はじめに！
今回は皆さんに、防草シートが「雑草対策の救世主だ」と言う事を感じていただくこと。 皆さんに、防草シートの凄さを知っていただき、「お家のお庭を綺麗に大変身させたい」と思っていただくこと。 それが、この記事のテーマです。 それでは、これから防草シートの6つの基本情報。 そして、敷き方・使い方などの実践情報を詳しく解説していきますので、最後までお付き合いください。
草刈り
庭の雑草は時間をかけて草刈りをすればいいのですが、庭が大きいといくら時間があっても足りないし、作業するのが大変ですね。 特に暖かくなってくる5月中旬から梅雨を挟んで7月頃までは、雑草との競争でいくら草刈りをしてもどんどん生えて来ます。
手入れをしないと冬でもこんな状態ですね
除草剤
それならばと言う事で、除草剤をまけば雑草も一掃できますが、除草剤をまく際の準備や散布後の注意点などややこしい事も多々あります。 また、「周囲の土壌への影響」、「人体への影響」、「ペットへの影響」、などを考えると環境にやさしく無いので、少し考えてしまいます。 そして、「草刈り」も「除草剤散布」も定期的に作業をする必要があり、どうしても手間がかかります。
防草シート
そこで近年多くのご家庭でクローズアップされているのが防草シートです。 防草シートを敷く最初の年は、シートの選定から丁寧は施工までが、必要となりますが、その後数年は雑草のない綺麗な庭を維持することが出来、見返りとなる効果は絶大なものがあります。 これが、防草シートの大きなメリットです。今や、雑草対策の救世主となりつつあります。
雑草対策の救世主
防草シートの6つの基本情報
皆さんのお庭の雑草対策として、防草シートを敷いてみようと思われたとき、ホームセンターや通販サイトで様々な種類の防草シートが売られています。 そこで防草シートを選ぶ際にぜひ知っておいていただきたい、素材・効果・価格・おすすめなど6つの基本情報を、この後ご紹介していきます。
1.防草シートとは
そもそも防草シートは雑草が生えてくることを防ぐために敷くものです。 本来の防草シートの役割は、下の2つになります。 ・シート下の雑草に太陽光を当てない。 ・シート上に飛んできた雑草のタネを芽吹かせない。 この2つのことを確実に行える防草シートであれば、雑草の撃退は容易です。
2.防草シート/種類
防草シートの種類には大きく分けて、2種類あります。 それは、不織布（ふしょくふ）と織布（しょくふ）です。
不織布（ふしょくふ）
不織布は織らずにフェルトのように作られた布です。 ふわっとした繊維のかたまりに瞬間的に圧力をかけ、熱か溶剤で圧着してできた隙間の少ないシートです。 不織布のカットした切り口は、まったくわかれません。 そして、はさみで簡単に複雑なカットが可能です。 そして、防草シートの施工はこのタイプが一般的で、耐久性・遮光性・雑草の突き抜け防止効果が、優れているものが多いです。 シートの厚みが増し密度が上がると、水はけが悪くなることがあります。
織布（しょくふ）
縦の糸が何本もセットされている織機に、横糸を一本ずつ織り込んだシートです。 使う素材や施工のしかたによりキメが荒いシートもあります。 織布は「布ぎれ」でも同じことですがカットしたところは、切り口がどうしても、ほつれてしまいます。 素材としての水はけ性能は優れています。 縦横方向からの力には強いのですが、斜め方法からの力に弱く、隙間が空くことで、遮光性の劣化と雑草の突き抜け防止効果が弱く成ります。
シートの端がほつれています。若干見にくくてすみません。
3.防草シート/素材の特徴
防草シートの素材は、石油からできた合成繊維です。 一般的に素材は、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステルです。 上記の素材それぞれの違いは、熱・紫外線への耐久力です。 防草シートの耐用年数が変わるので、長く雑草の生長を妨げる効果に違いがあります。
ポリエステル
熱や紫外線劣化に強いタイプです。 酸性・アルカリ性に弱いため、加水分解で（長い間、雨水にさらされることで）もろく成ります。
ポリプロピレン
熱や紫外線劣化に弱い特徴があります。 酸性・アルカリ性に強く長い間、雨水にさらされても耐久性があります。 サバーンは、この素材を使用している商品です。 かつ、4層構造で、表層で熱や紫外線対策を施しているため、劣化しにくいシートと宣言しています。
ポリエチレン
この素材も、熱や紫外線劣化に弱い特徴があります。 再生PET製品がこの仲間です。 ポリエチレンテレフタレート（PET） エコナルはその製品群です。 エコナルは低価格でありながら性能のいい、コストパフォーマンスの良い商品です。
4.防草シート/効果
防草シートを敷くことで今後数年間除草の手間が省ける訳ですから、効果は絶大です。 その効果を引き出すポイントは、2つあります。
防草シートの上に砂利を置いた所は、ここ3,4年雑草が生えません
素材の選定
防草シートの素材選定をしっかりすることです。 素材の選定や使い方を間違えれば、防草シートの効果は半減するこもあります。
丁寧な施工
防草シートの敷き方をより丁寧にすることで、雑草を防ぐ効果も上がってきます。
5.防草シート/価格
メーカー別、種類別、素材別に見ていくと、限りなく多くの防草シートがあります。 その中で、皆さんのお庭に適した防草シートを選定するのも大変ですよね。 まず、3つの価格帯に分け、防草シートの説明をしていきたいと思います。
価格/1.一番効果のでる防草シート
どうしても価格帯が一番高く成って来ます。 価格帯は500円～2000円前後まであります。 不織布で、何層にも重ねられているシートに成ります。 ポリプロピレンの素材のものが多いいようです。 防草効果・耐用年数など一番優れているタイプです。
価格/2.価格と効果のバランスがいい防草シート
価格的に、少しお高めですが、お手頃感のある、価格と効果のバランスがいい防草シートです。 価格帯としては、300円～600円程度になります。 不織布で、少し厚みの薄いタイプになります。 素材は、ポリプロピレン・再生PETなどです。
価格/3.価格の安い防草シート
価格が安い分、どうしても効果が出にくい雑草の種類が、あったりします。 価格帯は、150円～300円程度に成ります。 織布（織込布）ですのでシートの端がほどけやすく、若干施工性能が劣ります。 素材は、ポリプロピレンですが、縦横に圧がかかっても、強度はあります。 ただ、斜めからの圧がかかった場合、弱いようです。 厚みが無いので、水はけは良いです。 ホームセンターで売っているのは、このタイプの商品が多いいです。
織布（織込布）です
6.防草シート/おすすめ
皆さんのお庭には、どのような雑草が生えていますか。 また、皆さんは防草シートの使い方をどうしたいですか。 皆さんの目的や思いで防草シートのおすすめも変わってきます。 価格の高い防草シートを選べば、どんな雑草にも対応できます。 そして、どんな使い方もできますが、防草シートをおすすめする場合、価格は重要ですね。 景観を考えると皆様のご家庭では、防草シートの上に、砂利など敷き詰める方が多いいと思います。 砂利下使用にしぼり、5つのパターンのおすすめを紹介いたします。
1.地下茎などのある葉先のとがった雑草が対象の砂利下用
対象の雑草は、スギナ・チガヤ・ヨシなどです。 一番高い価格帯の「1.一番効果のでる防草シート」を、使っていただきたいと思います。 商品は、ザバーン240がおすすめです。 商品仕様（ザバーン240） 材質 ：ポリプロピレン 構造 ：4層スパンボンド不織布 厚さ ：0.64mm 価格 ：540円/㎡～ 水はけ：水はけ抜群
2.葉先がとがっていない雑草が対象の砂利下用
対象の雑草は、オオバコ・タンポポ・ナズナなどです。 ２番目に高い価格帯の「2.価格と効果のバランスがいい防草シート」で、充分効果は出るでしょう。 商品は、エコナル・ザバーン125がおすすめです。 商品仕様（エコナル） 材質 ：ポリエチレンテレフタレート（PET） 構造 ：再生PET繊維不織布 厚さ ：0.50mm 価格 ：360円/㎡～ 水はけ：水はけ良好 商品仕様（ザバーン125） 材質 ：ポリプロピレン 構造 ：4層スパンボンド不織布 厚さ ：0.40mm 価格 ：330円/㎡～ 水はけ：水はけ良好
雑草も全然はえてきません
3.ガレージなど車が通る場所の砂利下用
砂利が動かない仕様の防草シート
どうしても、一番高い価格帯の「1.一番効果のでる防草シート」が、おすすめと成ります。 車が通る使い方の場合は上からの圧がすごく、シートの劣化・摩耗が激しく成ります。 おすすめの商品は、1.とおなじザバーン240と成ります。 商品仕様（ザバーン240） ※本章の1.参照
この素材を使うことで、タイヤに砂利が巻き込まれなくなった
4.花壇の通路など、人が通る場所の砂利下用
この様な使い方の場合、２番目に高い価格帯の「2.価格と効果のバランスがいい防草シート」が、おすすめと成ります。 車ほどでは無いにしても、人の圧がかかります。 おすすめの商品は、2.と同じエコナル・ザバーン125と成ります。 商品仕様（エコナル・ザバーン125） ※本章の2.参照
人が通る場所の砂利下使用
5.自宅の周囲など、だれも通らない場所の砂利下用
この様な使い方の場合、一番安い価格帯の「3.価格の安い防草シート」が、おすすめと成ります。 何も圧がかからない場所での使い方ですので、できるだけコストを下げたいものです。 おすすめの商品は、ホームセンターでも手に入りやすい、大面積農業向け防草シートです。 商品仕様（大面積農業向け防草シート） 材質 ：ポリプロピレン 構造 ：織布 厚さ ：0.40mm 価格 ：300円/㎡～ 水はけ：水はけ良好
砂利下使用
防草シートの施工方法
さあ、それでは「防草シートの6つの基本情報」が終わりましたので、最後に実際の施工方法、敷き方、使い方のご紹介をいたします。 防草効果は、施工の丁寧さも重要なポイントに成ります。 手を抜かず丁寧な作業を心がけましょう。
施工時の事前準備
施工の為には、まず形から入りましょう。
けがの無いような服装で！
長袖の上着とジーパンなどの全身を覆える服装ですね。 後は、長靴を履いて施工の準備は出来上がり！
けがの無いような服装で
防草シートを敷くための道具
前もって準備を
・はさみ（カッターでも可） ・メジャー ・マジック(ピン位置のマーカー用です） さらに ・鎌（雑草除去） ・スコップ・レイキ(地面の整地と平らにするため）
スコップで整地と地面を固める
レイキで地面を平らにする
防草シートを敷くために必要な補助資材
・シートの固定用止めピン ・ピンシール ・粘着テープ より丁寧な施工をするための必需品です。
打ち込んで入らないときは、角度を変えて打ち込んでみよう
防草シートの敷き方
皆さんが防草シートを敷かれる際の敷き方の手順を、説明していきます。
敷き方/1.草刈りと整地
地面から飛び出た、石・切り株の除去
まず大きな突起物は、スコップなどを使い取り除きましょう。 大きすぎて動かせない石や切り株などは、防草シートの敷き方に気を付ける必要があります。
地面を平らに！
地面に山があったり、傾斜があったり、デコボコがあるときは、スコップなどを使い地面を平らに荒仕上しておきましょう。
草刈り
雑草が茂っているところは、鎌などでまず切り取ります。 根っこはスコップでしっかり取り除きましょう。 地下茎を持った強い雑草の刈り取りは、特に注意が必要です。 取り除くさい、地下茎を出来るだけ切らず、取り除いてください。 もし、地下茎の取り残しがあった場合、防草シートの施工後に、シートの隙間をくぐり抜けて顔を出す原因と成ります。
仕上げの整地です！
ほとんどデコボコが無くなっている地面にレイキなどを使い、整地していきます。 最後に、スコップなどでたたいて固めておきましょう。 もし、雑草が取り切れずシートにたるみ・シワがあると、そこに砂などがたまり雑草が生える原因と成ります。
敷き方/2.防草シートを敷こう！
少しづつ転がしながら
買ってきた防草シートは、筒状に成っていますね。中表に成っています。 転がしながら広げると表が出ていきます。 一度にたくさん広げると、風にあおられて上手く敷けません。
転がしながら広げると表が出る
2列以上敷くときは
防草シートの重なり部分を10cm以上にしましょう。 重なり部分が少ないと隙間から雑草が顔を出す原因に成ります。
敷き方/3.止めピンを打っていこう！
使い方/防草シートをむき出しで使うとき
防草シートをむき出しで使うときの使い方ですが、防草シートの端はすべて50cm間隔で打ち込みましょう。 1m幅のシートは、中央の列を1m間隔で打って大丈夫です。 2m幅のシートは、50cm幅で打つと中は3列打つ必要があります。 1列目は1m間隔で打ちましょう。 2列目中央は、まず50cm空けて、後は1m間隔で打ちます。 3列目は1列目と同じく1m間隔で打ちます。
使い方/砂利下などに敷くとき
防草シートを砂利下などに敷くときの使い方ですが、防草シートの端はすべて1m間隔で打ち込みます。 1mシート・2mシートどちらも、すべての端を１m間隔で打つだけで、シートの中に打たなくても、大丈夫です。 それは、シートの上に砂利など置きますから、止めピン同様の圧がかかるからです。
敷き方/4.止めピン穴を隠そう
止めピン穴に隙間があると、雑草が出てくることがあります。 砂が付着していると、ピンシールがきれいに付かないので、しっかり砂を取り除いてピンシールを貼りましょう。
敷き方/5.シートに切り込みを入れた部分の補修
どうしても石や切り株を取り除くことが出来なかった場合、防草シートに切り込みを入れて、地表に出さざる負えません。 そのような時も、粘着テープを隙間なく貼りしっかり雑草対策をしましょう。
敷き方/6.シート重なり部分の処理
シートを複数枚並べての敷き方は、重なり部分は砂をしっかり取り除き粘着テープを貼りましょう。
【番外編1】防草シートの水はけ
本篇では扱わなかった不透水防草シートのことに触れておきます。 光の透過性ゼロ＆水はけゼロの防草シート。 植物の生息できない環境を作り出す最強の防草シートです。 布織布の中で、厚さも最厚、耐用年数も最も長い（耐用年数20年）、光も通さず、水はけもゼロのシートです。 3層構造で重く、施工場所には水はけ用の勾配が必要に成ります。 価格も、1500円～2000円ですこし高額な設定に成ります。 基本的に工業用ですので、番外編でのお披露目です。
【番外編2】砂利の使い方２選の比較
年に3～4回はジョイントタイルを取って雑草をぬいています
拡大画像です
地面の上に直接砂利などを敷いた場合と防草シートの上に敷いた場合で、雑草の生え方が全然違います。
敷いて3～4年、雑草ははえてきません
まとめ
いかがでしたでしょうか？たかが防草シート！されど防草シート!! 防草シートの基本情報と敷き方・使い方、こうして調べてみれば、奥が深かったですね。 お家のお庭を防草シートでDIY、お気に入りの砂利を敷いて、雑草のない綺麗なお庭に大変身させてみませんか。
草刈り大変です