もやしの栄養価がない?
もやしとは?
まず、「もやし」とは植物の名前では無く、豆類や穀物を発芽させ伸ばした状態を指しています。ですので「○○もやし」といった風に、様々なもやしが存在するのです。もやしという名前の由来は「萌やす(発芽させる)」ことから来ています。自然にもやしの状態になる訳ではなく、暗所で発芽させてしばらく期間を置くことでもやしが作られます。
もやしが安い理由
色々な種類がありますが、どれも価格は基本的に安いですよね。安い理由は栄養価がないからではなく、安価に、速く作ることが出来るからです。豆を10分ほど洗ってから水につけておくと、大体一週間程で発芽し、すぐにパックに詰めて発送出来る為安く販売されているという訳です。この安さが多くの家庭を支えており、不景気になるともやしの販売量が上がると言われています。
もやしの種類
一般的な緑豆もやし
スーパーなどでよく見る、一般的なものが「緑豆もやし」です。こちらはその名の通り、緑豆を原料としており、太めのものでクセが無く食べやすいのが特徴ですね。ただし、並べられてから傷んでしまうまでが早いので、安価で大量に売る必要があります。色々な料理レシピに使うことも出来、また栄養分も十分にあってありがたい種類ですね。
韓国料理でよく見る大豆もやし
食感がクセになる、韓国料理などでよく見られるのが「大豆もやし」です。こちらは大豆を原料として作られたもので、緑豆もやしとは違った味わいがありますよね。スーパーに並んでいるものは食べやすいものばかりですが、実は青森県で30㎝にもなる超大型の大豆もやしが作られていたりします。
ブラックマッペもやし
見た目がちょっと変わっているのが「ブラックマッペもやし」です。こちらはブラックマッペ(ケツルアズキ)の種を発芽させたもので、先端に黒い粒をつけた細長い外見と、甘味があるのがポイント。ラーメンや鉄板焼きなどに使われることも多いですね。
糸もやしやそばもやし
他にも見かけるのが「糸もやし」や「そばもやし」です。糸もやしはムラサキウマゴヤシ(アルファルファ)を使ったもので、そばもやしはソバが使われています。こちらもそれぞれに味・食感の特徴がありますが、やはり一番売れているのは緑豆や大豆のものですので、今回は主な種類のもやしについて解説していきます!
もやしの栄養価について①栄養成分
ビタミンやカリウムが豊富なもやし
水分量が多く栄養価がないとよく噂されていますが、実は日露戦争や第二次世界大戦時に、兵士のビタミンとして活躍したほどちゃんと栄養成分があるのです。ビタミンやカリウムが豊富に入っており、ロシア軍はもやしを食べていなかった為、壊血病になって負けたという説もあるほどです。育てるのも容易で簡単に食べることが出来、ビタミン・カリウム補給の強い味方ですね!
各もやしごとのビタミンとカリウムの比較
主な三種類のビタミンとカリウムを比較しますと、ビタミンB1は大豆もやしが一番高く、100gあたり0.09㎎ほど含まれています。緑豆とブラックマッペは0.04㎎です。またカリウムも大豆もやしが一番高く、100gあたり160㎎含まれており、緑豆とブラックマッペは70㎎ほどです。因みにビタミンCだけはブラックマッペが高く、大豆もやしと比べて2倍も含まれています。
もやしの栄養価について②食物繊維
食物繊維もちゃんと入っているもやし
豊富に入っているという程ではありませんが、食物繊維もしっかり含まれています。また、食物繊維には溶性のものと不溶性のものがありますが、もやしには不溶性食物繊維が多く含まれている為、より効果を発揮してくれます。不溶性食物繊維は胃や腸で膨らみ、腸内環境を良くし、消化を助けてくれる、とても有り難い効能を持っています。
各もやしごとの食物繊維の比較
食物繊維の量を比較してみますと、ビタミンやカリウムと同じく「大豆もやし」が一番高く、100gあたり2.3g含まれています。緑豆もやしは1.3g、ブラックマッペは1.4gですので、2倍近くも食物繊維が含まれていますね。緑豆もやしは他の栄養価も高く、非常におすすめのものと言えます。
もやしの栄養価について③たんぱく質
たんぱく質も入っているもやし
豆から作られていますので、豆に入っている良質な植物性たんぱく質を摂取することが出来ます。タンパク質は体を作る為の大切な栄養素であり、美容においても欠かせない栄養成分ですよね。また、免疫力をつける為にも欠かせない栄養成分です。微量ながらタンパク質も含まれており、もやしを食べることは決して無駄ではないことが分かります。
各もやしごとのたんぱく質の比較
各種類ごとにたんぱく質に含有量を見てみますと、100gあたり、緑豆が1.7g、ブラックマッペが2g、大豆が3.7gとなっています。ここでも大豆もやしが一番ですね。大豆は元々植物性たんぱく質を沢山含んでいることが原因と考えられます。多くの日本人はたんぱく質摂取量が足りていないとされていますので、積極的に食べるようにしたいところです。
もやしの栄養価について④その他の栄養成分
その他の栄養成分①モリブデン
その他の栄養成分も色々含まれており、モリブデンもその一つです。このモリブデンは鉄分の効果を高める効能を持っており、貧血予防に効果的です。他の野菜にもモリブデンは含まれていますが、他の野菜の平均値の約3倍ももやしはモリブデンを持っています。ただし、大豆もやしやブラックマッペもやしには入っておらず、安価で買いやすい緑豆もやしにだけ入っているのでご注意下さい。
その他の栄養成分②大豆イソフラボン
テレビなどでもよく聞く健康効果の高い栄養成分が「大豆イソフラボン」です。この大豆イソフラボンは大豆もやしに含まれており、なんと大豆をそのまま食べる時よりも沢山摂取が出来ます。大豆イソフラボンは女性ホルモンによく似た作用があるとされており、美容効果、健康効果が大いに期待出来ます。
その他の栄養成分③カルシウム
他にもマグネシウムや鉄分、カルシウムといった栄養成分が入っています。ただし、他の野菜と比較するとあまり多いとは言えません。例えば、カルシウムは100gあたり10~20㎎ほど入っていますが、カルシウム豊富で知られる小松菜は100gあたり170㎎も入っています。もやしはビタミン・カリウム・大豆イソフラボンの方が比較した際に良い結果を残しています。
もやしの健康効果・効能
健康効果・効能①お肌を綺麗にする
健康効果は数々ありますが、女性が喜ぶ効能が多いですね。まず、ビタミンCなどが豊富に含まれていますので、お肌を綺麗にする効果が期待出来ます。また、ストレスを感じるとビタミンCを消耗しやすくなりますので、心の調子が悪い方にもおすすめです。風邪予防などにもビタミンは活躍してくれますので、積極的に食べていきましょう。
健康効果・効能②ダイエットに向いている
とても低カロリーな食べ物ですので、ダイエットに非常に向いています。スーパーで販売されているものは、1袋あたり約30~40キロカロリー程度しかありません。しかし、噛み応えもしっかりしており、量もかなりありますのでお腹が膨れますよね。味も非常にあっさりとしており、どんな料理に混ぜても合うのも良いところです。
健康効果・効能③疲労回復
疲労回復効果も期待出来ます。豊富に含まれているビタミンB群、そしてアスパラギン酸も含まれている為疲労回復に繋がるのです。低カロリーであまり栄養価がないイメージのあるもやしですが、疲れた時こそ食べるべきものだと言えますね。
健康効果・効能④便秘解消
ダイエットをする女性は特になってしまがちなのが「便秘」です。この便秘を解消する方法は色々ありますが、一番イメージしやすいのが「食物繊維を沢山とること」ですよね。その点、もやしは不溶性の食物繊維を含んでいますので、便秘解消にも役立ってくれるのです。
もやしの選び方
美味しいもやしは太くて白い
太くて白いものがおいしいとされています。先端はしっかりしていて、ひげ根は変色していないようなものを選びましょう。
もやしが袋売りになったのは栄養が関係している
元々もやしは水につけられた状態で販売されていました。ですが、水につけられているとビタミンやカリウムなどが流れてしまう為、現在は袋売りが一般的となっています。しかし、水につけられていない分日持ちが悪くなっていますので、早めに食べましょう。
もやしの食べ方
ひげ根をとると栄養価が下がってしまう
もやしの健康効果・効能を最大限に活かすには、ひげ根をとらずに食べることがおすすめです。ひげ根をとってしまうと食物繊維が減ってしまいますので、大変もったいないことなのです。食感にこだわりがある場合は仕方がありませんが、気にならない方はそのまま頂きましょう。
もやしは茹でる・加熱するのが大切
加熱・茹でると栄養価が下がってしまうという話しがありますよね。だからといって、生で食べるのはおすすめできません。もやしは栽培の性質上、菌が増殖しやすい食物であり、購入した時点でも沢山の菌がついているのです。食感的には生でも食べられるのですが、安全を考えて、茹でる調理方法や加熱する調理をしましょう。
茹でる・加熱すると栄養価が下がる?
茹でる・加熱すると栄養価が下がってしまうという話しは本当で、水溶性のビタミンが逃げてしまうのです。ですので、茹でる時間を短くしたり、加熱時間を短くすることで栄養成分を逃がさないようにしましょう。また、茹でる・加熱しすぎると食物繊維も破壊されてしまいますので、ささっと茹でる・加熱するのがおすすめです。
もやしを長持ちさせる方法
日持ちが悪く、保存期間が短いのがデメリットですよね。しかし、すぐに使わない場合もあるはずです。もし消費期限が切れそうになったら、さっと茹でてしまい、タッパーに入れて保存しましょう。また、買ってきたら、茹でずに水を入れたタッパーに漬けておき、毎日水を入れ替えることで4日ほど保存が効きます。ただし、ビタミンCが流れてしまうのでご注意下さい。
もやしの栄養価に関するTwitter
もやしは優秀な野菜
もやしが普通に優秀なのがなんか笑える。メジャーな野菜が健闘してるのは、栄養価よりも大量生産によるコストが優秀なんだろうな / コスパ最強食材はもやしなのか?100円あたりの栄養価を比較してみた。|Beauty Science, Beau… http://htn.to/EJaxi7
— ぜだ(そじゅ) (@zedawin) July 21, 2011
こちらは、比較した記事を見てもやしの良さを再確認した様子が書かれています。もやしは非常に安くて美味しく、家計の味方ではありますが、栄養価が低いとされあまり評価されてきませんでした。各々の野菜にはそれぞれに高い栄養価があり、もやしにも今回ご紹介したような良さがあります。色々な野菜を食べて、いいとこどりをしていきましょう!
もやしのアミノ酸について
もやしってヒョロっとしてて栄養価は高くないように見えるけど、実際はそうでもないよ。もやしには旨みの素になるアミノ酸が大量に含まれててね、だから美味しく感じるんだよ。あと、100gあたり10mgのビタミンCも含まれてるよ。意外と栄養価高いでしょ?
— シャルの呟きbot (@syaru_tubuyaki) July 29, 2018
僕がもやしっ子?仕方ないじゃん!
こちらは、もやしには大量のアミノ酸が含まれていることが書かれています。必須アミノ酸、非必須アミノ酸とも沢山含まれており、先述したアスパラギン酸もその内の一つです。他にもグルタミン酸やイソロイシンなど、よく聞くアミノ酸が沢山含まれています。
まとめ:もやしの栄養価
今回の「もやしの栄養価がないってウソ?実は凄い栄養成分を効果・効能含めてご紹介!」はいかがでしたでしょうか?
種類や栄養価の比較、食べ方などまで詳しく解説させて頂きましたが、今すぐ食べてみたくなった方も多いかもしれません。今回は、もやしの栄養価は決して低くないことを書かせて頂きましたが、だからといってもやしばかり食べるのは良くありません。やはり他の野菜にしかない栄養もありますので、色々な食べ物をバランスよく食べていきましょう!
もやしの栄養価が気になる方はこちらもチェック!
今回はもやしの栄養価について解説させて頂きましたが、他にも野菜に関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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