コハダとは?
コハダとは、ニシン目ニシン科コノシロ属に分類される魚です。お寿司によく使われている魚というイメージが強いですよね。光りもの代表的な扱われ方をすることもあり、江戸時代、19世紀頃からずっと愛されてきた寿司ネタです。
全国的に好まれている訳ではなく、あまり好まれない地域もある魚ですが、食べ方はお寿司以外にもいろいろあり、調理方法によっては美味しくいただけるかもしれません。今回はそんなコハダの生態や旬、美味しい食べ方などを解説していきます!
コハダの特徴
コハダとは?
コハダという名称ばかり聞いている方が多いかもしれませんが、実は出世魚であり、コハダという名称はその途中の名前です。元々はコノシロという魚であり、5㎝くらいの頃は「シンコ」、10㎝くらいの頃に「コハダ」、15㎝までが「ナカズミ」、それ以上になると「コノシロ」と呼ばれます。
最終的に30㎝くらいにまで育つので、実は結構大きな魚なのです。見た目は銀色で美しく、背びれの後ろはじが伸びているのが特徴ですね。
コハダの名前の由来
元々の名前であるコノシロは「鰶」、もしくは「子代」と書きます。「魚」に「祭」がついた由来は、祭りで使われていたという理由があるそうですね。今でもお祭りでコノシロのお寿司を作る地域があります。
もう一つの「子代」は、昔、事情があって娘が死んだことにしなければいけない状態になったときに、コノシロを棺桶に入れて焼いた、つまり「子の代」にしたというのも由来と言われています。
人間を焼いた時の匂いに似ていると言われていますね。
コハダの地方名
地方名がいろいろとありますが、よく言われているのが「ツナシ」です。特に関西地方でよく呼ばれている別名で、昔から「ツナシ」という名称は使われてきました。佐賀ではハビロと呼ばれたり、高知ではジャコと呼ばれることもあります。
他にも面白い別名が沢山あり、アシチン、ヨナ、マベナ、ベットウ、ニブゴリン、サッコなどがあります。
よく言われているのがツナシですので、別名を覚えるのであればツナシだけ覚えておくと良いでしょう。
コハダの豆知識
現代では多くの方が美味しく食べている魚ですが、実は江戸時代の武士は食べてはいけないとされている魚でした。
コノシロという名称が「この城」と捉えられており、コノシロを食べるということは「この城」を食べるということ、つまり武士としてはやっていけないことと考えられたのです。
また、武士が切腹前に食べる魚でもあったため、「腹切り魚」とも呼ばれていたそうですね。徳川将軍も武士と同じく食べていなかったそうです。
コハダの生態
コハダの生息分布
大規模に場所を変えることはあまり無く、生まれた生息域をあまり離れない魚です。主に内湾に生息しており、汽水域でも見かけます。群れて生きている魚ですので、汽水域で沢山群れているのを見かけることもありますよね。
時期によって少し生息場所を変える魚でもあり、暖かい時期は塩分濃度の低い場所に、冬になると深い場所に移動して冬を越しています。日本だけではなく、朝鮮半島付近、中国付近、台湾付近にもいます。
コハダの産卵期と成長
産卵期は生息場所によって多少のズレがあるのですが、大体春頃から初夏までとなっています。産卵する卵は約1.5㎜ほどで、浮遊する卵を産みます。2~3日で孵化し、プランクトンを食べて成長していきます。
大きくなると、小さな甲殻類も食べます。寿命は約3年ほどとされていますね。
3年で30㎝くらいまで成長しますので、中々成長の早い魚です。基本的にはプランクトン食生で、水ごと吸い込み、濾しとって食べています。
コハダの味と旬
コハダの味は?
気になるのは味ですよね!白身魚であり、うま味の強い味をしています。美味しい魚ではあるのですが、小骨が多いのが悩ましいところであり、処理する技術が大切です。
酢につけて寿司ネタにするのが定番なのですが、この酢をつける具合が職人によって異なり、また時期によっても変化してきますので、職人の技量が問われます。
大きくなってコノシロサイズになると、より小骨が気になる状態になるのですが、うま味としては大きくなった方が強いと言う方もいます。
コハダの旬は?
旬の時期は夏頃と、秋の終わりから冬の寒い季節です。サイズによって旬が異なっており、夏に旬となるのはシンコやコハダサイズ、冬に旬となるのはコノシロサイズです。
旬はこうして定められてはいますが、年中美味しくいただける魚ですので、あまり旬は気にされていません。
ただし、冬になると少し脂が乗りますので、より美味しく食べたい方は冬のものを食べてみると良いでしょう。
コハダの栄養と効果は?
気になる栄養は、良質なタンパク質に加え、ビタミンB、ビタミンD、ミネラル、カルシウムが豊富です。光ものは栄養が多いとされており、積極的に食べたい魚と言えますね。
カルシウムが摂れるのは、小骨ごと食べてしまうからです。ビタミンDはカルシウムを吸収するのに役立ちますので、相乗効果が期待出来ます。ミネラル分が多いのも特徴で、貧血にも良いとされていますね。
大量に食べる魚ではありませんので、他の食物とバランスを取りながら栄養をとりましょう。
コハダの釣り方①
コハダ釣りの時期と場所
今日は会社のやつと人工に行って来ました、物凄い数のコハダがわいてて、それをしたからシーバスが狙ってました、そのシーバスを自分が狙ったんですけど、シーバスにたどり着く前にコハダが引っ掛かって釣りにならなかったです、ほなね:wavy_dash::wave: pic.twitter.com/Fwp59E7uFr
— はーちゃん原 (@PLBaLAK6z5A3V3A) September 17, 2018
釣りの時期は夏から冬までがベストシーズンとされていますが、基本的に1年中釣れる魚ですので、あまり気にしなくても問題ありません。
ただ、時期によって釣れるサイズが異なり、夏時期はコハダが、寒くなるにつれコノシロがよく釣れるようになります。コハダを釣りたい方は夏に狙ってみましょう。
内湾に生息していますので、防波堤などから狙うことが出来ます。日中に活発に動いていますので、日中に足場の良いところから狙いましょう。
コハダ釣りの方法
投げサビキしてたら25cmくらいのコハダ釣れた pic.twitter.com/FQMZSC0uCp
— トト (@toto_kuuki) September 3, 2018
釣りの方法はウキ釣りかサビキ釣りが一般的ですが、より釣りやすいのがサビキ釣りです。サビキとは、糸に針を沢山つけて、アミカゴをつけて釣る方法のことです。
アミカゴの中にアミエビを入れ、そのアミエビでコハダを引き寄せて釣ります。とても簡単な釣り方ですので、初心者にもおすすめですね。
大物を狙う釣り方ではありませんので、コノシロを狙う時はウキ釣りやルアー釣りの方が良いかもしれませんが、コハダであればサビキがおすすめです。
コハダの釣り方②
コハダ釣りのタックル・仕掛け
サビキで釣る場合は、磯竿の3号程度のもの、スピニングリールは小型のものを使い、ラインは3号を使用します。サビキ仕掛けとアミエビを用意しましょう。
磯竿と小型のスピニングリールは安く販売されていることが多く、初心者用の数千円のセットがよく見かけられますので、これからはじめる方も安心です。
慣れてきて続けられそうであれば、有名メーカーのしっかりしたものを購入してみましょう。価格が上がるほど長く使えるものになります。
コハダ釣りのコツ
サビキ釣りは非常にシンプルな釣り方で、アミエビを餌にして近くに寄せ、上手くアミエビの中にサビキを紛れこませれば沢山釣れます。群れが寄ってくればどんどん釣れますので、釣りの楽しみを簡単に味わうことが出来るのが良いですね。
まず、近所の釣り具店などでよく釣れる場所をリサーチしつつ探し、見つかったら仕掛けを入れましょう。
アミエビが散らばるように竿を揺すり、寄ってきたら上手くかかるように誘導します。群れがいなければ釣れませんので、よく探してみましょう!
コハダの食べ方・さばき方
コハダの食べ方・さばき方動画
こちらの動画では、コハダより大きなコノシロのさばき方を解説しています。まずは包丁を使って鱗を落としましょう。頭を切り落とし、お腹を開いて内蔵を出します。
血合いも綺麗になるよう水洗いをして、一旦水気を拭き取り水気を拭き取ります。骨に沿って身をはがしていき、腹骨をすきます。これで下処理は完了です。小さな魚ですので、すぐに作業が終わるのが良いですね。
美味しいコハダの選び方
美味しいコハダの選び方も知っておきましょう!選ぶときによく見るべきポイントは、お腹です。新鮮な個体はお腹が輝いていますので、銀色に光っているかどうかをチェックして下さい。
また、目が充血していないものも美味しいとされています。
触った時に弾力があるものは鮮度が高い証です。お店に並ぶものはサイズが似ていることが多いのですが、サイズが小さいとさばき方が難しくなり、大きくなるほど小骨が気になりますので、丁度良いサイズを選びます。
コハダの調理・料理レシピ①生食
調理・料理レシピ①刺身
初こはだ刺身…(*ΦωΦ*)
— ももぞう (@momozou941) January 8, 2017
寒いので秋田の銘酒「高清水」をお燗で…(*ΦωΦ*)
美味しいなあ…(*ΦωΦ*)#呑み処さいとう #こはだ #コハダ #高清水 #燗酒 #お燗 #大衆割烹 #居酒屋 #三鷹 pic.twitter.com/t3Rfud9VpL
調理・料理レシピ1個目は、お刺身です。寿司ネタにするイメージの強いコハダですが、お刺身でも美味しくいただけます。お刺身にする時は、三枚おろしにしてから切っていきましょう。
何も処理をしていないお刺身は少し生臭さがありますので、お酢と水、日本酒を混ぜた液に一瞬くぐらせると、生臭さの無いお刺身になります。小骨がありますので、お刺身にする時は骨切をしてから食べましょう。
調理・料理レシピ②酢じめ
@omajosasa @Walnut_ferret こはだの酢じめもオススメ pic.twitter.com/nRUZ0Iv0HK
— ももも (@no_momo) July 16, 2015
調理・料理レシピ2個目は酢じめです。お刺身よりうま味が強くなり、非常に評価されている食べ方です。三枚おろしにした身に塩をふり、お酢に数分漬けこんでからいただきましょう。
酢じめと聞くと酢だけ使用するイメージが湧きますが、塩も大切で、酢と塩加減により味わいが変わります。どれくらいの時間、お酢に漬けるかは、季節や脂の乗り具合でも変わってきます。是非いろいろと試してみて下さいね。
コハダの調理・料理レシピ②熱調理
調理・料理レシピ③煮付け
5月23日 夕食です(コノシロの煮つけ、厚揚げ焼き、小松菜と人参の辛し和え)おかゆ他・・・
— しばシマイ(吉野真由美) (@shibashimai) May 23, 2015
またも、両親のご飯持って行ったあと、写真撮ってないことに気づき、
今日は、妹のご飯を撮りました。妹はおかゆではありません。ご飯です。 pic.twitter.com/QDtid2uihk
調理・料理レシピ3個目は煮付けです。生食のイメージが強い魚ですが、煮付けでも美味しくいただけますので試してみて下さい。大きいサイズのものの方が煮付け甲斐がありますが、小さなサイズでも作ることが出来ます。
水洗いまでしたものを、包丁を1㎜程度入れて骨切をします。その後、醬油・酒・砂糖・みりんなどで煮つけましょう。
しょうがを効かせると更に美味しくなります。また、卵巣も煮付けると美味しくいただけますので試してみて下さいね。
調理・料理レシピ④塩焼き
これな〜んだ???
— ゆうすい美帆@大人女子のおしゃれ応援団 (@yuusuimiho) April 26, 2018
メザシのような、鮒のような
お寿司や酢締めはよく食べますよね
そう、答えはコハダ〜♫
コハダの塩焼きお初でした
頭から骨まで丸ごと食べれました♡#居酒屋さとう #実家ご飯 pic.twitter.com/FAONmII8xZ
調理・料理レシピ4個目は塩焼きです。こちらも煮付け同様、水洗いまでしたものに1㎜ほどの深さで骨切をします。塩を振って1時間ほど待ってから焼きましょう。身離れの良い魚で、美味しくいただけます。
大きな個体ほど小骨が気になりますので、小さいサイズのものがおすすめです。
かつて、焼くと死人を焼いた香りがすると嫌われていたこともありますが、感じ方は人それぞれですので、試してみて下さいね。
まとめ:コハダとは?
今回の「コハダとは?お寿司でも有名な魚の生態や美味しい食べ方・さばき方をご紹介!」はいかがでしたでしょうか?
特徴や生態から、釣り方、さばき方、美味しい食べ方などをご紹介させて頂きましたが、今すぐ食べたくなりますよね!
釣りやすい魚ですので、是非サビキ釣りにチャレンジしてみましょう!一年中釣れる魚であり、サビキ釣りセットも安価で揃えられますので、釣り初心者にもおすすめです!
コハダが気になる方はこちらもチェック!
今回はコハダについて解説させて頂きましたが、他にも魚・釣りに関する記事が沢山あります。気になる方は是非チェックしてみて下さい。
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