食べる事ができる雑草とは
雑草の中には食べる種類が多々ある
道路の端や庭、空き地など人が手入れしないような場所にはすぐにたくさんの種類の雑草が季節問わず生えてきて深く根を張るため除草はなかなか難しく一気に駆除するには除草剤を使わないと大変です。そんな雑草の中には食べることができる種類もたくさんあります。例えば特徴的な葉をしているヨモギは雑草ですが食用にもなりますし、傷の消毒にも使える薬草にもなるので昔は怪我など使われていた雑草で、春の七草も雑草が多く含まれています。
よく見かける食べる雑草
ヨモギの他にも食べれる雑草はたくんあります。例えば海岸などに生えていることが多いハマエンドウは見た目どおりマメ科の特徴をもつ雑草で食べることができますし、シロツメクサもマメ科で食べることができます。背が高く黄色い花をつける生態をもつセイタカアワダチソウも意外なことに食べることができる雑草です。季節問わず生える雑草中には食べる事ができるものが多く、猫じゃらしも食べる事ができる雑草です。
エノコログサのとは
エノコログサの基本情報
エノコログサはイネ科の雑草で駆除しないと庭、空き地、海岸どこでも生えているので、ほとんどの方が目にしたことのある雑草で、イネ科なので葉は細長く稲のようにスラッとしていて草丈は50センチぐらいの大きさです。季節が進み夏になるとエノコログサの最大の特徴である穂が出てきてやがて穂に花が咲きます。やがて花粉が出るように受粉すると穂に実ができます。
エノコログサの名前について
エノコログサ最大の特徴である穂の形が犬の尻尾みたいに見えたことから「犬ころ草」からエノコログサになったと言われていて、エノコログサを漢字で書くと狗尾草となり、穂が狐の尻尾のようにも見えることから英語では「Foxtail Grass」とも呼ばれていています。また特徴的な穂を猫の前で動かすとよくじゃれつくことから「猫じゃらし」とも呼ばれている草です。葉の部分はエノコログサが若いうちは猫が食べる草の代用が可能と言われています。
エノコログサの生態
エノコログサは世界中の湿地から乾いた荒れ地までどこでも繁殖する雑草です。さらに詳しいことはわかっていませんがエノコログサは他の植物の成長を阻害するアレロパシー物質も発生させていると言われエノコログサが群生しているところに他の植物が大きく成長することは少ないようです。変わった生態を持っていますが、エノコログサは穀物として食べている粟(あわ)の原種に当たるため粟との交雑が起こりやすい特徴もあります。
粟とは
粟はイネ科エノコログサ属の穀物でミネラルや食物繊維がバランスよく含まれている栄養価から雑穀米として最近は食べられています。栽培の歴史は米よりも古くからあり縄文時代にはすでに栽培されていたようで遺跡から発掘されています。原産国は詳しくはわかっていませんが東南アジアだと言われていてエノコログサとの交雑が起きやすいので栽培する時には注意が必要です。またエノコログサと比べると湿地よりも乾燥している場所を好む性質があります。
エノコログサの食べ方
食用ではないが食べられる
春の七草やヨモギと比べると食用にはしない雑草ですが、前述したように粟の原種なので食べようと思えば食べられる雑草です。秋になると穂に実ができるので脱穀して乾煎りしたら食べれるようになります。ブログなどの感想によると粒が小さいので味わうという感じではなく香ばしい風味がはあるとのことで、乾煎りの最中にポップコーンのように弾ける場合もありますがそれも食べることができます。
エノコログサの種類1
穂が垂れないエノコログサ
一言エノコログサと言っても種類が大きく分けると2種類あり、どちらも一般的には区別することなくエノコログサ(猫じゃらし)と呼ばれています。2種類あるエノコログサを一般人が見分けて区別するのは難しいですが、正確に分類するのであれば穂がまっすぐで垂れることがないエノコログサだけをエノコログサと言います。比較的見つけやすい穂が垂れているエノコログサは正確にはエノコログサと言う種類ではなく別のエノコログサです。
穂が垂れるエノコログサ
穂が垂れるエノコログサはアキノエノコロになります。全く別の種類ではないので特に生態や特徴に変化はなくエノコログサと同じように初夏ぐらいから穂が伸び始めやがて穂に花が咲きやがて実ができます。比較的見つけやすい種類がアキノエノコロとなり、ブログなどでもエノコログサよりアキノエノコロのほうが多く見つかります。また特に区別することはなく前述したようにどちらもエノコログサと呼ばれていることも多いです。
エノコログサの種類2
穂が黄金色のキンエノコログサ
イネ科エノコログサ属に属すエノコログサとよく似た雑草ですが穂に生えている細かな毛がエノコログサが緑色をしているのに対して黄金色をしているためキンエノコログサと名付けられた種類です。原産国はヨーロッパと言われてエノコログサよりも古い種類です。
交雑しやすく異変も多い
エノコログサが生える季節は主に春~秋の1年生ですが適応できる環境は広いため異変が多くあります。畑で栽培されている粟と交雑したことでできたオオエノコロは穂が大きい特徴があり、コツブキンエノコロはキンエノコログサと似ていますが穂がキンエノコログサよりも小さな特徴ありそれぞれ別の種類として分けれたいますがよく似ている雑草です。
ムラサキエノコロ・ハマエノコロ
ムラサキエノコロはエノコログサの変異種で穂にある細い毛が紫色になる種類ですが他にはあまり変化がないようです。一方ハマエノコロは全体的に草丈や穂が小さくなっていて海岸沿いに生えることの多いエノコログサで変異した種類になります。
エノコログサの花粉に注意
エノコログサの花粉は秋の花粉症原因
花粉症は春だけではなく秋にもなる厄介な体調不良です。秋の花粉症の原因の一つにエノコログサの花粉があります。スギ花粉と比べると山に行かなくても平地のどこにでも生えている雑草なので完璧に駆除することは難しく花粉症の方はマスクなどして被害を軽減することが大切です。花粉症だけではなく喘息の原因にもなる場合があるので気管支などが弱い方は特に注意し、庭に生えている場合はできるだけ除草しましましょう。
エノコログサの駆除・除草方法
抜いておかないと大変なことになる
花粉症の有無に関わらず庭に生えている場合は抜いておかないと秋頃になると穂先に大量の実(種子)ができるので翌年の春に大量に増えてさらに再来年になると大変なことになります。また秋に除草剤を使わずそのまま手で引き抜く時は実が散乱しないようにしないと結局は増える原因になってしまうので、穂が見えたらできるだけ早く引き抜くようにしましょう。生えるのを防ぐには防草シートなどを利用すると防除できます。
除草剤を使う場合
エノコログサは雑草の中では有名な種類なのでいろいろ除草剤が発売されていて、液体だったり粒状だったりと除草剤の形状にも種類があるので使用する場所によって使い分けることをおすすめします。例えば粒状はその場に留まるため長く効力を発揮するのでエノコログサが枯れたあとにも防草効果があります。その反面ペットや小さな子供に影響が出る可能性もあるので庭などには液体のほうがおすすめです。
除草剤を使う時の服装
風向きに注意し、軍手、長袖、長ズボン着用してから農薬は扱うようにしましょう。可能であればマスクやゴーグルなど顔を保護してから散布します。草丈が大きくなるほど除草剤の効果は薄れますが過度に濃度の高いまま散布しないようにラベルに書かれたとおりに撒きましょう。
エノコログサのまとめ
猫じゃらしのほうがエノコログサより有名
エノコログサよりも猫じゃらしのほうが有名で誰でも見たことのあるような雑草ですが実は、粟の原種で食べれるということに驚いた方も多いのではないでしょうか。ただ食べれるだけであって食用に向くわけではないのでわざわざ食べる人はあまりいない雑草です。花粉症の原因にもなるので心配な方は庭に生えていたら駆除して来年以降に大量に増やさないように気をつけてくだだいね。
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