正しい熊対策を徹底解説!
「もし今、目の前に熊が出てきたらどう退治しよう?」という想像をしたことがある方は多いのではないでしょうか?相手が小さな小熊であれば対処出来るかもしれませんが、大人の熊が本気で怒って襲ってきた場合、多くの人が太刀打ちできないはずです。今回は、熊にもし遭遇してしまった場合の対処・退治方法と、そもそも熊に出会わないようにする為の知識をご紹介していきます!正しい熊対策知識を持って登山しましょう!
日本に生息する熊の種類
熊の種類①ツキノワグマ
日本の多くの場所に生息している熊が「ツキノワグマ(月輪熊)」です。月輪熊は本州以南に生息しており、大体1万頭ほどの個体がいるとされています。月輪熊の特徴は胸にある白い柄ですね。体長は大体1m50㎝ほどですので、成人男性より少し小さいくらい。しかし、体重は120㎏程度になりますので、相当な体格を持っています。月輪熊は臆病な性格をしていますので、基本的には逃げていくのですが、やむを得ないと感じた時には襲ってくる可能性があります。
熊の種類②ヒグマ
ヒグマ(羆)は北海道に生息している熊で、約2000頭ほどの個体がいるとされています。羆はツキノワグマよりも遥かに大きく、なんと2mほどあります。最大の個体は2m40㎝もあったとされており、その体重は400㎏にもなります。ツキノワグマを追い返すことが出来たとしても、怒った羆に遭遇してしまうと退治するのはかなり難しくなります。また、走るスピードも非常にはやく、時速50㎏も出ますので、逃げるのも困難です。
間違った熊対策
死んだふりは正しい熊対策ではない!
正しい熊対策を知るにあたって、よく言われている熊対策が間違っていることも知っておきましょう。有名な熊対策が「熊に出会ったら死んだふりをしてやり過ごす」という方法ですが、実はこの熊対策は間違っています。熊は死んだふりをしても攻撃してくる可能性があり、逆に興味を示す恐れがあります。普段、熊は死んだ動物などを食べていますので、逆効果になり得るのです。熊に出会っても死んだふりで対処せず、正しい方法で対処しましょう。
「火をつければ熊は逃げる」は噓
「熊は火が苦手だから、火を使って脅かして退治しよう!」と考える方も多いのですが、実はこの熊対策も間違っています。動物は基本的に火を嫌いますが、熊を火だけで退治出来るかと言えば、出来ません。熊は本当に火が苦手なのが実験した動画も存在するのですが、その動画の熊は、火を普通に超えていってしまいました。熊に対して火をつけて脅そうとすれば、逆に興奮して襲いかかってくる可能性もあると考えた方が良いでしょう。
食料を置けば熊から逃げられる?
「熊の目的は食料だから、食料の入ったバッグを置いておけば熊から逃げられる!」という説もありますが、実はこれも間違っている熊対策とされています。熊は基本的に動くものの方を追いかけますので、バッグを置いて逃げると、熊は逃げる人間を追いかける可能性が高いのです。ただし、熊にとって食料が魅力的である場合、熊対策として効果がある可能性もあります。しかし、「人間は食料をくれる存在」と熊が認識してしまうと、次の熊被害が起きる可能性がありますので、避けたい方法ですね。
正しい熊対策①出会いやすい場所に近づかない
熊は朝と夕方に沢に来る
熊被害に合わない為に一番大切なことは、熊に出会わないようにすることです。出会わないことが、熊にとっても私たちにとっても一番良いことですよね。登山で熊に出会う可能性が一番高いとされているのが、沢沿いです。熊は上記の画像のように、沢に来て魚をとることがよくあります。この際に、釣り人と熊が鉢合わせになって被害発生というケースがよくありますので、特に朝と夕方の釣り時には注意が必要です。水の音で熊が近づく音が分からないのも怖いところですね。
笹薮でもよく熊に出会う
熊は笹をよく食べますので、笹薮でバッタリ熊に出会う可能性があります。大きな笹が生えている笹薮では、熊が近くにいたとしても視界が悪くて見えない可能性があり、いきなり目の前に熊が出てくる可能性もあります。ですので、笹薮の周辺を歩く時は十分注意が必要で、出来れば近寄らない方がいいと言えます。笹薮に熊の糞があることも多く、もし糞が新しければ、近くに熊がいる可能性が十分にあります。
正しい熊対策②音を出してアピールする
熊は臆病な生き物
熊に出会わない為の対策として有効とされているのが、熊にこちらの存在を知らせておく方法です。そもそも、熊も出会いたくて出会っている訳ではなく、本来は人間に近寄らずに、自分のテリトリー内で穏やかに生きていたいのです。熊は基本的に臆病な性格をしており、警戒心が強く、人間がいることさえ分かっていれば、自ら近寄ってくることはあまりありません。いきなり熊に出会ってしまうパターンは、熊も気づいていなかったというケースが多いですね。
複数人で賑やかに歩けば出会う熊に確率は減る
熊にこちらの存在を知らせる手段は色々あり、後述する熊鈴をつけることなどは有名な方法です。それ以外にも色々な熊対策がありますが、お手軽なのは「会話をして歩く」ことかもしれません。人間の声がちゃんと熊に聞こえていれば、熊も危険を感じて離れることが多いので、複数人で登山すると良いでしょう。ただし、何かしらの理由で人間を襲う目的を持ってしまった熊もいます。人間に餌をもらったことがあると、そういう熊になってしまうのです。
正しい熊対策③熊用アイテムを持っておく
熊対策アイテム①熊鈴
熊に出会わない為の対策としてよく使われているのが「熊鈴」です。音で熊に存在を伝える為に有効なアイテムであり、バッグや腰につけておけばずっと音を出してくれるので、非常に便利ですよね。ただ、熊鈴は近年、あまり効果が無いとされる見方が出てきていますので、熊鈴をつけたから絶対に大丈夫という訳ではないことを知っておきましょう。少しでも熊被害を減らす為のお守り程度に考えておいた方が良いかもしれません。
熊対策アイテム②笛
熊鈴と合わせて用意しておきたいのが、笛です。笛は非常に大きな音が出ますので、熊に存在を知らせる、または大きな音を出して熊を対処する際に有効です。笛と合わせて熊対策に爆竹が勧められることもありますが、爆竹は熊に襲われた際にすぐ使うのが難しいので、笛の方が気軽でおすすめですね。笛は金額も高くなく、お手軽に購入出来るのがメリットです。よく登山される方、また沢で釣りをされる方は熊対策として持っておきましょう。
熊対策アイテム③熊よけスプレー
熊を退治する現実的な方法として、熊よけスプレーを使うのがおすすめです。熊よけスプレーは非常に効果が高く、上手く熊に当てることが出来れば撃退出来ます。ただし、使用期限がある上に金額が高いものが多く、1本1万円程度します。それゆえに熊よけスプレーを持たない方も多いのですが、緊急時に役立ちますので、出来れば持っておきたいですね。熊に対して使う機会が無ければ無いで嬉しいことですので、安全の為に購入しておきましょう。
熊対策アイテム④傘
持ち歩くのが大変ではありますが、傘で熊を対処出来たという例もあります。動物はよく、敵に会った時に、自分を大きく見せようとして手を広げることがありますよね。動物は相手の強さをサイズで測っているところがあり、傘をいきなり広げると、相手が大きく強く見えて、恐れて逃げていく可能性があるのです。これも、熊に必ずしも効果があるという訳では無いのですが、もし手に持っていたなら使えるアイテムですね。
熊対策アイテム⑤ナタ
熊に遭遇する可能性がある場所に行き、熊鈴や笛を用いても熊に出会ってしまった場合、熊よけスプレーと共に役立つのが「鉈(ナタ)」です。熊の体は非常に強く、人間の拳や蹴りなどでは熊に太刀打ち出来ないのですが、鉈を熊に思い切り振れば多少のダメージを与えられます。これで完全に対処出来るという訳では無いのですが、後述する緊急事態に陥った時にも使えますので、登山などをされる方は出来れば持っておきたいですね。
正しい熊対策④熊に遭遇した場合
熊は写真を撮ると危険!
熊鈴や笛などで対策をとっていたとしても、熊に出会う可能性は十分にあります。もし熊に遭遇してしまった場合、珍しいということで熊の写真を撮るのは危険行為です。熊にとって、レンズを向けられるのは非常にストレスであり、にらみつけられているような状態であると考えられます。熊に実際に出会うと、かなりの恐怖を感じますので、大抵の場合は熊へレンズを向ける余裕も無いのですが、余裕があったとしても熊にカメラは向けないようにしましょう。
熊に出会っても騒がないこと
熊に遭遇することは日常生活ではほぼありませんので、バッタリ熊に出会うと大声を出してしまうかもしれませんよね。その際、大抵の場合は大声に驚いて熊は逃げてしまうのですが、攻撃しないと危険だと熊が判断した場合、または子熊連れで、子熊を守らなければと考えた場合、逆に襲ってくる可能性があります。熊の方が逃げる可能性が高いとはいえ、まずは刺激しないことが大切です。一度冷静になって、対処していきましょう。
熊を見たら逃げてはいけない?
熊と出会うと、今すぐにでも逃げたいと誰もが考えますよね。しかし、熊は背中を向けて逃げるものを追いかける習性があります。犬の習性をイメージすると分かりやすいですね。ですので、熊に遭遇しても背を向けて逃げるのはNGなのです。特に羆のスピードは人間よりもずっと速いので、逃げても追いつかれて攻撃されてしまいます。いきなり逃げようとはせず、熊を刺激せず、適切に対処していきましょう。
熊から視線を外さないこと
熊と目が合ったら、視線を外さないようにしましょう。熊から視線を外してしまうと、「自分より弱い存在だ」と認識してしまいます。ですので、熊から視線を外さないようにしながら、熊に背中を見せず、ゆっくりゆっくりと距離をとっていきましょう。熊も無用な戦いは避けたいと考えていますので、これで多くの場合は対処出来ます。ただし、あまりにも殺気立った目つきで熊をにらみつけると危険ですので注意して下さい。
正しい熊対策⑤襲ってきた場合
熊が襲ってきたら、木に登るのも有効
熊は木に登れるので、木に登っても逃げられないとよく言われていますよね。しかし、木の上であれば熊を足で攻撃が出来ますので、陸地にいるよりはいくらか熊を撃退出来る可能性が高まります。熊が襲ってきた際、もし登れそうな木があった場合は登るのも有効です。木に登ったあと、熊も登ろうとしてきた場合は、上から足で威嚇したり、鉈を使って熊の体を攻撃したり、上から熊よけスプレーを噴射したりして撃退します。
熊よけスプレーを使う
実際に鉈や手足などで攻撃するよりも遥かに熊に効果的なのが、熊よけスプレーを使うことです。しっかり熊に当たれば効果が期待できますので、熊に出会った際は落ち着いて準備をしましょう。ただし、熊よけスプレーは近距離で当たらないと効果が十分に発揮されません。熊と数メートル程度の距離になるまで噴射を耐えるのは中々難しいのですが、なるべく近くに来た状態で噴射しましょう。木の上からであれば、熊に当てるのが多少は簡単ですね。
熊は蛇が苦手
熊は蛇を嫌うのは有名な話ですよね。ですので、蛇の抜け殻を振り回すと熊が逃げていく場合があるのですが、都合よく蛇の抜け殻が落ちている可能性は高くありません。そこで代用出来るのが「ベルト」です。ベルトは熊からすれば蛇のように見えますので、熊が襲ってきそうで、手持ちのアイテムが何もない場合は、ベルトを抜いて振り回しましょう。
熊は右利き?左利き?
一応知っておきたいのが、熊はどちら利きなのかということです。熊は基本的に右利きですので、右手で攻撃してくる可能性が高く、それを想定して動ければなお撃退しやすいですね。
熊を退治出来ない場合
熊に襲われ、撃退出来そうになく、逃げることも出来ない状況になったら、頭を両手でかかえるようにして地面に伏せて、熊の攻撃から身を守りましょう。これは死んだふりをするのではなく、頭とお腹だけは守って、命だけ守るようにする方法です。背中にリュックがあれば、背中も守られます。実はこの方法で助かった例は沢山あります。熊に攻撃されてひっくり返されても、またうつ伏せになって、熊からの攻撃が止むのを待ちましょう。
熊が立ち去った後も注意
熊が退いてくれたあとも、すぐには安心出来ません。熊はかしこい動物で、退いたあとも遠くから監視していることがよくあります。迂闊な行動をすると再び熊が襲ってくる可能性もありますので、慎重にその場を離れましょう。
正しい熊対策⑥登山前に同行者と熊対策確認!
同行者が熊を興奮させる可能性あり
会話をして熊に存在を知らせる方法を先述しましたが、いざ熊に遭遇した際に怖いのが「同行者が間違った行動をとる」場合です。例えば大声を出してしまったり、背中を向けて逃げる場合ですね。そうなると、本来防げたはずの被害を受けてしまう可能性がありますので、一緒に行動する同行者と、熊に遭遇した場合の対処について話し合っておきましょう。
熊が喜ぶゴミを捨てないこと
登山のマナーの基本は「ゴミを捨てないこと」です。残飯などを捨ててしまい、それを熊が食べると、味をしめてしまって、熊が人間の食料を求めるようになる可能性があります。そうなると、次にその熊に出会った人が被害に合う可能性がありますので、同行者にもゴミを捨てないよう伝えるようにしましょう。
熊対策に関するTwitter
熊に出会うと写真を撮りたくなる?
熊に遭遇!シャッターを何枚かきってから、退避、怖いもの知らずの私に周囲は驚く? pic.twitter.com/TfY0rYQzR3
— tami katou (@853Tami) October 31, 2018
熊に出会った際、カメラを向けるのは危険であることを先述しましたが、こちらの方は何枚か写真を撮影したそうです。熊がそれに興奮して襲って来なかったようですが、襲ってくる可能性もありますので、出来るだけ撮影は控えましょう。
熊に襲われたらこんな風になる
熊と遭遇した際の対処法としては、刺激を与えないようにゆっくりとその場から立ち去る・背中を向けて走り出したりしない などがある #RDR2 pic.twitter.com/YaQEF9wdWK
— shizimi (@shizimi443) November 1, 2018
こちらはゲーム画面ではありますが、実際に熊に襲われるとどういう風になるのかがよく分かる映像となっています。ユーチューブにも熊の動画はよくありますが、襲われている動画は中々少ないので、実際にどんな風になってしまうのか気になる方には参考になります。熊はサイズが大きく、簡単に退治出来るような動物ではありませんので、出会わないように気をつけましょう。
まとめ:正しい熊対策!
今回の「正しい熊対策を徹底解説!遭遇した時の効果的な撃退・対処方法をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?普段は熊に遭遇することはありませんが、山は熊のテリトリーであり、登山や沢に行けば遭遇する可能性が十分にあります。退治は容易ではありませんので、間違った行動をしてしまうと命取りに。事前にどうすべきかを確認しておき、いざ熊に遭遇しても焦らないようにしておきましょう!
熊対策が気になる方はこちらもチェック!
今回は熊対策について解説させて頂きましたが、他にも熊・アウトドアに関する記事が沢山あります。気になる方は是非チェックしてみて下さい。
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