籾殻とは
米の皮で使い道はたくさんある
籾殻は米の一番外の皮にあたり、精米所過程で生成される糠と比べるとかなりの固さがあります。理由は稲が育つ過程で栄養として土から珪酸を他の植物より比較的多く吸収して非常に強度のある外皮を作り外敵から米を守る性質があります。
基本的は土壌改良素材としての使い道が多いですが、珪酸を吸収する性質を利用して籾殻から珪酸を抽出して断熱材や吸湿材などにも利用できないか工業分野でも期待されている物質です。
籾殻の栄養(成分)
籾殻はガーデニングや畑仕事で主に活用される素材ですが、肥料として植物の成長を助ける、促すような栄養はほぼ期待できません。前述したように珪酸が多く、珪酸はガラスなどの素材になり栄養素ではありません。
また籾殻は植物の皮なので栄養素より食物繊維が豊富で肥料に使われるN(窒素)、P(リン酸)、K(カリウム)はごく僅かに含まれているだけです。そのため主な使い道は肥料ではなく土壌改良などの素材になります。
籾殻の使い方1
土に混ぜる活用方法1
肥料としてではなく土壌改良材として土に混ぜる利用方法があります。籾殻の特徴の一つに微生物に分解されにくい、分解されるスピードが遅いという特徴があり土に混ぜてもなかなか栄養に変わりません。
そのため土壌改良の素材としては使いやすく土に混ぜるだけで通気性を改良することができます。通気性は植物にも、いい畑にするにも必要なことなのでどんどん籾殻を利用していきましょう。畑の土に通気性がないと根腐れを起こしやすくなります。
土に混ぜる活用方法2
籾殻は土に混ぜるだけで通気性だけではなく固い地面えおふかふかに改良する効果も期待することができます。土が固い畑だと植物が根をしっかりと張ることが難しく成長しにくいですが籾殻を土に混ぜるだけで根張りを良くすることができます。
あまり肥料としての栄養はありませんが土に混ぜるだけで土壌改良に利用することができるので、趣味などで畑仕事をしている方にはおすすめです。またすぐに分解されないので有毒なガスなども溜まりにくいです。
土に混ぜる時の注意点
微生物に分解されにくいですが土壌改良に定期的に利用する場合は3年に1回ほど様子を見つつ混ぜ込まないと分解されている恐れがあります。また水を弾くため混ぜすぎると保水力が低下するの恐れがあるので土壌改良材として畑での利用する場合は量に気をつけないといけません。混ぜる籾殻の量は2割程度が適量だと言われています。
籾殻の使い方2
地面に撒く活用方法1
有機肥料として分解されにくいので、土壌改良以外の使い道としては地面に直接巻いてマルチやわらの代わりに利用することができます。効果としては地面の表面を覆うので日光が届かなくなり雑草の防止、霜対策、覆うことによる適度な湿度を保ってくれます。
他には温度を保つ効果もあり夏は直射日光を抑えてくれるので暑さに弱い植物にも利用でき冬は籾殻中は空洞で幾重にも重なった籾殻でできる空気の層が保温してくれます。
地面に撒く活用方法2
全てではありませんが植物が病気になる理由の一つとして雨が地面に当たり跳ね返った飛沫が付着することで病気になる場合があります。籾殻で地面をマルチングしておくことで跳ね返りを抑えてくれるので病気の防止になります。
ビニールのマルチとの比較
ビニールのマルチと比較すると籾殻は便利で、例えばマルチをする時に上から撒くだけなので簡単ですし、畑が広くても軽いで疲れません。次に水を与える時はマルチだと穴以外は水を受け付けませんが、籾殻自体は水を弾きますが、隙間があるため水やりも簡単です。
さらに隙間があるため過度な水分は蒸発することができます。保温に関しては黒いビニールのように太陽光を集めるわけではないので、暖かくなりませんが使い道はたくさんあります。
籾殻の使い方3
肥料を作る活用方法
前述したように籾殻は主に土壌改良の素材として活用されてますが、プロの方は籾殻に鶏糞や米ぬかを追加して籾殻堆肥を作っています。鶏糞でや米ぬかで肥料としての栄養や炭素と窒素のバランスを補いつつ籾殻の通気性、土をふかふかにに改良する効果が得られます。
また多少分解が進んでいるので生のままの籾殻と比べると柔らかくなり色もこげ茶色に変化している特徴があります。しかし家庭で作るには保管スペースなどが必要になり少し大変です。
籾殻堆肥の作り方
材料は籾殻、鶏糞、米ぬかなどが必要になります。籾殻を敷き米ぬか、鶏糞を順番に敷いていき水をかけてから乾かないようにシートを被せて一週間ごとによく混ぜます。完成まで一年近くかかるので家庭菜園などで簡単に籾殻堆肥を使いたい場合は市販の籾殻堆肥がおすすめです。
籾殻の使い方4
くん炭にする活用方法
籾殻は生で使うよりくん炭にした使うここが多い素材でそのまま籾殻を使うより使い道はたくさんあります。もみ殻くん炭も市販されていますが自作することも可能です。作り方は火種として薪などで焚き火をします。
次に「よく乾燥した」籾殻をそのまま被せるだけでゆっくりと炭になっていくので数時間後に茶褐色のそのままの籾殻の部分と炭なった黒い部分をよく混ぜていきます。全体が炭なったら大量の水を使って消化してから乾かし完成です。
専用の器具を使うと簡単に作れる
籾殻くん炭を作る時は専用の燻炭器を使うと簡単に、大量に作ることができす。燻炭器は楽天などの通販サイトでも取り扱われていて価格も高くありません。燻炭器を使った籾殻くん炭の作り方も基本的には変わらず最終的に水を使って消火しよく乾かしてから使います。
籾殻くん炭の効果
基本的にくん炭になっても籾殻と同じような性質がるので土に混ぜて土壌改良をしたり、土の表面にまいてマルチングをすることができます。さらにくん炭になったことで土壌改良効果に通気性を改善するだけではなく酸性を中和する効果などが追加されます。
また一般的な木炭と同じように脱臭、消臭効果もあるので土の臭いなどを抑えてくれるようになり、マルチングした場合は太陽光を吸収して暖かくなりやすいので冬から春先に有効です。
もみ殻くん炭の使い方1
土に混ぜるだけで保水も可能に
生の籾殻を土に混ぜたときと同じように、もみ殻くん炭も土をふかふかに保ち通気性も確保してくれます。さらに炭になることでたくさんの微細な穴が籾殻にできるのでより通気性が良くなり、水を大量に吸い上げるように性質が変化しているので水持ちが格段とよくなるので夏場にあらかじめ土に混ぜておくとかなり有効です。
消臭できるので腐葉土との相性がいい
土作りをする時に腐葉土と堆肥を使って作った場合どうしても特有の臭いがするので脱臭効果があると言われている籾殻くん炭を一緒に土に混ぜることで不快な匂いを抑えてくれるので便利です。
ただし腐葉土も籾殻と同じような通気性の改善などの効果があるのでたくさんの籾殻くん炭を入れてしまうと水はけが良すぎる土になってしまうので多くても全体の量に対して1割~2割程度に留めておきましょう。
保水力が大きい
籾殻くん炭の保水力は比重に対して600倍以上と言われています。そのため大量に混ぜすぎると逆に通気性を悪くして根腐れの原因にもなるのでより注意が必要です。また炭になっても草木灰のように肥料になるわけではなく、珪酸が主な成分のままなので肥料として使うよりかは生の籾殻と同じように土壌改良メインに使うようにしましょう。
籾殻くん炭注意点
軽さや粘り(強さ)は改善されていないので土に混ぜすぎると植物が自らの根だけでは自重を支えきれなかったり、土がやわらかくなりすぎるのは相変わらずなので土作りの際には量に注意が必要です。
もみ殻くん炭の使い方2
Ph調節が可能に
籾殻をくん炭にすることで出来る当たらな使い道の一つに酸度調整があります。
籾殻くん炭はアルカリ性なので石灰のように植え付け前に土に混ぜることで土を中性にして植物が育ちやすい環境を整える事ができるので、土壌改良材としては土をふかふかにて、通気性をかなりよくして、酸度を下げ、水を保つという一つでこれだけの効果が期待できます。石灰同様に土作りは植え付け前に行うことをおすすめします。
酸を中和するので注意
アルカリ性なので酸性を好む植物を植える時は逆に植物にとって悪影響を及ぼすので使用には注意が必要になります。
代表的なアルカリ性を嫌う植物としてはサツキやお茶などは酸性を好み特に一般家庭でも人気のあるブルーベリーは水はけの良い土地を好み乾燥に弱い性質なので籾殻くん炭に合いますがブルーベリーはほぼ全てが「酸性」を好むので注意しましょう。一部中性ぐらいまででも栽培できる品種がありますがブルーベリーにはおすすめしません。
もみ殻くん炭の使い方3
マルチングで保温
普通の籾殻と比べると前述したように炭になることで太陽光をよく吸収するようになるので黒のマルチと同じような働きがあります。発芽までの温度をより効率よく高め炭にする前の籾殻と同じように水跳ねや雑草の発生をおさえる効果もあります。マルチングした場合も炭になったことで無数の微細な穴ができているので通気性いいので蒸れません。
害虫の予防
これも炭になった籾殻特有の使い道で。炭の匂いがほとんどの植物の害虫として知られているアブラムシ類の予防になると言われています。使い方はマルチングをするように植物の根元などに蒔いておくだけで効果ありますが、軽いので風が吹くとすぐに飛び散ってしまう性質があるので水やりを欠かさないようにしないと意味があまりありません。
籾殻は肥料に適さない理由
栄養素が少ない
植物を育てる三大要素(N、P、K)がほとんど含まれていないこと、分解が非常におそいこと、水を弾く性質があるためです。天然由来の肥料として使うのであれば、他の素材を使用しましょう。米ぬかと同じように籾殻は土壌改良のためにつかうのが一般的です。
有機肥料(籾殻)が肥料になるまでの工程
有機肥料が植物の栄養として吸収されるプロセスはまず有機肥料(この場合は籾殻)が一旦微生物の働きで分解されます。分解された後で初めて有機肥料が植物の栄養となるわけです。
そのため有機肥料自体の分解速度が遅いと肥料としての効果が植物に表れるまで時間(1年~)かかるので仮に栄養満点だったとしても籾殻は肥料に向きません。市販されている有機肥料はすでに発酵しているものもあります。
籾殻の使い方のまとめ
活用方法は土壌改良
一番籾殻を使う理由としては土壌改良になります。くん炭にした場合はさらにいろいろな効果を合わせ持つので生のまま使用するより炭にしてから畑に蒔いたり土に混ぜ込んで使うようにしましょう。籾殻を使って堆肥を自作する場合は数年の保管スペースなどが必要になるので個人で肥料を作るのは大変です。
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