ポインセチアってどんな植物?
ポインセチアは、中央アメリカやメキシコを原産とする常緑性の低木です。クリスマスシーズンになると赤や白、なかにはゴールドといった色とりどりのポインセチアがフラワーショップなどに並びます。小さく仕立てられたものもあり、マンションの窓際などに一鉢飾るだけで、クリスマス気分を味わえ、大人気の植物です。
ポインセチアがクリスマスフラワーと言われる理由
ポインセチアが、クリスマスを象徴する花と言われるのは、赤とグリーン、白のカラーにあります。キリスト教の世界において、赤は「キリストの血」、緑は「永遠の命」、白は「純潔」を意味するカラーです。また、ポインセチアの小さな赤い花とそれを取り囲む苞(ガク)が「ベツレヘムの星」をイメージさせるところからも、ポインセチアはクリスマスにぴったりのお花と言えるでしょう。
ポインセチアの花の特徴
ポインセチアは、とても小さく粒々とした花を冬につけます。花を囲うように大きめの萼(ガク)が存在します。いわゆる赤や白、ピンクなどに色づいているのはポインセチアの萼(ガク)の部分です。
ポインセチアの葉の特徴
ポインセチアの葉っぱは、美しいグリーン色をしています。ポインセチアの葉っぱの形は楕円形で先がとがっていて、やや薄めの印象です。ポインセチアの葉っぱは、一定の条件を満たすと、花を囲う萼(ガク)とともに赤や白、ゴールドなどに色づきます。
ポインセチアの基本データ
科名属名
トウダイグサ科トウダイグサ属
学名
Euphorbia pulcherrima
和名
ポインセチア
別名
猩々木(ショウジョウボク)、クリスマスフラワー
英名
poinsettia
原産国
中央アメリカ、メキシコ
メキシコでもポインセチアはクリスマスの象徴
日本ではクリスマスのお花として認知されているポンセチアですが、原産国メキシコでもポインセチアはクリスマスの象徴とされています。ポインセチアの原産国メキシコでは、ポインセチアのことを「Nochebuena(ノーチェブエナ)と呼びます。「Nochebuena(ノーチェブエナ)」は、現地の言葉で「クリスマス・イブ」を意味します。
ポインセチアはインディアンが愛した植物
その昔、メキシコのアズテク族というインディアンたちは、ポインセチアを生活に取り入れ生活をしていました。ポインセチアの赤い苞(ガク)から色素をとり、またポインセチアの幹から出る白い樹液は解熱作用をもたらす薬として利用しました。ポインセチアは、インディアンたちに「Cuetlaxochitl(純粋性のシンボル)」と呼ばれ、大層重宝されたそうです。
ポインセチアは修道院の僧侶が愛した植物
インディアンたちがその実用性を見出し愛したポインセチアですが、17世紀にはフランシスコ修道会の僧侶たちが、ポインセチアの草姿を愛しました。彼らは、ポインセチアの赤を「ピュアなキリストの血」、ポインセチアのグリーンを「農作物の健やかな成長」に見立て、聖なるお祭りに使うようになりました。
ポインセチアの花言葉<全体>
ポインセチアの全体の花言葉は、全部で4つあります。いずれの花言葉もポインセチアのクリスマスカラーからイメージされたものです。
花言葉1・祝福する
赤や白、グリーンのコントラストが美しいポインセチア。「祝福する」というとても前向きな花言葉はプレゼントフラワーにも最適です。
花言葉2・聖夜
クリスマスフラワーという愛称を持つポインセチア。そのイメージどおりである「聖夜」という花言葉がつけられています。恋人との甘いときを想像するようなロマンティックな花言葉ですね。
花言葉3・幸運を祈る
ポインセチアには、「幸運を祈る」という花言葉もあります。赤やピンク、白とグリーンの鮮やかなコントラストから生まれた花言葉のようです。
花言葉4・私の心は燃えている
ポインセチアと言えば赤い花と思う方も多いのではないでしょうか。近年、品種改良によりピンクや白といった品種も生み出されていますが、やはりポインセチアの鮮やかな赤は印象的です。真っ赤に燃えるようなカラーから、「私の心は燃えている」という花言葉がつけられました。
ポインセチアの花言葉<ピンク色>
全体の花言葉とは別に、ピンク色のポインセチアには、2つの花言葉があります。
ピンクのポインセチアの花言葉1・思いやり
ポインセチアのピンク色は、とても優しい色合いで、ポインセチアのやわらかな葉っぱの質感とあわせて心が解きほぐされるような雰囲気です。そんなピンクのポインセチアの特徴から、「思いやり」という花言葉が生まれました。
ピンクのポインセチアの花言葉2・清潔
ピンクのポインセチアには、「清潔」という花言葉も存在します。ポインセチアのピンクは、清々しく上品な印象を受けるもの。そこから「清潔」という花言葉がつけられました。
ポインセチアの花言葉<白色>
白いポインセチアの花言葉は、2つあります。
白いポインセチアの花言葉1・慕われる人
ポインセチアの白いカラーは、純白とも言える混じり気のない美しいカラー。グリーンの葉っぱとのコントラストが魅力的で、誰からも愛される草姿をしています。そんな白いポインセチアからイメージされ、「慕われる人」という花言葉が生まれました。恩師や少し目上の方へのプレゼントフラワーとしても最適な花言葉です。
白いポインセチアの花言葉2・あなたの祝福を祈る
白いポインセチアには、「あなたの祝福を祈る」という花言葉もあります。真っ白というのは、花嫁のドレスにもあるように祝福を意味するカラーです。
ポインセチアの種類
ひと昔前までは、ポインセチアと言えば赤い花というのが主流でした。ですが最近では、赤い花のほかにも、白やピンクといったさまざまな種類のポインセチアが生み出されています。なかにはゴールドカラーの珍しい種類のポインセチアもあり、ガーデナーや愛好家に人気があります。
おすすめの品種1・ウィンターローズ
「ウィンターローズ」は、名前のとおり、まるで冬に咲くローズのようなポインセチアです。ベルベットを思わせるような質感でゴージャスな印象をもたらしてくれます。存在感があるので一鉢飾っておくと、お部屋が一気にクリスマスの雰囲気に包まれます。
おすすめの品種2・プリンセチア・ホットピンク
「プリンセチア・ホットピンク」は、パッションピンクと表現できる鮮やかなピンクカラーが素敵な種類です。とても目を引く派手なカラーですが、不思議と嫌味がなくむしろ上品ささえ感じられます。とくに女性に人気の種類で売り切れることも多いようです。
おすすめの品種3・プリンセチア・クリスタルスノー
純白カラーがとても魅力的な「プリンセチア・クリスタルスノー」。グリーンと白のコントラストは、ホワイトクリスマスをイメージするもので、ロマンティックです。白い花と赤い花のポインセチアを一鉢ずつ購入して、一緒に並べて飾っても素敵です。さらにゴールドのリボンやラッピングをすれば完璧ですね。
おすすめの品種4・プリメーロジングル
「プリメーロジングル」は、赤にクリーム色の斑の入った少し珍しい品種です。雪がちらついて葉っぱに積もっているようにも見えます。ひととは違うポインセチアをお探しの方にもおすすめの種類です。
おすすめの品種5・ゴールド
「ゴールド」はとても珍しいゴールドカラーのポインセチアです。ゴールドカラーのポインセチアは世界でもあまりないのだとか。温度により色あいが変化するのも楽しいです。温かい場所ではサーモンピンク、やや寒い場所ではゴールドカラーになります。
おすすめの品種6・アイスパンチ
一見、よく見かける赤い花のポインセチア。ですが、よく見ると、中央部分には白もしくはピンク色の模様がはいっています。一株で、赤・白・グリーンのクリスマスカラーを備えた品種です。
ポインセチアの育て方のコツ
主にクリスマス前の冬の時期に出回ることの多いポインセチア。では購入したポインセチアをできるだけ長く楽しむための育て方のコツをご紹介いたします。なお、出回っているポインセチアは、プロの手により短日処理がほどこされているため、美しい赤やピンクに染まっています。
日当たり・場所
ポインセチアは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む植物です。クリスマスのお花として有名なポインセチアですが、意外なことに実は寒さに弱い特徴があります。ポインセチアは0度以下の環境に置くと葉っぱが落ちてしまいます。クリスマスに向けてポインセチアを購入したら、室内の窓際など、木漏れ日の当たる暖かいところに置いて楽しみましょう。
土づくり・肥料・水やり
ポインセチアは水はけのよい土壌を好みます。冬に購入したポインセチアを植え替えなどする場合には、小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライトを混ぜた土、もしくは市販の観葉植物用培養土を準備しましょう。春から秋にかけては水をたっぷり与え、冬は少し水やりを控えめにします。また2カ月に1度の割合で、穏効制の固形肥料を少し施すとよいでしょう。
剪定
ポインセチアは、鉢植えで販売されているときは、樹形が整えられきれいな状態ですが、育てているうちに茎が四方八方に伸び、樹形が崩れていきます。ポインセチアは剪定をして樹形を整えることが必要です。ポインセチアの剪定に適した時期は、5~8月ごろ。伸びて邪魔な茎などを剪定ばさみで切り取って、こんもりとした樹形に整えましょう。
短日処理で赤く染める
販売されているポインセチアは、クリスマスシーズンに合わせて赤い花になるように短日処理がほどこされています。次の年も美しい色を楽しむためには、この短日処理を自宅でする必要があります。9月にはいり秋風を感じるようになったら、ポインセチアの短日処理をはじめます。19時から翌9時まで、ポインセチアに段ボールをかぶせ、光を遮断します。毎晩続けることで、ポインセチアに花芽がつくと同時に、苞(ガク)や葉が赤く染まってきます。
短日処理のポイント
ポインセチアへの短日処理は、秋からはじめて冬になるまでだいたい40日くらい毎晩続けなければなりません。また、段ボールの隙間から光が入らないように、しっかりガムテープで隙間を埋める、もしくは段ボールのうえにさらに黒いビニール袋をかぶせる、といった細かい工夫が必要です。光が少しでもはいると、これまでの苦労は水の泡、リセットされてしまいます。ポインセチアの短日処理はなかなか大変なため、クリスマスシーズンのたびに、新しいものを購入するのもよいでしょう。
色とりどりのポインセチアを楽しもう
赤やピンク、白とグリーンの色合いが素晴らしいポインセチア。クリスマスフラワーとも呼ばれ、クリスマスのウキウキ気分を盛り上げてくれるアイテムです。なかには珍しいゴールドカラーのポインセチアもあるので、クリスマスシーズンごとに毎年、素敵なポインセチアを探しにフラワーショップ巡りをするのも楽しいでしょう。冬のイメージの強いポインセチアですが、実は寒さに弱く0度以下で落葉してしまいます。ポインセチアを購入したら、窓際など暖かい場所で可愛がってあげましょう。
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