育て方①環境
種類によって育て方は異なる
ベゴニアは非常に多くの種類があるため、育て方はそれぞれ異なります。こちらの記事では最も身近に栽培されている、ベゴニア・センパフローレンスの育て方を中心に解説していきます。
耐寒性・耐暑性は?
耐寒性は弱く、冬の季節には枯れてしまうので一年草扱いです。冬の時期に室内に取り込めば、冬越しをすることもできます。耐暑性はありますが、夏場に少し花が休んでしまうこともあります。基本的にはセンパフローレンスの種類は、乾燥や暑さにも耐えることができるので、夏越しは容易にできるでしょう。
日当たりのいい場所へ
日当たりのいい場所を好むので、日光がよく当たる場所を選んで管理しましょう。夏場の高温期に急に直射日光に当たることで、葉焼けを起こしてしまうことがあります。徐々に日差しに慣らしていくことを心がけるといいでしょう。
加湿に注意
花が雨に当たると、茶色くなって観賞価値が下がります。鉢植えの場合は、天候が悪い日には軒下に移動させるようにしてください。風通しのいい場所を選ぶ事で、蒸れの予防に繋がります。梅雨の時期には特に置き場所に注意しましょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方②土作り
水はけをよくする
水はけがよく、通気性のいい土作りをしましょう。赤玉土と腐葉土を中心に土作りをしますが、難しい方は市販の園芸用培養土を使うと簡単です。赤玉土は水はけをよくし、土中に空気を多く含むので土作りに重宝します。
腐葉土は保肥性に優れているといった特徴を持ちます。赤玉土7:腐葉土3の割合で土作りをするといいでしょう。さらに、水はけをよくしたい場合には、赤玉土6:腐葉土3:パーライト1で土作りをするのもおすすめです。
ベゴニア(ベコニア)の育て方③水やり
鉢植えの水やり
鉢植えでの水やりは、土中の水が乾いてからあげるようにします。ベゴニア・センパフローレンスはある程度の乾燥にも耐えますが、夏場の時期はすぐに水分がなくなり、水切れしてしまうことがあるので注意しましょう。
夏の高温期の時期は、1日に1回鉢植えに水やりをします。冬場の冬越しの間は、水やりをし過ぎないよう注意して、大体1週間〜10日に1度のペースであげるようにしましょう。
地植えの水やり
地植えの場合は、最初の植え付けから1週間くらいの間は、土の表面が乾いてからたっぷり水をあげるようにします。次第に根を張っていくので、徐々に水やりの間隔をあけていき、1ヶ月後には降雨だけで十分になるでしょう。
しかし、夏の暑さが厳しいような時や、なかなか雨が降らないような時期には、ホースを使って水やりをすることをおすすめします。
ベゴニア(ベコニア)の育て方④肥料
鉢植えの肥料
鉢植えでは、植え付けの際に元肥の緩効性肥料をあらかじめ施しておきましょう。ベゴニアは開花期が長いため、適度に肥料を追肥します。液体肥料をあげる場合は1ヶ月に3回ほどのペースであげてください。
緩効性肥料はじっくり長く効果が持続するので、記載の使用量を守り、2ヶ月に1度くらいの間隔であげるようにしましょう。また、夏の高温期には株が弱るので、その時期は追肥はしないようにしてください。
地植えの肥料
地植えの場合も鉢植え同様、植え付ける際に緩効性肥料を元肥として使用してください。夏の暑さが本格的に到来したら、開花が止まるので追肥はストップさせます。
液体肥料それ以外の成育期は、肥料を必要とするため、液体肥料か緩効性肥料を追肥しましょう。液体肥料は鉢植え同様に1ヶ月に3回ほど、緩効性肥料はものによって違いますが、大体2ヶ月に1度くらいのペースであげるようにするといいでしょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方⑤植え付け
植え付け時期
苗はあたたかくなってきた春ごろから出回ります。4月から開花時期を迎えるので、植え付けもそのくらいの時期から開始できるでしょう。植え付けに適した期間は、4月から7月ごろまでです。夏の暑い時期の植え付けはなるべく避けてください。
鉢植えの植え付け
鉢植えの植え付けでは、鉢底石を入れ用土を少し被せます。元肥を入れて、さらに用土を被せて覆い、その上に苗を用土で高さを調節しながら植え付けてください。鉢植えの植え付けのポイントは、しっかりとウォータースペースを確保すること。そして、隙間が無いように用土を入れることがポイントになります。
地植えの植え付け
地植えの植え付けは、苗を植え付ける場所をあらかじめ耕しておきましょう。緩効性肥料を元肥に入れてから、用土を入れて、苗を植え付けます。軽く株元を押さえて、植え付けが完了です。植え付け後はしっかりと水やりをしましょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方⑥植え替え
植え替え時期
植え替え時期は、4月〜7月の中旬ごろまでが適しています。冬を越した株も気温があたたかくなってから植え替えるようにしましょう。夏場の高温期には、株が弱っているので植え替えは避けてください。
鉢植えの植え替え
一回り大きい鉢を用意して植え替えます。植え替える時は、回っている根をほぐし、古い土を優しく丁寧に落としましょう。ベゴニアは茎が折れてしまうことがあるので、気をつけて扱ってください。
地植えの植え替え
地植えの植え替えは、特に必要ありません。何か問題があって植え替えたいのであれば、移植ゴテを使って丁寧に苗を土から取り出します。植え替え後は苗が弱っているため、メネデールなどの植物活性剤を与えるといいでしょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方⑦切り戻し・剪定
切り戻し・剪定時期
加湿に弱い植物なので、梅雨の季節が到来したら切り戻し・剪定をおこなうといいでしょう。また、成長してくると茎が上に伸びて株姿が乱れてきます。そういった時に、切り戻しや剪定をおこなうことで、脇芽が出て再びこんもりと茂り、綺麗な株姿に戻ります。
切り戻し・剪定の仕方
ベゴニアは切り戻し・剪定をしても、すぐに脇芽が伸びて1ヶ月も経たないうちに元の綺麗な株姿に戻ります。思い切って半分くらい切り戻しをしても問題はありません。剪定後は株が弱っているので、植物活性剤を希釈してあげるといいでしょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方⑧病害虫
主にかかる病気
灰色かび病やうどんこ病にかかることがあります。理由は加湿や蒸れが原因なので、すぐに発生箇所を剪定し、風通しがよく日当たりのいい場所へ移動させましょう。
主な害虫
葉や根が害虫による食害の被害に合うことがあります。ヨトウムシやナメクジ、センチュウなどさまざまな害虫がいるので、あらかじめオルトラン薬剤を散布しておくといいでしょう。
ベゴニア(ベコニア)の育て方⑨普段の手入れ
花がら摘み
咲き終わった花をそのままにしておくと、茶色くなって観賞価値が下がってしまいます。普段の手入れでは、咲き終わった花がらをこまめに摘みとりましょう。また、雨が降った後にも株をチェックしてください。
花が雨に当たったことで腐り、葉にカビが生えてしまうことがあります。このような時にも、花がら摘みや変色した葉っぱを取り除くといった手入れをしていくことを心がけましょう。
ベゴニア(ベコニア)の増やし方①株分け
株分けってできるの?
株分けは根株が増えて、独立しているような株があれば、手やハサミを使って株分けすることができます。木立性のベゴニアであれば、株分けをすることも可能です。しかし、他の種類のベゴニアはあまり株分け向きではありません。株分けでの増やし方をしたい場合には、よく株元を確認してから行うようにしましょう。
ベゴニア(ベコニア)の増やし方②挿し木
挿し木の増やし方
基本的には挿し木での増やし方が一般的です。切り戻しや剪定をしたものをさし穂として使ってもいいでしょう。10センチほどの長さの挿し木を用意します。
清潔な用土に3センチほど挿しこんで、発根するまで明るい日陰で管理しましょう。用土は表面が乾いてから水やりをするようにします。特に手入れは必要ありませんが、湿気の多い場所だとハダニが発生してしまうことがあるので注意してください。
まとめ
開花期の長いベゴニア(ベコニア)を育てよう!
今回は主に四季咲き性のベゴニア・センパフローレンスの育て方、手入れ、増やし方をご紹介しました。ベゴニアは、本場の夏の季節には開花が休むものの、長い期間花を見ることができる植物です。
種類は非常に豊富で、それぞれ育て方は異なります。切り戻し・剪定を行うことで株姿を綺麗に保つことができるので、ぜひチャレンジしてみましょう!初心者でも意外と簡単に育てることができるベゴニア。興味のある方は育ててみてはいかがでしょうか?
ガーデニングの記事が気になる方はこちらもチェック!
ガーデニングにまつわる記事は、他にも多く紹介されています。ハーブの人気の種類や花壇の手入れや管理を楽にする多年草、虫除けなどが気になる方は下記の記事もチェックしてみてください。日々のガーデニングの参考になる情報が満載ですよ!
ハーブの種類まとめ!育てやすくて食べられる人気の種類7選をご紹介!
ハーブは、料理や香り、ガーデニングでも活躍してくれるステキな植物です。どの種類も生命力が強く、香草として、様々な場所で私たちの生活を支えてく...
【育てやすく寒さに強い】多年草とは?人気の種類16選もご紹介!
毎年花が咲く多年草は、ガーデニングには必要不可欠な草花です。今回は多年草の中でもさらに寒さに強い、人気のある代表種をご紹介します。育てやすい...
虫除け効果のあるハーブが庭やベランダを守る!栽培・寄せ植えのコツをご紹介!
ハーブには虫除け効果のあるものが沢山あるのをご存知でしょうか?ガーデニングをしていると嫌なのが、蚊やアリなどの虫ですよね。虫除け効果のあるハ...