ハナキリンってどんな植物?
ハナキリンは小さくて可愛らしい色とりどりの花をつけます。その茎にはトゲがあるのが特徴で、サボテンのモクキリンに似ているといわれています。暖かい場所であれば一年中楽しむことができるのも魅力です。ハナキリンの特徴や育て方を知って、あなたも育ててみませんか?
ハナキリンの特徴
ハナキリンの学名はEuphorbia miliiといい、マダガスカルが原産の多肉植物です。寒さにも比較的強いですが、熱帯の植物なので暑さに強いのが特徴です。暖かい気候の中では一年中花をつけます。また、ハナキリンの茎にはトゲがあり、トゲの長さは2cmほどでトゲは古い茎についています。花の色はピンク、赤、オレンジ、白、黄色など豊富でバリエーションがあります。実際には花弁に見えているのは花ではありません。これは蕾を包んでいた葉の部分で苞と呼びます。
ハナキリンの名前の由来
ハナキリンの名前の由来はサボテンのモクキリンに名前が似ていることからきています。英語では花の形が唇のように見えることからKiss me quick(キスミークイック)という名前がつけられました。また、イエスキリストがかぶった茨の冠がこの植物だったとの伝説があることからCrown of thorns(クラウンオブソーン)という名前や、Christ Plant(キリストプラント)直訳するとキリストの植物という名前もつけられています。
花言葉
花が唇のような形にみえることから早くキスしてという花言葉や、トゲがあることに由来して逆境に耐えるという花言葉がつけられました。そのほかに、純愛、独立、自立、冷たくしないでという花言葉もつけられています。
ハナキリンの種類
ハナキリンは種類がたくさんあります。花の大きさもハナキリンの種類によって変わってきます。大きなものだと5cm以上のものもありますが、1~2cmほどの小ぶりなかわいい種類もあるのです。
ハナキリンの品種
よく見る淡いピンクの花をつけるハナキリンは「スプレンデンス」という品種です。
また、大型の品種の代表としては「ヒスロピー」が有名です。この種類は茎の太さも4cmほどになり、赤やピンクの大きな花が咲きます。シャインキッスという種類もあります。このハナキリンは特徴である茎のトゲがありません。花も大きく3cmほどあり、レッド、ピンク、ホワイトと色もさまざまです。
ハナキリンの育て方1・土づくり
ハナキリンの土はサボテン・多肉植物用の土を使うのが一番簡単です。水はけをよくすることが育て方のポイントとなります。ハナキリンが枯れた時には水はけが悪いことによるものもあります。マダガスカルでは地植えで2mほどにもなる低木で知られていますが、日本では鉢植えで育てるのが一般的です。用土は赤玉小土と腐葉土を混ぜ合わせるとよいですが、水はけをよくするために川砂を混ぜ合わせたり、下に敷いたりすることをおすすめします。
ハナキリンの育て方2・肥料
ハナキリンは肥料を与えすぎると花が咲かないで、葉っぱが育つようになります。育て方としては花を咲かすことを考えると追肥は必要ありません。しかし、よく育つ5月~11月には月に1回ほど液体肥料をやると育ちがよく、花が咲かないということが起きにくくなります。液体肥料もいろいろな種類がありますが、開花を促進するリン酸や根や茎を丈夫にするためのカリウムが多く含まれているものを使用するのがおすすめです。逆に窒素が多い液体肥料では葉や茎ばかり育ってしまい花が咲かないこともでてきます。
ハナキリンの育て方3・水やり
ハナキリンは茎にたくさんの水を含んでいます。砂漠などの乾いた場所でも育つハナキリンには、水やりはあまり必要ないです。他の植物と違って、ハナキリンが枯れた時には水が少ないというより別の原因があることが多いです。鉢の土が白く乾いたら水をやる程度でかまいません。水をあげる時はたっぷりとやってください。
秋から冬の水やりのポイント
通常2~3日に1回の水やりがおすすめですが、秋から冬になるとだんだんと水やりの間隔を長くしていく必要があります。冬越しする頃には2週間に1回程度の水やりでも枯れる心配はありません。また、冬越しする時の水やりのしすぎは根腐れの原因となりやすいので、特に注意が必要です。
ハナキリンの育て方4・場所
ハナキリンは日当たりの良い場所を好みます。直射日光にも比較的強いです。ベランダなどの日当たりの良い場所に置いてあげましょう。直射日光の当たらない日陰でも育ちますが、ひょろっとしたり、花が咲かないハナキリンになってしまいます。
夏に注意すること
ハナキリンは暑さに強い植物です。しかし夏の日差しは強すぎることがあります。できたら半日屋外、半日室内などと調整をしてあげるとよいです。
冬に注意すること
ハナキリンは寒さには少し弱い植物です。普段は屋外でよいのですが、冬越しする際には室内で5℃以上ある日当たりのよい場所で育てるようにします。日当たりがよく、暖かい場所に置いてあげれば冬でも花が咲きます。
ハナキリンの育て方5・植え付け
ハナキリンは鉢植えがおすすめです。4月~7月頃に少し大きめの鉢に植え付けをしましょう。
ハナキリンの育て方6・植え替え
ハナキリンの育て方のポイントに植え替えがあげられます。成長して根が伸びてくると同じ鉢のままでは伸びる場所がなくなって土が固まってきます。枯れたハナキリンは土が固くなって根詰まりを起こしていることもあるのです。根詰まりを防ぐためにも定期的に植え替えをして、きれいな花が咲くようにしましょう。
植え替えのポイント
1~2年に一回は植え替えをしましょう。4月~5月頃が適した時期です。植え替える際には今よりも一回り大きな鉢に植え替えます。土を半分くらい落としてから新しい用土で植えるのがポイントです。植え替えの際にはトゲに注意しましょう。軍手を2枚重ねたりして作業するようにして、怪我をしないように気をつけて行うようにします。
植え替え後のポイント
植え替えてからしばらくの間は直射日光を避けるようにして、少し暗い場所に置きます。その後少しずつ日光に慣らしていくようにします。
ハナキリンの育て方7・切り戻し剪定
植物の栽培には切り戻し剪定が大事なポイントとなります。切り戻し剪定することによって樹木の形を整えたり、新芽を出させるようにしたり、風通しをよくすることにより害虫がつかないようにする役割があります。ハナキリンも6月~8月に切り戻し剪定をします。
切り戻しと剪定の違い
切り戻しとは剪定の種類の一つですが、剪定のことをまとめて切り戻しと呼ぶことがあります。また切り戻しのことを切り戻し剪定と呼ぶこともあり、枝や葉を刈ることも新芽を出させるようにすることも切り戻し、剪定、切り戻し剪定といったりします。
切り戻し剪定のポイント
ハナキリンは縦に長く伸びていきやすい植物です。あまり高くなりすぎるとその重さで傾き、倒れてしまうことがあるのでそれを防ぐためにも茎を切りそろえます。バランスをみながら左右の茎も切りましょう。少し切りすぎたと思っても意外ときれいに育っていきます。切り戻し剪定の際には清潔なハサミやナイフを使ってください。雑菌により弱ってしまうことがあります。
切り戻し剪定で注意すること
切り戻し剪定をすることに注意しないといけないことがあります。それはハナキリンの切り口から出てくる白い樹液です。この樹液は有害物質を含んでおり、さわるとかぶれてしまいます。必ずゴム手袋をしようして、樹液が付着しないように気をつけて作業してください。切り戻し剪定して切り落とした茎もすばやく袋に入れるなど放置しないようにしましょう。また、万が一目に入ったり触れてしまった場合は早めに病院を受診したほうが良いです。
ハナキリンの育て方8・病気や害虫
ハナキリンはあまり病気になったり害虫がつくことはありません。稀にコナカイガラムシやワタムシがつくことがあります。
コナカイガラムシ
コナカイガラムシとは体が粉のような白い分泌物で覆われている昆虫です。1.5mm~3mmほどの大きさのものがほとんどで、小さくほこりのように見えます。知らない人がみたら害虫と気がつかないこともあるくらいです。カイガラムシの一種ですが成虫になっても貝殻のような硬い殻に包まれることはなく柔らかくダンゴムシのような見た目のままで、他のカイガラムシとは異なる特徴となります。植物の水分を吸い枯らしてしまったり、粘着性の排泄物によりすす病を発生させることもあります。すす病になると葉や茎が黒く変色してしまいます。
ワタムシ
ワタムシは体が綿のようなもので覆われています。大きさは1mm~2mmほどで翅があり、綿が飛んでいるように見えます。ワタムシも排泄物からすす病になることがあるので、見つけたらこそぎ落としてしまいましょう。
ハナキリンの増やし方・挿し木
ハナキリンの増やし方は挿し木が一般的です。5月~7月に挿し木をしてみましょう。切り戻しした枝でも挿し木ができます。
挿し木の準備
挿し木での増やし方の手順では、挿し木に良さそうな枝を水揚げするところからになります。枝を斜めにカットしていると水揚げしやすいです。水揚げして樹液をだしてから次の手順に移ります。長さは5cm~8cmくらいが適当です。すぐに挿し木すると切り口から雑菌が入ってしまい腐る原因となるので、数日間日陰で陰干しして切り口が乾いてから挿し木するようにします。増やし方の手順の中にある、数日間そのまま干しておくことに心配されるかもしれませんが、ハナキリンはそのまま置いていても半月以上でも大丈夫といわれています。また、水揚げして樹液をだすのはそのまま挿し木をすると樹液が固まって発根しにくくなるからです。
挿し木の用土
挿し木用の用土が売られているのでそちらを利用する方法が簡単ですが、自分で作る場合は赤玉土、ピートモスを混ぜたものを用意してください。挿し木での増やし方では肥料分のない土を使用するようにしましょう。
気温や場所
挿し木での増やし方でポイントになるのが気温や場所です。20℃~25℃の梅雨頃が一番適しています。夏に挿し木を行う場合は涼しい場所で行うようにしましょう。梅雨の時期に蒸散作用が少ない湿度が高い状態になるため適しているといえます。場所はあまりにも日差しが強い所は避けましょう。発根にはある程度の明るさが必要となりますので、日陰だけれど明るい場所に置くのがおすすめです。
鉢上げ
挿し木でも増やし方では、2ヶ月もしたら発根しているので鉢に植え替えをします。根が生えるまでは水やりもしないようにするのですが、水やりもしてください。
ハナキリンの栽培ポイント・冬越し
ハナキリンは暑さには強いですが、寒さには弱いです。冬越しで大切なのは屋内の暖かく、日当たりの良い場所で育てることです。また冬越しの時期の水のやりすぎには注意が必要です。10日~2週間に一回くらいの水やりをしてください。冬越しで室内に置く際には暖房の風があたったりしないようにも気をつけます。
ハナキリンの栽培ポイント・花が咲かない
ハナキリンは日当たりのよい場所を好みます。暖かくても、日があまり当たらない場所でそだてていると枝や茎ばかり伸びて葉が少なくなり、花が咲かないことがあります。また花が咲くのは枝の先端なので、切り戻しをすることも花が咲かない時の育て方のポイントとなります。あとは肥料をやっている時はその種類にも注目してみましょう。窒素が多い肥料だと、葉や茎がよく伸びて花が咲かない原因となっている可能性が考えられます。
ハナキリンの栽培ポイント・枯れた
ハナキリンが枯れたという時に確認することはいくつかありますが、その一つが根腐れです。冬越しの時などの気温が低いときは特に水をやりすぎると根腐れしやすく、その結果枯れたハナキリンとなってしまうことがあります。また、何年も植え替えをしていないと根詰まりしている場合もあります。ハナキリンが枯れた時には根が伸びるスペースがなくなってしまっているかもしれません。その場合は植え替えをしてあげると枯れた葉や茎も元に戻ります。
ハナキリンは初心者でも挑戦しやすい
ハナキリンの育て方で大事なのは暖かく日当たりのよい場所と、定期的に植え替えをして根が十分に伸びるスペースを確保すること、あとは水をやりすぎないように気をつけるということでした。ハナキリンが綺麗な花をつけてくれるように、あまり手をかけすぎない育て方はガーデニング初心者の人にも挑戦しやすい花なのではないでしょうか。
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