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米ぬかを肥料にするには?その作り方から効果、使い方まで徹底解説!

米ぬかには、土壌を家庭菜園や家畜の肥料になるように、改良することができるのをご存知でしたか。米ぬかで土壌を肥料にするにはどのように行うのでしょう。米ぬかの使い方から肥料にするまでの作り方、効果や土壌の成分までをご紹介していきます。
更新: 2021年3月6日
高下
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米ぬかを簡単に肥料にするにはさまざま方法がある

わたしたち日本人にとって、米ぬかは身近な存在です。きゅうりなどの野菜のぬか漬けなど、その養分で簡単に美味しく野菜たちを作り変えてきてくれました。

化成肥料と同等の効果をもつ米ぬかは、どんななのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。土壌の成分を改良してくれる、化成肥料の代替品に大活躍の米ぬかについて見てみましょう。米ぬかの新しい魅力を見いだせるきっかけに役立ててください。

米ぬかを肥料にするには

米ぬかのもとは玄米

米ぬかは、玄米を精米した際に出てくる、外皮、胚の粉の部分をいいます。米や小麦、とうもろこしといった作物は、世界中もっとも重要視されている作物です。お米は年間を通じておよそ7億トンほど収穫がされています。

そして、お米を精米した際、でる残りカスの米ぬかといえば、毎年およそ5000万トンです。米ぬかは、じつにさまざまな効果が存在しており、残りかすとはいえ肥料にするともってこいなのです。

米ぬかで一番の使い方は

米ぬかの一番の使い方、それは米ぬか油の製造でしょう。米ぬか油の量は、毎年生成される米ぬかの37.5%くらいを占めます。その他で米ぬかの使い方は、ぬか漬け、ぬか床といった用途です。

米ぬかを素材のまま、直接食す方はあまりいないでしょうが、米ぬかにはとても健康にいい成分がたくさん含まれます。味にこだわらない方であれば、ご飯のお供に食べてみるのもよいかもしれません。

米ぬかの肥料成分について

残りカスなのに栄養満点

米ぬかは、化成肥料の代替品になるとともに、化成肥料と同等に窒素とリン酸といった成分がとてもバランスよく配合されます。肥料として使用するにあたって、十分すぎるのではというくらい栄養価が高いのです。

また、その他、ビタミンEとミネラル、食物繊維、そしてポリフェノールといった土のなかの微生物を活性化させる栄養素もたくさん含まれます。

米ぬかは万能機能肥料だけど

米ぬかは、肥料用として店頭に並んでいる以外は、化成肥料と同等の効果はあまり期待できないです。店頭で売られていないものは、生の米ぬかです。生の米ぬかを直に、土に混ぜると肥料どころか、とても大変な事態を招いてしまいます。米ぬかを肥料の代わりとして使用するならば、購入したものを必ず混ぜるようにしたほうがよいです。

米ぬかの種類について

生の米ぬかとは


無料の米ぬかをいいます。地方によく設置している、コイン精米所などでも入手ができます。生の米ぬかの使い方は、堆肥やぼかし肥を作る際の、発酵促進剤の役割が非常に多いです。

土に素材のままの状態を、混ぜるような使い方はあまりしない方がよいです。生の米ぬかは撥水性がありますので水をよくはじきます。そして水分を吸って団粒化し、土を硬化させたり、雑菌や虫が大繁殖する要因になります。

脱脂米ぬかとは

脱脂米ぬかといえば、生の米ぬかの油分だけを搾り取ったものをいいます。おもな使い方は肥料の代替品です。また、分解が緩やかな特徴がありますので、播種の2~3週間前くらいに土に混ぜると、土質の改良効果を発揮できるでしょう。生の米ぬかというものは肥料には便利といえるものの、脱脂米ぬかでの使い方も有益です。

米ぬかを土壌に混ぜる①

生の米ぬかを混ぜることの危険性

生の米ぬかを、肥料に使うのはやめましょう。生の米ぬかを、直に混ぜると、米ぬかに含まれる糖質や脂質といった成分に、土のなかの微生物たちが引き寄せられてきます。そして一気に分解が促進されてしまうでしょう。

微生物の活動で有機質の分解がはじまると、土の窒素を大量に消費してしまいます。土壌中が窒素欠乏になってしまい、作物に十分に窒素が渡されず、作物の栄養障害を引き起こしてしまうからです。

米ぬかが水分に触れることの危険性

米ぬかを水と混ぜると、発酵がすばやく進みます。肥料にするには台無しになってしまうでしょう。

発酵は、熱・ガスといった成分を発生させますが、作物にとっては最悪で、根腐れ、酸素欠乏を引き起こしてしまい、たいへん危険です。この事態を避けるには、別の場所に移し、米ぬかと土を混ぜる、長い時間じっくりと発酵させるなどし、蒔く使い方が正しいでしょう。

気温が高い日に米ぬかをまぜることの危険性

夏の高温多湿な季節にこの発酵は控えたほうがよいです。カビなどが手伝って、急激に発酵が進んでしまい、その結果、コバエ・ナメクジ・ゴキブリなど害虫が好き勝手にやってきては卵を植え付けるなどの被害を招いてしまいます。発酵を行うならば、こういった虫がいなくなる、寒い冬の季節を選んだほうがよいでしょう。

米ぬかを土壌に混ぜる②

栄養豊富な肥料の作り方・よい点

米ぬかを肥料とするには、さまざまな利点があるのですが、もっとも需要な点は、肥料にすることが目的ではなく、土壌を改良するうえでの効果が非常に高いといったところにあります。もともといる土壌のなかの微生物を利用して活性化をうながし、作物に栄養を行き渡らせることができるという、正しい土の作り方ができるでしょう。

栄養豊富な肥料の作り方・わるい点


質のよい土の作り方で非常に重宝する米ぬかですが、生の米ぬかを、直に扱うのがむずかしいところが弱みです。肥料にするには、発酵をさせる手間をどうしてもさけられないでしょう。

正しい知識がない上で簡単に考えて発酵を行うことは、作物はもとより人にも被害を与えかねないうえ、こういった発酵の作り方ですのですぐに効果が実感できないなどの問題を抱えます。

ぼかし肥料について

ぼかし肥料は微生物を発酵させたもの

ぼかし肥料は、米ぬか・油かす・油粕・骨粉・魚粉といった有機質肥料を微生物をつかって発酵させた肥料のことをいいます。これを有機質肥料の原形と混ぜるとできあがる肥料です。混ぜぼかすことで配分を薄めます。

より自然に近いかたちで改良するところが魅力といえるでしょう。しかし化成肥料に比べるとすぐに効果が実感できない、時間がかかってしまうなどの問題もあります。

米ぬかぼかし肥料の発酵

米ぬかぼかし肥料の作り方・好気性発酵

切り返しと呼ばれる作業が必要になります。完成するまでの期間が短期間で済みます。だいたい2週間〜1ヶ月程度で発酵が完成するでしょう。何度も空気を入れる作業を繰り返し行うので、切り返しといいます。

技術面も問われてくる発酵手法で、簡単ではありません。好気性発酵は手間がかかりますが、他の方法で発酵させたのと比べて、肥料にした際、効果の差はほとんど実感できないといえます。

米ぬかぼかし肥料の作り方・嫌気性発酵

密閉をしますので、切り返しの作業を省略できる方法がこちらです。切り返しを行わなくて済むので、簡単な発酵手法といえます。多少技術も必要になってくるとはいえ、発酵初心者向きと言えるかもしれないです。

しかも、実際に使えるようになるまでには、完成までにおよそ2〜3ヶ月という長期間を覚悟しなければならないでしょう。効果は、好気性発酵と同等くらいです。

嫌気性発酵の材料

作るための基本的な材料です。「米ぬか…3」 、「油かす…1」、 「牡蠣殻石灰…1」 「発酵促進剤…少々」、 「水…投入材料の1/10」をそろえてください。作り方は、すべての材料を比率ごとに混ぜ合わせましょう。

もう1つのポイントがあって、発酵促進剤をつかうタイミングは米ぬかと水を混ぜる時で発酵する工程が遅いとき。発酵促進剤の効果によってスピードを早めることができます。

嫌気性発酵の作り方

①必要分量の材料を容器に移し、水を掛け、しっかりと混ぜ合わせる
②米ぬかを握った際、パラパラになるくらいの硬さになったら発酵促進剤を混ぜ合わせる

③混ぜ合わせた肥料を袋とナイロン袋を使用して、きちんと密封
(発酵途中で酸素が入ってしまうと、水・二酸化炭素に分解されうまくいかなくなる)
④完全に密封後、雨、直射日光を避けて保管
⑤暖かい季節…1ヶ月、寒い季節…2〜3ヶ月ほどで発酵完了

米ぬか肥料の効果

米ぬかを改良した肥料

米ぬかを使用するのは、簡単にはいかないけれど、じっくりと時間をかけ、効果を発揮するリン酸肥料となってくれます。お米屋さん、無人精米機所などで、無料で入手できる米ぬかは「生の米ぬか」です。

一般的に製品として店頭に並べられている商品は、「脱脂米ぬか」になります。どちらも同じ米ぬかなのですが、それぞれに違いもありますので手に入れる際には気をつけてみましょう。


米ぬかを改良した脱脂米ぬか

米ぬかより米油を搾ったあとの残りカスが、脱脂米ぬかです。店頭に並んでいるものに粉末や顆粒にしたものなど、使い方を向上した商品があります。なま米ぬかですが、発酵あとのペレット状肥料とした商品も店頭に並んでいて、便利になりました。リン酸の含有量、窒素とカリウムなど多く配合しています。

米ぬかの栄養含有量

もとは種皮、胚芽からなる米ぬかは、糖分、タンパク質など豊富に含んでおり、土のなかの微生物たちの活動を活発に促進させる効能が期待できます。

気をつけたい事は、米ぬかは栄養素は豊富ですが、保存方法が簡単ではなく、間違ってしまうとすぐに虫が湧いてきて大変な事態を引き起こしてしまう事態です。肥料の役目を果たす分は支障ありません。

みかんの皮と米ぬか肥料について

みかんの皮について

米ぬかを、肥料にするには、大変な工程をこなさなければできず、初心者では簡単にできません。一方で、化成効能の代替品にみかんの皮を使うには、あまり難しい手順はいらないことでしょう。

米ぬかにチャレンジしようと頑張って挫折してしまった方、以前米ぬかの化成肥料を自作して痛い目にあった方などは、みかんの皮でも必要な効能を作ってしまうことはできます。試してみてはいかがですか。

みかんの皮の肥料・作り方

①皮には油分が含まれているため、できるだけ水分を飛ばし乾燥させる
②ハサミで細かく切ったみかんの皮を、植物などを植えている土壌に混ぜる

以上のようにみかんの皮肥料の出来上がりです。これの応用編として、みかんの皮を、生のままの状態で細かく刻み、米ぬかと混ぜて発酵させれば、みかんの皮と米ぬかを組み合わせた、ぼかし肥料をつくることができます。みかんの皮も米ぬかと同じように、無料で手に入れることができる資材ですので、気ままにぜひチャレンジしてみてください。

米ぬか肥料の魅力

米ぬかの魅力は、なんといっても無料で手に入りやすい資材であるとともに、化成肥料の代替品として土壌の微生物の活性化を促進させる効果にあるといえるでしょう。

肥料にするには心もとないけれど、土壌の成分を大きく改良できる効果に期待がかかります。ただ作り方には多少技術面が問われてくるところがありますので、残念な結果にならないためにも正しい知識を身につけ、自分にあった発酵のやり方で挑戦したいものです。