クリスマスツリーの発祥
誰もが心待ちにする冬のイベント、クリスマスを象徴するクリスマス・ツリー。シーズンになると、どこの企業やお店でも店頭にクリスマスツリーを出して飾ります。季節を表す装飾となり、日本のクリスマスでもすっかり定番となったクリスマスツリーですが、いつ、どこで生まれたのでしょうか。
キリスト教との関係は?
「クリスマス」という言葉の中には「キリスト」というワードも含まれていますが、キリスト教とクリスマスは何か関係があるのでしょうか。
クリスマスツリーはキリストとはおよそ無関係である。原型は北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭で使われていた樫の木である。冬でも葉を枯らさずにいる樫は生命の象徴とされていた。このドイツの民をキリスト教に改宗させる試みがなされたが、樹木信仰が根強かったので、樫を樅(モミ)に変えることでキリスト教化した。樅の木は横から見ると三角形で「三位一体」を表していると教えた。
太陽復活の祝い
北半球では、冬至がちょうどクリスマス前にあたります。冬至を過ぎると日照時間は日に日に長くなり、やがて春の到来です。つまりキリストの誕生日は、冬至を過ぎて力を取り戻した太陽の光を祝い、春の到来を喜ぶ日でもありました。
クリスマスツリーを飾る理由
クリスマスツリーを飾る理由については諸説あります。「キリスト教を布教するため、三位一体を表す三角形のモミの木を飾った」という説が有名です。日本にクリスマスが定着した理由については、宗教的な意味よりも、どちらかといえばクリスマスマーケティングの要素が強いでしょう。
クリスマスツリー:飾りの歴史
昔は、どのようなオーナメントがクリスマスツリーに飾られていたのか、気になりませんか?今と同じなのか、それともデザインに進化が見られるのか、アンティークオーナメントにその面影を探してみましょう。
昔はどんなクリスマス飾りをつけていたの?
外国のアンティーク・クリスマスオーナメントは吹きガラス製が多く、ロシアではスノーマンや動物、野菜や果物の形をしたものが見受けられます。イギリスではくるみ割り人形や兵隊、ポーランドではサンタやスノーマン、チェコでは花の妖精や猫などの飾りがあり、今でも十分綺麗です。ドイツでは小鳥のほか、木製の天使飾りなどがあります。
クリスマスツリー:木の種類
最近では白く塗った枝をガラス瓶に挿しただけのものをクリスマスツリーに見立てたり、スペースの問題でクリスマスツリーのタペストリーをデコレーションしたりします。が、やはりクリスマスツリーは本物の樹木、あるいはそれに準ずるものを使うのが伝統的です。
イミテーショングリーン
本物の木のクリスマスツリーに重いオーナメントをつけると、枝がたわんだり折れたりすることがありますが、イミテーション・ツリーは丈夫な針金が通っていてバランスが良いため、たくさんのクリスマスオーナメントを飾って豪華なデコレーションを楽しむことができます。
モミの木
中世の時代、アダムとイブのリンゴの逸話を劇で上演する際、リンゴの木は冬には葉が落ちてしまうことから、常緑樹であるモミの木に変わった、という説があります。
ネットショップなどで販売されているモミの木のクリスマスツリーはフェイクであることも多いので、よく確認してから購入しましょう。
ドイツトウヒ
何の飾りもなくても、木だけでも十分に美しいのがドイツトウヒのクリスマスツリーです。葉にふっくらとしたボリュームがあり、バランスの良いものを選びましょう。
ゴールドクレスト
クリスマスシーズンになると、玄関先にクリスマスツリーとして飾っている方をよく見かけます。ボール飾りだけで十分絵になる、育てやすい木です。
クリスマスツリー:オーナメントの種類
クリスマス・オーナメントの種類は数えきれないほどあり、クリスマスツリーに統一感を持たせるのに欠かせない飾りです。ここでは、伝統的な飾りをご紹介していきます。
ツリートップ
ツリートップはその名の通り、クリスマスツリーのてっぺんに飾る星の飾りのことです。この星は、「ベツレヘムの星」を表しています。
ベツレヘムの星、またはクリスマスの星は、東方の三博士(別名「東方の三賢者」「東方の三賢王」)にイエス・キリストの誕生を知らせ、ベツレヘムに導いた、キリスト教徒にとって宗教的な星である。
リンゴ飾り
リンゴ飾りは、アダムとイブが初めて食べた、知恵の木の禁断の実を表しています。
玉(ボール)飾り
もともとはリンゴ飾りでしたが、現代では光沢のある綺麗なメッキボールやガラス製のボールがクリスマスオーナメントの定番です。大小さまざまな大きさがあり、ラメが吹き付けられてキラキラしたものや絵が描かれたもの、毛糸玉やミラーボールなど、種類も豊富にあります。
サンタクロース飾り
クリスマスのサンタクロース飾りは、お子さんのいるご家庭におすすめです。
キャンディケイン飾り
硬い杖(ステッキ)の形のキャンディのことである。赤白の縞になったペパーミント味もしくはシナモン味のものが伝統的だが、味や色、厚みを変えたものも作られている。キャンディケインは北米ではクリスマス前後によく見かけ、ジンジャークッキーマンとともにクリスマスツリーの飾り付けにも用いられるが、それ以外の期間も1年通して目にすることができる。
杖の形は逆さまにするとイエス(Jesus)の頭文字“J”になっています。
モール飾り
ハロウィーンが終わると、クリスマスカラーのモールが売られるようになります。クリスマスツリーのテーマカラーを決めてから、購入しましょう。
ガーランド飾り
リボンに飾りがついたものや、ヒイラギのついたものなど、種類はさまざまです。クリスマスツリーのテーマから外れないように、統一性を持たせて選びましょう。
リボン飾り
リボンの形をしたオーナメントもありますし、クリスマス模様のリボンをツリーに巻き付ける飾り方もあります。バランスを見ながら、全体にふんわりと巻くのがコツです。
ベル飾り
サンタクロースが乗るソリにつけられたベルは、サンタの到来を告げるアイテム。その輝きは、クリスマスツリーに華やぎをもたらします。ベルの済んだ音は、イエス・キリストの誕生を告げる音でもあります。
お菓子飾り
クリスマス・オーナメントのお菓子といえば、ジンジャークッキーが有名です。その他にも、さまざまなお菓子がデコレーションされます。お菓子の成分は、小麦、スパイス、木の実などで、実りの少ない冬の間、これらは人間にとって大切な栄養の源でした。
クリスマスにアイシング・クッキーを手作りされる方が増えています。一枚で絵になるほど繊細で綺麗。お友だちへのクリスマス・プレゼントにもピッタリです。
ロウソク、電飾飾り
ドイツでは、本物のロウソクに火を灯してクリスマスツリーに飾っていましたが、火事の危険があることから、ロウソクの形をした電球が生まれました。日本では、5色~7色に色が変わるLEDライトが多く流通しています。
綿(わた)飾り
雪を表す綿(わた)飾りは、子どもたちが喜ぶデコレーションアイテムです。綺麗な雪が降り積もった様子は冬らしく、クリスマスムードを盛り上げてくれますが最近では流行おくれの兆しが。粉雪が降り積もったイメージで作られた、「スノーツリー」の方が人気です。
クリスマスツリー:海外と日本の違い
2000年以降、ヨーロッパではクリスマスツリーを逆さまにレイアウトすることが流行し、デパートなどで見られるようになりました。2017年、東京でも逆さツリーを使ったデコレーションが登場、世間を騒がせています。
ここでは、各国の伝統的な飾り方について、見て行きましょう。
ドイツのクリスマスツリー
1419年にドイツのフライブルクで、パン職人の信心会が聖霊救貧院にツリーを飾った。この記録が、クリスマスツリーをクリスマスに飾る行為の最初とされている。1600年代には、ドイツ各地で記録が残されている。ベルリンには1800年頃にツリーが伝わっている。
ドイツでは、街角やガーデンセンターで買ってきた本物の木を24日に飾りつけ、翌年の1月6日まで鑑賞します。電飾の代わりに本物のロウソクに火を灯して使うため、水入りのバケツをクリスマスツリーの近くに置いて、防火に備えるそうです。
アメリカのクリスマスツリー
アメリカ合衆国で最初のツリーは、ドイツ移民によって1746年に飾られた。アメリカで導入された当時は、アメリカ建国当初からいたイギリス系清教徒のアメリカ人から、「クリスマスツリーは異教の文化だ」と断じられて、反発されたこともあった。
日本よりもリビングルームの天井高が高いため、背の高い大きなクリスマスツリーを飾ります。デコレーションの仕方はこんな感じです。
①LED電球を奥と手前、立体的に配置する
②基本のオーナメントを木の奥に飾る
③特別綺麗なオーナメントを枝の先端や見えやすいところに飾る
④モールやガーランドはドレープを作るように飾る
⑤最後にツリートップの星を飾る
カナダのクリスマスツリー
カナダでは、クリスマスツリー用の木を栽培して育てている「ツリー・ファーム」という場所があり、そこでバランスの良い1本を探し、気に入った木を自分で切り倒して購入し、持ち帰ります。飾り方の手順は①電飾②リボン(らせん状に巻くのがカナダ流)③オーナメント、です。
イギリスのクリスマスツリー
イギリスへは1840年、ヴィクトリア女王を通じて伝わった。夫のアルバートがドイツ出身であったため、彼のためにクリスマス・ツリーに飾って見せたところから。1860年代に一般にも広まるようになった。
イギリスでもイミテーションのツリーはありますが、本物の木のクリスマスツリーの方が人気です。デパートでは、数多くのオーナメントが色別に販売され、中にはイギリスらしい王冠のオーナメントや、ユニオンジャックのボール飾りなどもあります。
北欧のクリスマスツリー
北欧では、クリスマスの4週間前から、アドベントと呼ばれるクリスマスのための準備期間が始まります。定番のツリートップ(星飾り)は、北欧では飾らないケースも。足元のおしゃれにはツリースカートよりも木箱やバスケット、鉢などが人気があります。
スウェーデンやフィンランドでは麦藁細工のクリスマスオーナメントが見られます。これらは、一年の実りを感謝し、来る年の豊穣を願い飾られるオーナメントです。
日本のクリスマスツリー
和風クリスマスツリー
日本ならではの飾りを使って、和風の飾りつけをするとセンスの良いデコレーションになります。玉飾りとして、きらめく金メッキボールの代わりにまりをアレンジすると、雅な雰囲気です。この場合、LED電球などはない方が、和の情緒が漂います。
折り紙クリスマスツリー
折り紙オーナメントなら、子どもと一緒に作れて楽しさも倍増です。鶴や箱、お花飾りがクリスマスツリーに映えます。
お正月飾りのようなクリスマスツリー
お正月ムードを感じさせているのは、扇子や椿、まりなどの和の飾りです。紅白は、日本でもおめでたい時に使う色。赤・白・金の品の良いカラーで統一されています。
クリスマスツリーのおしゃれな飾り方①オーナメントを統一
センス良く飾るコツは、オーナメントの種類をしぼることです。ボール飾りだけでも、色や大きさを変えて飾るだけでおしゃれで華やかな印象になります。
クリスマス・オーナメントをボールとシルバーのレース状の飾りにしぼっているので、スッキリとバランスよく、洗練された印象になっています。
クリスマスツリーのおしゃれな飾り方②カラーを統一
クリスマス・オーナメントに使用する色をしぼることで、全体的に統一感が出てセンス良く綺麗に見えます。色は多くても3色までにしぼりたいところです。1色にしぼる場合は、質感やきらめきを変えると変化が生まれ、クリスマス・デコレーションが成功します。
カラーが統一されたオーナメント
シルバーとホワイトで統一
センス良く飾るコツは、色を抑えること。白と銀の2色にしぼられています。一面雪の降り積もった様子を「銀世界」と表現するように、シルバーは雪を連想させる綺麗な色です。クリスマスにふさわしいきらびやかな印象のデコレーションに仕上がっています。
赤、金、茶で統一
実は、ツリーのグリーンによく似合うのが、クリスマスカラーの赤と金。そこに松ぼっくりなどの茶色をプラスして、暖かみのあるカラーで綺麗にまとまっています。電球の使用は控えめにして、飾りを生かして。
ハロウィーンカラーで統一
ミニタイプのクリスマスツリーにも、小さめの電球を巻き付けておくと、夜にきらめくライトアップが楽しめます。紫とオレンジのハロウィーンカラーのクリスマスツリーなら、少し早い10月下旬から飾れますね。
パープルとシルバーで統一
おしゃれに見せるコツは、色を3つまでに絞ること。こちらのクリスマスツリーはその原則を守っているので、センスの良く見えるのです。幅広のリボンの透け感ときらめきが、このクリスマスツリー全体のバランスを綺麗にまとめています。
ホワイトとブルーで統一
同じブルー系の配色でも、スノーツリーだと印象が変わります。明るさとにぎやかさがプラスされました。空色のサテンリボンと、鮮やかなブルーのボール飾りがバランスよく配され、統一感のあるクリスマスツリーとなっています。
白、赤、ベージュで統一
このクリスマスツリーがおしゃれに見えるのは、きらめくオーナメントやLED電球を敢えて使わず、手作り素材だけに厳選されているからです。毛糸のボール飾りと麦わらの星飾りが暖かい印象をもたらす、北欧テイストのクリスマスツリーに仕上がっています。
一色だけのクリスマスオーナメント
センス良くクリスマスツリーを飾るコツは、多色使いを避けること。一色でまとめたい場合は、オーナメントの種類が少ないと寂しい印象になるので気をつけましょう。マットな赤、透明感のある赤、キラキラした赤、など質感を変えるとセンスアップした綺麗なデコレーションに。
多色使いのオーナメント
センス良く見える「3色」の枠を超え、自由に好きな色の飾りをつけた例です。まるで色絵の具を並べたように目がチカチカします。カラフルなオーナメントは「にぎやかで楽しい」イメージ。「センス良く綺麗に」見せるコツは、色を抑えることです。
クリスマスツリーのおしゃれな飾り方③LEDデコレーション
LED電球でデコレーションされたホワイトツリーが夜の闇に明るく浮かび上がり、きらめきが窓に綺麗に反射しています。LED電球の数を増やし、オーナメントは星型だけ、このシンプルさがおしゃれ。
クリスマスツリーのおしゃれな飾り方④足元のおしゃれ
主役であるクリスマスツリーのデコレーションに合わせた雰囲気で、むき出しの根本部分を覆い隠します。木箱に入れたり、ツリースカートと呼ばれる布をかけて隠すのが定番です。
100均のミニ丸太でデコレーション
100均で売られているミニ丸太をつなげたり、ペイントしたりして配置するだけのお手軽さ。本物の木で囲うため、センス良くまとまります。
ツリースカートでデコレーション
ツリースカートはネットショップでも入手可能で、価格帯は大体千円~1万円です。クリスマスツリーの足元が華やかになり、センス良くドレスアップできます。器用な方なら、手作りするとさらに温かみが増しますね。
木箱でデコレーション
クリスマスツリーをセンス良く見せるコツは、足元を綺麗に装飾することです。木箱に入れるだけなら手軽なうえ、安定感も増すのでおすすめ。
オーナメントをセンス良く飾るコツ①順番
センス良く飾るコツは、以下の順番です。
①LED電球などの電飾を最初に飾る(最後にすると、コードが目立ちます)。
②大きいオーナメントが先、小さいオーナメントは後で飾る(小さいオーナメントが隠れてしまうのを防ぐ)。
③モールやガーランドなどの長い飾りを巻き付け、雪(わた)を乗せる。
オーナメントをセンス良く飾るコツ②バランス
センス良く飾るコツは、オーナメントの間隔を程よく空けることです。同じ飾りが一か所に集中しないよう注意します。LED電球はコードを隠す意味で、最初に全体にバランスよく巻き付けましょう。
オーナメントをセンス良く飾るコツ③LEDをプラス
LED電球の明かりは、例えばオーナメントがなくてもそれだけで十分クリスマス気分を盛り上げてくれます。クリスマスツリーのテーマカラーに合った明かりの色を選び、センス良く活用しましょう。点滅機能がある方がロマンチックです。
オーナメントをセンス良く飾るコツ④デコレーションの量
あふれるほどのクリスマスオーナメントを所有している場合でも、それらをすべてツリーにぶら下げるのはやめましょう。センス良く見せるためには、形や色のテイストを厳選しすることが大切です。クリスマスオーナメントの大きさは、大小程よくばらつきを持たせましょう。
クリスマスツリーのおしゃれな飾り方:まとめ
クリスマスツリーをおしゃれに飾るコツは、まずテーマカラーを3色までに決めることです。そしてLED電球を活用しながら、順番を考えてバランス良く飾り付けます。あれもこれもと欲張らず、時には離れた場所から眺めて、引き算しながら仕上げていきましょう。
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