サンパチェンスの育て方は?
サンパチェンスとは、ツリフネソウ科ツリフネソウ属に属する、ボリューム感があって非常に見た目の良い植物です。
こちらは丈夫でガーデニング初心者でも育てやすい植物として作られた花ですが、育てる上で気をつけなければいけないことがあり、ちょっとしたことで枯れてしまうことがあります。今回はそんなサンパチェンスについて解説していきます!
サンパチェンスの特徴
サンパチェンスは新しい品種
インパチェンスという花を改良して作られた品種です。サカタのタネ社が作ったもので、インパチェンスを更に強く、初心者でも楽しめるような品種として作られました。後述致しますが、サンパチェンスを販売する権利は今もサカタのタネ社が持っていますので、勝手に増やして販売することは禁止されています。
サンパチェンスは空気を綺麗にする
嬉しい特徴として、「空気を綺麗にする効果」があります。
ホルムアルデヒドや二酸化炭素、二酸化窒素を吸収する能力が他の植物と比べて3~8倍程高いことが実証されています。ただし、実際に育ていてその効果を体感出来るかと言うと難しい部分ではあります。また、「打ち水効果」という周りの温度を下げる効果もありますので、夏にピッタリですね。
サンパチェンスの大きさ
1株でも大きく育つ植物で、鉢植えで育てた場合は60㎝程度まで、お庭などで育てた場合は1m程度まで成長します。大きく育ちますが、成長速度が非常に早いので時間もかかりません。あっという間に大きくなってしまいますので、ある程度のスペースがあるところに植えたり、また鉢の植え替え作業をしっかり行う必要があります。
サンパチェンスの花
赤やオレンジといった色味の強い花を持っており、花壇などに植えると非常にカラフルな印象となります。夏の暑い時期でもしっかりと耐えて彩ってくれるのが良いポイントですね。開花期は梅雨時期である6月頃から秋である10月頃までです。管理次第では違う時期でも花を咲かせることが出来ます。
サンパチェンスの名前の由来
名前は改良して作ったサカタのタネ社により名付けられました。この由来は「サン=太陽」と「パチェンス=忍耐」を組み合わせているそうです。夏の暑い直射日光でも負けないように作られた強い品種ということですね。ただし、本当に厳しい夏の日差しを浴び続けると枯れてしまうことがありますので、その対策も後述して説明します。
サンパチェンスの種類
さくさく
玄関に咲いているサンパチェンス、さくさくパッションオレンジです! pic.twitter.com/R2fvSiW6ax
— オノクーン (@onocoon) July 21, 2018
主に三つのグループがあります。一つ目のグループが「さくさくシリーズ」です。こちらは白色やオレンジ色の花をつけるシリーズなのですが、特徴は剪定・切り戻しの手間が無いことです。他の2シリーズは剪定・切り戻しが必要なのですが、さくさくシリーズであれば手間をかけることなく育てることが出来ます。
グングン
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— kilala (@tottokokinkuma8) April 3, 2017
2つ目のシリーズが「グングンシリーズ」です。こちらは紫色や赤紫色などの花を咲かせるシリーズで、生育がとても早く、グングン育つのが特徴です。
さくさくシリーズとは違って剪定・切り戻しを必要としますが、大きく早く育って欲しい方にはおすすめの品種ですね。また、グングンシリーズは鉢植えよりも地植えがおすすめされています。
こんもり
3つ目のシリーズが「こんもりシリーズ」です。こちらは名前の通り、こんもりとしたボリューム感のある見た目になるのが特徴です。色はピンク色など可愛らしい色が多いですね。
鉢植えでも地植えでも育てることが出来、非常にボリューム感のある華やかな見栄えにすることが出来ます。愛らしい雰囲気を作りたい方はこんもりシリーズがおすすめです。
サンパチェンスの育て方①環境
日当たりの良い場所で育てる
基本的に太陽光を好みますので、日当たりの良い場所で育てます。しかし、午後からは日陰となる「明るい日陰」と言われる場所でも育てることが出来ます。
一日中日陰の場所だと花付きが悪くなってしまいますが、明るい日陰であれば、夏場の暑すぎる日でも問題無く育ってくれますのでおすすめです。直射日光に当たりすぎると弱ってしまうことがありますので、時間帯によって日陰が生まれる場所に植えましょう。
風通しの良い場所で育てる
育てる上で大切にしたいのが風通しです。他の観葉植物も同様ですが、過湿を好む植物はあまり多くありません。風通しが悪いと蒸れてしまって病気になったり、害虫がつきやすくなったりと、悪いことが沢山起きてしまいます。日当たりも良く、風通しもある場所に植えましょう。
大きな鉢で育てる
鉢植えにするか地植えにするかも悩ましいところですよね。地植えであれば問題ありませんが、鉢植えにする時は10号くらいの大きな鉢を用意しましょう。
はじめは小さな鉢でも問題なく育つのですが、すぐに大きく育っていきますので植え替えを頻繫に行うことになってしまいます。最終的には10号鉢くらいまで必要となりますので用意しておきましょう。
サンパチェンスの育て方②用土
鉢植えの場合の用土
鉢植えの場合は、用土を購入するか、ご自分で混ぜて作るかのどちらかになります。サンパチェンス用の用土も販売されていますが、普通に販売されている「花と野菜の土」でも問題なく育ってくれます。
もしご自分で混ぜて作る場合は、赤玉土を5割、腐葉土を3割、完熟堆肥を2割の割合で混ぜるのがおすすめです。また、水やりをする度に少しずつ土が減ることがありますので、減ったら足すようにしましょう。
地植えの場合の用土
地植えの場合は元々土がありますので、腐葉土と堆肥を混ぜて少し良い状態を作るだけで大丈夫です。ただし、土がかなり固まっていると根を伸ばしずらいので、植え付ける前によく耕しておくと良いでしょう。耕しつつ、腐葉土や堆肥を混ぜて、水はけが良く育ちやすい環境を作ってあげます。
サンパチェンスの育て方③植え付け
鉢植えの場合の植え付け
植え付けの時期は4月中旬頃から7月がおすすめです。鉢植えの場合は底に川底石を入れ、用意した用土を入れて、穴を開けて植え付けして下さい。
最初は6号鉢くらいの大きさでも構いませんが、最終的に10号鉢くらいの大きさまで育ちますので、植え替えをしたくない方は最初から大きな鉢に植えましょう。大きく育ちますので、1つの鉢に1株だけ植えて下さい。
地植えの場合の植え付け
地植えをする場合は、先述したように畑を耕してから、穴を開けて植え付けをします。特に気を付けることはありませんが、大きく育ちますので、株同士の間隔だけはしっかり開けて植え付けしましょう。
大体60㎝ほど開けておくと風通しが悪くならず、枯れる危険性もあまりありません。地植えは場所の移動がしにくいので、植える場所にはご注意下さい。
根をほぐしてから植え付ける
植え付けをする苗をポットから出したら、穴に入れる前に少し根をほぐしてあげると、植え付けた後の根の張りが非常に良くなります。そのまま植えても育ってくれますが、より良くなりますので是非ほぐすようにしましょう。
また、お店で長く売れずに放っておかれた苗は根が傷んでいることがありますので、新しい苗を購入するようにして下さい。
サンパチェンスの育て方④水やり
サンパチェンスへの水やり
丈夫ですが枯れることがあり、その原因の一つに水やり不足があります。水やりをしすぎてももちろんいけないのですが、サンパチェンスは水を沢山必要とする品種ですので注意しましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをしましょう。夏になると乾燥しやすくなりますので、朝と夕方の涼しい時間帯に、1日2回水やりをしましょう。
地植えの場合はあまり水やりをしなくても良い
鉢植えと違って、地植えは雨や地下水により水分が補給されます。とはいえ、植え付けてしばらくはまだ上手く水分をとれませんので、2週間くらいは水やりをしてあげましょう。また、しばらく雨が降っていない期間などがあった場合も乾燥してしまいますので、そういった時は水やりが必要です。様子を見ながら水加減を調整してみて下さい。
サンパチェンスの育て方⑤肥料
春から秋の間は肥料を与える
非常に沢山の花をつける植物ですので、その分肥料を必要とします。開花期である春から秋の間は肥料を切らさないよう管理しましょう。しかし、夏場はあまりにも暑いと株が弱ってしまうことがあり、その際に肥料を与えてしまうと悪化することがあります。そういう時は肥料を一旦止めて、少し日陰に移して回復させてあげましょう。
緩効性肥料か液体肥料
手間をあまりかけたくない方は緩効性肥料・置き肥を1ヵ月に一回置いてあげることをおすすめします。液体肥料を使う場合は、大体10日に1回くらいの頻度で水がわりに与えます。どちらの方が良いということはありませんので、好みの肥料を与えましょう。コバエなどが寄ってこないよう、置き肥は化成肥料を使うのがおすすめです。
サンパチェンスの育て方⑥植え替え
サンパチェンスは植え替えが頻繫
とてもよく育つ品種ですので、鉢を徐々に大きくしていこうとした場合、頻繫に植え替えを行うことになります。手間がかかっても問題ない方は根詰まりしないよう徐々に鉢を大きくしていけば良いのですが、あまり植え替えの手間をかけたく無い方は最初から10号鉢に植えてしまっても構いません。その際は水切れなどに注意しましょう。
根詰まりのまま放っておくと枯れる
植え替えをせずに根詰まり状態で放っておくと枯れる危険性があります。根詰まりを起こすと土が水を保持出来ない為です。サンパチェンスは沢山の水を必要とする植物ですので、根詰まりは枯れる危険性が高い状態です。出来れば根が詰まる前に植え替えをして、水分補給がいつでもスムーズに行える状態を保ってあげましょう。
サンパチェンスの育て方⑦剪定・切り戻し・手入れ
7月中旬頃に剪定・切り戻しを行う
さくさくシリーズ以外の品種は、剪定・切り戻しをしましょう。剪定・切り戻しをしないと乱れた見た目となってしまいます。剪定・切り戻しは7月中旬頃に行い。3分の1から2分の1程度の大きさまで切ってしまいます。剪定を行うことでまた秋に花をつけますので、思い切って剪定して下さい。夏時期に剪定を行うことで風通しが良くなる効果もあります。
花がら摘みを行う
剪定・切り戻しと同じくらい重要なのが、花がらを摘むことです。咲き終わった花を摘むことで栄養が次の花に行き、体力が保たれ長い間花をつけてくれます。剪定・切り戻しをある程度で抑え、7月頃に花を一旦全て摘んでしまう方法も有効で、それを行った場合は約一ヶ月後に花が沢山咲いて見事な状態となります。
サンパチェンスの育て方⑧冬越し
冬の寒さに弱いサンパチェンス
サンパチェンスやインパチェンスは、本来は多年草の植物です。しかし、耐寒性が弱い為、冬越しが出来ず一年草扱いとなっているのです。屋外管理であれば秋に枯れることになりますが、室内管理であれば気温を保つことで冬越しが出来ます。冬越しをしたい方は鉢植えにして、室内に取り込んでしまいましょう。
室内で育てて気温調整をすれば冬越しが出来る
室内で冬越しをさせる場合、10度以上の気温を保ちましょう。これで枯れるのを防ぐことが出来ます。15度以上あれば花も咲きます。
冬越しをさせる為に秋時期に室内に取り込む際は、一度半分くらいまで剪定・切り戻しを行って風通しの良い状態にしましょう。この時に切り取った茎は後述する挿し木での増やし方に使うことが出来ます。室内に取り込んでからは水やりを少し控え目にして管理しましょう。
サンパチェンスの育て方⑨増やし方
挿し木での増やし方
サンパチェンスの増やし方は挿し木がおすすめです。挿し木で増やす時は、枝の先端から3節くらいのところで茎を切って、水に切り口を30分くらいつけてから用土に挿し木しましょう。
挿し木での増やし方は5月~10月の間であれば可能ですが、夏の直射日光を浴びると弱ってしまいますので、安定するまでは室内、もしくは明るい日陰で管理するのがおすすめです。
PVPで増やすことを禁止されている?
挿し木での増やし方をする際に覚えておきたいのが「PVP(植物品種保護)」です。このサンパチェンスはサカタのタネ社が作った品種であり、勝手に挿し木での増やし方をして販売をすると種苗法に違反してしまいます。
個人の判断で自宅で増やす分にはあまりお咎めはありませんが、一応サカタのタネ社は「個人で増やすことはご遠慮頂いています。」と説明されていますので、挿し木での増やし方をする際はご注意下さい。
サンパチェンスの育て方⑩病気
サンパチェンスは丈夫な植物ですが、病気で枯れることもあります。灰色かび病・ウイルス病などにかかることがあり、その原因は風通しが悪いことや、水やりをしすぎてしまったことなどにより起こります。農薬のかけすぎでも病気になることがありますので、何事もやりすぎず、適切な管理を心掛けましょう。
サンパチェンスの育て方⑪害虫
アブラムシやハダニ
サンパチェンスは害虫の被害も受けます。他の観葉植物でもよくつく「アブラムシ・ハダニ」がつくことも多いので、薬剤で予防・防除をしましょう。まだ発生していない、もしくは発生数が少ない場合は、霧吹きで葉に水をかける「葉水」でも予防が出来ますので、出来れば一日一回葉水をしてあげたいですね。
アリ
サンパチェンス・インパチェンスなどはアリが寄ってくるこでも知られています。このアリの目的は、蜜です。アリ除けの薬などがありますので、かなりたかっている様子であれば薬剤を使いましょう。
カイガラムシ
カイガラムシもよく発生する害虫です。風通しが悪い場合に発生することが多いのでご注意下さい。成虫にまで育ってしまうと薬剤が効きにくくなってしまいますので、成虫は物理的に退治させ、幼虫は薬剤で防除しましょう。カイガラムシを放っておくと病気になることもありますので、しっかりと対策をとりましょう。
サンパチェンスが枯れる原因
直射日光で枯れる場合が多々ある
サンパチェンスはとても丈夫だと思っていたのに枯れてしまったというケースがあります。この原因はいくつか考えられますが、まず気をつけたいのが直射日光です。
「夏に強い植物だから、外で放っておいても大丈夫!」と考える方が多い様子ですが、本当に厳しい暑さと日光を浴び続けるとやはり弱ってしまいます。午後は日陰になるような「明るい日陰」で育てた方が安全ですね。
水のやりすぎで枯れる場合も
サンパチェンスは非常に沢山の水を必要とする植物ですが、春や秋時期に水やりをしすぎて枯れることになったケースもよくあるようです。水をやりすぎると根が腐ってしまいますので、土の表面が乾いてから水やりをして下さい。もちろん、水切れになると枯れる危険性がありますので、水切れにも要注意です。
サンパチェンスに関するTwitter
大きく育つので注意
サンパチェンス
— まっきー@植物 (@plant_macky) May 24, 2018
4月〜10月ごろまで咲く
最初は花が1つだけ咲いて、株の直径も10cmくらいなのに、光と水と肥料をこれでもかと吸いに吸いまくって直径60cmくらいになる。温室で冬越しさせると1mを超える化け物のような花
初心者にはオススメできないかな
サカタのタネが本気になって売り出してる品種 pic.twitter.com/cViHH6Ucjo
こちらは、冬越しをさせてしっかりと育てると1m級の植物になることが書かれています。「化け物のような花」と書かれていますが、実際に1m程度まで育てるとそのような感想を抱く方も多いかもしれません。初心者にはオススメ出来ないと書かれていますが、育てやすい植物ではありますので、十分にスペースを確保した上で育ててみましょう。
斑入りサンパチェンス
斑入り限定サンパチェンスがキターッ!
— ハチミツだっこ (@burikinokoin) April 21, 2018
忘れとったw
しなしなだったので、ちゃっと水をやって
シャキーンや!
今年も挿し木で増やしたろ! pic.twitter.com/XPrSUgYN0C
こちらは斑入りのサンパチェンスを購入した喜びが書かれています。サンパチェンスには色々と種類がありますが、中でも人気なのが、画像のような斑入りのものです。人気がある植物ですが、挿し木での増やし方をして誰かに譲渡したり販売したりすることは法に触れる可能性がありますのでお気を付け下さい。
まとめ:サンパチェンスの育て方
今回の「サンパチェンスの育て方は?増やし方から冬越しまで長く育てるコツを解説!」はいかがでしたでしょうか?
特徴から育て方、剪定・切り戻しの方法、挿し木での増やし方や冬越しの方法などを解説させて頂きましたが、今すぐ育ててみたくなった方も多いかもしれません。基本的には丈夫な植物ですが、「水やり・風通し・直射日光の当てすぎ」にはご注意下さい。基本的な部分を抑えれば難しくありませんので、是非育ててみて下さいね。
サンパチェンスが気になる方はこちらもチェック!
今回はサンパチェンスの育て方について解説させて頂きましたが、他にもガーデニングに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。

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