オーナー エビングリーダー キハダバージョン 17-24
ダイワ ワーム エビングスティック 4.2インチ
ダイワ 鏡牙ジグ セミロング 200g
ダイワ スピニングリール 20 ソルティガ 14000-XH
ダイワ 21 ソルティガ R J62S-4 LO
魅力たっぷりのエビング
2006年頃に突然現れたその釣り方は船釣り界に衝撃を与えました。青物やマグロなどの大物釣りは一種博打のような釣りでした。坊主か爆釣。しかも魚探には反応があっても食ってこないなど、難しい釣りであるとの認識が強い釣りでした。しかし「エビング」という釣り方の登場によって様相は一変します。2018年に進化を果たしたエビングの紹介をしていきます。
エビングの考案者
村越正海(せいかい)とは?
ウィキペディアでは「日本で唯一釣りだけで生計をたてている」となっていますが、これは少し大げさですね。漁師さんは皆釣りだけで生計をたてているわけですから。しかしダイワのフィールドテスターとして長年釣具の開発に携わったり、ライターとして釣り雑誌に連載を持ったりと釣りに関しては本物のプロです。1958年生まれ、本名は村越正規。
考案までの経緯
ルアーマンの村越氏は青物やキハダマグロなどの大物をジギング船などでゲットしてきましたが、相模湾などでの船釣りはエサ釣りが主な釣り方です(でした)。何とかルアーで釣りたいと思ってもオマツリの原因になるのでエサ釣り船でルアーは落とせません。しかもコマセに着いてしまった魚はルアーには見向きもしません。そこで考案されたのが「エビング」です。
ヒントは久米島の漁師仕掛け
久米島では沖のパヤオ周りでのマグロ釣りに昔から「パラシュート」と呼ばれる仕掛けを使っていました。これが定番でまた良く釣れていました。しかしこれより釣れる釣り方があると教わったのが、エビ型ワームを使う釣り方でした。まるでおもちゃのようなワームに果たしてマグロは喰い付くのか。実釣してみるとこれが大爆釣。それを村越なりに進化させたのが現在の「エビング」です。
エビングの仕掛けとは
原型は簡単な仕掛け
元々の仕掛けは「弓形天秤」に50~60号の錘を付け、2ヒロ(3mくらい)ほどのハリスを取り、「エビワーム」をタナでふわふわさせる釣りでした。つまり「鯛のあんどんビシ釣り」のあんどん無しを想像して頂ければと思います。考案者の村越も最初は半信半疑だったようですが、実際に釣れるのでこれを進化させれば「エサ釣り船」との同居も可能だと考えました。
現在の仕掛け
エビングやばすぎワロタ。 pic.twitter.com/rK5AeUyRyq
— こすぎ (@KSG_Sushi) September 30, 2018
沖のパヤオなど集魚施設のある海域ではオモリとソフトルアーだけで良いのでしょうが、何もない海域ではアピール力不足です。ですからただのオモリだった部分をジグに替えアクションをつけやすく、さらにキハダマグロが認識しやすいようにと弓形天秤をストレート天秤に変更しました。ジグはオモリの代わりですのでフックは付けません。これが現在のエビング仕掛けです。
エビングのタックル
エビングはアクションがキモになります。アクションの付け易いタックルを選んで欲しいのですが、2018には専用タックルが登場しました。
2018年にはエビング専用ロッドが登場
ダイワでは2018年に待望された「エビング専用ロッド」が、エビングを考案した村越正海さんの監修のもと、2種類のロッドが販売されました。足場の悪い船を考えた短めでジギングにも対応する62HSと、足場の高い船ではロッドの長さも必要となるため、ロングタイプの74HSの2本です。
現在では人気もあり、高価ながら入手困難なため、ご紹介するのは、2021年に発売されたハイレスポンスモデル「ソルティガ・J62S-4LO」になります。
ダイワ 21 ソルティガ R J62S-4 LO
ハイレスポンスモデルの中ではロータイプになりますが、ジグの重さはマックスで250グラムまで対応します。専用ロッドでなくともエビングは楽しめますが、船では200グラム以上の錘がないと釣らせてもらえないのが普通です。ロッドはジグの重さが200以上に対応するのものを選びましょう。
船からの釣りですから全長2mあればロッドは良さそうですが、船によっては胴の高い船などもありますので、条件を考慮してロッドの長さは選んでください。
エビングタックル「リール」
ダイワ スピニングリール 20 ソルティガ 14000-XH
エビングでのターゲットは第一に「キハダマグロ」です。たとえ小さくても力持ちのマグロが相手です。しかも水深が100m以上などザラです。推奨リールはPEライン6号が最低でも300m以上は巻けるものになります。
2018年まででは番手でシマノだと6000番、ダイワですと5000番以上のスピニングリールが対象でしたが、現在の番手はシマノ・ダイワとも14000番以上が必要です。
ハリスと針
オーナー エビングリーダー キハダバージョン 17-24
ハリスに針がセットされている既製品が各社から出ています。ハリスがフロロ24号以上と太いため締め込みが難しいことから自分で仕掛けを作るより既製品のほうが楽かもしれません。一応考案者の村越氏の推奨ハリスと針の紹介をしておきますと、ハリス:フロロカーボン24号、針:オーナー「ムツサークル2/0」だそうです。オーナーの関係者でないところに説得力がありますね。
エビング用ワーム
ゴールデンベイトの流れを汲む
2006年に村越氏が久米島の漁師に手渡された最初のワームが「おもちゃのような」エビワームだったために「エビング」と名付けられたエビング。それが「ヤマシタ・ゴールデンベイト」でした。それからヤマシタ釣具さんもエビワームの改良を重ね現在エビング専用ワームを発売しています。ふわっとしたアクションが特徴です。サイズは45mm、75mm、100mmの3種。
エビング対応ワーム
ダイワ ワーム エビングスティック 4.2インチ
村越氏がこの釣り方を始めた頃一番頭を悩ましたのが「ワームの消耗」でした。相手はメーター級のキハダマグロです。釣れるたび、バイトのたびにワームが千切れてしまいます。そこで思い至ったのがシーバス用の剛性の高いワームを使うことでした。これが大当たり。持ちが良く、動きの自然さもキハダ好みなのでしょう。ダーティングスティックのちょん掛けがおすすめです。
エビングのアクション
しゃくり方の基本は2種類
ジグをしゃくってキハダの活性を高め、ハリスの先のワームに食わせるのがエビングです。船長から「投入」の合図があったら真下に仕掛けを落とします。その時に必ず「タナ」の指示がありますから、「指示深度より10mほど深め」に落として下さい。基本のアクションは2種類。ショートピッチジャークとロングジャークです。
ショートピッチジャーク(動画)
船長からの指示ダナが不正確な場合はできれば聞き返して下さい。例えば「50!」しか言わない船長もいます。「60から40」と幅をきちんと言ってくれる船長もいます。後者の場合70から30(前後10m)までの間をクイックイッとジグとワームのテンションを抜かないようにしゃくって行きます。活性が悪くてもジグのアクションで活性が上がり、食い上げて来ることがありますから。
ロングジャーク(エビングではないです)
ロングジャークの場合はロッドの長さを利用して一気に2mほど巻き上げ一旦ステイします。この時オモリ代わりのジグがストレート天秤を介してハリスとワームをフワリと浮かせます。ステイしているとまたハリスとワームが沈みながら潮に馴染みます。これを繰り返すのがロングジャークです。潮に馴染みながら沈んで行くワームにヒットすることが多いですよ。
アワセは大げさに!
一旦飲まれてしまった針を思いっ切り合わせることで口もとまで引きずり出してフッキングさせます。飲まれたままにしておくとキハダのギザギザの歯でハリスを切られてしまいます。ドンッときたら「ウオリャ!」と大アワセしましょう。このためにもタックルは強力な物を用意する必要があります。
エビングのターゲット
キハダマグロ
最大で2m、200㎏ほどにも達するマグロの仲間。ホンマグロやミナミマグロ(インドマグロ)などに比べ脂が少なくあっさりとした味わいのマグロです。世界中の温暖な海に生息するため食用マグロとしての供給量はナンバーワンのマグロです。昔から特に関西地方では好んで食べられていました。ホンマグロの味が落ちる夏が旬のため最近では関東でも好まれています。
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青物全般
体色が青く力強い泳ぎから「海のスプリンター」と呼ばれる「青物」。青物全般もエビングのターゲットの一つです。有名なのは相模湾沖のワラサ釣りでしょう。昔ははエサ釣り船のみでしたが、ジグ船が増え、最近では「エビング船」まで出ています。北海道から九州・沖縄までカンパチやブリなど様々な青物が分布しています。
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エビングとジギング
秘密兵器として
沈降速度の違う釣り方をすると船釣りの場合「オマツリ」が起きます。簡単に言えばエサ釣りとルアー釣りの同居はできません。しかしエビングはエサ釣りのオモリに合わせたジグを使えばエサ釣りと同居が可能です。またジギング船でのジグ釣りとの同居も(重さを合わせれば)可能です。ジギング船はどこにでもありますから、エビング仕掛けは必ず携帯しましょう。
エビング専門船
湘南茅ヶ崎「一俊丸」
ジギング専門船などを仕立てれば(貸し切り)全員でエビングをすることは可能ですが、現在茅ヶ崎の「一俊丸」さんが「エビング船」を2016年から出港させています。専門船だけあって船長の指示は的確で、アクションなど分からない事は何でも聞けます。
一俊丸基本情報
場所:神奈川県茅ヶ崎市南湖4-24-14
電話:0467-88-3137
乗船代:男性12000円、女性10500円(2018/10/08現在)
エビングでの注意点
タックルの作り方
ダイワ 鏡牙ジグ セミロング 200g
エサ釣り船にもジギング船にも同居できるエビングですが、タックルを作る時の注意を一つ。「ジグはあくまでも集魚とオモリの代役」です。しかも200gもの重さのジグを使います。「スライドジグ」は絶対に使わないで下さい。他の方の迷惑にならないように楽しい釣りをしましょう。
まずは確認しましょう
船によってはエビングそのものを禁止している船もあります。また使うのであれば「ジグの重さは200g以上」とか「スライドジグ禁止」などの規制の他に「ハリスは3m以下」など仕掛けの作りまで指定される場合があります。まだまだ新しい釣り方ですから、他の方の迷惑にならないよう、船宿に確認を取ってから使用するようにしましょう。
エビングで大物をゲットしよう!
難しいことをいろいろ書きましたが、本当に難しい部分は考案者の村越氏がすべてやってくれました。あとは船に乗ってタックルをしゃくるだけです。キハダマグロだけでなくブリやカンパチ、場所によってはシイラなど肉食性の魚なら何でも食ってくるエビング。まだまだ続く船釣りシーズン。ぜひエビングで大物狙いして下さい!
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