エーモン 1175
シガーソケット3連 カーチャージャー
シンワ測定 19518
スケアって何
スケアって何。聞いたことありますか。聞いたことがある人は、車やバイクの電装品の配線に結構精通している人ですね。普段は、あまり気にしない数字だと思います。でも、車の配線などをいろいろ凝ってくると、スケアの値は大切になってきます。
今回は、配線コードの単位であるスケアについて解説していきます。車などに電装品を自分で取り付けようと考えている人は参考にしてください。電流の測り方や、配線の選び方は車の配線以外でも重要ですね。
スケアは配線の太さの単位
スケアの意味は、配線コードの切断面の面積を表現する単位です。square mm = スクエア(スケア)ミリメートルを略してスケアと呼んでいます。電線やケーブルの太さの種類の表示に用いられます。
スケアは配線コードの断面積の直径
配線コードの太さですから、単純にいえば配線の中の金属部分の直径の大きさで表します。0.2スケアだと直径0.2mm、0.5スケアだと直径0.5mmです。そう聞けばわかりやすいですね。8スケアなら直径8mm、14スケアなら直径14mmです。
断面積でなく直径ということなので、スケアのサイズが2倍大きくなると断面積のサイズは4倍大きくなるという意味になります。
スケアの測り方
シンワ測定 19518
配線コードのスケアの測り方について、簡単に紹介します。導線には「単線」と「撚線」の2つの種類があります、「単線」の場合は簡単です。ノギスで金属部分の直径を測ればその値がスケアになります。
「撚線」の場合の測り方は単純でないのでここでは省略しますが、1本1本の単線の集まりが撚線と思ってください。
スケアは大きいほどよいのか
配線が太いほど、スケアのサイズが大きくなりますので、流せる電流は大きくなります。基本的にはスケアのサイズが大きければ大きいほど、多くの電流が流れても安心ということになります。
逆に、スケアサイズが小さくなると、そこに大きな電流が流れることで発熱や断線などに繋がります。
しかし、太い種類の線をいつでも使えばいいというものではありません。配線しづらいことや、配線の無駄にもなってしまいますから。適切な配線コードの太さを選ぶことは大切です。
スケアは許容電流に関係する
スケアのサイズと許容電流は、おおむね次のような関係になっていますから参考にしてください。(被覆の種類やコードの本数や材質で変わります。)
スケア | 電流 | スケア | 電流 | スケア | 電流 |
0.5sq | 7A | 0.75sq | 10A | 1.25sq | 15A |
2.0sq | 20A | 4.0sq | 30A | 5.0sq | 45A |
5.5sq | 50A | 8.0sq | 70A | 14sq | 110A |
電流の単位はアンペア
ここで、簡単に電流の単位について紹介します。電圧は車の場合バッテリーの電圧ですから、概ね日本の一般車は12V(ボルト)になっています。
電流は、例えば接続する器具の消費電力が60W(ワット)の製品ならば、60(W)÷12(V)で、電流は5A(アンペア)流れるということになります。
ですから、60wの製品を1個つなげるだけなら、0.2スケア(5A)の太さの配線コードで十分ということになります。
許容電流がポイント
車の配線コードは、バッテリーから電流を取り出しているものです。購入時点で付いている前照灯や、ブレーキランプ、オーディオ機器などは、当然余裕のあるスケアの配線を使用しています。
ですから、例えばオーディオ用の配線から別の機器を分けてつなぐ時には、このスケアの値が重要になってきます。
簡単にケーブルを増設できるからと行って、既存の配線にさまざまな機器を接続すると、コードの許容電流を越えてしまうということが生じてしまいます。
許容電流を下回るように配線
そうならないようにするためには、接続した機器の消費電力を確認する必要があります。
例えば0.5スケアサイズの配線コードならば、7A(アンペア)までが許容という意味ですから、電力でいうと、7A(アンペア)×12V(ボルト)=84W(ワット)までの機器は接続可能という意味になります。
車載用冷蔵庫などで消費電力が高いものの場合は、そこから別の種類の機器は接続しないほうがよいということになります。実際に電流を張ってみるとよいでしょう。測り方は後から説明します。
機器の消費電力と電流
機器の消費電力はワット(W)で示されていますから、その値を12.0V(ボルト)で割ってあげれば、電流が求められます。この電流の値の積算が配線の許容電流を越えないように選べばいいわけです。
必要ならば、接続機器に直接テスターをつないで、電流A(アンペア)を測れば更に安心です。測り方は、テスターを測定したい箇所に直列に接続すれば、実際に流れる電流が測れます。
スケアとAWGの関係
日本ではsq(スケア)が単位として扱われていますが、アメリカでは、AWG(アメリカンワイヤーゲージ)という単位が使用されています。
スケアは数値が大きくなればなるほど大きな断面積となりますが、AWGの場合は、数値が大きい程断面積は細くなります。意味的には反対の単位となっています。配線の選び方にはそんな注意が必要です。
AWG・スケア対応表
AWG(アメリカンワイヤーゲージとsq(スケア)対応表
AWG(アメリカンワイヤーゲージ) | sq(スケア) |
AWG 24 | 0.2 sq |
AWG 22 | 0.3 sq |
AWG 20 | 0.5 sq |
AWG 18 | 0.75 sq |
AWG 16 | 1.25 sq |
AWG 14 | 2 sq |
AWG 12 | 3.5 sq |
AWG 10 | 5.5 sq |
AWG 8 | 8 sq |
配線コードの選び方
エーモン 1175
車の電装品に使われている配線コードは、0.2スケアと0.5スケアがほとんどです。あまり太くなると配線がしづらくなったり、曲げの部分の被覆が破れたりします。また、細すぎると許容電流が小さくなり、危険を伴います。
最近は電球でなくLEDを使った電装品が多いため、多くは細い方の0.2スケアを使っています。AWGですと24AWGとなります。配線コードを購入して延長する際の選び方には注意してください。
0.2スケアはどれくらいの電装品がつなげる
0.2スケアですと、被覆の種類や電線の種類にもよりますが、およそ5Aが許容の電流となります。ですから、普通車の12Vのバッテリーの場合、12V(ボルト)×5A(アンペア)=60W(ワット)までが許容となります。
トラックなどバッテリーの電圧が24V(ボルト)の場合は24V(ボルト)×5A(アンペア)=120W(ワット)までの選び方ができるということになります。
LEDの個数で判断すると
最近のLEDなどの商品は、消費電力でなく消費電流で表されています。例えば20mAのLEDの場合20mAは0.02A(アンペア)ですから。
5Aまでが許容電流の0.2スケアの太さだと5÷0.02A(アンペア)で250個のLEDが接続できるということになります。ただ、LEDだけをそんなにつなげることはないと思います。
実際の電装品の消費電力
CN-G540D
スケアの意味と電力と電流の関係について紹介してきました。ここからは、実際の電装品を基にして考えていきたいと思います。
ドライブレコーダーの場合
DRV-W630
では、実際にドライブレコーダーを接続するときに、仕様のどこの部分を見ればいいか見ていきましょう。
【仕様】には、さまざまな数値が書いてあります。その中で配線関係で重要な部分を抜き出してみました。
【仕様 】 電源電圧DC5.0V(12/24V車) ・消費電流160mA(最大1A) となっています。通常は0.16Aの電流が流れますが、最大は1Aの電流が流れます。
0.2スケアのコードでほぼ十分
電源はDC5.0Vとなっていますから、シガライターの接続コードの部分で12Vから5Vに変圧しているということになります。消費電流は最大1Aですから、最大でも0.2スケアの配線コードなら、許容電流が5Aですから十分大丈夫ということになります。
車載冷蔵庫の場合
消費電流の大きい車載冷蔵庫の場合はどうでしょう。
MHD14F-D
【定格消費電力(W)】AC100V:-DC12V:温:2.5A 冷:2.8A となっていますから、冷やすときには2.8Aの電流が流れるということになります。10Aの許容電流だと冷蔵庫3台は可能(2.8×3=8.4)ということになります。
では、冷蔵庫3台をシガライターに同時につなげることは可能なのでしょうか。
電流の目安
コンパクトカークラスでは、ヘッドライト(HI)11,0~11,5A、ヘッドライト(LO)8,0~9,5A、バックランプ4~4,5A、ストップランプ3,5~4,2A、スモールランプ3,0~4,0A、ルームランプ0,9~1,2A、
ドアロック11~12A、デフォッガー10~11A、パワーウインド(上昇1個)7~8A、ワイパー6~8A、カーナビ1~2A、ラジオ0,3~0,9Aがおおよその目安となります。以外にドアロックやパワーウインドが電流が大きいことが分かります。
電装品から分けて電流を取り出す場合
このような、電流が流れていますから、電流を取り出す場所はその電装品につないである配線コードの太さつまり、スケアを確認し電装品の消費電力を確認し余裕がある場合に、そこから新しい機器をつなぐということになります。
ヒューズボックスから電流を取り出す場合にも、そのヒューズの値と電装品の関係に余裕があるヒューズから電流を取り出しましょう。
常時電源かアクセサリー電源か
電流を取り出す場合に、常時電流が流れているのか、車のエンジンを入れたときだけに流れているのかを確認する必要があります。検電テスターを使えば測れます。
測り方は、エンジンを切った状態でテスターのマイナスをアースにつけて、プラスで配線やヒューズに触れれば針が触れるので分かります。
シガライターから取れる電流は10A
日本の普通車の場合、シガライターソケットは10Aを許容としているものが多いです。配線コードは細くても0.75スケア、場合によっては0.5スケアを複線化して使っていることもあります。
それよりも、途中にあるヒューズが10Aのものを使っているのですね。このドライブレコーダーは最大1Aですから、まだ十分大丈夫ということになります。
シガライターは分配器を使う
シガーソケット3連 カーチャージャー
シガーソケット3連 カーチャージャー
この製品の仕様から、大切なところをピックアップします。合計最大2.4A出力電流でUSBポート4ポート付きです。他にも過充電保護機能やデバイスの過負荷防止などのメリットがあります。
ここが大切
この分配器では、最大2.4Aに対応し、3連ソケットと4つのUSBが使用されています。冷蔵庫やドライブレコーダー、スマホやタブレットの充電も可能。
冷蔵庫2台3台と使うことはありませんが、シガライターの電源を分配すると、分配器によって最大消費電流が制限されていますので、そちらの電流を越えないように使用することが大切となります。
バッテリーの許容電流
車載用のバッテリーには、いくつかの種類があります。40B19Lなどという型式が欠かれています。最初の数字40は性能のランクを表します。この数値が大きいほど、よいバッテリーといえます。
容量の表示は○○Ahと表記されますから、40Ahであれば、10A(アンペア)の電流を5h(時間)流すことができるということになります。
その視点から言えば、10Aの電流を電装品で流し続けていたら、5時間もすればバッテリーが上がってしまうということになります。19はバッテリーのサイズです。
車はヒューズや配線で制限している
バッテリーにはそれでなくても、始動や前照灯、計器類などの負荷がかかっています。やたら多くの電装品を付けると、バッテリーあがりにも繋がります。安全のために、配線の太さはむやみに大きくせず、更にヒューズを使って過電流を防いでいるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか、スケアは配線コードの太さの意味で、配線コードや機器の選び方は、許容電流を越えないように選んで接続すれば安心だということです。
シガライターソケットを使う際にも、分配器の個数が3つ程度に制限されているのは、許容範囲を越えないということからです。
最近の電装品は、消費電力が低く抑えられていますから、それほど気にしなくても大丈夫ですが、配線コードを延長したり、ヒューズボックスから電流を取ったりする場合などは、配線コードの選び方などに注意が必要です。
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