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謎の深海魚「ゲンゲ」とは?美味しいと噂の魚の正体と食べ方をご紹介!

ゲンゲをご存知でしょうか?幻の魚として、知る人ぞ知る存在ですよね。見た目はちょっと個性的すぎて嫌がる方も多いのですが、実は美味な魚です。今回はそんなゲンゲの特徴や生態、種類、さばき方や美味しい食べ方などを詳しくご紹介していきます!
更新: 2021年2月27日
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目次

ゲンゲとは?

ゲンゲとは、スズキ目ゲンゲ亜目ゲンゲ科に属する魚を指します。ゲンゲ科は仲間が多く、なんと46属、230種類もいます。そのうちのほとんどが、北半球の冷たい海を泳いでいるのですが、今回主に紹介していくのは、富山湾などでよく獲れている、よく食べられている種類です。

幻の魚として知られており、最近よく食べられるようになってきましたよね。今回はそんなゲンゲの特徴や生態、種類、美味しい食べ方などを紹介します!

ゲンゲの特徴

ゲンゲとは?

今回主に紹介していくゲンゲは、大きさが大体20㎝程度と、可愛いサイズのものです。画像のような見た目をしており、人によってはグロテスクで気持ち悪いという方もいますよね。ヌルヌルとした体をしており、厚いゼラチン質の体を持っています。

鱗は非常に小さく、皮膚に埋もれてしまっており、背ビレが非常に長いのも特徴です。腹鰭や胸鰭もとても小さく、他の魚とは違った見た目をしていますね。

ゲンゲの名前の由来

特徴的な名前をしていますが、この名前の由来は、元々「下魚」として扱われていたことに由来します。グロテスクな見た目であり、かつ漁獲した際に網や他の魚を傷つけるとして、「下の下(げのげ)」と呼ばれるようになり、すぐに捨てられる魚だったのです。

しかし、最近になって美味しく調理されお店で出されることが増え、価値が見直され、「幻の魚、幻魚(げんげ)」と呼ばれるようになったのです。今でも価格は安いのですが、随分扱いが変わりました。

ゲンゲの地方名

ゲンゲは富山湾で漁獲されることが多いのですが、他の地域でも漁獲されており、その地域ごとに呼び方が異なります。京都ではグラ、兵庫ではグべ、秋田ではスガヨ、山形ではテノロ、福井ではミズベコ、石川ではミズウオなどです。

こうした呼び方は漁港で使われることが多く、一般の方はほぼゲンゲと呼んでいます。また、ゲンゲンボウと呼ぶこともありますので、ゲンゲとゲンゲンボウだけ覚えておいても良いかもしれません。

ゲンゲの生態

ゲンゲの生息分布と産地

ゲンゲ科の魚は北半球に多く生息していますが、熱帯地域を泳ぐ種類もいます。今回主に紹介する種類のゲンゲは北海道から山口県までの日本海、北海道から宮城県までの太平洋側、そして朝鮮半島周辺を泳いでいます。

深海魚であり、水深は200~1800mの深い海を泳いでいます。富山が産地として有名なのですが、新潟や秋田も産地として知られています。

ゲンゲの産卵期と成長

気になる生態ですが、生態はまだ深く分かっていません。深海魚ですので調べにくく、また注目度も低かったために情報が集まっていないようですね。生態でいくつか分かっていることがあり、産卵期は12月頃のようで、この頃に岸に近づいてきて漁獲量が増えます。

海の中では海底に横たわっており、砂に隠れた貝や多毛類を食べています。また、暗闇の中でも見えるよう視覚と触覚が発達していると言われています。

ゲンゲの種類


種類①ノロゲンゲ

ゲンゲでよく知られているのが「ノロゲンゲ」です。主に日本で食用として食べられているのが「タナカゲンゲ・ノロゲンゲ・カンテンゲンゲ・シロゲンゲ」の4つなのですが、中でもよく漁獲されており、またサイズも20~30㎝程度と扱いやすく、見た目も可愛らしさがあります。

富山湾でよく漁獲されていますので、誰でも気軽に食べることが出来ます。

種類②タナカゲンゲ

タナカゲンゲは見た目が強烈で、目と目が近く、サイズも1mほどまで成長する大型の種類です。この名前は、魚類学者の「田中茂穂」が由来となっており、田中茂穂さんの著書には「キツネダラ」と表記されています。

昔はキツネダラと呼ばれており、現在では「ばばちゃん」とも呼ばれますね。元々は「ばばあ」などと呼ばれていたのですが、水産課の方が「ちゃんをつけよう」と提案しばばちゃんと呼ばれるようになりました。

ゲンゲの味と旬

ゲンゲの味は?

気になる味ですが、脂が程よく乗った身をしており、さまざまな料理に使うことが出来ます。綺麗で透明感のある白い身をしており、トロっとした食感、かつ料理によってはフワフワな感触があります。

お刺身など、生で食べることも出来ますが、唐揚げや天ぷら、汁物など火を通した料理の方が高評価されており、アンコウに似ているとよく言われていますね。味は美味しいのですが価格は安く、これから高評価されていく前に食べておきたい魚です。

ゲンゲの旬は?

生態が詳しく分かっていない魚ですが、旬は寒い時期ではないかと言われています。旬の時期は地域によっても変化しますが、寒い時期が産卵期となっていることもあり、脂が乗るので冬場が旬となっているようですね。

旬の時期は味が良いだけでなく、漁獲量も増えます。産卵期前である10月あたりから旬になってくるようで、美味しく食べたい方は秋以降のものを食べてみましょう!

ゲンゲの栄養と効果は?

気になる栄養ですが、魚ですので良質なタンパク質を沢山含んでいます。また、注目すべきなのがコラーゲンで、体全体がゼラチン質で出来ており、コラーゲンが豊富ということで注目されるようになりました。

コラーゲンと言えば、特に女性にとって嬉しい成分ですよね。そのままコラーゲンをいただくのはもちろん、加工してサプリメントにしたり、お菓子にした商品も続々開発されています。

ゲンゲは釣れる?

釣り人であれば、釣り方も気になるところですよね。しかし、残念ながら釣り方は確立されていません。たまに他の深海魚を狙っている時に外道として釣れることがあるのですが、狙って釣っている方はほぼいないのが現状です。

深い海の海底に横たわっていますので、釣りたい方は他の深海魚を狙うついでに釣れることを期待しましょう。アコウダイやキンメ、ベニアコウなどを深海専用の竿で狙いながら待ちます。


ゲンゲの食べ方・さばき方

食べ方・さばき方動画

こちらの動画では、ゲンゲをさばく一部始終を紹介しています。柔らかい魚ですので包丁を入れるのは簡単なのですが、ヌルヌルしているため多少手間取ることもありますね。

ウロコはありませんのでウロコ落としはいらず、頭を落としてお腹を開き、内蔵を出します。水洗いをして綺麗にし、水気を切り、あとは調理方法に合わせて使っていきます。骨は柔らかいので取り除かず使うことが出来ます。

美味しいゲンゲの選び方

美味しいものの選び方ですが、まず体を見て、透明感があるかどうかを確認しましょう。新鮮なものは透明感があり、また触ってみると弾力があって硬さを感じます。次に目を見てみましょう。

他の魚も同じですが、新鮮な個体は目が澄んでいます。逆に、鮮度が落ちてくると目が濁ってきます。この二点をチェックして、鮮度の良いものを選んでみて下さい。

ゲンゲの料理レシピ①

調理・料理レシピ①刺身

料理レシピ1個目は「刺身」です。ゲンゲは熱を通した方が高評価される魚なのですが、はじめて食べる方で、新鮮なものがある場合はまずお刺身を食べてみて下さい。

見た目はちょっとグロテスクではありますが、生臭さはなく、不思議な食感があり、嫌なクセもありません。ノロゲンゲもタナカゲンゲもお刺身で食べることが出来ます。販売しているお店にいくと、目の前ですぐに捌いてくれることも多く、その場でお刺身を食べられることもあります。

調理・料理レシピ②お寿司

お刺身と似た食べ方として、お寿司で食べることもあります。ご自宅でも酢飯を用意すればお寿司に出来ますので、ぜひ試してみて下さい。熱を通したものを乗せても構いません。

醬油が定番ではありますが、甘ダレを使って穴子のようにいただくのもおすすめです。熱を通すとフワフワした身になり、クセがなく食べやすい味となります。酢飯の用意は簡単に出来てしまいますので、刺身を堪能した後はお寿司も楽しんでみましょう。

調理・料理レシピ③唐揚げ

料理レシピ3つ目は「唐揚げ」です。こちらは定番料理として多くの地方で作られており、最もおすすめの食べ方です。下処理をしたものを、骨の処理をせずに揚げて食べられるのがポイント。

他の魚であれば時間がかかりますが、ゲンゲならすぐに唐揚げに出来ます。たんぱくな味をしていますので、クセも無く、大人も子供も楽しめる食べ方ですね。レモンやすだちをかけたり、お塩をつけていただくと美味しく食べられます。

ゲンゲの料理レシピ②熱調理

調理・料理レシピ④煮つけ


料理レシピ4つ目は「煮つけ」です。煮つけもよく行われている料理であり、ご飯が進む料理ですので夕食におすすめです。作り方は簡単で、下処理をしたものを、醬油・みりん・砂糖・お酒で煮詰めれば完成です。

煮つめすぎると食感が悪くなりますので、様子を見ながら煮つめて下さい。合わせてしょうがを入れるとさっぱりとして更に美味しくなります。唐揚げよりも手間がかからないおすすめの食べ方です。

調理・料理レシピ⑤天ぷら

料理レシピ5つ目は「天ぷら」です。こちらは唐揚げと並んで愛されている食べ方であり、料亭などに行くとよく天ぷらでゲンゲが出てきます。

天ぷらにすると高級感のある味わいになり、サクっとした感触と、ふわっとした中身を楽しめます。ご自宅で作る際は、180度くらいの油で、ちょっとキツネ色になるまで揚げましょう。唐揚げ同様、お塩でシンプルに食べるのがおすすめです。

調理・料理レシピ⑥ゲンゲ鍋

料理レシピ6つ目は「ゲンゲ鍋」です。ゲンゲは汁物にしてもとても美味しく、鍋に入れる食材としても優秀です。プルプルした食感をより楽しめる食べ方ですので、是非試してみて下さい。

身崩れしてしまうことがありますので、頭部を落とす時は垂直に落としましょう。下処理をささっと行い、鍋に入れるだけですので、手間がかからないのが嬉しいポイントです。煮込み過ぎると食感が悪くなりますので、良い頃合いでいただきましょう。

まとめ:ゲンゲとは?

今回の「謎の深海魚「ゲンゲ」とは?美味しいと噂の魚の正体と食べ方をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?特徴や深海性の生態、種類、味と旬、さばき方や食べ方などをご紹介させて頂きましたが、とても興味深い魚でしたよね!

食べ慣れていない方はちょっと避けてしまいがちな見た目をしていますが、実はとても美味しい魚であり、かつコラーゲンも豊富ですので、是非一度食べてみて下さい。狙って釣るのは難しいのですが、外道で釣れることがありますので、深海魚釣りをしてみましょう!

ゲンゲが気になる方はこちらもチェック!

今回はゲンゲについて解説させて頂きましたが、他にも深海魚に関する記事が沢山あります。気になる方は是非チェックしてみて下さい。